Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

考慮する戦略的推進策

2018-07-04 | ワールドカップ06・10・14
日本対ベルギーの試合を観た。今回は放送時間の都合が良かったので、ミュンヘンに出掛けていたポーランド戦以外は観ていた。最初のコロムビア戦で明らかに以前の印象とは違っていて、とても落ち着いていて、観ている方も以前のような不安げな気持ちにさせなかった。一体最後に観たのはいつかは覚えていないが、少なくともカイザースラウテルンでオーストラリアンに逆転負けした時とは全然違う。ギュンター・ニッツァ―などが当時語っていたように、まだまだゴールするために学ばなければいけないことが沢山あるがこのままやれば十年後にはとかの予言が当たった。まさしくその次元に至っていて、普通のサッカー国になっている。それどころか今回のドイツより日本の方が良かったという巷の評価だ。

戦前の予想としてオランダに居る日本人のスカウターが書いていた戦略を頭に入れて観ていたが、その通りやれるパスの精度や間のとり方などの基礎的な実力だけでなくて、刻々変化する細かなフォーメーションを柔軟に対応しつつとても攻撃的なディフェンスというのはZDFで専門家が分析していたように驚異的だと思う。ベルギーなどは全然出来ていなかった。やはりこれで日本のサッカーというのは定まったのではないかと思う。今後はどうなるか知らないが、後継者がどんどん出て来れば何れもう一つ上のベスト8を目指せるのだろう。それに引き換え東アジアの王者であった韓国の進展はあまり感じなかった。またここでもいずれはシナが出て来ると思う。というか今回の総合的な感想は、アフリカも技術的に高度なものを身に着けて来て、アジア、アフリカと欧州・南米の差が益々縮まって来ているという事だ。

同じように管弦楽団などでも大きな市場があって、ドイツの十倍以上の数の高等音楽学校卒業者を輩出していれば、やはりそれなりの水準に至ってもおかしくは無い。何時か日本に滞在する時は、放送ではある程度分かっているのだが、是非それも聴いてみたいものだ。

先日購入して持ち帰ったトルテを片付けた。二つで9ユーロを超えていたので安くは無いのだが、その出来からすると高くは無い。ミュンヘンに行くようになって、ダルマイールでいろいろと試してみるが、価格の割に落ちるというものは今までほとんどない。ロンドンなどであると全てが割高と感じるが、ミュンヘンは大分違う。これでお土産リストに更に品目が増えた。

次のミュンヘン訪問は土曜日であるが、その夜の「三部作」が再び四席出ていた。以前は出ていなかったかと記憶する後ろの方の最高金額席だった。舞台に関心がある人にとっては最前列よりも一望可能なためいいのかもしれない。個人的には平土間の席の買い方は複雑だなと思う。

入手したNAS用のHDDを設置した。先ずは古いものにデフラグを掛けると12時間ほど掛かった。19%のフラグメーションかだったのだが、なんといってもデータ量が多過ぎる。四億四千データーを超えていた。結構数が増えるのはアウデシティーの音楽データーで一曲に可成りの区分けがされているためにデーター処理の時間が掛かる。そして、最後にデータを圧縮しようと思ったらこれまた半日ほど掛かりそうだ。

一つだけ想定外のことがあった。Win8で新しいHDDの容量は読めたが、ルーター経由では読めない。ルーター自体は読んでいるようなので、何か方法はありそうだが、さもなければ750MBの容量となって、既に倍以上のデータが記録されていることになって赤の警告になっている。残りの容量は1.3TBと表示されているの実用上は問題が無いのだが、論理矛盾が表示されている。なんとかならないか。

今週は自宅で録画録音したいものが幾つかある。週末の「パルシファル」は当然だが、土曜日の「ローエングリーン」も試したい。それ以外にはネゼセガン指揮マエストリとのフィラデルフィアでの「トスカ」もあるが、なんといっても注目は金曜日のランランのカムバックコンサートだ。ボストンでのこれがなされれば来年までの予定は流れるであろう。今のところまだキャンセルは入っていない。



参照:
十七時間後に帰宅 2018-06-30 | 生活
アマルガムの響きの中 2018-07-03 | 音
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いざカウンター攻撃

