Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

束の間の晴れ間に

2024-11-28 | ワイン
天候回復で穏やかな日々だ。病明けで煮豚も食した。これで完全回復である。コラーゲンでお肌もつるつる。

週末のメドックのピュイヤックの1998年ものを開けた。98年物は酸が表てに出てあまりバランスはよくないと思ったが、今回開けてみるととてもよくなっていた。色もなんとか保っていて、駄目になった印象はない。まだ数本あるので、限度まで楽しめる。おかしな強靭さを感じない分食事にも合わせやすい。

月曜日に走った疲れの残り方が違ったのでやはり一週間休むと身体が変わるのは実感した。運動しないばかりか殆ど歩いていなかったのも大きいかもしれない。心理的にも勿論あまり良くない。それでもまた習慣になるとペースがつかめて来る。長い11月を過ごして小春日和というには早いが待降節前に束の間の晴れ間だった。

それでも朝が辛い、早めに就寝した筈でもなかなか床離れが悪い。疲れが残る感じであるので、やはりぐっすりと就寝することが必要だろう。なかなか許される状況にないので厳しい。

送る郵便があったので切手の在庫などを調べた。ポストに投函する1000gまでの郵便は2,75ユーロ掛り、それが二つあるので、追加で切手を発注していく必要があったからだ。然し調べてみるとそのサーヴィスが殆ど無くなっていた。冬にはあったのだが、緊急性がなく、追加購入したいものを買いそびれた。残っているものを保存用にしなければいけない。

恐らく発行数を減らして、在庫を極力抱えない様にしているので額面の高いものしか残っていない。シートで買いにくいものである。今後は適当な額面の良いものは早めに十分購入しておく必要がある。

今回の送料では安い記念切手を何枚も貼るのは惜しいので、ネットでの券を購入して貼り付けることにした。二つで5,50ユ―ロである。会計書類なのでそれでよいだろう。

一時はバターが品薄でなかなか特売品が買えなかった。それも落ち着いてきたようで最新のものは期限が2月15日迄なので安心して使える。パンもバター以外のものを塗ればそれ程使わないのだが、古いものは料理にも使うので、やはり消費量は少なくない。

ダルマイーヤのプロドーモも次の特売の暮れまでには確保したが、それまでに切れることもある。丁度クリスマス時期なので、ミュンヘンで6月に購入したとっておきのものを開ける時だろう。

最近はワインの消費を落としているのだが、そろそろ待降節間の開け方なども徐々に計画して行かないといけない。クリスマス用に肉類の注文もあり、また出来る限り試ながら徐々にいいワインを開けて行きたいからでもある。次の温かそうなときに散髪の予約も入れておかないといけない。



参照:
お試しにのシュトレン 2024-11-26 | 料理
放射冷却の待降節初日 2023-12-04 | 暦
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凝縮感への美しい憧憬

2024-11-21 | ワイン
カーネギーホールからの録音を聴く。結構に小さな傷が管に目立つ。ドロップアウトしているので録音としてはどちらでもいいとは思う。ツアーで最初のブルックナー本番の為にたとえ念入りにサウンドチェックしても、楽員にも時差があるのを感じた。地元での夜中2時の演奏はまた極東ツアーでのそれとは違うだろう。

それよりも若干気になったのはやはり指揮での余裕感がなかった感じで、特に体内時計の重要な指揮者にも時差があるからだろう。

舞台袖のインタヴューでは音の広がりを重要視したようだが、なかなかそのテムポ感での合わせ方は難しかっただろう。弦楽器のざらつきのようなものはバーンスタイン指揮のニューヨークフィルハーモニーを思い浮かばせる。音の押出しはいいのだが、密度に欠けるような音響である。美しさの凝縮感はない。

最初の総奏からの広がりが欠けるのはマイクを通した中継放送で仕方がないとしても、もう少し繊細な音を出しているのだがやはりラフに聞こえる。舞台袖でバルグレーが語るようにパワフル感は合衆国の楽団の特徴であり、それがモットーとされて瀟洒が失われる傾向があるのだが、やはりいいビッグファイヴはそれを補う技がある。

朝は比較的気持ちよく起きられた。月曜日から三回服用していた。肉屋迄夕食の材料を買いに出かけた。なによりも久しぶりに太陽が出ていたのが良かった。しかしそれでも寝過ぎで生じる腰の痛みもあり、寝返りが痛く、起き上がりが大変だ。

睡眠の深さに影響するので相談の上薬をロキソニンに替えた。これで腰痛にも効きそうなので、就寝前にも服用する。腰痛には別の処方箋があるのだが、先ずは様子見である。

身体の調子が悪く、計画していた、車輛の書類をまとめて提出できていないので、引き取りを月末から月初めに回して貰うことにした。それだけで少し気が楽になった。

週末に開けた2014年産ゲリュンペルを飲み干した。瓶の中で9年でまだまだ急いで飲む必要はないのだが、三本ほどあったので手を付けた。いい年度だという認識がある。味筋マルメロだが、結構複雑で、干しチェリー香やウイキョウ感もある。プリュミエクリュなのでグランクリュの様な偉大さもウケもないのだが、その土壌の葡萄からそのような味が天然酵母のみによって生じる摩訶不思議だけで大満足だ。トロピカルや塩味や胡椒や火打石の様なあまりにも出来たものでないのが余計に繊細である。

正しく欧州のホールの音響は瀟洒があって、合衆国のそれとはやはり違う。そうした複雑さがやはりワインの味わいでもあり、愉しみとなる。勿論そうした移ろぐ味わいとなると味わいに耽ってなかなか食事と共に愉しむというまでに大分の盃を重ねてしまうことになりがちだ。

ブルックナーの五番においてもあまりにもごつごつしたダイナミックスもあって耳にこびりついて閉口するところがあるのだが、ペトレンコ指揮の場合は細部へと磨きがかかっているので、より複雑な音の組み合わせが披露されることになっている。



参照:
音楽芸術の時空の流れ 2024-11-20 | 音
黄林檎の香りのゲリュンペル 2016-01-16 | ワイン
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雨降って足元が温まる

