アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

埋蔵金でアイスランド支援…

2008年11月20日 | Weblog
  漁業と捕鯨の同盟国アイスランド

 スーパーの魚売り場。魚のパックに、産地が書かれている。あるスーパーの魚の産地表示、「太平洋産」には、笑った。確かに太平洋産なのでしょうが、「三陸沖」「伊豆半島沖」「南知多産」など、もっと書きようがあっただろうに・・・地球は丸いから、沖へ出てしまうと太平洋産としか言いようがないか。今のところ、産地は、「海」という表示にはお目にかかっていない。
 数年前から、産地表示に、「アイスランド産」が目につくようになった。日本も魚を輸入する国になった。いいのか悪いのか?か!久しぶりに、「赤魚 アイスランド産」を煮付けにしていただいた。身が締まっていて美味しかった。

 アイスランドは、ヨーロッパで、グレートブリテン島につぐ大きな島。北海道より少し大きい。人口は31万人。ヨーロッパ最大の氷河があり、火山活動も世界有数。その「氷と火」の景観は地球上でもっとも月の表面に近いといわれている。そのため、アポロ計画の宇宙飛行士達は(月を想定して)アイスランドで訓練を行っている。 
 旅行する楽しみとしては、夏は白夜(コレは楽しいかどうか…)、冬はオーロラ(これは、楽しい)。バードウォッチングも出来るそうですが、カラスとハクチョウの区別なら得意ですが…小鳥は皆同じに見えるので興味なし。ホエールウォッチングにも絶好…何度か見ているんですが、鯨を見てもあまり感動がない。温泉があちこちにあり、石油資源を使わなくてもいいので、空気がきれい。首都のレイキャヴィックは、「もっとも空気がきれいな都市」といわれています。

 そのアイスランドが、国家存亡の危機に直面しているという。
 魚を獲って、地道にやっているとばかり思っていたのに、 ここ数年、金融立国を目指していたのだという。ところが、例のやつ、米国発の金融危機が飛び火して燃えさかっているのだと。
 国内総生産(GDP)は、ルクセンブルグ、ノルウェーに次いで、世界第三位と聞いていたので、アイスランドやるじゃないかと思っていた。ちなみに、日本は20位前後(OECDの一人当たり国内総生産、いわゆる名目GDP。このたびの発表では、また下がったのだそうで…)。
 アイスランドは、銀行部門がGDPの数倍にのぼる巨額の負債を抱えてしまっている。それなら、国の財政が破たんするはず。非常事態宣言を出し、国際的な支援を仰いでいる・・・。

 国際的な支援を仰ぐのはいいにしても、私が心配するのは、ロシアから55億ドルを融資してもらおうとしているところ。
 アイスランドは、NATOには加盟しているが、自国の軍備を持たない。米国との間に防衛協定を締結(1951年)し、米軍の国内駐留(ケフラヴィーク空軍基地)を認めていた。2006年に、アイスランドからアメリカ軍が撤退した。
 つまり、空軍基地が空いている。ロシアは、「55億ドル融資してやるから、ロシア軍に、その基地を使わせろ」と、なりませんか?アイスランドとしては、背に腹は代えられないでしょう。「おやすい御用です。ハイどうぞお使い下さい」…なりかねませんよコレ!これが、平和主義者の私が危惧するところ。
 実際、ハーデ首相は「友好国(アメリカ)から支援は受けられない。こんな時には新しい友人(ロシア)を探すしかない」と述べてます。その後、まずいと思ったのか、「軍事協力に結びつくことは一切ないと」と、補足していましたが。ロシアが、担保なしで55億ドル出しますか?

 アイスランド、弱り目に祟り目。鉱物資源がない。森林も、伐採のしすぎで、森林面積が、0.3%。そういえば、アイスランドの紀行番組で、流木で家を建てているのを見ました。土もなかった…。頼みの、漁獲資源は、温暖化の影響で減る一方。そのため市場に出回る魚の価格が上昇、国民が魚を食べられない。国民が凍え、国家が火の車、自然のみならず文化も「氷と火の国」になっています。

 人口、たかだか31万人の国です。魚を食べる国は、いわば姉妹国です。捕鯨国という点でも仲間です。温泉も大好きというのだから、これはもう北極海に浮かぶ日本みたいなものです。日本の埋蔵金を融資してあげてもいいです。担保はどうするんだって?ケフラヴィークを自衛隊に使わせろなんて言いません。2年後、北半球が寒冷化し、アイスランドに魚が戻ってきたらたくさん日本へ輸出していただければよいです。

ユーモアとペーソス やせ蛙一茶

2008年11月19日 | Weblog
 ユーモアとペーソス 小林一茶

 俳句に興味がない人でも、一茶の句なら聞き覚えがあると思います。
やせ蛙負けるな一茶これにあり
めでたさも中くらいなりおらが春
やれ打つな蠅が手を摺り足をする
淋しさに飯をくふなり秋の風
是がまあつひの栖(すみか)か雪五尺
這へ笑へ二つになるぞけさからは
故郷は蠅まで人を刺しにけり
雀の子そこのけそこのけ御馬が通る
我と来て遊べや親のない雀
悠然として山を見る蛙(かわず)かな
屁ひり虫人になすつた面つきぞ   

 「小林一茶」これらの句のように、「ユーモア」と「ペーソス」の俳人・・・。ユーモア(humour)は、上品な洒落、諧謔。人間には欠かせないものです。humour(ユーモア)=human(人)です。ペーソス(pathos)は、哀感、哀愁、悲哀。
 ユーモアとペーソス?…正反対じゃないか。どこがペーソスか?
 …「めでたさが中ぐらい」「蝿が、叩かないでと哀願」「淋しさに」「蝿が人を刺す」…

 なぜ、一茶の句には、ペーソスが入るのか。
 それは、「事実は小説よりも奇なり」を、几帳面に現実化したような人生からきているものと考えます。

 誕生は、1763年(宝暦13年)。(現在の)長野県柏原村。家は農家。本名は小林弥太郎
 3歳 実母を失う。
 8歳 父が再婚。異母弟誕生。継母にいじめられる。
15歳 江戸へ奉公に出る。働きながら俳諧の勉強。
25歳 「二六庵小林竹阿」に師事(詐称説もあるが、一茶本人がそう記している)。俳人としての評価高まる。「帰郷日記」を著述。これは、俳諧俳文集ではなく、今でいうところのブログですね。
30~36歳 俳諧の修行のため近畿・四国・九州を歴遊する。
39歳 父親死去 継母との遺産争い
50歳 遺産争い決着 結婚(一人目の妻)三男一女が生まれるも皆死去
57歳 俳諧俳文集「おらが春」を発表。
60歳 妻(一人目)死去
 その後、再婚(二人目の妻)。しかし、半年で離婚。またまた結婚(三人目の妻)。そうこうしているうち、火事で家を失い土蔵暮らし。
 1827年11月19日 土蔵で死す。享年65歳。一茶死後、女の子が生まれた。この子が、一茶の血脈を後世に伝えた。