2018-06-25 | ワールドカップ06・10・14
ドイツ対スェーデンの試合を観た。代わり番このARDの晩だった。嘗てのように男カタリーナヴィットことギュンター・ネッツの名解説も無くなったのだが、ZDFにはオリバー・カーンも出ていた。彼がカムバックしなければいけないようなディフェンスだと思った。兎に角、最初のお得意の密集総攻撃で得点出来なかったので駄目だと思ったが、最後には辛うじて首を繋いだ。それでもこのチームが優勝争いに食い込むなどとは誰も期待していない。毎回最初は全く盛り上がらないのがドイツであるが、いつも知らないうちに優勝争いに食い込むようになって、首相の訪問日程が検討されるようになると燃焼寸前だ。それでも今回のチームに限っては政治日程には絶対のぼらないだろう。

なによりも興味深かったのは、あのボアテンの反則だった。最終的には赤紙が出されて退場となったが、最初の反則が取られていたならば完全に負けていただろう。彼の名を聞くたびにAfDの「もしボアテンが隣人だったら」発言とその反響を思い出す。まさしく修正主義的なこの手のポピュリスト政党の常套文句で、皆が「そのような人種差別などは恥と考える」その裏側でなにか本音のような邪悪な感情に呼びかけるのがこ奴らの手段で、世界中変わらない。

勿論多くの人はそのようなスローガンに自問自答してみて、やはりそのような発言や手法は許せないと思い、実際に上の場合もボアテンに部屋を貸したいというオファーが沢山出された。この辺りは、所謂カウンターと呼ばれる運動に近い。そこで最も重要なのは、その手の連中を許さないことを示す活動で、政治活動として認めないもしくはピアニストのイゴール・ヨベットのように果敢にカウンター活動をすることだろうか。

兎に角、彼に任せるしかないチーム事情を考えると悲観的になってしまう。一体ああしたAfDの連中はこうした現実をどのように思っているのだろうか。こうしたナショナルチームのみならず、世界中の優秀な管弦楽団なども同じような塩梅で、それこそが現実で各々の人材を其々に活かすことにしか道は無いのである。

涼しい週末となって、寒冷前線で気温摂氏10度から20度ぐらいで気持ちが良い、というか眠くなる。走るのも気持ち良く、先日までの滝のような汗が嘘のように、軽く掻いた汗も気持ちよく乾く。来週は週末の30度へと再び上昇するようだ。初日が木曜日のミュンヘンはライフが予想されていて最高気温が20度以下のようだ。それならば十分に着込んでいても暑くは無いだろう。気温によってはディナージャケットも考えてみようか。よく考えるとオペルンフェストの初日は初めてだ。まあ、たとえ赤絨毯が引かれていても私は駐車場から入るので関係は無いのだが。

「パルシファル」一幕は一通り観て、感想もメモしておいた。週末中に二幕と三幕を片付けて仕舞いたい。流石にバーデンバーデンの初日の前からすると積み重ねが増えていて、結構いいところまで来ている。木曜日までに満足するほど把握出来るようになるだろうか、限が無いのは分かっているのだが。



参照:
身体の使い方や鍛え方 2014-02-22 | 雑感
スカンポンなカメルーン西瓜 2010-06-15 | ワールドカップ06・10・14
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「普通の国」になった実感

2014-07-15 | ワールドカップ06・10・14
ワールドカップでドイツが優勝した。24年前のローター・マテウスの時の表彰式を昨日のことのように思い出す。あの時はヘルムート・コール首相のチームだった。東西統一の余波が残っていて、一体何事かと思うほどのお祭り騒ぎだった。

それに比べると比較にならないほど静かな優勝で、メルケル首相も大会の裏で、ウクライナ問題に関して兄弟のプーティン首相との会談が控えているに違いない ― 前日プーティンが中米からブラジルに廻ることが伝えられた。この間に欧州の盟主となった大ドイツ連邦共和国はEUの独自の安全保障の確立に重要な存在となったのだ。

あの夜は車が警笛を鳴らして走り回ったのだが、今回は花火がそこらで上がるぐらいで、近所では20発ほど上がっただけである。車は一台も走り回っていない。如何にドイツの市民は落ち着いてきたかであり、TVの実況アナウンスが伝えるような盛り上がりは若干違うような気もする ― その後近所で集まっていた一派がワイン街道でジークフリートの角笛のようなラッパを鳴らした。赤鬼カイザースラウテルンのサパーターか。