2024-11-12 | ワイン
雨が降って、想定外の寒さだ。気温が上がらず、湿気だけがあって、我慢し難い。火曜日も厚着をしていかないと駄目だ。燃料も入れておいて、外であまりうろうろしない様に準備しておこう。

夕方まで雨が降っていたが、日没前の30分ほどは上がる様子だったので、数十分前に燃料を20リットル入れて、雨上がりに走りに出かけた。158セントだったのでまずまずだった。これでフランクフルト往復は問題ない。あと何回給油するだろう。

丁度雨上がりで準備運動して濡れた道を走って上に着いた時には暮れていた。然し雲が晴れたので視界はそれほど悪くはならなかった。然し森の奥から独特な呻き声が聞こえて来た。あまり聞いたことがない、自分自身が苦しんで走っているときのような声だった。イノシシの声でもなく、シカ類でもない。よく分からなかった。低い声なのだが但しそれ程大きな身体のようではなかった。それにしてもこの時期になるとトレイルランニングシューズのゴアテックスの優秀さに気が付く。何よりも濡れた道でも足が冷たくならない。そして暖かい。夏はよくないらしいが、これだけでも足の故障を防げる。何よりもである。

帰りに肉屋に寄って買い物をして、水曜日迄の用意をしておく。帰宅時にオイル不足のシグナルが出ていたので、序に200㏄給油した。残りは100㏄でこれで先十年程はエンジンオイルを購入することもないと思う。前回のオイルフィルター交換から既に三万キロ以上走っている。長持ちさせないだけなら殆ど手入れが要らないことを知った。勿論点火プラグなどもそれ問題がない。前のBMWの時には三十万キロまでしっかり金を取られていた。この差は大きい。

フランクフルトのアルテオパーでのブルックナー交響曲五番、まだお勉強できていない。どこ迄間に合うか。アルテオパーでの解説では、最初のピチカートの始まりをモーツァルトのレクイエムとの類似性で述べていた。そうした論文があるのは分かるのだが、抑々それがカトリックにおける何処から来ているかの方に興味があるのだがそこには言及がない。それよりもバロック的な対位法ともあり、それどころかデューラーの「星の力」との親近性にも述べられていて、なにがなんだか分からない。正直アルテオパーのこのおばさんはあまり為にならない。勿論そのレクチャ―を覘く価値もない。その時間に一つでも動機の扱いを確認しておいた方が為になる。

週末にボルド―ワインを開けた。久しぶりのサンテミリオンのグランクリュである。1996年の状況を知りたかった。色合いもそれ程落ちていなかったように全然悪くはなかった。価格は忘れたが一本30マルク以上はしていたと思う。流石に違う。最初20年程のバランスは決して良くなかった。分離したようなエアーリングの必要を感じるものであったが、今は開けて直ぐに香りも風味も酸味も感じられて取り分け新鮮な感じがあった。飲み頃とは言えないのだが、まだ急いで開ける必要もないのを確認できてよかった。コルクの状態も悪くはなく、流石にと思う。

サンテミリオンのボルドーの方はメドックのものよりも果実風味さえしっかりしていれば長持ちする。メドックのしっかりした芯はないのだが、食事によればこちらの方が合わせ易い。また買い付けにいつか出かけたいと思う。



参照:
信仰告白交響曲 2024-11-11 | 文化一般
冬場に楽しめる生活 2016-10-09 | 生活
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想定以上のクレディット

2024-10-02 | ワイン
クロムベルクの演奏会準備、楽譜は珍しい曲も含めて落とせた。数年前までは不可能だったが、今は可也新しい曲でも即ち著作権が活きている曲でも動画に紛れ込んでいたりする。急いでざっと未知の曲を聴くにはとても便利である。

今後かなり手の込んだ楽曲の再演程度の時期にもこうした動画が出ることで、聴衆の正しい評価も受けやすくなるだろうと思う。要するに出来の良い曲はより早く評価されて、出来の悪い曲はより早く破棄されるようになる筈だ。

さて残された時間でどれほどのお勉強が可能なのか。燃料も最低10リットル安ければ20リットル入れておきたい。多めに入れておいて来週更に満タンにする。

先月の個人のクレディットカードの額が予想以上に多かった。二回の試飲会とその買い付け額が大きかったのと、ルツェルンでのコープの買い物にワイン二本とその他、更に会場でのチップを入れたコーヒーなどで可也の額になった。穴が開くところは予定していなかった税金還付でなんとかなっていた。

ワインが以前よりも明らかに額面が上がっている。購入しているリースリングの質は上がってはいるのだが、そのクラスは明らかに落としている。以前グランクリュから今はプルミエールクリュ、そこからヴィラージュへと落としていても、最後のでも一本20ユーロするようになってきている。以前は10ユーロ代でいいものを平素開けていたのだが、今は倍になっている。特に23年物は10ユーロ代で買えたものは本数がなく売り切れて足りなくなった。

20ユーロ代の二年間は寝かせたいものも開けないと選択がない。若しくは古い上のクラスを開けるとなると余計に勿体ない。ということで仕方なく平素飲みが20ユーロになって仕舞っている。追々、安物ビールを欠かさないように、それで埋め合わせすることになる。

それでも同じ程度の同じワインを開け続けると有難さもなくなって、折角の質が台無しになるのは一桁台マルクのワインを購入しているときから同じで、毎日となると瓶熟成変化がないのでそれほど注意をしなくなるからだ。つまり食事に態々開けて味覚を敏感にする価値もなくなる。どうしようかと検討中である。

スカラ座再演「ばらの騎士」初日への稽古ももう一週間である。そろそろ管弦楽が入ってやっているのだろう。漏れ伝わる情報からすれば順調に進んでいるようで、ヴィーナーフィルハーモニカーを指揮するよりもいい演奏をする可能性が強い。その心算で引き受けたのだろう。然し今後のことは不透明で、右翼政権の影響から定年でアルザス出身のメイエールが今シーズンで去ることで、継続してオペラを指揮することになるのかどうかは分からない。またそれに伴って指揮者もシャイーからガッティ―になんて書いてあるが、確かにドレスデンでは手狭なのでオペラはスカラ座でということになるかもしれない。

