Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

よーみよドイツワインガイド2010

2010-12-31 | ワイン
今年は、2009年産の出来上がりが遅めで、その健康な葡萄からの品質とは裏腹に酸が少ないなどで糖を抑えたとか、天然酵母のみで醸造したとかで、新たな課題が試飲愛好家には課せられた。その出来上がりの様子は2007年産に近く、また2007年産が今出来上がっていることからその評価にも夏以後は興味が移った。しかし、ここに来て2009年産のリースリングの全貌が少しづつ見えて来たことから、2007年産を土台に2009年産の将来性についても年の終わりに一考しておきたい。

その前に2010年産については、未知ながら、既にピノブランを飲んだ感じでは葡萄に痛みが無いので、選りすぐったものに関しては品質も悪くは無いと想像される。同時に2008年産の荒い酸は必ずしもその年だけのものではなく、2007年産の優れたリースリングであるイエズイーテンガルテンなどにも感じるものであり、上質の2008年産グランクリュに関しては先十年ほどは大きな浮き沈みの中で気が抜けない代物となろう。

それは逆に、酸などが最初から荒っぽいと感じる限り熟成しても同じで、酸の決め細やかさは最初から最後まで変わらないリースリングの質に係わるものである。その意味からも2009年産で、酸とミネラルと共に肌理が細かいグランクリュ・リースリングは、まだまだこれから評価が上がるに違いない。ピノノワールに関しても大変期待されていて、2007年以上であることは確かだろう。

先ずは、今年飲んで印象に残ったワインから書き上げて行こう。

最も良く飲んだ2009年産ワイン
ゲオルク・モスバッハ醸造所 モイズヘーレ リースリング辛口カビネット

最も美味かった九ユーロ以上の2009年産リースリング
レープホルツ醸造所 ナテューウァシュプルング 辛口カビネット

夏までは最も美味かった2009年産リースリング
ビュルクリン・ヴォルフ醸造所 ゴールトベッヒャル 

夏までに愉しんだ2009年産リースリング
ゲオルク・モスバッハ醸造所 ヘアゴットザッカー 辛口カビネット

最も美味かった九ユーロ以下2009年産リースリング
レープホルツ醸造所 フォム・ブントザントシュタイン 辛口カビネット
フォン・バッサーマン・ヨルダン醸造所 キーゼルベルク 辛口カビネット

例年よりも飲み頃が遅かった2009年産リースリング
フォン・バッサーマン・ヨルダン醸造所 キーゼルベルク 辛口カビネット

酸が落ちた分、糖も落としてますます薄くなった2009年産リースリング
フォン・ブール醸造所 ヘアゴットザッカー カビネット

ブルゴーニュの仲間に評判の良かった2009年産リースリング
ゲオルク・モスバッハー ヘアゴットザッカー カビネット

今年初登場となったリースリング
レープホルツ醸造所 ナテューウァシュプルング 辛口カビネット

八ユーロ以下で最も美味かった2009年産ワイン
シェーンレーバー醸造所 グーツリースリング

最も美味かったスレート土壌の2009年産リースリング
シュロース・ザールシュタイン醸造所 グラウシーファー 辛口カビネット

予想外に飲み頃が遅れている2009年産リースリング
ビュルクリン・ヴォルフ醸造所 カルクオーフェン グローセス・ゲヴェックス

予想以上に試飲して素晴らしかった2009年産リースリング
フォン・バッサーマン・ヨルダン醸造所 カルクオーフェン グローセス・ゲヴェックス

売り切れで追加購入ならなかった2009年産リースリング
レープホルツ醸造所 ナテューウァシュプルング 辛口カビネット
フォン・バッサーマン・ヨルダン醸造所 ウンゲホイヤーS 辛口

今最も飲み頃の2009年産リースリング
ビュルクリン・ヴォルフ醸造所 レッヒベッヒャル ピュリミエクリュ
フォン・バッサーマン・ヨルダン醸造所 キーゼルベルク 辛口カビネット