要するに盆と正月がやってきたような騒ぎにはならないということでもある。もっと実質的な国際的な実力がついてきている証拠であろう。あの当時はまだ外国人労働者問題が国内の労働市場を荒らし、更に東ドイツの崩壊の後始末が大変だったことを考えると、漸く普通の国になったのである。

それにしてもあの日のことが昨日のように思えてしまうのはどうしたことだろうか?また覚醒することで、失われた日々を過ごしていたような気になってしまうのである。表彰式が終わって車が走り出したが、それほどの数ではない。そういえばクローゼの奥さんが映っていた。WIKIには家庭ではポーランド語を使うと書かれている。



参照:
今年三度目のTV点灯 2014-07-10 | ワールドカップ06・10・14
首相の言葉の意味するところ 2011-07-18 | ワールドカップ06・10・14
洗濯してみないと分らないが 2014-07-04 | 生活
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今年三度目のTV点灯

2014-07-10 | ワールドカップ06・10・14
今年三度目のTV観戦である。ドイツ・ブラジル戦はやはり話の種に見落とせない。結局最後まで観る必要もなくなったが、戦前の予想通り勝ってもあまり愛されないドイツ像となったようである。強くてもあまり魅せないレーヴのチームという評価がこれでよく分った。呵責なまでの集中した攻撃と勝利への合理的な戦略は見事であった。まさしくドイツ連邦共和国がまたここでも一人勝ちする身についた合理主義である。

しかしここまでの試合を統計上総計すると残った4チームの中では、一番走って、80パーセントのパス成功率で、オランダに続いて得点力がある。もっとも相手にボールを持たせるのがオランダで、最も維持しているアルゼンチンにワンポイント下がって58パーセントの保持率である。更に、反則が僅か54で黄色カードが四枚しかない。今回も巧妙に個人対戦を制していたのを見てもそれは納得できるのだ。

更にバイエルン・ミュンヘンのノイヤーは86パーセントもゴールを制止していて、ブラジルのユリアス・シーザーの60パーセントとは全く違っていた。ボールを掴むことは出来なくても正しい方向へと弾いてしまうが、そのあとのコーナーキックも制止していることになる。

兎に角、大またでがどたどたと走りこんでいるように見えてもスピードが違い、対峙の個人対決においても手足の長いドイツ選手が明らかに有利である。さらに空中戦が得意で、精巧なパスをするとすれば、これに勝てるのはオランダの大男のゴールキーパーしかいないことになる。



参照:
過熟成気味の今日この頃 2014-07-06 | ワイン
とても景気の良い環境 2012-01-01 | アウトドーア・環境
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首相の言葉の意味するところ

2011-07-18 | ワールドカップ06・10・14
メルケル首相の言葉を借りるまでもなく、大会開催国として大成功だった。86%もチケットを売り上げ、一千七百万人の人がTVに噛り付いたのである。予選段階ではレヴェルに達しない試合もあってか女子サッカー大会への懐疑から議論もあって、首相に代表されるような女性層だけではなくブンデスリーガーファンの中でも不たちに割れていたという。しかし最終的には国民的な大祭となったというのである。

もちろん本来ならば優勝するべきのドイツチームが優勝チームのなでしこに負けたことで、演出の予定は狂ってしまった訳であるが、逆にそのことで本来の意味合いが浮かび上がってきたとする見解がある。

なるほど、それは嘗ての中田マネーで散々にけなしていたドイツにおいても、ドイツを代表する大企業がふんだんな助成金を通しして、決して他のスポーツ分野ではありえない大舞台のお膳立てしていた背景がある。

そうしたことも含めて、メルケル首相が試合後に語ったように、フェアーな応援とそれを超えてのドイツ市民のサッカーへの熱狂が、今後の若い少女たちへの大きな支援になるというのは全く正しい。

米国チームの詰襟ユニファームは、いつもそうなのかどうか知らないがフェミニンなサッカー服としてなかなか立派なもので、胸元を開けてチェックを受けないといけない不便さはあるのかもしれないが、こうしたところにも文化が見つかる。

それにしても菅首相の祝福の言葉は素晴らしかった。あれほどの声明を書ける官僚やブレーンが居ながら、事故後から脱原発までの発言の不明瞭さは不可解極まりない。菅首相がフランクフルトに来る意思があったというが、なぜ皇太子夫妻に依頼出来なかったのだろう。このあたりに宮内庁だけでなく官邸と官僚組織との意思の疎通の悪さが窺い知れる。



参照:
Auf allzu großer Bühne, Christian Kamp,
Japanische Traumreise zum WM-Titel,
Die Erste unter Gleichen, Thomas Klemm, FAZ vom 19.7.2011
おめでとう、なでしこ! 2011-07-18 | ワールドカップ06・10
帰宅してシャワーを浴びる前に 2011-07-16 | アウトドーア・環境
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おめでとう、なでしこ!

