写真:二幕二場のドルチェなホルン「im Wald hier daheim?」、今回も吹いて貰わないと困るヨハネス・デングラーがアバド時代に過渡期のフィルハーモニカーで吹いていたことは知らなかった。助っ人だったようで試傭期間ではなかったようだが、リヒャルト・シュトラウス家の伝統のこともあり、公務員待遇の劇場のポスト以上に魅力的だったとは思われない。
「ジークフリート」二幕の二月三日公演のメモを見るとヨハネス・デングラーのホルンが明記してあった。何処が巧かったとかいうよりも、一幕を背後で吹いていて戻って来ていたからだろう。それでも三場の小鳥の歌に続いてのホルンの独奏は聞かせ所には違いない。しかし一場のところに書いてあるので、森のアルベリヒの背後で所謂「騎行」の動機が1,3で奏されるのでそこかも知れない。この幕でのコントラチューバが有名だが、バイロイトの2015年の録音でもそのホルン演奏はさしてよくない。デングラーのそれは重い音で鳴らすので良かったのだろう。どうしてもこの場面ではトロンボーンによる呪いが強調されるのだが、次に出て来るヴァンダラーとの絡みではとても重要で、特に今回はベルカントのコッホが歌うとなると、このホルンの響きが活きる。
Beethoven's 8th Symphony, two horn solo 3rd Movement
GANZ GROSSE OPER | Clip 7 | Deutsch HD German
Beethoven's 3rd Symphony, horn trio solo 3rd Movement
キリル・ペトレンコが振る時は進んで乗っている当代の名奏者であるから、その管弦楽団の進む方向にも我々以上に関心があるに違いない。辞めて仕舞えばそれで終わるのだが、やはりとても大きな期待とその新しいフィルハーモニカー形成の中で何か役に立ちことがあるのかと思いを巡らしているのだろう。一奏者であるが、やはりこの人の音楽的な影響力は間違いなくあると思う。
Pahud on TV (in Japan)
Mozart: Symphony No. 35 “Haffner” / Petrenko · Berliner Philharmoniker
Prokofiev: Piano Concerto No. 3 / Petrenko · Wang · Berliner Philharmoniker