先日接着した車のトランクの内装枠が剥がれていた。水曜日に新しいボンドが配送されるので、綺麗に塗布して使ってみたい。ゲル状になっているものよりも凹凸のある細部に浸透して上手く着くかもしれない。



参照:
ミラノ2016年初日シリーズ 2024-09-20 | 文化一般
途上にボックス入り 2024-09-25 | 生活
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週明けまでの荷造り

2024-08-26 | ワイン
雨が降って一挙に晩夏らしくなった。荷造りの準備である。古い髭剃りの旅行専用としてのデビューで、見ると放電していたので、フル充電する。念のためにケーブルを偲ばせていくかどうか。二泊でミニノートブックを持って行くかどうか?最近使っていないので持って行ってもいいが、でなければタブレット用にキーボードにするか?どちらも最近は使っていないので持って行けるように充電して、荷物の量などに応じて選択すればよい。スイスはEUでないのでYAHOOなどが入るので、そこから日本の放送などを聴いたりするにはPCの方が使いいい。その前に音楽ファイルを整理しておきたい。

夕食、ピクニックの準備も週明けにする。乳酸豆を煮込んでパックして冷蔵庫へ、ジャガイモサラダも作って仕舞って持って行けるように冷やしておく。アイスバインの缶詰は冷やしてある。バターは残り少なくなっているので、それを持って行ってもよい。紅茶はティーバックをハーブティーの詰め合わせと一緒に十分な量を。果物やプチトマト、蕪類も早めに洗って、また茹で卵も三つほど準備。ピクニック用の握り飯は二号の手配を考えておく。

往路は宿まで320kmで3時間20分ほどで着くが、途上スイスの道路税ヴィニェッテを購入して、検問で停められると、4時間以上は見ておかないといけない。渋滞で4時間半として、チェックイン14時なので10時までに出れば、何かあった時も対応可能である。

なかなかそういうことはないのだが、14時にチェックインするとして、そこから駅前駐車場まで35kmを40分の距離なので、17時30分ぐらいに出れば逆向きラッシュ時刻でもなんとかなる。演奏会前にゆっくり出来れば最高だ。往路の車中での試聴で気になったところの楽譜を見ておくとなによりもすっきりする。

昨年の宿の写真を確認する。気になる冷蔵庫の写真などはないのだが、朧気乍ら思い出す。食事は持って行った煮凝りなどを食していた。今年は似てる様で若干違う。一番異なるのはキュウリや蕪以外には新鮮な緑を持って行かない事だろう。

然し初日からチーズを購入してきているので、これも早めに駅で購入しておく方が都合がいいだろう。それ以外にもパイのようなものを購入しているが、豆に合わせたものがあるのかどうか、オードブルのようなものの方が、面白いかもしれない。

持ち込むリースリングは決めたが、出来るだけテッシンのワインを購入して飲めるだけ飲んでおく方が得な気がする。精々持ち帰るのは二本ぐらいだからだ。昨年は一本はアスコーナの2020年物のメルローを購入しているが、それも美味かった。今年は予定通りならば、10月には現地に向かうので、それ迄のお勉強にも購入する。然し調べてみると宿泊予定のコモの国境沿いよりも遥かに手前のルガーノと峠との間のベリンゾーナにワイン産地があるので直接の買い付けは難しいかもしれない。なるほどあの辺かというチェネリ山地の谷間である。アウトバーンからも見える登ったアルプスの谷最長の32ピッチルートがある所の手前か。



参照:
シーズン幕開けのアイデア 2024-08-25 | 文化一般
旅絵日記一時帰宅編 2023-09-02 | 雑感
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ユダヤ人は知っている

2024-08-07 | ワイン
2023年産のヴィラージュを開けた。この程度のワインであれば直ぐに開けれるものもあれば、瓶熟成を待つべきワインもある。このフォルスター産はペッヒシュタインやキルヘンシュテュックに代表される玄武岩土壌が特徴であるので、最低二年は寝かしておかないと味が開かない。

上質の特に白ワインの場合は、リンゴ酸からワイン酸へと葡萄自体が熟して初めてその酸がこなれたものとなる。即ち長持ちするワインとなる。反対に生物的熟成していない葡萄はリンゴ酸などの状態で時間と共に酸が弱くなる。よって、いいワインは瓶詰後数年してから本領を発揮する。勿論それは赤ワインにおいても長い期間を業者が回すことで経済的な価値が増大する。そこまでをユダヤ人は考えていた。そしてそこには先行投資という投資経済が発達する。

上のリースリングの場合も、ドイツで最も高価なワインであるキルヘンシュトックやペッヒシュタイン、ウンゲホイヤーなどが居並ぶリースリングのグランクリュの産地であるフォルストのヴィラージュワインである。植え替えてから十年も経たないイエズィーテンガルテンのグランクリュワインにはまだ適さない若い果実などが使われているが — それだけの深い根が伸びていなければ土壌も反映しきれない為、しかしただのヴィラ―ジュワインではない。そしてその玄武岩の土壌のワインは瓶熟成して初めてその真価を示す。

そうしたことから二年もしないうちには開けないのだが、今回は2023年の特別な水不足や陽射しの条件もあって、最初から果実が出来上がっている傾向もあり、決して酸味勝ちではない。そこでザクザクっと愉しめるということで敢えて開けた。

なるほど例年の様に閉じている感じよりも綻びている感じがあって、決して青臭くはない。但しその土壌の出方としても若干大雑把になる。問題は、二年経過時にどれほど瀟洒な感じになるかなのだが、あまり期待は出来ないこと。そこで早く飲んで仕舞えというアドヴァイスが流れるのだ。

価格からすればヴィラージュとして特別価格ではないので、知る人ぞ知るで購入するので、現時点でそれなりの良さがあれば早く飲み干しても惜しくはない。逆に出来る限り年度ごとの特徴も経験することで今後の参考になるという大志も描ける。

その結果今迄も通常瓶であればスクリューキャップとなっているところを、マグナムやドッペルマグナムへとつぎ込むチャンスを見逃さずに投資できたのである。そういうことはヒュージョンソンの本にもどこにも書いていない。

味筋は、天然酵母しか使っていないのだが、色目の様に若干パイナップル系かもしれない。本来は熟して百合の花のような上品な味筋となるのであるが、陽射しが強くそうした成分が、もう一つ想像を働かすと玄武岩成分の少ないイエズイーテンガルテンのトロピカル系が全面に出て来た年度ともいえる。これをどう評価するか?