2011-07-18 | ワールドカップ06・10・14
まさに逆境の中での優勝であったのだろう。米国チームの方が強かったに違いないが、一部の日本の報道にあったように気持ちで完全に日本が勝っていたようだ。

誕生日のメルケル首相だけでなく、コール首相やギュンター・ニッツァーに混ざって、緑の党のロート女史が陣取っていたのは何かを象徴していたのだろうか?

世界の援助への謝礼の横幕も良かったが、何よりも逆境を乗り越える希望を日本人に与えたに違いない。福島の悲惨の中でも日本人は生きていかなければならないのだから。

PK合戦の米国選手の弱さを見せた表情と、最後の日本選手の表情がとても印象的であった。気を強くして、決して諦めてはいけないのである。メルケル首相が評するように「強い神経が勝つ」のである。
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守り切れなかった軋み

2010-07-08 | ワールドカップ06・10・14
戦前からドイツチームに軋みが入っていた。

個人の技術的にスペインに比べてドイツのそれが落ちる事が分かっていたので、守りの戦略を取ったのだろうが、スペースを与える反面スペースを見出せなかったのが敗因だろう。それにしても完全にスペインにボールを支配されたのには驚いた。オランダならもう少しやるだろうか。

なるほどレーヴ監督の言うようにドイツチームは七週間の即席チームで、スペインは何年もやっている出来上がったチームというのは、あのパスワークの素晴らしさだけでも良く分かる。ゴールの前であれだけパスを渡せれば、日本チームでもシュートできるだろう。

ドイツのジダンを目指すトルコ人エジールもまだまだ経験不足だろうか。ウルグアイもなかなかのエグイチームなので手ごわいかも知れない。主将のラームが三位決定戦など戦う気がないと言うのは理解出来る。

まさに軋みは、ビーアホッフといっしょにうろうろとしていた欠場のバラックにあって、チームの内外で主導権争いがあったと言うが、シュヴァインシュタイガーが最もこのチームの中で最高の選手だったと言うネッツァー氏の評価も分かる。

実力だけでなくて、ドイツチームの弱点も相手よりもよく研究していたのがスペインなのだろうか。
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中途半端な印象の大韓民国

2010-06-27 | ワールドカップ06・10・14
オリヴァー・カーンは、韓国1ウルグアイ0を予想していたが、またもや予想が外れた。ウルグアイが最初から攻めるので何時まで続くかと語っていたが、韓国の護りの弱さを突かれたのだろう。

韓国人としては、システムは優れているのかも知れないが、「アジア人の遠慮深さ」と指摘される様に、嘗ての我武者羅な覇気のようなものを感じない。なるほど攻撃的なチームなので、戦略的に逆を突かれたのだろう。

敗北後のTV宣伝に現代工業の車が紹介されていたが、今一つパワーもなさそうで逆効果である。穿った観方をすれば、国自体がその成長を終えてしまって、大企業こそ世界市場で立場を築いたが、今後どれ程の可能性があるかはなんとも言えないのと、こうしたナショナルチームの感じと良く似ている。端的に言えばプラトー現象から伸び悩みで先が見えるどころか、先があまりないと言う感じだろうか。

韓国はEUにおけるポーランドのような立場をとることも出来ないのが苦しいところだろう。実際、流通している韓国製の商品も購買対象として比較審査をするのだが、それほど魅力的な商品もなく、未だに購入したことがない。その商業上のプラスアルファーで市場占有率を伸ばしているに過ぎないので、その商業的な対象とならない限り今後とも琴線に触れる商品はないだろう。