 こういう人生。3歳で実母を失ってから、江戸へ奉公に出されるまでの10数年。これが、一茶の俳諧の原風景だったと思います。
 毎日毎日、しゃがみ込んで小動物を見ていたでしょう。それしかすることがなかった。継母が来てからは、外で、小動物を見ているときがもっとも「幸福な時」だったことでしょう。句に、蟻、蛙、蓑虫、蚊、蝉、蜻蛉、こほろぎ、松虫、鈴虫、いなご、ばつた…出てくる出てくる。一茶が、生涯読んだ句は、約二万首。中でも、動物が出てくる割合は多いです。「なん%か?」と問われても…いくら「毎日休日」の私でも数える気にならない。

 幼児期の経験が、小さなものへの愛情やこまやかな観察眼を培ったといえるでしょう。
 <観察眼で白眉な句は…>
 やれ打つな蠅が手を摺り足をする
 →「ハエタタキで叩かないでよ」と、拝んでいるハエ。足まで摺って拝んでいる。一茶の代表句です!私が決めたんですけど。ハエは、手で顔を拭くし、首の運動までします。

 継母にいじめられた経験から、苦しさに耐える力を養った。そのことは、自虐的表現となって表れています。
 <どんな風に自虐的か…>
 是がまあつひの栖(すみか)か雪五尺
 →自分の死に場にたどり着いたと思ったら、死ぬまで楽はさせてもらえない。雪が5尺も積もるんだから。
 故郷は蠅まで人を刺しにけり
 →故郷って、暖かいはず。しかし、人は皆自分に冷たい。被害妄想がふくらんで、ハエが留まっただけでも刺されたと感じてしまうんだよなあ。

 50歳を過ぎてから、土と生きる農民的な視点と平易、素朴な句が目立ち始めます。続けざまの子どもの死に直面しますが、土地に根を張った安堵感のなせる業でしょう。
 <平易で素朴な句は…>
 雀の子そこのけそこのけ御馬が通る
 →解説不用ですね。そのまんまです。ほほえましい風景です。

 一茶が素晴らしいのは、芭蕉と全く同じなのですが、「惨め、悔しい、情けない自分を、冷静に第三者の目で見ている」このことです。俳諧(俳句)とは、これだと思っています。大サービスで、切れ字を3つ使っても、季語を3つも入れてもダメ。
 
 一茶の句、団塊ジュニア世代には受け入れられないと思います。アリを尾行しているうちに、学校を1時間遅刻したり、夕日が沈みきるまで見ていると、「御飯だよ~!」と呼ばれ焼き魚の臭いがする玄関を入る…そんな暮らしを知らないでしょうから。
 今日、11月19日は、一茶忌です。

「日本=侵略者」恩赦は?時効は?

2008年11月18日 | Weblog
 「日本=侵略国家」しかし、「侵略国家=日本」ではない

 60年以上も生きているのに、いまだに初めて聞く「名字」があります。
五文字姓の、勘解由小路さんや左衛門三郎さんは確かに驚くが、有名になり過ぎなので、新鮮さに欠ける。その点、「田母神」という三文字姓は衝撃的でした。名字に神が付く友人知人は、「神(じん)」「大神」「明神」「薬師神」「神々(みわ)」など。薬師神さん御夫妻は、薬剤師。出来すぎだって?本当です。おまけに夫婦とも薬学博士。
 それにしても、田母神さん。米作農家には、あがめ奉られる名字。この、田母神の乱、すぐに治まるかと思ったら、どうしてどうして、まだまだ尾を引きそう。
 田母神俊雄、前航空幕僚長、四面楚歌というか、日本中を敵に回した状態。「マイノリティの擁護」を、得意技としている私も、かばいきれない。しかし、かばいきれないのは、「現役の自衛隊最高幹部の論文」と、いうところだけ。「一私人としての論文」なら、おもしろい論文です。引用が多かったり、間違いがあったり(年代等)、文末表現に論文としての不適切さがあったり、自分の考えというものが少なかったり…ですけど…。

 田母神さんの論文の要旨に、還暦パパが意見をつけました…
 【侵略国家】
 田母神→日本は朝鮮半島や中国大陸に軍を進めたが、相手国の了承を得ないで一方的に軍を進めたことはない。
 還暦パパ→了承を得た?それは、勝手な解釈。「ハイ、了解しました。どうぞ攻めてください」という国がどこにありますか!

 田母神→我が国は蒋介石により、日中戦争に引きずり込まれた被害者だ。
 還暦パパ→蒋介石は、日本で軍事教育(高田の砲兵学校)を受けたり、亡命してきたり日本との関係が深かった。にもかかわらず、恩を仇で返しました。自分が、中国本土に復帰するためには、何でもする。自分に逆らう奴は殺す。何人処刑しましたか!今でも、台湾で日本語を話す人たち(70歳以上の方は、きれいな日本語を話されます)は、「日本が統治していた時代は良かった」と言います。蒋介石が悪逆非道であることは確か。ただ、日本が、「被害者」というのは、当たっていない。引きずり込まれなければ良かっただけの話。

 田母神→日本が侵略国家だというなら、当時の列強で侵略国家でなかったのはどこかと問いたい。日本だけが侵略国家といわれる筋合いはない。
 還暦パパ→全くその通り。日本は侵略国家です。しかし、侵略国家は日本だけではありません。欧米の老舗国は、こぞって侵略国家です。

 【日米戦争】
 田母神→日本を戦争に引きずり込むために、アメリカによって慎重に仕掛けられたワナであったことが判明している。
 還暦パパ→実に巧妙に、「軍部の思考へ働きかけた作戦」で宣戦布告させたことは紛れもない事実。言いようによってはワナ。日本のことわざに、「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」というのがあるのに、負けると解っている戦争へ突入してしまった。まんまと、ワナにはまったということです。だから、アメリカが一枚も二枚もうわてだったということで、悪いということにはならない。戦争に踏み切ったのは、決して武士道ではないですから。

 田母神→大東亜戦争(太平洋戦争)後、多くのアジア・アフリカ諸国が白人国家の支配から解放された。日本が戦わなければ、人種平等の世界が来るのがあと100年、200年遅れていたかもしれない。
 還暦パパ→論文に、「かも」はないでしょう。論文の書き方から勉強しろという意見も出されています。「かも」付ではありますが、この論は、戦争後の「結果として」正しいです。日本の歴史学者も認めています。突飛な論ではないのです。
 戦後60数年。熱さが喉もとを過ぎ、周囲の状況を見ることが出来るようになった今、日本は「自衛の為」「アジア独立の為」に、欧米と戦争をしたとの論が出ている。「あとずけの論」ですが。