もう一年ぐらい少しづつ開けて行って様子を見てとなるが、いいと判断出来るころにはマグナム瓶も入り難いとなるので、この世界は投資の世界と全く変わらないのである。その頂点にはボルドーのシャトーでもお馴染みのルイ王朝にも金を貸すフランクフルトを起源とするロートシルト家がいるのである。



参照:
大統領の椅子のような 2022-04-25 | 生活
デルジェスの音を堪能 2020-06-02 | 文化一般
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すっきり爽やかな泡もの

2024-07-16 | ワイン
ヴュルツブルクのレジデンツでゼクトが振舞われた。演奏会後のディナーにも合わせたものなのだろうが、フランケンヴァインの各町のヴァインプレンツィンが集っていて、正装で聴衆を迎い入れて、グラスが手渡された。

毎年のように最後にやっているのかどうかは知らないが、ワイン業界にも重要なイヴェントになっているのはよく分かった。最終演奏会だったのだ。

そこで供されたものも決して悪いものではなくて、催し物の前にはアルコールを飲まない私でもあるが、軽くすっきり感は暑い日にも全くなんともなく清涼感もあった。十二分な宣伝が出来た筈である。

会場への人がいない大階段とそのフレスコ画を幾らか撮影できたのは良かった。ここだけはザルツブルクよりも価値があるかもしれない。

レジデンスの前に広場を大駐車場として開放しているのも観光地としては大きな加点である。街自体の通行量も知れていて、飲むワインには事欠かず、それなりの美味いものもある。

今回ビュルガーシュピタルで食したのは、フランケンの名物料理のブラウツィッペルである。何か長いものだという感じはしたが、皆目分からないので訊ねてみた。ソーセージの酢っぱく湯がいたものだということで食した。見た目からすると熱くないヴァイスヴルストのようでもあるが、実質的にはブラートヴルストの焼いていないものとなる。その酸味が爽やかでつけ合わされている野菜も気持ちよい。勿論酸味の効いたワインに完璧である。ジルファーナ―で十分である。

その名前の由来は長いものはペニスとも称されて、ブラウは鱒を同じように煮たフォレレブラウから来ているとも書いてある。なるほど基本的な味筋も似ていて青っぽい感じもそのものである。やはり旅行に行って土地のものに巡り合えるのは醍醐味である。

翌日マイン上流のゾンマーハウゼンに出かけた節にも醸造所のおばさんにそのことを話すとそれはと笑っていたので、やはり地元の人にとっては、こちらでのザウマーゲンとかその手の密かな料理にもなっているのだろう。

特にワイン処での食事の質は、その産地でのワインの質を反映する。それがは最も敏感に反映するのは地元の蔵出しワイン酒場のであったり、それ以上に少し手の込んだ食事を出しているレストランであったりする。それはフランスでも同じで、ボルドーでもサンテミリオンとメドックでは料理の質や出しているものも違っている。

こちらワイン街道でもこの四半世紀でリースリングの質が向上したことから、嘗ての様に塩辛くしてワインをがぶがぶ飲ませるような料理は殆ど無くなった。それからすればフランケンもまだこれからで、ワインの質も料理の質も徐々に上がっていくものと思われる。



参照:
視覚を超えるバロック音響 2024-07-14 | 音
フランケン葡萄処漫遊記 2024-06-21 | 試飲百景
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ボックスボイテルの夕食

2024-06-25 | ワイン
漸く夏らしくなってきた。降雨確率も10%ほどなので洗濯日和である。冬の間には洗濯出来なかった防寒用のナイトローブや部屋着用ジーンズなどを一気にと思われる。通常週一回の洗濯を二日続けて三回は回すのではなかろうか。

エコモードでは一サイクルが3時間半ほど掛かるので、夏至過ぎとはいっても、朝から二回を天日で綺麗に乾かすのはそれ程容易ではない。

週末にアスパラガスの残りをべーコンと一緒に炒めた。燻製臭が2021年のジルファーナ―の香ばしさにあっていた。所詮深みはないのだがちょこちょこと食事に合わせるには遜色はなかった。ボックスボイテルを三本しか購入しなかったが、ここ数週間で飲み干すにはそれで十分だった。つまりそれ以上あっても飽きるだけである。やはり経年変化を楽しみながらのまとめ買い可能な白ワインはリースリングしかないという結論を確認するのみである。

土曜日にオープンエアーで行ったプログラムを持ってのベルリナーフィルハーモニカー上海公演は翌日にソリストのユジャワンと共に飛行機に乗って出かけた。そして上海にその御一行は着いた。

到着の様子が中共の報道ヴィデオとして出ている。ワンとフィルハーモニカーの中共での公演は珍しくなくとも、今回はキリル・ペトレンコの中共デビューであり、現在のフィルハーモニカーの実力が昨秋の日本公演に続いて披露されることになる。

流石にペトレンコの日本デビューの時の精鋭の指揮者という表現はなく大師となっているのは当然として、その中共内で何回も演奏されたラトル時代のそれとは全く異なる新しいブラームス交響曲四番の演奏に注目が集まっている。

その他、フィルハーモニカーが室内楽編成でより幅広い層へと訴えかけるワークショップのようなものも僅か五日間の日程のなかで企画されていて、コロナ期間中に流れた上海でのレジデントという形が継承されている。それ以外にも一部チェロ楽団などは北京にも回るようでそれなりのツアーとなっている。