なるほど、韓国チームは勝ち抜いてきただけ強いのだろうが、もう一つ監督の試合への戦略などが明確に見えてこなかった。そこに敗因もあったのだろうか。そう言えば、ゴールキーパーの前へ後ろへの様子を見て、出るなら取る、さもなければ退くとどちらにもつかないのがキーパーとして何時も致命傷になると解説していた。
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クレージーでそれほど悪くない

2010-06-25 | ワールドカップ06・10・14
「特別な民族」と日本贔屓のオリバー・カーンの戦前の予想は完全に裏切られた。当然のことながらデンマーク勝利を予想したのだが、フランス、イタリアに続いて急遽帰りの飛行チケットを用意しなければならなくなったデンマークチームの状況に失望している。

川島を評して、「それほど悪くないゴールキーパー」で、右へ左へと執念深い姿勢に自らを重ねてか「クレージーなタイプだ」と語る。

セットプレーを十分に活かした日本チームに対して、加齢で遅いデンマークが負けたのは、八年前から成長し続けている日韓両国チームを観ていてそれほど驚かないと言う。

一つ目でのフリーキックでの(壁に居た遠藤?)のフェイントで、彼に言わせると最初の重心移動の方向で、― たとえ故障上りでなくとも ― 流石のデンマークの名人キーパであっても取れないと、その先行失点の心理的影響の大きさを指摘して、その後のキーパーの不安定感を説明する。二つ目のそれの真ん中に作っている壁では駄目だと解説する。また三つ目の失点に関しては、トーマス・ゼレンセン自体は経験も十分で良いキーパーだが、元々ロングシュートには難があったのだがと。

この独第二放送の長谷部へのインタヴューでは、ドイツ語の質問の「AUSSCHLAGEN」が判っていなかったのは仕方ないだろうが、なんだかんだとドイツ語を使って答えるのは立派なものである。

なによりも、尻上がりに自信を付けて来ている日本チームとクレヴァーな戦略が決まる岡田監督の顔付きが俄然立派に見えてくるから不思議なものである。四年前とは大分異なる。なるほど病に倒れた前任者の教育も活きているのだろう。



参照:
戦犯探しに熱心な国民性 2010-06-19 | ワールドカップ06・10
スカンポンなカメルーン西瓜 2010-06-15 | ワールドカップ06・10
本能に従って進むもの 2010-06-25 | 料理
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戦犯探しに熱心な国民性

2010-06-19 | ワールドカップ06・10・14
セルビアに連邦国チームは敗れた。オーストラリア相手に弱いもの虐めであまりにも滑り出しが良すぎたつけであろう。ZDFの解説のオリバー・カーンが言う様に、二人のポーランド人を非難するのは間違いであろう。

なるほど、サッカーは格闘技だと彼が話す通り、クローゼの攻めは正統的なものであろうが、二枚目の黄色で赤色の退場となると、やはりチームが動揺したようだ。その分を一人で背負ったポドルスキーが少しだけ力んでしまうのも仕方が無い。いつも思うのだが二人がポーランドチームにいればドイツチームがここまで勝てたかどうかも分からない。

シュヴァインシュタイガーの情けない敗者の弁を見ていると、如何にもドイツ人はその体格や強い時の圧しに比べて国民性は一度劣勢になると弱弱しい。なによりも、インタヴューに答えるレーヴ監督も顔色悪く、一度鍍金が剥がれると、その台所事情がそれほど余裕がないかが分かる。心理的なものが大きいチームプレーのスポーツに違いない。

毎度のことながら、負けると、国民が揃ってスペイン人のレフリーを挙って批判するところがまたまたドイツ国民の情なさである。兎に角、敗戦の戦犯探しに熱心な国民性であることは周知の事実である。



参照:
スカンポンなカメルーン西瓜 2010-06-15 | ワールドカップ06・10
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スカンポンなカメルーン西瓜

2010-06-15 | ワールドカップ06・10・14
カメルーン産の西瓜を齧りながらワールドカップを観戦した。これほど酷い試合を観たことが無いと言うカタリーナ・ヴィット似のギュウンタ・ネッツャが語るのは正しいだろう。まるで監督がいない頭の無い同士の試合で、間違いなく程度の上のカメルーンの試合運びは解せないと、嘗てはドイツ人監督ピスターによって育てられた何もかもを捨て去ってしまっているのを嘆くのは当然だ。

