Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

索引 2012年7月

2012-07-31 | Weblog-Index


「緑の党」結党と国会大包囲 2012-07-31 | マスメディア批評 TB0,COM0
連邦環境省長官の思惑 2012-07-30 | マスメディア批評 TB0,COM0
涼しげな緑のライフスタイル 2012-07-29 | アウトドーア・環境 TB0,COM0
世界で最も高級なワイン市場 2012-07-28 | ワイン TB0,COM2
暑さでのびそうになると 2012-07-27 | 暦 TB0,COM0
盛夏らしい新聞のネタ 2012-07-26 | マスメディア批評 TB0,COM0
ダイデスハイムの盛夏の話題 2012-07-25 | 生活 TB0,COM0
酸分解における貴腐とは 2012-07-24 | ワイン TB0,COM0
早期の再稼動へと広瀬社長 2012-07-23 | マスメディア批評 TB0,COM2
山の上に一人立つ気分 2012-07-22 | ワイン TB0,COM2
乾燥して爽快な水曜の晩 2012-07-21 | 暦 TB0,COM0
外国人記者クラブ登録法 2012-07-20 | マスメディア批評 TB0,COM0
昭和レトロの動員労働者 2012-07-19 | 歴史・時事 TB0,COM0
美人偏差値急上昇の娘 2012-07-18 | 女 TB0,COM0
脱原発の経済への負荷 2012-07-17 | 雑感 TB0,COM0
壁があるから登るんだ 2012-07-16 | アウトドーア・環境 TB0,COM0
嵐の中での中身の熟成 2012-07-15 | 暦 TB0,COM0
徹底的に打破する市民の声 2012-07-14 | アウトドーア・環境 TB0,COM0
二年目の真価を示すとき 2012-07-13 | ワイン TB0,COM0
楽天主義に誘惑された 2012-07-12 | 歴史・時事 TB0,COM0
創造力豊かな無広告社会 2012-07-11 | マスメディア批評TB0,COM2
神々しい喜びよりも 2012-07-10 | 雑感 TB0,COM0
泣きべそで「この豚!」 2012-07-09 | アウトドーア・環境 TB0,COM2
教訓劇「フクシマ後の日本」 2012-07-08 | マスメディア批評 TB0,COM0
いつか気候が良くなったら 2012-07-07 | 生活 TB0,COM0
市民が許す筈が無い社会 2012-07-06 | マスメディア批評 TB0,COM0
聞き覚えがある作曲技法 2012-07-05 | 音 TB0,COM0
重くなく軽やかにいきたい 2012-07-04 | 試飲百景 TB0,COM0
命を粗末にしてはいけない 2012-07-03 | アウトドーア・環境 TB0,COM0
黒ヘル群集と将来の指導者 2012-07-02 | 歴史・時事 TB0,COM0
堰を越えたメトロの大衆 2012-07-01 | 歴史・時事 TB0,COM0
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「緑の党」結党と国会大包囲

2012-07-31 | マスメディア批評
車中のSWR文化波のニュースは、週末の日本での緑の党の創立と国会大包囲行動に関連して、福島滞在中のベーベル・ヘーン女史の携帯電話に繋いで状況を聞いた。

先ず創立の大会はあまりにも早く進んだことが指摘されたが、翌日のイヴェントなどはとてもプロフェッショナルな進行であったと、インタヴューアーの新党のプロフェッショナル性への疑問に答えた。

そして国会包囲があまりにも強力で、もはや事故から一年半になろうとして漸く徐々に運動が大きくなっていることに驚嘆する。それは再稼動への大きな抵抗としての運動の本質へと迫る。その背後には、農業収穫物の被害差額の半分すらも遅々としてしか支払わないテプコなどへの責任追及の現状もあるとする。

そうした中での緑の党の成立にあたって、今回選出された代表とは既に昨年の秋から接触を始めて、結党へと後押しをしたと言う。そして、本来ならばドイツのそれから学ぶことがあるのだが、次期参議院選挙が目標であり、秋もしくは来年早々にあると言われている衆議院選挙への準備があるのでドイツでの学習の時間はないだろうとしていた。

シングルイシューの政党なのかどうかに関しては、緑の政治の伝統的な課題を追求していてそれは世界の緑のネットワークの中では同じで、なるほど日本特有の政治的土壌はあるのだが、結構連邦共和国などとも共通すると見る。

なるほどドイツも可也保守的であり、緑の党の創立主要メンバーなどは68年運動の過激派やパシフィズムの知識人や文化人が大半であった。その一人であったヨシュカ・フィッシャーが外務大臣としてコソヴォに参戦して、多くの左派イデオロギーの運動家は袂を分けたのであった。

日本のその政治土壌の既得権力が働く特殊性は原子力ムラに代表される手強い相手である。しかし現在のような一般市民の声の盛り上げりの中で、既成政党や既成メディアなどがもはや当てにならないだけでなく、市民の健康どころか命までを脅かす存在であることは日に日に多くの有権者が知ることになっており、そこから力強い支援を受けることは可能であろう。



