恒例のワインリストである。今年は、2010年産のとんでもない酸の強いリースリングとニューヴォーである酸の穏やかな2011年産とのコントラストが特徴だろうか。それと同じぐらいに、押しの強い酸の量感のあった2008年産が飲み頃になって、清潔さと将来性のある2007年産を追い抜いて消費される熟成となったことと、2005年産にある程度の見通しがついたことが今年のリースリングの報告の全てであろうか。
一方で2009年産は既に眠りに入っており、今は手を出さない方が良い。瓶詰め後二年でへたれる様な単純なワインは飲み頃は終わってしまっていてもはや落ちる一方である。要するにピュルミエ・クリュとかグランクリュやシュペートレーゼ以外では飲み頃が過ぎている。
2010年産がなぜそれほどに酸が強かったかは気候によるのだが、摘み取りを遅らせて酸がある程度分解出来ていれば、その質は決して悪くは無く繊細で寧ろ将来性を確約する。しかし、そこまで酸が綺麗に分解されたものは少なく、やはり酢酸的な鋭い臭みさえ伴うような酸も少なくは無い。
温暖化で二十年ぶり以上の酸の強度となったため除酸と呼ばれる作業が必要にあったのが2010年産である。そのやり方によっては石灰の残留で酸が落とされてもその分が角が抜けような丸くざらっとしたリースリングも市場に出回っているようだ。更に開花時期がずれたために収穫量も落ちて、除酸のダメージを受けていない上質な酸の将来が期待が膨らむリースリングは希少価値となった。アルコール度も高く、残糖値も高く、上手に酸を処理しているリースリングは、その希少価値ゆえに将来大分高価な代物となりそうである。
その反面、そのような将来性のある酸の強いリースリングは、一般向きではなく所謂リースリング愛好家によって愛でられる対象であるが、その酸の鋭さゆえに既に瓶詰め後数ヶ月経っていてもまだまだ飲めるようにはなっていない。口に含むと歯がやられて、飲み込むと食道がやられる。とても危険な酸なのである。
そうしたワインが何時ごろ飲み頃になるかは分らないが、二年ぐらい掛かるのではないかと予想している。ここでも二年熟成を続けないような単純なワインと長寿の高級リースリングとの差が出るのである。もちろんそれは市場での価格差となって如実に表れる。
今年最も本数を飲んだ2010年産リースリング
レープホルツ醸造所 フォム・ブントザントショタイン カビネット
売り切れて追加入手出来なかった2010年産リースリング
バッサーマン・ヨルダン醸造所 キーゼルベルク 辛口
ビュルクリン・ヴォルフ醸造所 ボェーリックPC
買いそびれた2010年産リースリング
バッサーマン・ヨルダン醸造所 ウンゲホイヤー 辛口
ビュルクリン・ヴォルフ醸造所 ランゲンモルゲンPC
ゲオルク・モスバッハー醸造所 フロインドシュテュックGC
ロベルト・ヴァイル醸造所 グレーフェンベルクGC
最も本数を購入したリースリング
ビュルクリン・ヴォルフ醸造所 ヴァッヘンハイマー2010年ならびに2009年
楽しめた単純な2010年産リースリング
ヘッセン州立醸造所 シュタインベルガー 辛口
フォン・ジンメルン醸造所 エルトヴィラー 辛口
クリストマン醸造所 グーツリースリング
最も美味かった2010年産グランクリュ
レープホルツ醸造所 ガンツホルン
ミュラーカトワール醸造所 ブリューメル
最も将来性のある2010年産グランクリュ
ビュルクリン・ヴォルフ醸造所 ホーヘンモルゲン
ウンゲホイヤー
ペッヒシュタイン
酸が強くて現時点では飲めない2010年産
ビュルクリン・ヴォルフ醸造所 アルテンブルクPC
ゴールトベッヒャエルPC
酸が強くてよかった2010年産
フォン・ブール醸造所 ライタープファードGC
酸が強くても飲めた2010年産
ミュラーカトワール醸造所 マンデルガルテン辛口
今年購入した最も高価だったワイン
バッサーマン・ヨルダン醸造所 2009年産 フロインドシュトュックGC
今年飲んだ最も古いワイン
レープホルツ醸造所 1990年産 リースリングシュペートレーゼ 辛口
今年飲み干したリースリング
バッサーマン・ヨルダン醸造所 2007年産 ペッヒシュタイン
今年飲み頃となっていたリースリング
レープホルツ醸造所 2008年産 フォム・ブントザントシュタインS
既に峠を迎えたリースリング
グリューンホイザー醸造所 2008年産 アルテレーべ
最も熟成に納得したリースリング
バッサーマン・ヨルダン醸造所 2008年産 ペッヒシュタイン
見切りをつけて開けて納得したリースリング
ミュラーカトワール醸造所 2005年産 ブリューメルGC
見切りをつけて開けて正しかったリースリング
ビュルクリン・ヴォルフ醸造所 2005年産 ゲリュンペルPC
予想ほどに美味く熟成しなかったリースリング
フォン・ジムメルン醸造所 2005年産 マンベルクGC
最も美味かったシャンパーニュ式ゼクト
フォン・ブール醸造所 2007年産 ペッヒシュタイン
まだまだ熟成の足りない甘口リースリング
JJプリュム醸造所 2007年産 ヴェーレナーゾンネンウーア