 【自衛隊】
 田母神→東京裁判は戦争の責任をすべて日本に押し付けようとしたものだ。   還暦パパ→東京裁判…「京都議定書とは違いますよね?」という、迷リアクションもあったようで、若年層は「何それ?」状態の人が多いかも。極東国際軍事裁判のことです。「戦争責任は全て日本にある」当然ですよ、裁く側はすべて戦勝国だったのだから。
 この裁判、11人の判事の中でただ一人、インド代表のパール判事だけが、被告人全員の無罪を主張しました。「この裁判は、最初から日本を侵略国と決め付けている。かつて欧米諸国がアジア諸国に対して行った行為こそ、まさに侵略そのものである。欧米諸国は日本が侵略戦争を行ったということを歴史にとどめることによって、自らのアジア侵略の正当性を誇示する事が目的であったにちがいない」こういう見解をもっていたのです。
 この何とも奇妙なつるし上げ裁判、「戦争は、平和に対する罪」という概念の出発点となったところについては、評価できます。

 田母神→戦争の責任は全て日本にあるというマインドコントロールは、戦後63年を経ても日本人を惑わせている。自衛隊は領域の警備もできない、集団的自衛権も行使できない。がんじがらめで身動きできない。このマインドコントロールから解放されない限り、国を自らの力で守る体制が完成しない。
 還暦パパ→マインドコントロールという表現は、オウム真理教を連想させるのでなじまないです。ただ、その中身があまりに大きすぎる。そのため、「どうしようもなくてもがいているのがボクなんだ」との心情はよく伝わってきます。

 【アジア諸国との関係】
 田母神→多くのアジア諸国が大東亜戦争を肯定的に評価していることを認識する必要がある。 
 還暦パパ→これは、多くのアジア諸国かどうかは解りませんが、パール判事の見解と同様の考えを持つアジアの首脳がいることは確かです。バ・モウ(ビルマ元首相、ビルマですよ)、ククリックド・プラモード(タイ元首相)、ラグ・クリシュナン(インド、元大統領)、ガザリー・シャフェー(マレーシア、元外相)らは・・・日本のおかげでアジアの諸国はすべて独立した。今日、東南アジアの諸国民が米英と対等に話ができるのは、日本のおかげ。「身を殺して仁をなした日本。私たちの母なる日本・・・」こんな感じですね。田母神さんが意を強くした背景がこれでしょうね。
 アジア人のみならず、アーノルド・トインビー(イギリス、歴史学者)、ジョイス・C
・レブラ(アメリカ、コロラド大学教授)、ハミルトン・フィッシュ(アメリカ、政治家)H・G・ウェルズ(イギリス、歴史学者)も、日本の戦争は、「東南アジア全域の独立運動に決定的な意味を持っていた」との考えを発表しています。
 気になるのは、誰が名づけたか、「アジア反日三兄弟」です。韓国・中国・北朝鮮。「日本は侵略戦争をした」「日本に侵略され多大な被害を受けた」と、反日の強硬な姿勢。反日教育も行っている。その教科書の中身、「日本人でゴメンナサイ」と、謝ってしまいますよ。と、いうか、ジェノサイド…日本人は全員死んでお詫びしないと許してもらえないんじゃないかなあ。反面…若者は、日本製の音楽機器(iPod、MDウォークマンなど)で音楽を聴いているんだから。敵が作った製品の享受は受けたくないんじゃないかと思うのですが。日本人の、「ゴメンナサイの意識」もっと薄くてもいいのかなあ。

 田母神→日本軍に直接接していた人の多くは高い評価を与え、直接見ていない人が残虐行為を吹聴している場合が多い。侵略国家だったというのは正に濡れ衣だ。
 還暦パパ→濡れ衣とは、冤罪ということ。本当のことなのだから、濡れ衣ではないです。ただし、先に述べたように、侵略国家は日本だけではありません。
 アジア反日三兄弟の御意向から、「日本=悪者」なのですが、田母神説としては、「もういい加減、その等式消していいんじゃないの」との意図がくみ取れます。
 そんなことを言おうものなら、日本のマスメディアも、教職員組合も、有識者といわれている人たち(学者、評論家)も、「ギヤー!日本は侵略者だぞ!戦争を風化させてはならない」と、大騒ぎでしょうねえ。永遠に、「日本=悪者」でなければ気が済まないのでしょう。せめて、私が生きているうちに、「戦争は肯定しませんが、日本=悪者については表示を外します」となりませんかねえ。戦争を知らない子供達の還暦パパまでもが、いつまでも「戦争した悪者国家の国民という十字架」を背負わされているのって嫌なんですけど…。
 オランダでは国論に近いものとして、「日本は、さげすむのを止めて、堂々と胸を張って、その誇りを取り戻すべき」となってきているのですがねえ。オランダ、いいですよ。特にアムステルダムの市長さん。

 田母神問題、評論だけでも本気で書いたら、原稿用紙10枚ではとうてい書ききれません。こんなことなら、私も懸賞論文に応募すればよかった。あ~、300万円損した(人は、「どうせダメダ」と思っても、深層のどこかで、期待しているものなのです)。もっとも、アパグループからも田母神さんからも応募の誘いがなかったもので。

塀の中の安全か、「ゆい」の安心か

2008年11月16日 | Weblog
  塀の中の安全・安心か、「ゆい」の安全・安心か

 年末年始は沖縄を調査します。定年退職したら、夏は涼しいところで、冬は暖かいところで過ごす…まあ夢ですけど。夏過ごす北国は、確保済み。冬は…バンコクはリサーチ済み。国内で暖かい所もノミネートしておかなければ…そこで、沖縄。
 沖縄の下調べで、「ゆいレール」なるものが…「ゆいレール」は、那覇空港駅と首里駅を結ぶ沖縄都市モノレール線の愛称。

 モノレールであることは解ったが、「ゆい(結い)」とは何ぞや?
 …早い話が、近所づきあい。少し難しく言うと、「労力、資材、資金を提供しあう互助活動」ということ。これは、沖縄に限らず、北は北海道まで、通じる言葉。忘れられている地方も…。
 協力し合う相互扶助の精神、かつては日本では一般に見られました。地域のつながりが薄れていくにつれ、無くなりつつあります。現在、「ゆい」が元気なのは、伝統を重んじる地域や国、発展途上国などですね。沖縄では、この「ゆい」を薄れさせてはならないと、モノレールの愛称にした。