参照:
涼しげな緑のライフスタイル 2012-07-29 | アウトドーア・環境
徹底的に打破する市民の声 2012-07-14 | アウトドーア・環境
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連邦環境省長官の思惑

2012-07-30 | マスメディア批評
連邦共和国環境省長官ベアーテ・イェッセル女史が燃料となるとうもろこしの過剰耕作を警告している。2005年から援助を受けて耕作されたバイオマス用の耕作を指す。

その間に十倍にも膨れ上がった耕作面積ゆえの薬剤などで植生のモノカルチャーかが進み鳥類の生息にも影響がでているのは実際問題として再考慮すべきとする。バイオエネルギーは、風力や太陽熱とは異なり貯蓄が可能なだけに余計に根本的な負荷が高いとして、有益かどうかはその地域によるとする。

耕地面積の半数以上がとうもろこしが耕作されているニーダーザクセンの場合自然保護の視点から多過ぎるが、なにも文化的生産的であれば必ずしも反対はしない。しかしとうもろこしに続きとうもろこしが耕作されるとなるともはや生環境の多様化は求められないと言う。

風力に比較すると40億ユーロ以上も多く補助されているバイオマスエネルギーで、ヘクタールあたり2000から3000ユーロの利益を農業者が得ていることから、現在の再生可能エネルギー法案での推進策は現実の効果を反映していないとして、修正されるべきだとしている。

そうしたバイオマスなどの再生可能エネルギーによる環境の急速な変化は、風車によって黒い森の風景が変貌するにまでなるような恐れがあり、飽くまでもその地域や文化に合わせての諸策が必要になると言う。勿論のこと、国立公園などの自然環境保護地域を除きながら、人々の暮す地域とのその中間に適当な場所を探すことになる。

とうもろこし耕作においてもそうした自然保護地域を外しながらとなるのだが、比較的に風車の場合の方が自然環境保護の面から受け入れやすいとしている。それでも地域住民の抗議運動があるのは技術的な問題ではなく、寧ろ美学的な問題であり故郷やアイデンティーの問題であろうとして、そうした自然保護地域に近いところでの推進には慎重な姿勢と再生可能エネルギーを得ようとする住民が受け入れられるものであるべきとする。

環境保護活動家にすれば海上での風力発電においても水鳥への影響などが議論されるが、それでも騒音の問題や技術的な振動の低減などで可能なものとなっているが、最大の問題はそのための技術と経費であるとする。

経済相レスラーが海底からの電力のケーブルに伸ばすためには、電力確保の前に自然保護法を拡大解釈すべきとするが、それゆえに環境省がそうしたプロジェクトに関与しているのだとする。固有の埴生物を犠牲にしてまで電力の確保は必要が無くとも、お互いにそこを調整していけるのだと答える。

少なくともこうした議論が公にされ交渉されるところでは大きな問題とはならないが、その為には環境保護団体が必要な調査と抗議を起こさないことには始まらないのであって、環境をそのまま維持できるなどと言うことはないのである。それだけに環境政策や環境保護は、身体を張っての抗議行動だけではなく、その背後には地道で苦労の多い行動が隠されている。最終的には経済的な問題となり、自らの置く環境を守ると言うことはまさしく戦いであって、勝ち取るものでしかない。

日本の原子力規制委員会が週明けにも審議の後法案通過すると言う。独立性の高い委員会の長には原子ムラの田中俊一元原子力委員会委員長代理が就任する予定なっているようで、先々週ぐらいから反対運動が起こっているが、いつもの手口でごり押しに国会で法案通過させようとしているようである。強い声が国会で響かない限り市民の声は一切行政に反映しないのはいつもの通りである。



参照:
ドイツの疑心暗鬼と恐怖心 2012-04-26 | アウトドーア・環境
再生可能な環境税の導入 2011-06-11 | アウトドーア・環境
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涼しげな緑のライフスタイル

2012-07-29 | アウトドーア・環境
緑の党の発足イヴェントを観る。その式典の様子はドイツの党大会でも馴染みのある風景で好印象を得た。

例えば司会における男女のペアーが同等の立場で進行する方法や、イヴェントの視覚的なシムプルなつくり方など、その色彩感などはドイツの海賊党の暑苦しいオレンジよりも涼しげな緑であり、発言内容のレトリックなどである。

若干、現職地方議員者らの言葉使いを聞いていると、日本語の丁寧語のあり方と敬語の使い分けなどが若干不明確で、その基本となっている日本の社会構造の特殊さを反映しているようである。

日本で緑の運動が根付くということは、そうした社会的構造の変化を意味しており、ドイツのようなざっくばらんで自然体の人間関係の形成までに至ると言うことである ― 脱蛸壺社会と市民のネットワーク化である。当然のことながら服装などを含むライフスタイルの簡素化と社会の合理化をも意味するのである。

