Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

プレゼンテーション上手‐試飲百景

2005-04-26 | 試飲百景
プライベートの小規模で敷居の高いワイン醸造所を、通りかかりのツーリストが訪ねる事は先ずないだろうが、予め調べた熱心なワイン愛好者は好んで買い付けに訪れる。そのような醸造所では、大きな犬を飼っていることが多い。試飲のための場所はプライヴェートの領域とあまり離れていないので、大きな犬は用心棒代わりにもなる。

車や人が屋敷内に侵入すると本格的に嗾けられて、主が指示を出すまで臨戦対制にいる犬や主に絶えず付き添って警護する犬など様々である。流石に試飲の最中は、犬を追い払う。だからその犬が臭などを放って周りをうろうろして、公平な評価を邪魔したことはない。

さてこうして第一関門を通って試飲室に通されたりするのだが、そこでも必ずしも寛ぐ必要はない。試飲前の質問を通して関心の有り所を、経験を通して自身の好みを表明して、手際よく試飲の大まかなプログラムを決定したいものである。この試飲前の会話が薦める側、薦められる側双方にとって、幸運を齎す事が多い。

それにも拘らず、兎に角ワインを注ごうとする場合、薦め方が確りと定まっている事もある。クラッカーを出したり黒パンを出して口を整えさせる時などもこれに当たる。こうして個人の受け取り方のばらつきを補正して真価を問うてくる。そうする事によって初めて、一口目の印象を際立たせる事が出来る。薦め方を知っていると言えよう。

プライヴェート醸造所の個性は、謳うコンセプトなどよりもそのような試飲風景から大きな印象を与える事が多い。総じて小規模プライヴェート醸造所は、ご贔屓筋が少ない分、熱心な信奉者が大切である。だから価格が同様な設定の場合、それをわざわざ選ばせるだけのプレゼンテーションの上手さがその醸造所の技量ともなる。それが出来る醸造所は、大抵ワインにそれだけの個性がある。

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