 「ゲーテッド・コミュニティ」・・・無差別に殺される事件、20世紀にはなかった事故…自分と家族を守るには、外部から不審者を入れない、内部の監視体制も整った城郭都市に住むのがいいということ。要塞都市といっても良いでしょう。
 「ゲーテッド・コミュニティ」と、聞いたとき、「ゲットー」を連想しました。中学生の時、「アンネの日記」を読み、ショックを受けました。アンネの家(フランクフルト)へは、二度行きました。隠し戸、隠し部屋も見てきました。恐怖、暗い…そんな雰囲気ではなく、今にも隠し戸が開いてアンネが出てきそう。そんな、明るいといえば不適切発言ですが、カジュアルな雰囲気でした。「シンドラーのリスト」も、ゲットーが舞台。

 アメリカにも、「ゲットー」があります。ユダヤ人の居住区ではなく、貧困層に属するアフリカ系アメリカ人やプエルトリコ人、ラテン系、アジア系の人々の居住区のこと。チャイナタウン、リトルトウキョウもゲットーの分類に入るでしょうか。移民系密集居住地区を「ゲットー」と呼んでいるようです。

 この「ゲーテッド・コミュニティ」が日本でも増え始めているのだそうです。現在、約800世帯が「ゲートの中」で暮らしている。来年中には、2,000世帯を超える見込みという。
 日本の「ゲーテッド・コミュニティー」は、どのようなもの…
 広大な敷地(一例として、甲子園球場のグラウンドの1.5倍)。外周は高さ約2メートルのフェンスと赤外線センサー、監視カメラ数十台に守られ、正面ゲートの脇では数人の警備員が24時間態勢で目を光らせている。1区画400~1千平方メートルの土地は1億~3億円(朝日新聞)。
 マンションで、「ゲーテッド・コミュニティー」を謳っているものもある。赤外線センサー、監視カメラ、警備員の点で同じ。
 「コミュニティ」というから、役所の出張所、郵便局、銀行、学校、スーパーなどが揃い、その中だけで暮らしていく体裁になっているのかと思ったら、違いました。まだ、そこまではいっていない。セキュリティを「厳重にした」に、すぎないようです。

 それにしてもやはり、ゲットーに似てます。強制的に入れられたのと、望んで大金を出して入ったのとの違いはありますが、「狭いところに入っている」ことについては同じ。警備も、ナチスか警備会社かの違いで、「監視されている」ということについては同じ。違いは、ゲットーの場合、警備(監視)員の気まぐれで、次の瞬間死体になって転がっていることがあるが、ゲーテッド・コミュニティーは、その点の心配はない。…あ、そうとも言えない。警察官でも、自衛官でも悪いことをする人がいるのですから、警備員にも悪いことをする人がいる。閉塞された中で悪いことをされたら、外の世界より悲惨なことになりますね。

 動機などありゃしない、イライラしていた、カッとなったからやったという犯罪の続出。この不安な社会に、頑丈な塀を作り、「都市内都市」に立てこもる。自分たちが出来ることをして、自分たちの身を守る。結果として、人と接触することを拒否する社会を作っている。

 ゲーテッド・コミュニティに住むのは、個人の自由です・・・言えることは、そこは、「ゆい」の対極にあるものになっているってこと。
 「ゲート内での交流?ありません。自治会?あるかないかも知らない」これでは、「ゆい」もヘッタクレもあったもんじゃない。「子どもだけではゲートの外に出ない約束」子どもだって遊びに出たいし、ゲートの外の子だって遊びに来たい・・・。
 子どもたちは「ゆい」のないところで育つことになる。人との係わりで成長するのですが、このゲーテッド・コミュニティーでは、「子どもが痛い思いをしない」ですむ。というか、そういう機会をおこさせないためのもの。井戸敏三兵庫県知事が「関東大震災が起これば首都圏は相当ダメージを受ける。これはチャンス」の、発言の真意と似ています。「子どもが痛い思いをする」のは、子育てのチャンスなのです。その、チャンスが起こらないようにしているんだから…どうなりますか?あちこち脆弱な人にしかなりませんよ。
 ある日、塀から出なければならない日が来ます。必ず来ます。そうでなければ生涯引きこもりです。外の社会に、円滑に適応できますか?そこで不適応を起こしたら、親たちは、「社会が悪い」と、言うのでしょうか。

 泥棒に入られることがない。宗教の勧誘もない。そういう意味で安心・安全。寝るときも安心か…そうでもないです。家族内の殺人がありますから。
 ゲートの中に住む。さらに家族で厳重にロックした家に住む。さらに厳重にロックした、個々の部屋に立てこもる。これなら、安心、大丈夫。まるで、ロシアの人形だね。
 
 「ゆい」をなくした、コミュニティーは、危険です。監視カメラやセキュリティ・センサーの中での安全・安心より、相互扶助の中での安全・安心にしなければ。人が社会を作るのです。


国民に生か死かの冬 写真偽造の場合じゃないのに

2008年11月15日 | Weblog
  下手な合成写真…騙してどーする?

 映画、「影武者」で知られているが、武田信玄は、「われ死すとも、三年は喪を秘し、領国の備えを固め、ゆめゆめ動くな」との遺言を残し世を去った。信廉、勝頼らが、影武者を立ててほぼ三年間、信玄の死を隠し通した。徳川家康についても、関ヶ原で死んでいて、その後の家康は影武者という説もある。

 秦の始皇帝についても…巡行中に亡くなったが、随行のものたちが、後継者の問題もあったので混乱を避けようと考えた。結果、皇帝が生きているかのように振る舞って旅を続けた。と、司馬遷の『史記』にある。

 北朝鮮の金正日総書記の健康悪化が、たびたび伝えられています。おそらく多数の日本人は、もう何年も前から、金正日総書記について、「あの腹だもの、長いことはない」と思っていたでしょう。糖尿病、高血圧、腎不全、脳梗塞、心筋梗塞、脳卒中…もう何でもあり!健康悪化情報は、元気そうな写真を見せると打ち消すとが出来るとでも考えているかのように、撮影日不明の金正日総書記の写真が配信されています。
 「サッカーの試合を観戦した」とか「人民軍部隊を視察した」…。公開された写真の真偽について、韓国政府が分析した。韓国政府は、もちろん写真を疑っているのです。しかし、現在のところは、「写真は、事実の可能性がある」との見解。政府見解なので、その程度の言い方。韓国マスコミは、若干断定的に「合成写真」の疑いを指摘している。