主賓であったベルベル・ヘーン連邦議員の挨拶の内容も明白であって、緑の政治の目指すものは、底辺からのボトムアップの政治、既存の政党にはもはや期待できないもの、明確な環境政策など、嘗ての緑の党のイデオロギーから脱皮したその政治を十分に反映していた。

該当のホームページを覘くとARDのフィリップ・アップレッシュが取材している。大飯原発のあの画期的な阻止運動に寄り添っていた土曜日に選出された長谷川羽衣子共同代表が紹介されている。緑と黄色の風船に託したメッセージにより多くの市民が気がつかなければいけない。しかしながらIWJの視聴者数は瞬時では200ヴューアーにも達していない。やはり最終的には経済的な裏打ちが必要であろう。



参照:
【いよいよ明日!】7.28-29「緑の党」結成総会&キックオフ!イベント (IWJ 9ch)
「緑の党誕生」 (緑の党)
Weltspiegel vom 22.7.2012 (ARD)
独駐日大使からの福島報告 2011-06-29 | 雑感
二十五年前の市民の連帯 2011-08-13 | 歴史・時事
黒ヘル群集と将来の指導者 2012-07-02 | 歴史・時事
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世界で最も高級なワイン市場

2012-07-28 | ワイン
フランクフルターアルゲマイネに世界で最も高価なワインなどについて触れられている。1985年産のブルゴーニュでロマネコンテのクロパラトーズでファミリーユースカー一台分の価格である。投機価値がそのようなものにあるのかどうか走らないが、維持費などを考えると儲けるのは難しいであろう。

その市場は香港で、そこでサザビーやらクリスティーが殆どのワインを競りしているようで、二位のニューヨークやロンドン市場を加算しても追いつかない勢いらしい。

そして香港に集めて輸入されたワインは欧州産で六割方はフランス産となり、その九割は大陸シナへと輸出されている。兎に角成長率が倍倍ゲームで伸びてきたので、経済危機感のあるシナでも断然世界一の高級ワイン市場となっているようだ。

そうした業者の中でも8thEstateが、香港における唯一のワイン生産者として独自の方法でワインを生産しているようだ。葡萄が出来ないことから世界中から冷凍した果実を集めて、DHL関連の専門業者が輸送を請け負っていたりするので大きな記事となっている。

原料さえ良ければアイスヴァインと代わらないのでまともなものも出来るかもしれないが、完全に関税が撤去されている香港においても利があるのだろうか?なるほどその多くはボルドーやトスカーナーやオーストラリアのシラーなどで、シナ人の好みに合わせているだけではないだろう。最高で26ユーロほどのそのワインは、間違いなく偽ブルゴーニュや偽ボルドーの中身として市場を賑わせているに違いない。

そうした軽い赤ワインはヌードルにも野菜や白い肉にも合い、合わなければ濃いソースや黒い肉に、明るい赤は女性向きのエレガントでコケットで優美、ボディー間のあるワインは男性的で力強く、支配的で自信に満ち溢れていると中国人に説明するそうな。



参照:
ブロキュパイの週末を終えて 2012-05-22 | 歴史・時事
肌理細かな高CPピノノワール 2012-05-08 | 試飲百景
カジュアルと手軽さのシャルドネ 2012-05-02 | ワイン
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暑さでのびそうになると

2012-07-27 | 
大分の暑さである。昨年よりは暑いが、四日ほど摂氏30度を超えたが既に入道雲が出てきていて、金曜日から週末にかけて大荒れとなりそうである。

今年の激しい気象そのままであるが、すると一ケタ台の気温になるので寒くなる。これがクライマックスで後は残暑となりそうだ。

乾燥していたので室内は窓を開けていても快適であったが、雷雨が来るまでは少し蒸し暑くなりそうである。それでも乾燥度が違うので身体が楽である。

そうした夏日に六月の転落の最終報告書を作成している。何処に出す予定でもないが貴重な経験なので徹底的に調査して、道具の疲労や仲間の今後の参考にして貰うつもりである。

ニュートン力学での考察となるが、久しぶりにフックの定理などを使って、ザイルの伸びとその仕事などの式を扱い、中間支点への加重ヴェクトルの計算と、ザイルの伸び率や推測できる固有の定数から転落の力学を吟味した。

やはり摩擦を考慮すると、中間支点への加重は145%ほどとなっていて、ザイルが吸収したであろう5.35kNを大きく超えて7.75kNに達していたように思われる。打ち込み型のハーケンだったので、いずれ交換しなければ折れてしまうだろう。三度も転落したのだから、大分弱っている筈だ。場合によっては広報・修復する必要があるかもしれない ― そもそもボルトではなしにハーケンのままにしているのが問題だ。

ザイルに関しては、伸びていた全長を使いきれたとは考えられずに、墜落係数は矢張り1に至っていたようだ。逆に、60mザイルの10mを切り取ればもう一方からスポーツクライミング用に結構使えそうである。その必要はないが20m切れば、完全な氷河用のザイルになる。