年の最後に開けたリースリング
フォン・ブール醸造所 2010年産 ライタープファードGC
年の最後のお祝いゼクト
ミュラー・カトワール醸造所 2009年産 ハールトリースリング
(続く)
一方で2009年産は既に眠りに入っており、今は手を出さない方が良い。瓶詰め後二年でへたれる様な単純なワインは飲み頃は終わってしまっていてもはや落ちる一方である。要するにピュルミエ・クリュとかグランクリュやシュペートレーゼ以外では飲み頃が過ぎている。
2010年産がなぜそれほどに酸が強かったかは気候によるのだが、摘み取りを遅らせて酸がある程度分解出来ていれば、その質は決して悪くは無く繊細で寧ろ将来性を確約する。しかし、そこまで酸が綺麗に分解されたものは少なく、やはり酢酸的な鋭い臭みさえ伴うような酸も少なくは無い。
温暖化で二十年ぶり以上の酸の強度となったため除酸と呼ばれる作業が必要にあったのが2010年産である。そのやり方によっては石灰の残留で酸が落とされてもその分が角が抜けような丸くざらっとしたリースリングも市場に出回っているようだ。更に開花時期がずれたために収穫量も落ちて、除酸のダメージを受けていない上質な酸の将来が期待が膨らむリースリングは希少価値となった。アルコール度も高く、残糖値も高く、上手に酸を処理しているリースリングは、その希少価値ゆえに将来大分高価な代物となりそうである。
その反面、そのような将来性のある酸の強いリースリングは、一般向きではなく所謂リースリング愛好家によって愛でられる対象であるが、その酸の鋭さゆえに既に瓶詰め後数ヶ月経っていてもまだまだ飲めるようにはなっていない。口に含むと歯がやられて、飲み込むと食道がやられる。とても危険な酸なのである。
そうしたワインが何時ごろ飲み頃になるかは分らないが、二年ぐらい掛かるのではないかと予想している。ここでも二年熟成を続けないような単純なワインと長寿の高級リースリングとの差が出るのである。もちろんそれは市場での価格差となって如実に表れる。
今年最も本数を飲んだ2010年産リースリング
レープホルツ醸造所 フォム・ブントザントショタイン カビネット
売り切れて追加入手出来なかった2010年産リースリング
バッサーマン・ヨルダン醸造所 キーゼルベルク 辛口
ビュルクリン・ヴォルフ醸造所 ボェーリックPC
買いそびれた2010年産リースリング
バッサーマン・ヨルダン醸造所 ウンゲホイヤー 辛口
ビュルクリン・ヴォルフ醸造所 ランゲンモルゲンPC
ゲオルク・モスバッハー醸造所 フロインドシュテュックGC
ロベルト・ヴァイル醸造所 グレーフェンベルクGC
最も本数を購入したリースリング
ビュルクリン・ヴォルフ醸造所 ヴァッヘンハイマー2010年ならびに2009年
楽しめた単純な2010年産リースリング
ヘッセン州立醸造所 シュタインベルガー 辛口
フォン・ジンメルン醸造所 エルトヴィラー 辛口
クリストマン醸造所 グーツリースリング
最も美味かった2010年産グランクリュ
レープホルツ醸造所 ガンツホルン
ミュラーカトワール醸造所 ブリューメル
最も将来性のある2010年産グランクリュ
ビュルクリン・ヴォルフ醸造所 ホーヘンモルゲン
ウンゲホイヤー
ペッヒシュタイン
酸が強くて現時点では飲めない2010年産
ビュルクリン・ヴォルフ醸造所 アルテンブルクPC
ゴールトベッヒャエルPC
酸が強くてよかった2010年産
フォン・ブール醸造所 ライタープファードGC
酸が強くても飲めた2010年産
ミュラーカトワール醸造所 マンデルガルテン辛口
今年購入した最も高価だったワイン
バッサーマン・ヨルダン醸造所 2009年産 フロインドシュトュックGC
今年飲んだ最も古いワイン
レープホルツ醸造所 1990年産 リースリングシュペートレーゼ 辛口
今年飲み干したリースリング
バッサーマン・ヨルダン醸造所 2007年産 ペッヒシュタイン
今年飲み頃となっていたリースリング
レープホルツ醸造所 2008年産 フォム・ブントザントシュタインS
既に峠を迎えたリースリング
グリューンホイザー醸造所 2008年産 アルテレーべ
最も熟成に納得したリースリング
バッサーマン・ヨルダン醸造所 2008年産 ペッヒシュタイン
見切りをつけて開けて納得したリースリング
ミュラーカトワール醸造所 2005年産 ブリューメルGC
見切りをつけて開けて正しかったリースリング
ビュルクリン・ヴォルフ醸造所 2005年産 ゲリュンペルPC
予想ほどに美味く熟成しなかったリースリング
フォン・ジムメルン醸造所 2005年産 マンベルクGC
最も美味かったシャンパーニュ式ゼクト
フォン・ブール醸造所 2007年産 ペッヒシュタイン
まだまだ熟成の足りない甘口リースリング
JJプリュム醸造所 2007年産 ヴェーレナーゾンネンウーア
年の最後に開けたリースリング
フォン・ブール醸造所 2010年産 ライタープファードGC
年の最後のお祝いゼクト
ミュラー・カトワール醸造所 2009年産 ハールトリースリング
(続く)