 イギリスのタイムズ紙は、北朝鮮メディアが最近配信した金正日総書記の写真について、「合成写真の可能性がきわめて高い」と報じました。そうこなくてはおもしろくない。いいぞ!タイムズ!
 その写真を、天眼鏡を引っ張り出してよーく見てみた。タイムズ紙の指摘どおり、「やったな北朝鮮!合成写真に間違いなし!」と、私は断定。
 北朝鮮メディアは、外国政府、マスコミが不審に思うぐらい立て続けに写真を配信してきている。そのことが不自然。と、いうことは…重大な何かが起こった!何も起こっていないのであれば、合成写真まで作って配信する必要などないのです。何もしなくても何ら問題ないわけですから。
 武田信玄は、「・・・・・ゆめゆめ動くな」と遺言し、家臣もそれを守った。北朝鮮は…ゆめゆめ動いてしまっています。

 タイムズ紙が合成の疑いをもった写真は…
1 総書記の影と、並んでいるほかの軍人たちの影の角度が違う
2 総書記の背景と、並んでいるほかの軍人たちの背景が違う(足の部分)
 こういうのって、心苦しいですよ。なぜかって?稚拙な合成写真を作った技術者…どうなりますか?消されてしまうと思います。「還暦パパにも見抜かれるほど粗末な合成写真を配信してしまったぞ。背信行為(配信とかけてみたんですが…おじいさんギャグ?)だ。処刑!」。

 金総書記重病説が、世界を駆け巡っていますが、北朝鮮国内では、一握りの人しか、そんな話になっているとは知らないでしょう。金総書記の生死に関係なく、国民にとって、生か死かの冬が来ます。燃料がないのは、何枚も服を着れば何とかなります。しかし、食糧がなければ…。

ファンになるか、アルゼンチン人をやめるか

2008年11月14日 | Weblog
  監督は「神の手」を使えない

 マラドーナがアルゼンチンのサッカー代表監督になった!まさかと思いました。アルゼンチンって、前科多数の犯罪者をサッカーの代表監督にする…そんな国だったのか?アルゼンチンのサッカー…大丈夫かなあ…。

 「神の手」と言えば、大山倍達。知らない?知らなくても、何の問題もないです。極真空手の創始者。ビールビンを空手チョップで、切った人です。「神の手」と、いわれている所以です。信用しない?本当なのです。「空手バカ一代(大山倍達著)」で、読みました。漫画にもなりました。間違いありません。
 今は亡き、大山倍達に叱られるかもしれませんが、もう一人、「神の手」がおります。それが、この度、アルゼンチンのサッカー代表監督になったマラドーナです。いつの間にか、48歳になっていました。
  
 ディエゴ・マラドーナ。アルゼンチン代表としてワールドカップに4度出場、優勝した1986年メキシコ大会では、5得点5アシスト。リンカーンのパクリで、「マラドーナの、マラドーナによる、マラドーナのための大会」とまで言われました。
 このときの、準々決勝、対イングランド戦で、ハンドでゴーーール!ビデオが繰り返し放映されましたが、明らかにハンド。審判が見落し、ゴールを認めた。そのため、「神の手」と、称されるようになった。実力、実績とも、国を代表するスター選手であったことは確か。
 マラドーナの好物は、コカイン。捕まったのは一度や二度ではない。常習者です。当然、お友達はマフィア。報道陣に対し、銃を発砲したこともありました(銃は、空気銃だったとの情報もあるが、空気銃だとしても撃たれちゃかなわん)。正常な人ではないです。1994年のワールドカップでは、ドーピング違反でアルゼンチン代表チームから外された。現役引退後もコカインを断てず、依存症になっていた。

 これほどの悪い野郎が、どうしてアルゼンチンの代表監督に?人材がいないというより、アルゼンチンサッカー首脳は、「サプライズ人事で、苦境乗り越え」を図ろうとしたと考えられます。
 二年後にワールドカップ(南アフリカ大会)があります。目下、南米地区予選の最中ですが、最強のはずのアルゼンチンは・・・現在、4勝2敗4分けの3位。このままでは、ワールドカップに出られない。何とかしなければ・・・と悩み考え、「マラドーナを代表監督に!」もうどうなってもいいや!
 マラドーナは、「名誉なことであり、夢を実現できた。全力を尽くす」と、やる気満々。

 それは違うと言われるでしょうが、サッカーのゲームは、頼まれ代表監督なんてたいして関係ないのです。と、いうより、な~んも関係ないです。このことは、数々の名言を吐いたオシム元日本代表監督も言ってました。「優勝したいのなら、別の監督を頼め」と。全くその通りです。監督は、ハンドの反則でゴールすることも出来ませんし…。

 マラドーナは、もちろん監督経験ゼロ。アルゼンチンの新聞社の調査では、国民の74%がマラドーナの代表監督就任に反対。
 そこでマラドーナが、オシムさんに負けじと名言を吐きました。
「私のファンになるか、さもなくばアルゼンチン人をやめるべきだ」
 これって、名言です。チンピラのマラドーナが、このような言葉を…少しだけ見直しました。
 麻薬中毒については、「娘たちのおかげで回復した」。当然ツッコミ入れますよね!「ホントカ!」と…。

 マラドーナ流、選手鼓舞のセリフ…
1 勝てばコカインパーティーを開催するよってにな!
2 負けよったら、マフィアが消しに来るよってにな!
 か、関西弁か?
 11月19日、スコットランド代表との親善試合が、マラドーナの初采配となります。マラドーナは、「神の手」から、「神」への階段を上り始めます。もっとも、神にもいろいろあります。疫病神とか・・・。

黒人のケネディ大統領

2008年11月13日 | Weblog
  黒人のケネディ大統領

 初の黒人大統領…オバマさんを見たとき、「この人、黒人なのか?」と思いました。そんなに黒くない。「黒人」は、白人から見た言い分なのだろうが、どこまでが黒人なのか?「現在白人と変わりなくても、先祖に一人でも黒人がいれば、黒人に分類される」と、聞いたことがあるが…今でもそうなのでしょう。白人が最も偉いという考え方。奴隷解放宣言から150年近く経った今も、根強く残っています。いわゆる、「白人至上主義」。その名も恐ろしい、KKK(クー・クラックス・クラン)をはじめ、アメリカン・ナチス党 、ナショナルアライアンス(国民同盟)、ホワイト・アーリア・レジスタンス、ミリシア(民兵団)などの組織が現存。有色人種は下等な生き物の意識でしょうから、日本人でも、もちろん危ない。何をされるか分からない。KKKと聞いたら、すぐに逃げるのが一番です。もっとも、KKKは誰が構成員なのか外からは分かりませんが。
 一般のアメリカ社会における日本人の扱いはというと、有色人種の分類ですが、「名誉白人」的な扱いを受けることもあります。いいのか悪いのか、2050年までにアメリカでは、白人がメジャーで有色人種がマイノリティーという構図が逆転するという。つまり、白人が人口比率で5割を切る。