身体に殆ど衝撃を感じなかったのは当然で伸びも恐らく2m以下だったような印象で、計算上の1.8mも可也いい線の数字と思われる。

兎に角、これで新しいザイルを注文して、なんとか事故処理の山場を越えられそうである。



参照:
バンジージャムプ並の転落 2012-06-18 | アウトドーア・環境
リハビリのパラフレーズ 2012-06-21 | 生活
楽天主義に誘惑された 2012-07-12 | 歴史・時事
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盛夏らしい新聞のネタ

2012-07-26 | マスメディア批評
この時期となると音楽祭のそれと共に山の話題が日刊紙を賑わす。特に今年はヴァリスでの4000M超え頂上下での二家族墜落死やモンブランでの雪崩での大量死などが大きく取り上げられて、オリムピックの公開競技となるクライミング繋がりでのアルピニズムツーリヅムの広がりが話題となっている。

要するに嘗てならば特殊な世界であったアルプスの高峰やヒマラヤまでがツーリズムの一領域として広範な市場を獲得してきていることを指している。なるほど我が周りのドイツアルパイン協会の面々を見ても、長くアルピニズムに関わってきた者よりもクライミング繋がりの者が少なくなくなってきている。

また道具の新開発や軽量化などで苦労しないでも高峰へと踏み入れる安易さが加速してきていて、個人的には大変喜ばしいことであるが、嘗ての装備であれば躊躇うような場所にでも足を踏み入れ易くなってきていることは事実であろう。

そのような時期であるから生誕百歳のハラーの誕生日が恵まれていると思ったが、もう一人現役の有名登山家の70歳の誕生日が三面記事で紹介されていた。知る人ぞ知るトニー・ハーベラーで、ラインホルト・メスナーはこのパートナーをして「ドイツ語圏で最も強い登山家」と称えている。

典型的なオーストリーの山岳・スキー国定教師で、ガラスの絵付けを修行した後、若くして指導的な立場にあったようだが、メスナーとブロードピークをアルパイン方式でシェルパや固定ロープや中継キャムプを使わず無酸素で登り、無酸素でのエヴェレストの初制覇で一躍有名になった。

アイガー北壁の十時間完登の最短記録も、たとえアイガーサンクションの映画の撮影の固定ロープを使ったとは言われているが、その後三十年以上更新されなかった事でもその強さが窺い知れる。

最近は自らが率いる登山学校の生徒お客さんを連れて、スケージュールの合間も無く世界中の山を登っているようだが、その後二回に亘るエヴェレストは登頂出来ずにいるらしい。

我が靴屋の契約アドヴァイザーであり、その比較的涼しそうな風貌で馴染みのある登山家である。



参照:
精神錯乱狂想の神の座 2006-10-25 | アウトドーア・環境
魔物が逃げ隠れるところ 2008-01-16 | 雑感
ヒューマニズムの挑戦 2006-05-29 | アウトドーア・環境
「ここからドロミテが一番美しい。」 2004-11-22 | アウトドーア・環境
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ダイデスハイムの盛夏の話題

2012-07-25 | 生活
今晩は熱帯夜になりそうなので散髪屋に行った。今日の話題は、アルプスで頻発する山岳事故についてと、バイパスの通行止めの情報、更に地元ダイデスハイムの話題などであった。

アルプスでの事故は一般的に軽率な事故と見られるのを改めて確認したが、道路情報は正確なものはとれなかった。

それでも先にオープンしたグラーフゼクト&ヴァイン工房の話題が出た。私自身は案内状を貰っておきながら、無礼しているので忘れてしまっていたが、なるほどなにかを始めている筈である。

グラーフはミュンヘンのダルマイヤーの特約らしいが、その物件は公売していたということで、その価格は一億五千万円相当と見られ、建物の修理や改築で同じぐらいの資金が掛かっているという噂である。

そのように聞いたので前を通りがけに見ると、親爺が言うように雑食砂岩の真新しい石を大分使っているようで、なるほど金が掛かっていそうに思われる。

そもそもお披露目の案内状自体があまり明白な印象を与えることなく、コムセプトどころか商品についても十分に購買意欲を沸かすようなものではなかった。フォン・ブール醸造所を貸与運営している日本の資金を、今度はその枠組みを土地管理会社に移管させて、先ごろ離婚した娘さんを代表に迎えて新創立した法人の事業である。

しかし、親爺に説明したようにそもそもその賃貸関係さえ複雑な構成であったので、公にネット化されている今回の有限会社の登記や経理内容を見なければ明確には出来ないものなので、説明できるものではない。

それでも親爺の言うように可也の資本が投下されている訳で、投資先に困る余った資金を利用するならばよいが、経済的な利潤を達成しようと思えば、その商品の顔が見えない限りなんとも難しいとしか評価の仕様がない。



参照:
Hop, Step by Step & Jump 2011-12-27 | 文化一般
中共が辞さない宣戦布告 2011-12-25 | アウトドーア・環境
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酸分解における貴腐とは