そもそも誰も日本チームに期待の欠片もしていなかったところに、岡田監督が改めて現地で「目標はベストフォー」などと語ったのでお笑いを通り越して、顰蹙さえ買い、嘗ての広告スター中田攻撃に劣らない只一人名前の知られている岡田攻撃がなされたのである。そのような理由で、どうやら個人の技は益々上がっているような日本チームのチームとしての出来損ないぶりは観るべきものがある。

そのためか「君が代」を口ずさむ選手の顔付きまでが、四年前の侍風のものから、まるで島で一人の女を争そう「あなたはん」物語の生き残り日本兵のような情けなさである。監督のおかげか、四年前のようなパスからパスへのおかしな蹴鞠フォーマーションを見せられることも無くなって、偶然にチャンスが訪れるようなその試合展開はまるで子供の試合のようだ。

それに輪をかけてカメルーンの一流選手などが真っ直ぐ前向きにパスしようと走って行くのを観ると、なにも出来ない日本の選手よりも遥かに滑稽である。明らかに程度が上の選手のやることの方が大馬鹿に見える。エトー選手などは一日に換算すると、五百万円近く稼いでいると言うからこれまた馬鹿らしい。

本田選手の得点を見て、「悪くは無いけど、日本のスターのそれと言うのはね」と語るのに全てを表われているだろうか?「デンマークが、日本とカメルーンを問題なく下す」と言うのは間違いなく正しいだろうが、ドイツチームにしてもあまりに強過ぎで始ったのが、幾ら現地が冬型気候としても尋常ではない。



参照:
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自尊心満ちる軽やかさ

2006-07-12 | ワールドカップ06・10・14
暑い日が続くがワールドカップも終わり総括に追われている人も多いようだ。ドイツ連邦共和国大統領は、健全なパトリアティズムを喜び、新生ドイツを確認した。一国の大統領としてこれほど幸せな状況は稀だろう。

大会の運営はいうまでもなく、世界に開かれた、寛容の精神に満ち溢れた盛り上がりは、外国の誰も予期出来なかったほどのものと、外務大臣シュタインマイヤーは語る。アナン事務総長は、「世界は、行き過ぎたドイツのパトリオティズムを恐れる事は無くなった。幸福なドイツ民族に接して感応した。」とする。

ケーラー大統領は、「我々は、なんら新ナショナリズムと云われる様な政治的動きも無く、我々の国旗に自己を確認するのを見る。」と表明。

またユダヤ中央協議会長のクノッブロッホ女史は云う、「民族が自国に対してとる、これほど自然な姿勢は珍しい。自尊心満ちる軽やかさで、国旗の色を、ほっぺに描き肩に巻く、全く素晴らしいの一言に尽きる。」。

こうした公式の見解を聞いて、それはおかしいとか、異論を唱える人は殆ど居ないだろう。こうした幸福な状況の前提は幾つもあるが、その多くはここでも再三触れられている。そして日進月歩の日々の歩みの中で、一歩でも貪欲に前進しようとする民意が成し遂げたものである。

大会関係者の名言集がリストアップされている。その中の内務大臣ショイブレのコメントがちょっと好い。氏は、総理大臣候補であった時分刺客に会って命は取り留めたが下半身不随のまま車椅子政治家である。「車椅子に国旗を旗めかさないのかと問われたのだが、パトカーを見て辞める事にした。パトカーは、絶対旗を付けていないよね!警備の警察の元締めの私の車もそれに倣いました。」。

大会期間中九千件逮捕者と七千件の送検、そのうち八割がドイツ人で英国人がそれに続く。また850件の負傷の内200件が巻き添え、200件が警察官であった。こうして大会を無事執り行った成果を確認すると同時に今回の治安会議で今後もテロリストへの警戒を続行するとした。内務大臣は、所謂情報活動の総元締めであることも付記しておかなけれないけない。


昨日の会見で監督を引き受けずに米国へ帰るとしたクリンスマンの判断は、計算の出来るシュヴァーベン人らしくて、予想通りである。後任に推薦のレーヴに要請が廻るのかどうかは分からないが、米国はクリンスマンに興味を示すだろう。
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とても感じ易い共和国

2006-07-11 | ワールドカップ06・10・14
ワールドカップドイツ大会フィナーレから一夜明けた。イタリアの勝利に対して、フランスの敗北。中でも特にジダンの暴力退場に、真夏の暑いブルーマンディーに胸のわだかまりの様なものを感じた人は多いのではないか?