 さて、オバマさん。自伝「オーダシティ・オブ・ホープ」には、人種差別でいじめられたと書かれている。ジュニアハイスクールのころ、「クーン」と呼ばれて、相手を殴ったという。殴られた人は、今や、「大統領に殴られた男」ですから、殴られて良かったと思って…そういう問題じゃないですね。「クーン」は黒人を意味する差別用語。還暦パパの核心を突いた無責任な推測では、「クーン」は、「ルーツ」の「クンタキンテ」から来ていますね。黒人をいじめるにあたって、「クンタ」ではあまりにストレートなので、「クーン」。

 「真犯人なら黒、無実なら白で、怪しいのはグレー」という言い方がありますが、オバマさん、そのあたりでもいじめられた。
 オバマさんの父親は、ケニアの黒人。オバマさんのおばあさんが、ケニアでお元気にしておられ、テレビに出ていました。母親は白人です。
 アメリカ国内での異人種間結婚(黒人と白人など)は、7.5%になっており(2005年)、増加の一途だという。オバマさんの頃は、異人種間結婚は2%未満だったという。ハーフの子は、「黒人か白人か」となったとき、自分たちの人種分類を、「黒人」とするしかなかった。

 選挙戦が始まった時、私と同じ印象を持った人がたくさんおられたようで、「黒人を売り物の一つにしているが、オバマは十分に黒いのか」という議論というか論争がありました。その火に油を注ぐように、オバマさんの母の先祖は奴隷を使っていたことがわかった。こうなると、奴隷の流れをくむ黒人たちが「本当の黒人ではない」と批判した。ハーフのオバマさんどうしたらいいの?
 大統領を選ぶのであって、囲碁の勝負じゃないんだから!←還暦パパもたまにはいいことを言うでしょう。オバマさんの次の大統領は黄色人種というのもいいでしょう。ちなみに、我が家の二男はアメリカ国籍がありますから、「2億分の1」ぐらいの確率で、大統領になれるかもしれません。

 オバマさんの自伝(2つあるうちの1つ)のタイトルは、「オーダシティ・オブ・ホープ」。一方、共和党マケイン候補の自伝は、「フェイス・オブ・マイ・ファーザーズ」。こちらは読んでいませんが、「父親たちの顔は白で~す」という内容なら、完全に囲碁対決でしたね。
 イタリアのベルルスコーニ首相が、オバマさんについて、「ハンサムで若くて、日焼けまでしている」と発言しました。寄宿舎のメドこと、ロシアのメドベージェフ大統領と会談中にそう言ったという。これって、親爺たちが、台頭してくる若造の悪口をいいあって、少しでも溜飲を下げる…そんなふうに見えませんか?本人は、「ほんのジョーク」と弁明しているそうですが、「人種差別」は、ジョークにはなりません。中山成彬も、田母神俊雄もベルルスコーニも、分かっていない。私の所へ来れば教えてあげるのに。

 オバマさんの勝因は…演説のうまさと、選挙運動の手法にインターネットや携帯端末を駆使したこと、そして年齢だと思います。マケインさんには、華がなっかった。タラレバで申し訳ないが、マケインさんが50~60歳代なら勝っていた可能性が高かったと思います。70歳を過ぎた…後期高齢者まであと1年という人を立てなければならなかった共和党。敗因はそこに集約されますね。

 まだ就任していないのにそんなこと…と言われそうですが、私が本気で心配していることは、やはり人種問題です。KKK、アメリカン・ナチス党 、ナショナルアライアンス、ホワイト・アーリア・レジスタンス、ミリシア…彼らが、このまま黙っているでしょうか?さらに、海外からのテロリストも周到な準備をして、虎視眈々と狙って来るでしょう。
 いみじくも、アメリカ白人記者の言葉に次のようなものがありました。言った本人は感極まって言ったのですが、私には重く響きました。
「オバマは黒人のケネディ大統領だよ」

助け合って帰ってきたハクチョウ

2008年11月12日 | Weblog
  助け合って帰ってきたハクチョウ

 4月から5月にかけて、我が家上空を、ハクチョウが繁殖地へ行った。北アメリカ大陸の北極圏(ツンドラ地帯)、ユーラシア大陸の高緯度地方(タイガ地帯)へ。そして、11月、逆のコースを、越冬のためにやって来た。

 半年ぶりに、甲高い「コォーコォー」を、聞いた。ハクチョウが来てくれた。コハクチョウは、体長120cm、オオハクチョウは、体長140cm。地上から見上げても、区別はつきません。
 オオハクチョウは、3,000kmを旅する。コハクチョウは、4,000km。中継地で休憩しながら、約2週間で渡ってきます。
 ハクチョウの飛行速度は、平均時速50km。追い風では70km。気流に乗ると100kmになるといわれています。驚くことばかりですが、ハクチョウは標高3,000mの山を越えられる。ちなみに、ガンは9,000m上空を飛ぶことができるという。渡り鳥って凄い力を持っているのですねえ!

「コォーコォー」が聞こえると、すぐに外へ出て迎えています。V字編隊、斜め編隊など、定規で引いたように見事な編隊を組んでいる。ラインから外れた、5~6羽もバラバラで必死に本隊に追いつこうとするのではなく、一列になって追いかけている。

 これは、よく知られていることですが、翼端渦(よくたんうず)で起こる気流に乗ったもの。飛行機も同じですが、翼に風が当たると、翼の後方に渦が生じる。発生した翼端渦の斜め後方には上向きの気流が発生する。そのため、斜め後ろを飛ぶ鳥はその気流に乗ることによって楽に飛ぶことが出来る。前を行く鳥が作る上昇気流に乗るので、きれいな直線になっていく。これがV字編隊や斜め一列につながって編隊飛行する理由。

 渡り鳥は長距離飛行で著しく体力を消耗する。鳥たちは、翼端渦から発生する上昇気流で体力を温存しながら旅をする。そこで問題なのは、上昇気流の恩恵を受けない、「先頭を飛ぶ鳥」。先頭は、当然疲れる。つまり…群れの犠牲になるのか?それが違う。群れは、大変なことをするのです。ハクチョウの素晴らしさ…3,000km~4,000kmの旅をしたり、3,000m上空を飛ぶ。これらも、驚異なのですが、最も素晴らしい力…。

 「先頭を飛ぶ鳥」は、ローティーションして交替するのです。助け合いです。人間社会では、「助け合い」という言葉はあるが、その真相は、「助け専門」または「助けられオンリー」と、一方的な営みになっている。助け合い、つまり「互助(助けたり助けられたり)」になっていないケースが多すぎ。ハクチョウの助け合い!うれしくなってしまいます。