2012-07-24 | ワイン
日曜日は朝から山の上まで駆けた。パン屋が夏休みのため異なるルートを選んだのである。登り30分が目標であるが、既に駆け出しの急坂からそれが難しいのは分った。腕が振れるのでとても走る姿勢が良くなってきていると思うのだが、流石に急坂をその調子で走り抜くのは心肺が許さない。足には堪えなかったのはとてもよい傾向で、緑のベンチまで6000歩で通過所有時間が16分であるからまずまずで、その後若干辛く頂上では9000歩で37分であった。なによりも足が動いていることが我ながら驚異だ。

頂上で息を整えていると、昨日までドロミテに行っていた仲間の蛸入道の親爺が駆け上がってきた。偶然に会うのは二度目である。別の上り口から28分だったようだ。毎週走り続けていれば、こちらも数分の短縮は可能だろう。

土曜日は、2008年産のグランクリュワインを開けた。飲み頃を迎えている2008年産であるが、グランクリュも完全に開き切っている。今の時点で開き切っていない2008年産ワインはありえないが、グランクリュ以下のものでは完全に黄昏になっているものも少ないであろう。グランクリュにおいても春に飲んだビュルクリン・ヴォルフ醸造所のペッヒシュタインのような若々しくとも開いているものがあるなかで、さてレープホルツ醸造所のガンツホルンは如何だろう?

香りそのものからして可也熟れている感じは、その液の色合いからも一目瞭然である。そしてペパーミント系の味と中々の妙であるのだが、やはり完熟感は免れない。つまり飲み頃を迎えつつ、更に残糖の多さに気がつく。

本来ならばドイツで最も残糖を絞った醸造所であり、その中でも最も甘み要素の少ないガンツホルンなのだが、糖を感じるのである。当時の分析票を見ると、果実の糖比重値が92とこれは標準的であるが、酸が85Gに対して残糖値が88Gと思いがけなく高い。このバランスならばペッヒシュタインの方が遥かに辛口であろう。

さてここからは想像を働かしての分析であるが、亜硫酸濃度も若干高めのようで、糖の質について吟味しなければいけない。恐らくワイン酸の量が多いのだろうが、その分解されたもの以上に酸の減衰が早いので糖が突出することになったのであろう。考えられるのは貴腐の関与で、決して健康な実りの年でなかった2008年の果実の貴腐の関与は、その肌理の粗い酸の質にも関係しているようだ。

酸の量感は十分にあったのだがこうして落ち込みが激しいとなると、2008年産は早めに飲み干した方が良いと言うことになる。当初から癖のあるその酸に対しては二年後の熟成で飲み頃となるのは分っていたのだが、ここまで早く完熟するリースリングがあるとは思わなかった。

グローセスゲヴェックスの出来には、その酸の質と僅かな貴腐の影響が大きいことは最近認識しだしている。つまり、酸の分解と呼ばれる貴腐の発達時期とその摘み取り時期で、酸の質も決まり、最終的な瓶での熟成に影響を与えると言うものである。

グランクリュの産みの親ビュルクリン・ヴォルフ醸造所は、丁度天然酵母を準備する段階での貴腐の影響を受ける前のリンゴ酸のような激しい酸とその貴腐の影響を計算して収穫、そして醸造していることが明らかとなってきている。その影響は、瓶熟成での新鮮さを保ちつつ長持ちさせるためのノウハウの重大要素であるようで、こうしてガンツホルンとペッヒシュタインを比較するとき、二年から五年で終わるワインと五年から二十年と新鮮さが保たれるワインではその価値が大分異なる。割高のリースリングと格安のリースリングの差異となる。

しかしながら食前にサラダとインゲンとニンジンの煮野菜サラダにザウマーゲンパイ、メインにグリーンペッパー入りミニザウマーゲンの食事に、これが合わないわけがないことは言うまでもない。



参照:
そう言うことなのである 2011-11-21 | 暦
重くなく軽やかにいきたい 2012-07-04 | 試飲百景
エコノミラートとは農業顧問官 2012-05-25 | ワイン
アルコールの乳酸への影響 2012-01-24 | 生活
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早期の再稼動へと広瀬社長

2012-07-23 | マスメディア批評
東電の外国人記者会見に出ての報告がフランクフルターアルゲマイネに出ている。広瀬社長と松本広報部長代理の会見である。経済欄に掲載されている。

東電一筋の社会学部出身の広報マン広瀬は、政府の救済援助無ければ既に倒産していた企業の長という誰もなりたがらない役目を引き受けた。しかし一兆円に上るその援助をして、東電が継続するかどうかは未知であるとする。広瀬は、事故原発の事故収束から解体と同時に東京圏への電力の安定供給と現実的な価格転嫁を使命としているようであるが、決められた救済策以上のものを被曝者に用意していはいない。

目標は電気料金の値上げであり、原発停止後も電力を供給してきたがそのコスト上昇からの781億円の赤字を埋めるべく10.28%の価格上乗せを諮ったが、実施時期が二月遅れそれだけで400億円の減収が計算されている。更に認められた8.47%の値上げ率で更に800億円の減収となる。