今回なんらかの実況中継録音などが為されるのかどうかは分からないが、少なくとも中共のメディアによって必要最小限の報道としてその様子がジャーナルされることには間違いがない。

北京出身のユジャワンも中共では満州人の共産党協力者らんらんなどとは異なり全くそうした位置づけにはいないので、それ程大きな扱いはされなかったのだが、今回はそれなりに注目されているのは間違いがない。

ベルリンでの演奏はコロナ期間中のトリフォノフのプロコフィエフ演奏と比較してやはり弱かったが、アンコールを含めて上手にやっていた。ベルリナーフィルハーモニカーの演奏はペトレンコ指揮でアンコールのベルリナ―ルフトが取り分け見事な演奏になっていた。



参照:
よかった宿での食事 2018-10-06 | 料理
フランケン葡萄処漫遊記 2024-06-21 | 試飲百景
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フランス食生活の易さ

2024-06-16 | ワイン
週末の旅行の準備である。ミュンヘンのキャンセルもあり、ヴュルツブルクの試飲会のこともありなんの為に出かけるのか不明になって来て、極力出かける意欲が無くなった。予約など準備をしていなかったのならケルンに向かっていただろう。あとは車を傷めないように無事計画通り熟すのみである動機付けがないと往々にして事故を起こしそうだ。

なによりも気温が下がってヤル気が無くなった。仕方なくパンだけを購入しに行って、帰りに少し長い距離をゆっくりと走った。身体を疲れさせることで意欲を取り戻すぐらいでしかない。チャットパートナーも恐らく夏のセメスター期末の追い込みで、そっとしておいてあげたいので堪え時である。それにしても一年間あのような生活をしていて学業に励めるとすればそれはとても偉いと思う。楽器をやったり絵をかいたりと結構優雅なんだよね。金があると心強い。

先日帰路ではリレッテデュカロッテを購入した。誰も購入していなかたっと湖で頭からほじくって貰った。前回と異なるものを購入しようと思っていたのだが新規のものでつい購入したのだが、思っていたよりも味が肉肉せずにとても上品でよかった。

パン屋では、それを塗って、更に週末にピクニックのサンドイッチにする為にニンジンパンを購入した。実はスーパーのあるアルザスの街でネットで調べておいたパン屋に立ち寄ると恐らく閉店していた。ドイツでも厳しいパン屋でアルザスで上手く行く保証はない。スーパーがあるので客も奪われるのでもう一件でも活きていればいい方かもしれない。

サンドイッチ以外に先週の鶏のガラのスープがあるので味飯を炊こうと思う。そこに貝の出汁も混ぜると味が濃くなるだろう。二号ぐらい炊いてニンジンと玉葱だけでそれなりの味になるだろう。握り飯にすればピクニックに使える。

サンドイッチの為にハムを購入するのと運転時に齧り付くサラミ類ぐらいか。菜っ葉はフランスで購入したものがあるので、洗って、挟むようにしておくべきだろう。

パンを取りに行く序にボルダーに向かう案もあったのだが、身体が重くて元気が出なかった。仕方がないので帰路の以前走っていた森で長めのルートを走った。スピードは上がらないが、カロリーだけはそれなりに消耗した。これで身体が解れてくれると嬉しい。

フランスで購入したイガイ牡蠣を食した。フランスで購入するのは初めてだ。土曜日に入ったものだからその日に食さないといけないと言われた。それでもヌードルにするのも面倒で量も少なかったので簡単に火を通した。いつものオランダ産とは全く違う。何が違うかというと炒めると洗い方は変わらないのに直ぐに水気が飛んだ。すると玉葱やらワインの色が直ぐについてきて味が更に深まる。

オランダ産の安物は幾ら火を掛けても水が出てくる。産地の差というよりも処理が全く異なるのだろう。これならば一つ一つ摘まんでいってもとても味わいがあって美味い。価格はそんなに高くない。

それに合わせて買ったロワール産のソーヴィニオンブランも特別なピーマン味もなく食事にすっきりと合わせられた。7ユーロ程だったのでこれまた料理にどぶどぶと入れてなんら不満はなかった。アルコールの質もイタリア産の安ものなどよりも良かった。



参照:
ヴィガーニズムワインとは 2016-04-19 | ワイン
準備万端整えての前奏曲 2021-06-30 | 雑感
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英国人指揮公演の梯子

2024-05-28 | ワイン
指揮者交代の演奏会の後半に抜けて、劇場のティケットを購入した。上手く後半に入れるかどうかは不明な点もあるが、兎に角最短距離を走れば10分以内には席へと続くドアには至れる筈だ。ピアニストのアンコール前に無理に出る。不明はラディオ生中継があるのだが数分のディレイがあるものと思っている。なければ間に合わない。

席も立ち見の一番安いものが9ユーロで手数料入れて11ユーロだったが、着席迄のアクセスが良いことも鑑み、12ユーロのバルコン席にした。一昨年12月に序に出かけたローエングリンでも同じような席に座って、そのコストパフォーマンスの良さは分かっている。後半の一時間を鑑賞するだけだが、少なくとも同じ英国人指揮者の演奏会よりは価値がある。

指揮者ボルトンはバロックを専門としていた指揮者であるが、ミュンヘンでは今迄ヘンデル等で大成功していて、楽団との関係はとても良いようだ。今回はロッシーニの「シンデレラ」を指揮するのだが、その指揮をライヴで体験してみたい。マドリッドの王立歌劇場の音楽監督をしていた間に様々なレパートリーを指揮していたようで、ブリテン「ピーターグライムス」なども公演している。若干とろい感じは否めないのだが、持ち前のバランス感覚は素晴らしくて、ロッシーニではいい指揮をするのではないかと考える。