 ハクチョウの助け合いも素晴らしいのですが、皇帝ペンギンも驚嘆に値する助け合いを見せてくれます。
 皇帝ペンギンの雄は、「-40℃の冬の南極で、卵を温めて、4か月間何
も食べずに」頑張ります。数百(数千?)の群れになって身体を寄せ合っ
て寒さをしのぐのですが、低温の上に強風なので群れの外側のペンギンは冷
えきってしまいます。そのため、群れ全体でローテーションして、外側で冷
えたペンギンを、内側へ入れて暖まることができるようにしています。感動してしまいます。ローテーションの最中に、1羽でも妙な動きをすると、群れ全体が命の危機にさらされます。一羽はみんなのために、みんなは、一羽のために!一糸乱れぬ整然とした行進(動き)をしています。

 一茶の句「今日からは日本の雁ぞ楽に寝よ」を、パクらせていただいて、ハクチョウ歓迎の句…
 「今日からは日本のハクチョウ楽に寝よ」


神通力があるなら布教不要

2008年11月11日 | Weblog
  神通力がある…そんな人いないって

 「ピーンポーン」玄関のチャイムが鳴った。この7か月で、我が家のチャイムを鳴らした人は、郵便屋さん、宅配便、を除くと、ヤクルトの勧誘のオバサンと、「○○○の証人」という宗教関係の方ぐらいのもの。ひきこもりがちの老人の家に、客は来ない…。
 玄関へ出てドアを開けた。あまり身なりの良くない70歳くらいのおじいさんが立っていた。
 「宗教法人○○○○の者です。こ、これパンフレットです。参拝に来てください。神通力があるんです」
 「あ、あ、どうも・・・・・」
 神通力!随分久しぶりに聞いた言葉です。21世紀に、神通力を持つ教祖様がおられるのでしょうねえ~。あきれました。部屋に戻り、パンフレットはゴミ箱へ。さっきまで読んでいたページを見つけられないうちに・・・
 「ピーンポーン」うわ!凄いぞ、今日はお客が2人目だ!玄関へ出てドアを開けた。
 60歳ぐらいと、70歳ぐらいの2人の女性が立っていた。どちらも、白塗り仮面…。
 「宗教法人○○○○の者です。これパンフレットです。参拝に来てください・・・」。
 家の中へ入って来そうだったので…
 「先ほど、(パンフレットを)いただきましたから」と、さっさと、ドアを閉めた。
 非常に憤りを感じた。年寄りを騙して布教させている。パンフレットの表紙に、「宗教法人○○○○」の本部の写真が載っているが…広大な敷地に、巨大な建造物。見事です。羽柴誠三秀吉さん(私は、ファンなんですけど…羽柴さんは青森県在住。衆・参議院議員、東京都知事、大阪府知事をはじめ、数多くの選挙に立候補された方。夕張市長にまで立候補された)の豪邸(お城やら国会議事堂そっくりのビルやら、ミサイルやら、高級乗用車用豪華車庫やら・・・)も、負けるかも。その本部、一体何十億円かかったものやら。お金はどこから捻出されたのでしょうか?支部の建物も、立派などという表現では不足もいいところ。オバマさんが入居する家、早い話がホワイトハウス並。

 気を取り直して、読みかけの本を開くか開かないうちに…
 「ピーンポーン」
 またかよ!しつっこい宗教だなあ!でも、関係ないお客さんかもしれないので、玄関を開けた。警察官の服装の人が立っていた。
 「駅前交番のものです。このあたりを戸別訪問している不審者がいるとの通報がありました。お宅には来ませんでしたか?」
 「き、来ました。2組も」
 「そ、それで…?」
 「宗教の勧誘でした」
 「そうですか?宗教ですか(少し残念そう)。戸別訪問で、老人に高額な物品を売りつける業者がおります。十分注意してください。なにかありましたら、連絡してください」
 「はい、有り難うございましたぁ…」
 警察官は帰っていった・・・。戸別訪問に対する素早い対応。民事不介入などと、言わないところがいいです。

 さて、神通力…「普通の人に見えないものが見える」「普通の人には、聞こえない音が聞ける」「人の心が読める」「自分や他の人の前世がわかる」「瞬間移動ができる」こういう力が神通力です…。そういうことが出来る?!

 ゴミ箱からパンフレットを拾って、読んでみました。
 感動しました。歯が浮いて、全部抜けてしまうような文。「これなら、信用するはず」と感心させられました。そして…ありました!神通力に助けられた記述が…

● 流産の危険を免れました。
● 手術せずに、潰瘍性大腸炎が治りました。
● 極度の経営不振から立ち直り、事業を拡大しています。
● 失明の宣告を受けましたが、視力1.5に回復しました。
 
 凄い神通力です。その教祖様に是非お願いしたいことがあります。
1 瞬間移動で北朝鮮へ行って、拉致被害者を救出してくる。
2 膨大な未解決事件の犯人と居場所一覧を作成して警察へ届ける。
3 不治の病と戦っている人々を完治させる。
4 景気を良くして、株価を上げる。
 神通力があるのなら出来るでしょう。これらが出来たら、入信します。
 出来るはずがありません。騙しやすい人たちをまんまと騙しているだけ。そして、金を巻き上げている。さらに、布教活動をさせ、カモの拡充を図っている。
 現代にこのようなことがある!還暦パパを、カモにしようとやってきた。神通力があるのなら、私がそのような宗教に興味のかけらも示さないことぐらい分かるだろう。それに、勧誘に歩く信者同士の連絡がとれていない。誰が、どこの家へ行くのかなどは、打ち合わせしておかなければ。事後は、その家ではどんな人が応対に出たのか。関心を示したか。など整理して、次回の勧誘の資料とする。そういうことを積み重ねていかなければ、信者は増えません。あ!助言してどうする。

 この頃考えていることがあります。和牛だなんだかんだと…数百億円規模の搾取事件の数々。騙される側にも、騙す側にも、ほとほと感心させられます。
 簡単にだまされて、大金を出す人がいる。騙す側は、かなり薄っぺらないい加減な奴だと思います。だけど、口車だけで、億の金を集めてしまう。資本は、口先だけ?それなら私でもやれるんじゃないか?名刺は、「宗教呆人(しゅうきょうほうじん。法人ではありません)還暦神通力教団ハレハレユカイ 教祖 還暦パパ」いいなあ、これ!
 流産の危険が全くない人の不安を煽って、安産を還暦パパ教祖のおかげと思い込ませる。たまたま治癒した病気があれば、もう大騒ぎ。神通力だ!わかったかぁ!金持ってこい!もっとも、私は無口で、口べた…騙される人などいないか…。

万人に美味いもの…

2008年11月10日 | Weblog
  「ミシュランガイドの店」誰の舌に美味いの?