そもそもの値上げ率は、年内に原発を再稼動すると言う前提での計算であり、それがならない場合は16%の値上げが必要だったと語る。それでも今日明日の再稼動は難しいとして、近い将来の再稼動を声明した。

どのような場合も発送電の分離で自由市場へと開かれた場合は東電にとって最も存続危機であり、東電が消費者に今のように価格転換できなくなることは承知している。だから東電のイメージを良くすることが使命であるとする広瀬の言葉の裏で、十七万人もの市民が反原発を唱えて抗議活動するのは驚きだと、市民心情を逆なでする。

広瀬は、福島訪問などを通して、未だに避難民が病んでいるのに驚き、現実は安全に保護されていると認識して、実際のその安全な状況が日本の筒裏まで十分に知れ渡っていないことを遺憾に思う。

ゲルミス特派員は、「このまま継続のために少々変える ― 広瀬は東電の新たなイメージを逃しているようで、実は従来のそれを復活させたいのだ」との見出し副題を以った記事で、新生東電の看板の裏に、嘗ての横暴さと全く変わらない、都合の悪いことを隠蔽して操作し、喚起を無視するのは広瀬体制にも垣間見られたとしている。



参照:
Etwas ändern, damit alles so bleibt, Carsten Germis, FAZ vom 20.7.2012
徹底的に打破する市民の声 2012-07-14 | アウトドーア・環境
創造力豊かな無広告社会 2012-07-11 | マスメディア批評
教訓劇「フクシマ後の日本」 2012-07-08 | マスメディア批評
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山の上に一人立つ気分

2012-07-22 | ワイン
兎に角、眠い。気温のためかもしれないが夏?の疲れが一挙に出てきている。腕の筋が悲鳴を上げていて、休ませる機会を考えているがなかなか暇が出せない。いつものパン屋が夏休みで月末まで開いていないので、場所を変えて明日辺りは山の上に駆け上がるコースを試したいと思っているが、朝起きの気分次第である。これだけ状態や足の筋肉に負担があると、走って解したい気持ちが強い。それはそれでまた新たに疲れるのだが、身体の一部の故障を我慢しているよりは身体が楽になる。金曜日は限界まで開脚して登る場所があったので腰に捻りを入れて若干違和感があるが、以前のような腰痛は全く解消されている。

木曜日にザールシュタイン醸造所のグラウシーファーを開けた。最初の印象は鼻につくのは黄色リンゴ系の典型的な培養酵母の優れた出来であるが、飲み口は若干スレート由来らしき苦味が当たった。それでも香味もあり、少ないと思わせた丸く角の取れた酸も量感もあると追々気がつく。ナッツ系の後味感はあっても、大分辛口醸造されていると見えて糖が喉に絡みつくようなことが無いのが上出来である。

食事にあわせるとすればうらエティケットに書いてあるように前菜やサラダや魚やパスタと書いてある通り、スレートの味が強いので繊細な白い肉類には少しごつ過ぎる。更に独り者の旦那の飲んだ呉れ度に合わせてアルコール12.5%と高くなっているので、繊細からは遠いが、食事の合わせ方によっては面白いだろう。

一般に思われているような陽の弱いザールの山のか細いリースリングとは違って、押しの強いリースリングなのである。酸の出方もそれに応じて量感があるにも拘らず鋭さが無いのは酸の分解が良く出来ている証拠であろう。比較的長持ちしそうなワインである反面、都会的な洗練には欠けるのが価格の評価に影響するだろうか。

親爺とゆっくり話す機会があれば、栽培や酵母や醸造について可也突っ込んだ話を素面でそして酒盛りの話としてしてみたい。裏エチケットをみて驚いた。明らかに役認証番号の印刷が間違っている。つまり2011年産であるに関わらず、番号から2011年の16番目の認証となっている。恐らく2012年の間違いである。如何に親爺が飲んだ呉で間違いを犯してるかのような感じである。危ない。愛想を尽かれたか。自らのものに酔っていてはいけないのだ。



参照:
幹の強さに頼るのみ 2012-06-24 | ワイン
お取り寄せする価値の無い商品 2012-06-08 | ワイン
漸く届いたザールからの小荷物 2012-06-01 | ワイン
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乾燥して爽快な水曜の晩

2012-07-21 | 
水曜日は夕方から日暮れまで岩場で楽しんだ。気温は三十度に近かったが、乾燥して風が強くとても心地よく、汗も殆ど感じなかった。最高のスポーツ日和であった。矢張り石切り場とは異なり形状のみならず手掛かり足掛かりが自然の造形で多様多種であってとても面白い。

丁度一月前に案内して貰ったルートを今度は相棒を案内したのだが、その前に新しいルートを試してみた。割れ目を攀じるルートなので、途中に全くハーケンも何もない。だから全てを移動式の楔で中間支点を設置していなければならない。割れ目自体は細い部分は楔に使えるのだが、腕の入るような場所では大き過ぎて使えない。それでも十二分に支点を取ることが出来て満足であった。

