アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

小2国語教科書のとんでもない間違い

2013年05月13日 | Weblog
 いやーっ!びっくりしましたよ!また、びっくりしたのかって?ま、びっくりすることが多いのですがね。
 小学2年生国語の教科書に、「因幡の白ウサギ」が載っています。教科書に、神話が取り上げられることになったのは…神話は古事記や日本書紀などにある古代日本の物語で、その時代の人々の生活や考え方を伝える貴重な遺産。ところが、戦後の学校教育では軽視されてきた。自国の伝統文化に親しみ、誇りを持てる教育を実践する…と、まあこんなわけで「因幡の白ウサギ」が登場してきたのですがね。

 ストーリーについては、説明するまでもないのですが…大事な部分だけでも。

 白ウサギの語り・・・「私は、隠岐の島に住んでいたのですが、一度この国に渡ってみたいと思って泳がないで渡る方法を考えていました。するとそこにワニ(サメ)がきたので、私は彼らを利用しようと考えました。
 私は、ワニに自分の仲間とどっちが多いか比べっこしようと話をもちかけました。ワニたちは私の言うとおりに背中を並べはじめて、私は数を数えるふりをしながら、向こうの岸まで渡っていきました。しかし、もう少しというところで私はうまく騙せたことが嬉しくなって、つい、騙したことを言ってしまいワニを怒らせてしまいました。その仕返しに私はワニに皮を剥がれてしまったのです・・・」

 どうですか!びっくりでしょう!「ワニ」と書いていますが、わざわざ括弧内に「サメ」と書いてある。サメをワニと呼ぶ国は世界中さがしてもどこにもない。もちろん日本にもない。あるのは、日本の小2の国語の教科書にだけ。挿絵には、「並んだサメの背」をピョンピョンと跳ぶ白ウサギが!どうなってんだ一体?教科書検定が通った?どんな知識の人が検定を通したんだろう?

 あ、あのね!「因幡の白兎」に出て来るのは、「ワニ」ですから!「サメ」ではありません。
 えっ?因幡(鳥取県)にワニがいるのかって?ではおうかがいしますが、鳥取県に、隠岐の島から本土まで並ぶほどのサメがいるのですか?

 私が「因幡の白ウサギ」に出てくるのは、サメではなくワニだとする根拠は、本居宣長です。「古事記伝」で、はっきりと、「ワニ」だと書いている。因幡の白兎は、明らかに南方から伝播した説話が大国主命の話に入ったものです。インドネシアには「鼠鹿(ねずみじか:原始的な鹿のなかま)と鰐(ワニ)」の話があり、「因幡の白兎」のお話しと全く同じです。

神話等についての正しい指導が行われ、郷土や自然を尊び、世界の人々との心の繋がりができるような教育を目指した教科書…ワニとサメを取り違えて、「正しい指導」はないでしょう。