 ミシュランガイド東京版2009は、11月21日発売予定。2,415円。去年より高いんだぁ。2008は、発売日から4日間で初版12万部をほぼ完売。1冊、2,330円ですから 約2億8千万円の売り上げ!ミシュランの本業のタイヤは、4日間で2億円は売れんだろうなあ。書籍も、これほど売れることはない。はたして、今回はどのくらい売れるか。

 北国暮らしのため、年に2回タイヤ交換をする。先日は、夏タイヤから、スタッドレスタイヤへ、来年の5月には、スタッドレスタイヤから夏タイヤへ。
 交換してもらう間、待合室にいるのですが、その退屈なはずの時間が、なかなかいい時間なのです。安心安全のための待ち時間なので浪費感がない。これが大きな点でしょうがもう一つあるのです。
 1900年のフランスでは、こうして車の修理等を待っている間、ミシュランガイドを見ていたんだろうなあ。と、田舎町の自動車修理工場の待合室にいる自分と、シャンゼリゼ通りのミシュランのタイヤ屋にいる自分がオーバーラップ…されるわけない。けど、そんな感じの時間です。

 ミシュランガイドの起こりは…タイヤ会社のミシュランが、自動車修理等の待ち時間をタイヤの売れ行き向上のために使えないかと考えた。そこで、考え出されたのが、小雑誌「ミシュランガイド」を発行し無料で配布して読んでもらおうというものでした。その後、無料では、粗末に扱われるため、有料としました。無料のものは、粗末にする。どこの国も同じです。

 発行当初の内容は…
1 市街地図…郵便局や電話の位置まで示した
2 ガソリンスタンドやホテルの一覧
3 自動車の整備方法

 そして、初版から30年経って、レストランを星で格付けして掲載し始めた。丁度1年前、ミシュランガイド東京版が出版された。星の数は、パリの倍の191個。最高の三つ星が8店。(ただ、東京のレストラン総数16万店に対して、パリ1万3,000店ですから、パリの倍だと喜ぶ話でもない)

 ミシュランに付けられた星一つで、客層、収益が激変する。そのため、事件が起きてしまう。大変な影響力を持っているということです。いずれもフランスで起こったことですが…
 ミシュランの評価が下がったことを気にしたシェフが自殺。二つ星への降格が打診された店のシェフが自殺(打診だけで、モウダメダと思ったのでしょうね)。二つ星に降格されたオーナーが一時失踪(自殺しなくて良かった)。二つ星への降格を打診され、ミシュランガイドへの掲載を拒否(これって…開き直り?「降格にするなら、うちの店の名前を一切出すなよコラ」ってこと)

 ミシュランガイドの星は、東京版の場合次の5点を評価する
1 素材の質
2 調理技術の高さと味付けの完成度
3 独創性
4 コストパフォーマンス
5 常に安定した料理全体の一貫性

 上記のように、料理のカテゴリーや、店の雰囲気、接客態度ではなく、あくまで「皿に盛られたも」の、つまり料理そのもののみを評価する。トイレが汚いとか、テーブルの上をアリが歩いているとかは関係ない。アリが立ち止まって考えたりします、「アリ?」

 「あの店の○○が美味い」このセリフ良く耳にします。私は、そのセリフを聞くたび、「それおかしいべ!」と思うのです。それを口にしたところでしょうがないので、穏和な表情うかべて黙っています。時折、「あの店美味しいのよ」などと言う人には、「あなた、店を食ったのか!」とツッコミを入れるようにしています。
 
 なぜ「あの店の○○が美味しい」が、おかしいかといいますと…味覚自体が、人それぞれ皆違う。さらに同じ人が全く同じものを食べたとしても、そのときの体調やら運動前、運動後で、「美味い」と感じたり「まずい」と感じたりするはずです。その評判の店の「○○」だって、毎日味が全く同じなはずがありません。そんなわけで、「あの店の○○が美味い」は、成立しない。そんなにムキになる問題じゃないだろうって?そうです。だから、穏和な表情うかべて黙っているのです。私が心配するまでもないのですが、ミシュランガイドの調査員。どんな体調で調査に出かけるか?これって大きいですよ!

 私が考える美味い料理を出す店は、オープンキッチンが第一条件です。なぜか?シェフが客を見ることができるからです。客が見えないところで、老若男女関係なくフリーサイズの指輪みたいな料理を作り、「うちは高級、オープンキッチン?そんな、お客様にキッチンの音をお聞かせするなんて失礼です。貧乏人は来なくていいよ」こういう店の料理、値段ばかり高くて、美味いはずがありません。

 オープンキッチンでも、シェフの能力が低ければなにもなりません。シェフは、「この客は、朝から物置をかたづけて、午後タイヤ交換したな。最初の料理は、塩分を多くしよう」とか、「この客は、朝からだらだら過ごしていたな。最初は、甘みを強調させ、ここの料理は美味しいよと、前頭葉に訴えよう」など、客を見抜いて、客に合った味を提供する。こうでなければなりません。ラーメン屋など、せっかくオープンキッチンなのに、全然客を見ていないのって多いです。というより、100%客など見ていないかも。

 昨年、三つ星の、「すきやばし次郎」。業界の人間国宝といわれる寿司職人小野次郎さん(御高齢なので、現在御存命かどうか分かりませんが)。私は、すきやばし次郎の店の前までは行くことが出来ますが、サイフの中身の都合で入ることはできません。よって、中を覗けませんが、オープンキッチンだと思います。そして、小野次郎さんは客を見て、どんな味が美味いと感じる客なのかを見抜いて握るのだと思います。そうでなければ、失礼ながらたかが寿司、ファストフードですよ。機械でも握れるのです。「寿司は料理なのか?」という議論まであったぐらいですから。「にぎりめしに、わさびを付けて魚の切り身を載せるだけ」なら、料理してません、作業しているだけです。寿司は、シャリを作る前からすでに始まっています。握るのも、御飯粒の方向で味が違います。中心に空間が出来るように握ると食感ががらりと変わります。ネタも、ただ切り身を作るのでは、味もヘッタクレもありません。イカの切り方が好例です。タテに切るかヨコに切るかで別の味になってしまう。切り身を作った後が問題で、職人さんは、切り身をそのまま握ることもあるが、素材の状態から一工夫することもある。塩紙を使う、酢を使うなど、「食べる人」が、「美味い!」と叫ぶ味付けをします。そう考えるので、私は寿司は料理だと思っています。

 小野次郎さんの握りと、家内がスーパーで買ってきたネタの握り・・・目をつぶって食べたらどちらが美味いか?あなたの味覚に、人間国宝の味などわからんだろうって?ちょっと言い過ぎじゃないですか!私は、目隠ししても、牛の挽肉と、豚の内臓に血を混ぜて挽いたものの区別ができますから!
 さて、ミシュランガイド東京版2009。どんなドラマが起こりますやら。