フランツ・ベッケンバウワーは、「フランス人は人一番センシブルだから、キャプテンを探しても何処にも居ない事で、ジダンの退場はチームを弱体化させた。」と試合直後独第一放送の中継スタジオで語っていた。

チームの構成やリーダーシップ、そしてここまで持ち上げてきたモティヴェーションを指して言ったのだが、こうした精神的な様相が今回の大会の随所に散見された見所ではなかったかと思う。勿論スポーツとしての技術・体力などの秀逸を前提としている。

そしてこの精神的な様相は、其々の勝敗を左右する決定的なシーンで、良く観察すればするほど通常考える以上に大きな要素となっている事に気がついたであろう。

その点からしてもジダンの活躍は、その経験や才能と言うだけでなくて、我々観ているものに大きな感動を与える精神的強靭に飾られていたと言ってもよい。ライプチッヒで行われた試合で、ドアを蹴り壊したとか、それを保存するとかの豪傑なエピソードとして語られた。

それだからこそ、こうした終焉はなんとも受け入れがたい。ベッケンバウワーは、ジダンを評して、「彼は控えめで、無邪気な人間だから、マテラッツィがなんか彼に言ったに違いない。」と続けた。そして、「これで観られなくなると非常に残念でたまらないからバイエルン・ミュンヘンに招聘したい。」と慰めた。

それでもどうしても理解しがたいのが、あれほどまでに自信に溢れ、冷静さを保った人間が、暴力行為と言う蛮行に出てしまった事でしかない。この二つは、人間の能力を測る時に、肯定的に働くか、否定的に発散されるかの同じエネルギーに他ならないからである。

今回の大会では、既に触れたように、試合後にヴィデオ判定されることが真実となり、今回の最終戦では審判の見落としがヴィデオによる判定となったことの意味は大きい。ヴィデオなどの物的証拠が審判や観衆の目よりも尊重される訳には簡単にいかない事も、永遠のテーマなのである。スポーツを遥かに超えて、報道をも超えて、これは人間の認知の問題でもある。

さて、事の真相は分からないが英ガーディアン紙が伝えるとする、テロリスト呼ばわりしたと言うのも滑稽な憶測と言うしかない。なぜならば、ジダンをイスラム原理主義者と呼んでも何の真相みが無いばかりか、冗談にもならないからである。ムスリムの青少年たちの鑑となってフランス共和国にジダン効果を齎した選手である。こうした言動が如何に教養の無いサッカー選手と言っても出てくる筈が無いのではないだろうか。ジダンが如何なる宗教感や世界観を持とうが、それは極プライヴェートなものであって、彼が宗教家で無い限りそれを主張することも詮索する事も大きな誤りである。

そしてブッシュ政権による反テロリストキャンペーンにおいて、こうした伝統への悪影響を恐れたフランス共和国であったことも決して忘れてはいけない。

また、人種差別的な発言があるとすれば、それは直前に交代したアンリ選手へのものだったかもしれない。もし、イタリア人得意の悪知恵が働いて、挑発しようとするならば、相手の身近にいる者を嘲笑すれば事足りる。これは、大会にイタリアチームによっても宣言されていたような宣誓に反するので、ありえないだろうし信じたくもない推測である。

こうして書き出して行くと、胸のつかえの原因が明白になってきた。どうも昨日述べたようにジダンと言う選手の存在は、結局はフランス共和国の一部であり、間髪入れずにシラク大統領がジダンを支持した姿勢にもそれが表れている。

共和国の統一と言う非常に繊細な問題に対して、予想される諸外国からの無配慮な憶測や好奇な眼に対する不快感が淀みとして心理的に影響しているような気がした。

FAZでの「イタリアは優勝に値するか?」へのネットアンケート調査結果は面白い。39%の「値しない、輝きの無い勝利。」が一位、二位には「値しない。フランスがゲームを決めた。」の25%、三位に15%で「値する。優秀な守備と強靭な神経。」、四位に16%が「値する。最強のドイツを破ったから。」、最後に「ジダンのファールでフランスは勝つことは許されなかった。」に5%の回答と、全8200票からの集計である。
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政教分離の無為と有為

