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昨日、初めてハムバッハー城へと 歩 い て 登る機会を得た。フランス革命を受けてのドイツにおける1848年の三月革命までの市民民主運動の芽となる。ヴィーン会議後の正統主義の秩序体制と反動に対して1832年5月21日に三万人が集結する。その群集がデモンストレーションして行進する道である。黒・赤・金の三色旗が振られ自由と連邦ドイツが叫ばれる。フランスやポーランドからの同志を交えて、自由・民主主義を旗印にロシア・プロシア・オーストリー神聖同盟への対抗色を鮮明にした。ハインリッヒ・ハイネは、「ハムバッハーでの日々は、多くの成果を持ってドイツの一般的な転向を可能とする。これは、自由の女神が我々に与えた日々である」と満足している。
その森は今、ブナの感じ易そうな新緑が淡く漂い気持ちが良い。生憎、夕刻近くになり雨空となったが、それ程濡れる事もなく出発地へ戻り、粗3時間半の行程を終えた。文字では表現し難い雨降りの匂いが懐かしい。
暑くも寒くも無く、喉が渇くことも無かったので、途上それ程水分を補給することも無かった。しかし夕食後に改めて、ギメルディンゲンやケーニヒスバッハのワインの注がれたグラスを傾けた。地下のワイン蔵を改造した酒場では、有名なワイン地所メーアシュピンネン(海の蜘蛛)に因んで、ぶら下っていた巨大な蜘蛛の張りぼてが取り払われていた。10年以上前に、矢張りここへワンデルングの帰りに大人数で寄って以来何度となく通った。この蜘蛛を見せて驚かすのを楽しみにしていたものだ。嘗てのここの雰囲気は、だから男性が考えるほどに女性には、今ひとつ好意的には受け入れられなかったのを知っている。
リースリングワインを味わって談笑していると、その「後味」の話となった。この後味は、香りとか酸の出方とかに勝るとも劣らず重要な要素である。後味と言うぐらいだから「中味」と言うか核となる味がある筈だが、これはあまり微妙な批評とはならない。全ての要素が一挙に押し寄せる「中味」は分析が難しいからだろう。それと較べると後味と言うのは、様々な要素が時間経過に応じて減衰して行くので、その一瞬一瞬の観測が分析となる。結局、昨日試したワインは減衰のカーブが尾を引かないで切れてしまう。良く言えば切れが良いと言えるが、余韻が無いということは繊細な印象を残さない事になる。この減衰の仕方も千差万別であって興味深い。
体に行進と後味の余韻を感じながら、森で見つけた狂犬病注意の看板をアップして置こう。水を怖がることにならないように、狂暴となることのないように。
参照:
ハムバッハー・フェスト /Das Hambacher-Fest [ 文学・思想 ] / 2004-11-14
簡潔さと的確さ - H・ハイネ (1797- 1856) [ 文学・思想 ] / 2004-11-15
首に綱をつけてエスコート [ 生活・暦 ] / 2005-02-27
その森は今、ブナの感じ易そうな新緑が淡く漂い気持ちが良い。生憎、夕刻近くになり雨空となったが、それ程濡れる事もなく出発地へ戻り、粗3時間半の行程を終えた。文字では表現し難い雨降りの匂いが懐かしい。
暑くも寒くも無く、喉が渇くことも無かったので、途上それ程水分を補給することも無かった。しかし夕食後に改めて、ギメルディンゲンやケーニヒスバッハのワインの注がれたグラスを傾けた。地下のワイン蔵を改造した酒場では、有名なワイン地所メーアシュピンネン(海の蜘蛛)に因んで、ぶら下っていた巨大な蜘蛛の張りぼてが取り払われていた。10年以上前に、矢張りここへワンデルングの帰りに大人数で寄って以来何度となく通った。この蜘蛛を見せて驚かすのを楽しみにしていたものだ。嘗てのここの雰囲気は、だから男性が考えるほどに女性には、今ひとつ好意的には受け入れられなかったのを知っている。
リースリングワインを味わって談笑していると、その「後味」の話となった。この後味は、香りとか酸の出方とかに勝るとも劣らず重要な要素である。後味と言うぐらいだから「中味」と言うか核となる味がある筈だが、これはあまり微妙な批評とはならない。全ての要素が一挙に押し寄せる「中味」は分析が難しいからだろう。それと較べると後味と言うのは、様々な要素が時間経過に応じて減衰して行くので、その一瞬一瞬の観測が分析となる。結局、昨日試したワインは減衰のカーブが尾を引かないで切れてしまう。良く言えば切れが良いと言えるが、余韻が無いということは繊細な印象を残さない事になる。この減衰の仕方も千差万別であって興味深い。
体に行進と後味の余韻を感じながら、森で見つけた狂犬病注意の看板をアップして置こう。水を怖がることにならないように、狂暴となることのないように。
参照:
ハムバッハー・フェスト /Das Hambacher-Fest [ 文学・思想 ] / 2004-11-14
簡潔さと的確さ - H・ハイネ (1797- 1856) [ 文学・思想 ] / 2004-11-15
首に綱をつけてエスコート [ 生活・暦 ] / 2005-02-27
後から別の情報では、ナチスを連想するので、国旗は嫌われているとか・・・
メーアシュピンネは、ワインの畑のうねりをワインメーアと表現をしますので、そこの蜘蛛と思うのですが。さらに何故蜘蛛かと言えば、蜘蛛がいるようなワイン蔵は湿気等の条件が好いという事になっているからです。
matsubaraさん、旗は抽象的な図柄であり国歌の歌詞ほどの問題は起こっていないようです。この三色もフランスのトリコロルを真似したようです。基本的に米国も含めて旗は民主運動と結びついていると言う事らしいです。だからこそ鉤十字を必要としたのでしょう。意味は自由と統一への希求で、金は旧神聖帝国を意味するようです。
ここでも記しましたように今年になって二回の半旗が掲げられています。
鍵の架けられた法王執務室 [ 生活・暦 ] / 2005-04-04
連帯感膨らむ穏やかな午後 [ 歴史・時事 ] / 2005-01-03
旗日も勿論あるのですが、公的な建物で絶えずはためいている所もあるのでしょう。地元の旗の横に国旗も必ず並べて揚げます。恐らく米国は特殊でしょう。半旗も米国からの儀式と聞いています。
地元の旗が民主独立の団結旗(国旗)に変わった歴史が見えるようです。ですから嫌われている事は無いと思いますが、フランス人のように革命思想を表に出す事はありません。