英国人でオペラを真面に振る現役層はパパーノと二人しかいないので、今後英国人の得意のレパートリーでまだまだ今後活躍するのと予想している。それを確かめて来たい。

これで6月の催し物への出資はヴュルツブルクのモーツァルトフェスト40ユーロ、BR定期10ユーロ、劇場14ユーロ、バーゼルシムフォニエッタ定期34フランケンで総計100ユーロ程になり、宿代は全四泊で180ユーロ程になる。宿泊代が圧倒的に高いが、燃料代は250ユーロ程になるか。

愈々週末はナーヘでの試飲会である。そこのここ暫くのグローセスゲヴェックスの飲み頃になった仕上がりが取り分け良かったので、最も優れた甘口を醸造する醸造所以上に本格的なリースリングの醸造所としての評価を高めている。

良い地所からの果実はグローセスゲヴェックスのみならず素晴らしい甘口として醸造されてしまうので日常消費用リースリングはどうして雑味が感じられたのであるが、もう少し消費してもいいかと思うようになってきた。それ以前に素晴らしいグローセスゲヴェックスの開け頃のパイロットワインとなるようなものを物色してもいいかと思っている。それが軽めの甘口であっても、参考になるならば、デザートワインぐらいの感じで購入を考えてみようとも思っている。

2023年産は冬の間の水不足で、カリなどが回らずに、それが葉の充血だけでなく、果実の醸造時の酵母との接触による発酵に影響しているようだ。要するに塩基化してしまうことで、ワインがどうしても亜硫酸などに晒されるということになるようである。この辺りも試飲会で十分な情報が得られるようにその流れをもう一度整理しておかないと醸造化から深い話しは聞きだせない。



参照:
旨味ある経費削減 2024-05-27 | 生活
サウンドデザインの仮定 2022-07-01 | 文化一般
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着氷をバルコニーで考察

2024-05-23 | ワイン
六月の旅行中に二回の演奏会に出かける。それを口実にするようなものでそれほど真面目に考えていない。皇帝協奏曲も永く接していないので少しはお勉強しようかともい思う。もう一曲は「家庭交響曲」でこの曲はあまり演奏されないので、お勉強の価値はある。しかし既にペトレンコ指揮でいい演奏の録画が残されていて、それ以上の何かが聴けるとは思っていないので、それほどには期待していない。

ペトレンコ指揮では2016年にミュンヘンの座付き楽団との欧州ツアーで演奏した。もう一つのプログラムのチャイコフスキー交響曲五番もリゲティ「ロンターノ」とバルトークの協奏曲も名演だったが、チャイコフスキーとアンコールの「ルスランとリュドミラ」は今後もなかなか越えられないかもしれない。

皇帝交響曲は一度だけ朝比奈指揮の園田の演奏で聴いた記憶がある。因みにヴァイオリン協奏曲の方も江藤俊哉のそれしか覚えていない。後者の泣き節のようなヴァイオリンの響きには閉口した。

腹の調子を壊した。しかし、ホタテ貝は上手かった。決して古くはなっていなかったと思うが季節がどうか分からない。勿論火をよく通す方法としてヒマワリ油で焼いた。上手く赤いところも外せて焼けたので食べ甲斐もあった。一つ1,3ユーロで三つ食した。

腹の調子を壊したのはどちらかというと、カサカサにならないように火の通りを弱めにしたエビの方かもしれない。味は悪くなく食べ甲斐はあったのだが、付け合わせなどで若干短調さを避ける工夫も必要だった。

リースリングはナーヘの火山土壌地所からのフェルゼンベルク2018年産で、とても素直で良いのだが酸の量感に若干欠けていて、そうした酸の旨味の奥深さはなかった。そうなると食事全体もやや単調になった。天気も良かったのでバルコニーでの今年初めての食事となった。

来週は最高気温が摂氏20度を超える日が続きそうなのでバルコニーで過せるようになるであろう。但しそれ以上に急上昇する様子はない。

発注車輛の最終的なオプションが決まりそうである。問題になっていた防音ガラスは追加料金240ユーロで付く。摺りガラスの方が390ユーロで高い。更に冬タイヤを付けて工場出しすることで冬パケットが加えられて、ハンドルにヒーターがついて、洗水ノズルが温められる。これだけで280ユーロ積み重なる。直ぐに必要な冬タイヤを付けることで全体の割引率で引かれるのでそうしたのだがその分追加になった。これだけなら高くなり過ぎるが、本体価格が330ユーロ下げられている。最終的に税抜きで321,30ユーロ高価になった。

洗水ノズルヒーターで厳寒でも直ぐに窓の氷が溶かせるらしい。興味があるのは氷の雨などが降った時にも氷着が防げるかどうかである。またホワイトアウトの時にも室外の視界が改善されるかどうか?窓ガラスの汚れは着き難くなるらしい。冬の問題は四輪駆動にする限り先ずは視界の問題が改善されるべきだとは思う。冬に納入の冬に強い車ならば四輪駆動の価値が余計に出る。



参照:
発注システムのバグ探し 2024-05-09 | テクニック
全てを食う赤い奴 2024-05-20 | 料理
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吟味すべきCPは如何?

2024-04-02 | ワイン
2024年復活祭が終わった。マティネコンサートは来年の第九でバーデンバーデンでは終るので、それ以外の曲では今日が最後だった。前夜戻ってきたのは予定通り21時過ぎだった。

先週の余りもののパエリヤをオーヴンで温めて、ヴァイツェンビーアと開けてあったグランクリュ「イ―ディック」シュペートブルグンダーの2007年物で軽く済ませた。翌朝のブラームス部交響曲四番は「エレクトラ」に続いて重要視していたからだ。そして来年は演奏会は第九の二回しか振らない。新制作「マダムバタフライ」の三回の上演とその二回の演奏会で万事休すとなる。

それもあったので特等席の空いていたところに座ってみた。この欧州最大級のオペラ劇場の音響がよく分かった。前回ご招待の時は庇の先ぐらいのところで最上席ではなかったのでオーナー席も試してみた。

結論からすると劇場音響で可也デットだった。それでもミュンヘンの劇場よりは福やかかもしれない。ザルツブルクよりは素直だろうが、奈落でのバーデンバーデンの祝祭劇場の美点はあまりなかった。