しくじっても怪我をしないぐらいには設置できた。その難易度からして登るよりも楔を設置するのに腕力やバランスを必要とすることが多かったので、これまた楔設置の良い練習が出来た。岩登りは登ることよりも支点を設置する方が難しいことも少なくないので練習しなければいけないのである。

石切り場で登っている場所からすると全く容易な場所であるにも拘らず、足にも腕にも全身に疲れが残っていることを考えれば、当日の全登攀高度と距離からして当然と言えばそれまでなのだが、やはり支点の設置にも体力を使ったことになる。

寧ろより難しい困難度の前回に登ったルートの方が二箇所ハーケンがあり、当日の乾いたコンディションからとても容易に登れて、割れ目とは比較にならないぐらい楽であった。やはり摩擦登攀には乾燥していることが何よりもである。

割れ目の登攀を終えて相棒を確保しようとしたら、先月購入したHMSカラビナがなぜか滑り落ちて割れ目の奥へと消えていった。まだまだ新しいのに残念と悔やんだが、怪我や転落とは比較にならない。少々の損失に嘆く必要はない。そこの岩場の開拓者に落としたことを伝えると、「それは良かった、誰も手出しが出来ないから」といつも同様の冗談が戻ってくる。なるほどメーカーや業界にとっては売り上げが増えることしか意味しない。



参照:
学歴のある奴か失業者 2012-06-29 | 生活
泣きべそで「この豚!」 2012-07-09 | アウトドーア・環境
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外国人記者クラブ登録法

2012-07-20 | マスメディア批評
ロシア共和国の国会ドュマでメディア規制の新法案が議論となっているようだ。機関紙「イズヴェスティア」が報道するように、第四の暴力と自負しているメディアが、政府批判や国批判をするにしてもその資本が外国資本が入っているとすればもはや外国記者クラブとして登録すべきだとする法案である。

野党の攻勢もあり外国記者クラブに登録する必要はないが、国会に倫理委員会を作ってそこで指導すると言う対案が用意されているとすると、まるで極東のどこかの国の報道規制と政府の関係そのものである。

そうした日本の伝統について、田中龍作が120年に及ぶ一貫した記者クラブ制度として言及・弾劾しているが、ロシア帝国からソヴィエト、ウクライナを含むソヴィエトからロシア共和国への流れと江戸幕府から明治政府そして大正・昭和の日本を比較するととても面白い。

安全デマを流しておきながら未だに何一つ自己検証とその贖罪をするどころか、為政者と既得権益社会の上に立って、一方ではイデオロギーらしきもののロールプレーを演じ続け、似非文化人たちを飼育するのが日本のメディアの実像である。ロシアでは自らを暴力としているとなると、まさしくこのどこかの新聞社の好んで使う第四の権力と言う「権力」こそがそのもの既得権を表わしているに過ぎないのである。

脱原発に代替案が無いように、そうした社会制度を変遷させるのではなく根本から叩き壊すことこそが今の日本に求められているのである。さもなくば経済も文化もジリ貧であることは周知の事実であり、財力があるうちに若い世代に新たな社会を引き渡すべきなのだ。

モータースポーツで有名なニュルブリンリンクが倒産することが決まった。州の補助政策にEUが許可を与えなかったことによる。



参照:
昭和レトロの動員労働者 2012-07-19 | 歴史・時事
喧嘩を売買する報道姿勢 2011-09-16 | マスメディア批評
没落への日本近代史を読む 2011-09-13 | 歴史・時事
日本のゴルバチョフへの条件 2011-06-28 | 文学・思想
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昭和レトロの動員労働者

2012-07-19 | 歴史・時事
カルシュテン・ゲルミスが「さよなら原発・代々木」を「赤い太陽、握られた拳」と題して伝えている。フクシマ以降世界からなぜ起こらないかと不思議に思われていた大抗議行動、先週の金曜日の流れでデモ行進など経験の無い普通の市民が集合して十七万人を超えた大集会。日本のマスメディアは、中立の筈の公共放送NHKまでが七万人と伝え、明らかに過小評価して、これまでの反原発行動への無視を継承しているとする。

さらに八月に出される将来のエネルギー政策への公聴会ではやらせが疑われ、細野環境大臣が中断しなければいけなかったこと、七月に出た国会事故調査報告で指摘された事故を回避できたかもしれない警告を無視した姿勢が、そのまま野田首相の再稼動の決断においても世論に耳を貸さなかったこととして継続されていることを紹介している。

さよなら原発のIWJ中継録画から幾つかのアーカイヴ映像を見た。その中で特に秀逸だったのはチバレイレポートのそれだった。チバレイとは、その映像の最後で親爺が語るように官邸前の抗議行動で「野田出てこい」と口汚く合いの手を入れてシュプレッヒコールを盛り上げている福島市出身の女性タレントである。