2006-07-10 | ワールドカップ06・10・14
フランス対イタリアの決勝戦を楽しみにした。ワインを冷やして、チョコチョコとやりながら森のハーブサラダを用意する。

フランスは我々にとって何よりも政教分離のお手本である。現代社会において宗教の意味するところは限られていて、ある種の文化でしかない。しかしこれが個人や基本共同体においての世界観であるのとは、峻別されるべきである。

先日、シュトュッツガルトの行政裁判所が、モスリムを信ずるドイツ人教師の訴えを認めて、頭巾を被った儘の授業を認めた。この問題は永年司法において扱われてきた問題で、現状の「禁止」を覆す判断であった。主な理由は、保守性の強い「黒い森地区」で行われているカトリック尼僧による授業との機会均等を挙げている。キリスト教のそれを欧州の中心文化として認めて、「それとは違う頭巾の禁止を不公平とはしない」とした司法判例とは、正反対の立場での判決であった。

この問題は、教室にある十字架や鳴り響く教会の鐘の音などへの見解との兼ね合いもあって、手短に書き纏める訳にはいかない。しかし、こうしたつまらないことが議論される、教会税を徴収する、ドイツ連邦共和国の信教の自由こそが大問題であろう。この点においては、フランスに比べて後進性を示していると言えるだろう。逆にこれは、新旧キリスト教会間の宗教対立が歴史的に止揚されて現今の大きな教会合同への流れに至っている歴史を物語っている。

先ごろもポーランド系の得点王ミロスラフ・クローゼの試合中における旧教的で素朴な宗教的仕草が話題となっていたが、これも彼が生粋のドイツ人で無い事を証明していた。

そしてフランスチームは、ジダンやアンリが公然とアラーに感謝する筈が無いからこそ素晴らしく偉大なのである。誰がそうした朴訥な姿をフランスチームに認める事が出来ようか。町に拡声器で流されるコーランの如くそれを公の場所で受け入れる素地は無い。

決勝戦前半を観て、偉大としか言うことの出来ないジダンのPKであったが、イタリアには組織された技術の秀逸を感じる。イタリアで窃盗団に狙われたら何も対抗処置は無いと思わせるに十分であった。そして、延長後半でのジダンの頭突きは、何よりも誰も認める事の出来ない仕草であった。延長前半のヘッディングをブフォンに止められて焼きが回ったと思ったのかどうか知らないが、大変スキャンダラスな幕切れであった。


参照:
リベラリズムの暴力と無力 [ 歴史・時事 ] / 2004-11-06
キッパ坊やとヒジャブ嬢ちゃん [ 歴史・時事 ] / 2004-11-06 
キルケゴールの考え方 [ 雑感 ] / 2005-11-07
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シロッコではないが

2006-07-06 | ワールドカップ06・10・14
さてミュンヘンの天候を見る。ご多分に漏れず今日はかなり暑い。こちらでも気温摂氏33度を超えているので、高地にあるミュンヘンとは言え摂氏32度となっている。湿気は50%を切っている事から、夕立の可能性は限られるかもしれない。

こうした気象配置を見ると所謂シロッコと呼ばれるサハラ砂漠の灰が降って、視界の悪いフェーン現象が起きている様子はない。

今晩の取り組みは、ジダンが登場する。引退を前に最後の華を咲かせる。アルジェリア出身の彼がフランスに住む移民のアイドルである事は容易に想像しやすい。サルコジ内相が進める移民法の発効とこうした引退試合の祝祭だけでなく、前回のワールドカップでの不調とフランス極右国民戦線ルパンの引退、そして今回の復活劇など奇しくも全てが重なっている。嘗て選手がラマルセイェーズを歌ったか歌わなかったかを問うたのがこの政治家である。こうした強制をファシズムと呼ばずに他になんと言おうか。

サッカーを政治の道具化してはいけないが、広く国民に呼びかける力も無視出来ない。試合前のセレモニーでの反人種差別へのアピールは、スターたちによって各国語で宣誓されて、必ずや青少年に力強く訴えかけたであろう。

ポルトガルのスコラリ監督が言う、「サッカーは戦だ。殺すか殺されるか。」の試合をするのだろうか。イエローカードの溜まるフランスにはラフプレーは最も効果的な武器になるだろう。一体どうなるのか。
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