前夜の「エレクトラ」の楽日でも試してみようかとも思ったのだが、やはり一番いいような席はスキスキではなかった。オーナー席に座ると直ぐに係員が来るようでその点は管理が出来ていた。ベルリナーフィルハーモニカーはいなくなるので最早関係はないのだが、最低価格席の良い席と比較しての差は視覚以外ではあまりない — 価格差で六倍ぐらい。

結局最終日は6時過ぎに目を覚まして、7時過ぎまでベットにいて、8時過ぎにシャワーを浴びてで、9時過ぎには出発した。復活祭月曜日で殆ど交通もなくブレーキも殆ど踏むことなく、10時過ぎに祝祭大劇場車庫入れとなった。

昨年は最終日にヘロヘロになっていたのだが、今回は大分楽だった。やはり「影のない女」と「エレクトラ」での疲労度が全然異なるという事だろう。それは音楽家にとっても同じことだったろう。それだけの価値があったということになる。

「イーディック」はビオデュナミを信仰している独高級ワイン協会会長の地所からのものだが、2007年はそれ程特別な年度ではなかった。そして最初から若干獣臭い味覚が特徴だったのだが、流石に50ユーロ程のものだけにまだ弱ってはいなかった。色は少し落ちてきていいるようだが、ヘナヘナにはなっていなかった。同じ価格でブルゴーニュの有名地所のものと比較すればどうかということになる。

石灰土壌で基本的にはミクロクリマなども似ているのだが、やはり葡萄が違う。上の劇場の座席の価格やその価値がどうかを吟味するのにもよく似ていて、そこまでのコストパファーマンスがあるのかどうかだけである。

最終日などのことでザルツブルク引っ越しのことをどうしても考えるのだが、その公演日程や滞在日程などが問題になる。



参照:
原発警備強化の物的根拠 2016-03-26 | ワイン
春の息吹を注ぎ込む 2024-03-26 | 音
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独最高の赤ワインの旨味

2024-03-19 | ワイン
11月12日のフランクフルトでの壮行演奏会の席を押さえた。今回は定期公演が入っていたので、好みの席がなければ最安席で誤魔化しておいて、流れてくる最上席を拾おうと考えた。少しでも出金は後にしたい。しかし、一枚だけ残っていたので狙った。もの要りだけど仕方がない。

米国第二次ツアー前の壮行演奏会で夏のツアーの表プログラムのブルックナー五番を再演して、重要なツアーに備える。米国ツアーでは裏プログラムになるのだが、独墺管弦楽団としてブルックナーを米国で再認識させることになる。

夏のツアーの演奏会にも出かけるのだが、目的を徹底させることになるので、資本も上手に分散投資可能となる。

また8月31日状態で泣きそうになる。週末の「エレクトラ」が全くお勉強できていない。幸い一昨年にザルツブルクで観ているので、規模も複雑さも見当はついているのだが殆ど楽譜は目に浮かばず、最初の動機から追っていくしかない状態である。その次のヴァ―クナーガラも簡単に目を通しておけば足りるか。日曜日を空けてあるので、そこではシベリウスにも目を通しておかないと駄目だ。

土曜日にあまり肯定的な意味のなかった三つ目の音楽会に座りながら、時間を作ってワインを取りに行けたことを喜んでいた。なによりも今時半ダース購入して60ユーロしないピノノワールなんて、高品質のものにはありえない。

どのようにこれだけ価格が抑えられているのかはよく分からないのだが、葡萄を石灰のヌルヌルした土壌から上手に収穫して、安い培養酵母を上手にさっと仕上げているのだろう ― まさにここが勘違いで、健康な酵母を収穫することが肝心の白と異なり皮を漬け込むのでビオワインでも酵母の問題はない。滓とかの処理も工夫しているのだろうが、白ワインとは違って、そこを推測するだけの知識がない。しかしこれだけ安く、なるほど現行のベーシックが2022年物で12.5%のアルコールしかないということでも、長く寝かしている傾向があるのだろうが、驚きである。

フランスのスーパーでは10ユーロ以下の真面なピノノワールなんてない。そしてこのゼーガーの葡萄はドイツのシュペートブルグンダーではなくてフランスのクローンであると聞いている。要するにこれだけ本格的なピノノワールはドイツでここでしか知らない。

なるほどドイツでも最高価格帯のシュペートブルグンダーとフランスの同価格帯を比較すると中々コストパフォーマンスでは越えるのは難しいのだが、それでも二十年に一度ほどの良年には特別な赤ワインとなる。

上の価格で分かるようにグランクリュならともかく態々ベーシックなグートヴァインを送ってもらう訳にはいかないので、機会があれば取りに行きたいと思っていたのである。そしてコロナを越えては初めて購入できた。

そして簡単にスクリューキャップを開けて牛肉に合わせると、幾らでも進む。それは辛口で若干のタンニンの渋さがあるのでねとつかないのである。その意味ではブルゴーニュよりも男っぽい。しかし、僅かなざらつきもあり乍ら旨味もあるのだ。少なくとも年度としてはとても良い。但しアルコール度が示すように偉大な年度ではないだろう。



参照:
'15年シュペートブルグンダ 2017-11-20 | 試飲百景
歴史的な瞬間にいること 2022-11-08 | 音
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無料VPNをインスト-ル

2024-01-06 | ワイン
1月14日のNHK放送予定番組関連で気になっていたVPNをインストールした。前回は2017年のミュンヘンからの引っ越し公演に伴うNHK音楽祭映像を観ることが目的だった。この間機材も変わり、旅行用のMINIノートブックのLINUXにはインストト-ルしてあるのだが新しいWIN10には入れてなかった。不要なものは極力インストールしないからだ。

LINUXの方は映像には難しく、もう一つのLINUX音楽メインシステムも弄りたくないので否応なしにWIN10に新たにインストールした。幸い上手く行ったのだが安定度に欠ける。