その出だしの交差点に乗り付けたタクシーで表れるところからして、まるでハリウッドの上質な映画を見ているようで素晴らしい臨場感である。そして旗を掲げた労組みへのインタヴューを試み、最初から拒否されて、今度は最前列を行進するフクシマグループに取材の白羽の矢を立てる。そこからカメラともども走り出して最前線に至るまでの様子が、その長さを伝えつつアクティヴで躍動的な取材となっている。走る取材である。

フクシマグループへのインタヴューがよそ者のそれとは異なる内容になっているのは当然のことであるが、その後の終了点での定点観測もとても興味深かった。最終的に労組動員者への直截なインタヴューを交えて、その実像を暴き出して、労組の参加者を二種類に分ける。一つは、動員されて全く脱原発などには感心のない者の集まり、一つは、自らも関心があってそれどころか金曜日にも自主的に行動をしているような人々。総じて、赤い旗を掲げ「エイエイオー ― ヤングオーオーではない」と勝ち名乗りをあげる親爺たちの群れを指して昭和レトロと表現して、明らかな金曜日の市民の運動との差異をその視覚上も明確にする ― 今回のデモへの警備の弱さを指摘していたが、これも九条の会や労組が体制のロールプレーを演じていることを示している、そもそも朝日新聞などから金を貰っている奴が言論するな、恥を知れ似非文化人。

これはとても秀逸な観察で、主催の「九条の会」自体がレトロなイデオロギーのロールプレーを演じてきた50年体制の生き残りであり、田中龍作が苦情する「記者クラブによる会館の使用は120年の歴史」よりは少しだけ短いだけのレトロなのである。



参照:
Rote Sonne, geballte Faust, Carsten Germis, FAZ&NZZ vom 17.7.2012
千葉麗子 さようなら原発7/16 俊逸レポ後半 IWJ (YouTube)
仮処分申請 国会記者会館を無料独占の記者クラブに法の裁きを (田中龍作ジャーナル)
原発をめぐる攻防戦 (虎哲徒然日記)
徹底的に打破する市民の声 2012-07-14 | アウトドーア・環境
教訓劇「フクシマ後の日本」 2012-07-08 | マスメディア批評
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美人偏差値急上昇の娘

2012-07-18 | 
買い物に行って驚かされた。いつものように売り子の娘である。先週久しぶりに顔を合わせて、今週も顔を見に行ったのだが、先週は殆ど気がつかなかった。完全にパワーアップしているのである。いつの間にフランスの青春映画の美人役にそのまま映えそうな美しさを身につけたのだ。

二三年前の十代のときから目を付けてはいたのだ。当時はちんちくりんの感じで、ドイツ社会標準の中でも美人偏差値の低い部類の見栄えだった。あまり周りの人には気が付かれない醜いアヒル状態の娘のその素養の良さは分っていたのでご贔屓にしていたのである。

担当が替わって曜日も変わってから、「何々売り場に変わったね」、「何々もいいわよ」と、明らかに大人っぽくなっていたので留意しておいたのである。しかし、先週には全く気がつかなかったその顔を覗き込んで驚いてしまったのである ― 思わずその目に引き込まれてしまったのである。

ドイツ女性が殆ど気に掛けないメークに時間を費やして超自然メーク美人になっていたのかもしれないが、薄化粧だけであのレヴェルに達するとは度肝が抜かれた思いである ― まるで彼女が胸の中でガッツポーズをとっているのが見えたような気がする。

なるほどプロポーションはそれほど変わる筈が無いのだが、顔立ちのほっそりとした柔らかな輪郭と造作の纏り感は秀逸で、色白美人の多いスコットランドやアングロサクソンにも少ないタイプである。

年頃で綺麗に痩せてきたのだろうが、それにしてもこの二段三段とロケット噴射加速のように美人度が増すのには驚いてしまった。ブルーの瞳と面立ちがクールな表情とならずに、ある種の熱を帯びるのはスラヴ系の女性には少なくないが、それとは全く一線を隔した表情で、更に小作りな印象はとても希少である。

アングロサクソンにもこのタイプはいないが、ラテン系にも少ない。矢張りゲルマン系の美貌なのだろうが、あまりお目にかかったことが無いのも事実である。あれだけシルエットなどが冴えなかった娘が、フォトジェニーな魅力を湛えていることに驚愕する。

これまた足繁く通わなければいけないかもしれない ― しかしあの美人度では誰も放っておかないだろう。毎度同じようなことを繰り返している訳で、「男は辛いよ」シリーズに区切りが無いように、これまた永遠に続くのである。レジで独身口頭尋問まで受けている私のことであるから、これまた周りのおばさんたちに話題を提供することになりそうである。

それにしても、相棒のスポーツ医実は似非男性科医がいつも洩らすような性ホルモンの活発化ではなくドーパミンの放射のような感じで覚醒化させるのは色気よりも美的感覚への刺激なのだろうか?



参照:
身丈にあうものを選ぶとは 2010-06-29 | 女
サンタにおねだりのクリスマスイヴ 2009-12-25 | 女
表情豊かな肉屋の売り子 2009-06-22 | 女
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