無料VPNであるのでその伝送速度も遅く、前回も繰り返し繰り返し状況の良い時を待って辛うじて貫徹した。今回もオンデマンド配信で潮時を見るしかないかもしれない。その為には有料なので幾らかを払わないといけない。その支払いもNET CASHというのを使って、ID番号などを見つけてログイン可能だった。まだ若干掛け金が残っているので、それで用為すかどうか。先ずは状況を見ないと何とも言えない。

そのプログラムの中でブラームスの四番はシカと観ておかないといけないと思っている。復活祭で最終の姿が示されるので、計三種類を比較する事にもなる。その前のコロナ期間中、そしてミュンヘンでの実演と五種類の演奏となる — 実はもう一種類コロナ期間中のザルツブルクでの中継録音があったが意識的に忘れていた、即ち六種類七夜。そしてその秋の定期公演での演奏は昨年デジタルコンサートホールで最も観られた演目であったらしい。

年末年始の三本目は2012年産ゴッテスフースであった。ザールリースリングらしい豊満な酸とそれに合わせた残糖が日本食などには合う。これが日本でもモーゼルザールル―ヴァ―に人気がある点で、本国での食生活の豚などの原材料に合わせた淡白な味には合わない。それにはリースリング愛好家の酸のエッジが効いた雑食砂岩や花崗岩の方が合い、石灰分の多い黄色っぽい面取りの薄いのリースリングはサラダなどに合う。

そこで重箱の料理に合わせたが、これがまた良かった。2012産で非常にバランスがよくて、果実風味も豊かである。但し醸造所のオーナーもブルゴーニュシステムの辛口のコンセプトを全面的に承諾していなかったので、どうしても糖が多めに残っている。

しかしこの年度のこの地所の赤いスレート成分の多い旨味は格別で、トロミまではないのだが、酸味とのバランスで分離もせずにとてもスムーズな飲み心地であった。なるほど一番良かったナーヘのデルヒェンと比較すると明らかに、甘みが多く、旨味よりも多層的な深みを求める向きには合わない。リースリングに深みと構築感を求めるとなるともちゃもちゃ食事などはしていられないとなる。

何かブラームスの交響曲四番における演奏実践のその方向性と全く同じようなお話しで、ワインの場合は好みや目的で済む話なのだが、音楽芸術となるとそこには求められるものは定まる。あるのはワインと同じように時代によってその求められるものや関心のありどころが変わってくるという客観的な状況の存在である。



参照:
ステレオタイプは不可 2024-01-05 | ワイン
神の膝元のリースリング 2015-06-02 | 試飲百景
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ステレオタイプは不可

2024-01-05 | ワイン
ムーティ指揮シカゴ交響楽団最後のツアーが迫っている。そこで演奏される一曲メンデルスゾーンの交響曲「イタリア」イ長調である。昨年暮れからLPを取り出してあったのはカラヤン指揮ベルリナーフィルハーモニカー演奏の1973年前の録音だ。

B面には「宗教改革」が入っていて全集になったのかもしれないが、あまり針を下ろしていなかった。なぜだろうと考えていたのだが、音を聞いてみてやはり魅力が薄い制作であったことが分かる。先ずは当時の評判の悪いDG録音も冴えない。録音コンセプトもはっきりせずに、ヴァイオリンを強調したようなバランスで非音楽的である。

それでもカラヤン指揮のメンデルスゾーンを聞くとやはりあまり得意にしていないのもよく分かる。浪漫派の音楽もメインレパートリーにしていた筈なのだが、管弦楽を持て余している感じが強い。やはり後期浪漫派の楽曲の方が上手だった。

楽譜も落としたので、参考音源もじっくりと探してみたいが、中々いいものが思い浮かばない。少なくともムーティがお手本とするカラヤン指揮では駄目だったとなる。

年末年始で一番素晴らしかったのは、クリスマスを入れて、やはりこのデルへェンだと思う。昨秋グローセスゲヴェックス回収に行ったついでに久しぶりに名うてのグランクリュをドライヴした。

やはりその土壌とミクロクリマからしてナーヘ流域ではこの醸造所が一番いい地所を持っていると思う。小さな田舎の醸造所であって、それほど経済力もありそうにはなく、更に土地柄所謂ブルゴーニュシステム導入には戸惑いが多かった筈だ。それでも少なくとも十年前にはこれ程立派なグローセスゲヴェックスを輩出している。

最後の一本となったデルヒェン2014年はポトリス風味はないのだが若干干し葡萄的な旨味と清潔な繊細さが丁度木樽熟成の広がりのような息遣いになっている。蔵見学をした記憶がないので質してみないと分からないが、とても上手に醸造している。そもそも先代がアイスヴァイン作りの名人であり、今でもその貴腐ワインの甘みの出方はこの醸造所が世界的に有名なエゴンミュラーなどよりは上である。酸の出方とそのバランスが絶妙なのだ。決してしつこくなったりすることがない。

そういうノウハウで以って辛口の本格的なリースリングを醸造するとこうなるという例であって、今更ながらその質を見直している。生産量も一般販売量も限られていて、春にしかし試飲会をしていないことから、特にそのグローセスゲヴェックスなどの樽試飲はやはりそれなりの見識と経験がないと判断が下せない。そしてそこに瓶熟成のポテンシャルを読み込むのは嘗てならユダヤ人ワイン商の専売特許であって、実際河下のビンゲンには後のフランクフルト学派のアドルノ家などがそれで商売をしていた。

そしてここの土壌の複雑さはステレオタイプなカテゴリー別けだけでは片付かない特徴づけが必要になる。色も未だ黄色くなく、まだ十年は寝かせれるが、もう十分に愉しい。酵母臭、硫黄臭一切無し、あるのは葡萄臭だけ。

当時と現在のグローセスゲヴェックスが異なる所はなによりもその醸造の高度な技術とその設備となる。温度管理も整っていて、香りを逃がさず、同時に自然な味の広がりがある。



参照:
ピリ辛感が残る最後 2017-08-22 | ワイン
菊牛蒡とタロイモの年始 2016-01-03 | 料理
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