これからの飲み頃が待ち遠しい2009年産リースリング
ビュルクリン・ヴォルフ醸造所 ランゲンモルゲン ピュリミエクリュ

四年後にもっとも期待できる2009年リースリング
レープホルツ醸造所 ガンツホルン グローセス・ゲヴェックス

八年後に最も期待できる2009年産リースリング
ビュルクリン・ヴォルフ醸造所 ペッヒシュタイン グローセスゲヴェックス

購入したもっとも高価なリースリング 
ビュルクリン・ヴォルフ醸造所 2009年 ホーヘンモルゲン グローセスゲヴェックス

購入した最も高価なワイン
A・クリストマン醸造所 2007年 イーディック シュペートブルグンダー

今年購入した最も古いワイン
レープホルツ醸造所 2005年 シュペートブルグンダー

今年購入した最も熟成の進んだワイン
ビュルクリン・ヴォルフ醸造所 2004年 ペッヒシュタイン グローセスゲヴェックス

2007年産特集

失望させてくれたラインガウワー
ゲオルク・ブロイヤー醸造所 テラ リースリングキュヴェー

最初から良くならなかったなかったリースリング
シュロース・ザールシュタイン醸造所 半辛口 カビネット

熟成が進んでもその価値はあまり無いリースリング
シュロース・ザールシュタイン醸造所 アルテレーベン

熟成が進んでもその価値が変わらなかったリースリング
フォン・ジムメルン醸造所 バイケン シュペートレーゼ

既に熟成を完了したリースリング
フォン・シューベルト醸造所 アブツベルク カビネット

素晴らしく熟成した甘口
JJプリュム醸造所 グーツリースリング

予想通りの熟成をみたリースリング
ビュルクリン・ヴォルフ醸造所 ランゲンモルゲン ピュリミエクリュ

予想以上の熟成をみたリースリング
レープホルツ醸造所 雑食砂岩S

予想通り冴えなかったリースリング
A・クリストマン醸造所 ケーニッヒスベルク SC

予想通り美味く熟成しないグランクリュ
ヴァルナー醸造所 ドムデカナイ グローセスゲヴェックス

奇麗な熟成を見せこれで十分と思わせたグランクリュ
フォン・バッサーマン・ヨルダン醸造所 イエズイーテンガルテン

熟成が旨みと重さへと徐々に転換するグランクリュ
ゲオルク・モスバッハー醸造所 フロインドシュトュック

トロッコに乗っているような鉱山臭さを放つ熟成
ロベルト・ヴァイル醸造所 グレーフェンベルク グローセスゲヴェックス

小またの切れあがる熟成と薄さも見せたグランクリュ
ビュルクリン・ヴォルフ醸造所 ガイスボェール グローセスゲヴェックス

角が立ってまだ新鮮で将来を覗かせたグランクリュ
ロベルト・ヴァイル醸造所 グレーフェンベルク グローセスゲヴェックス
ビュルクリン・ヴォルフ醸造所 ガイスボェール グローセスゲヴェックス

美味いと再認識した2004年産リースリング
ビュルクリン・ヴォルフ醸造所 ペッヒシュタイン グローセスゲヴェックス

美味いと再認識した1998年産ボルドー
サン・ジョルジュ醸造所 シャトー・サン・ジョウルジュ

試飲して意外に飲めた2003年産ピュリミエクリュ
ビュルクリン・ヴォルフ醸造所 ゲリュンペル

試飲して再認識したグランクリュ
ロベルト・ヴァイル醸造所 2009年 グレーフェンベルク グローセスゲヴェックス

試飲した最も高価なグランクリュ
ビュルクリン・ヴォルフ醸造所 2009年 キルヘンシュトュック

樽試飲したグランクリュ
ビュルクリン・ヴォルフ醸造所 

最初に購入した2010年産ワイン
フォン・バッサーマン・ヨルダン醸造所 ヴァイスブルグンダー

今年初めて訪問した醸造所
ゼーガー醸造所

今年初めて飲んだワイン・醸造所
ヴェールハイム醸造所 
ヴィットマン醸造所 グーツリースリング、
ヴィットマン醸造所 モールシュタイン グローセスゲヴェクス

今年個人的に奨励した醸造家
ベティーナ・ビュルクリン フォン グラーツェ婦人
ハンス・イェルク・レープホルツ夫妻
フリッツ・クノール親方
ウルリッヒ・メル親方

思わぬところで出会った醸造家
ヴィルヘルム・ヴァイル
マルティン・クリストマン

今年進展を見せた醸造所
ビュルクリン・ヴォルフ醸造所
ロベルト・ヴァイル醸造所 
レープホルツ醸造所
シュロース・ザールシュタイン醸造所
ゲオルク・モスバッハー醸造所

今年のキーワード
天然酵母醸造
酸化醸造法


古いワインから振り返れば、酸が強かったあまり良年ではなかった1998年のボルドーが可也良さそうと分かり、その新鮮な味覚はサンテミリオン、メドックと共にまだまだ楽しめそうでこれは嬉しい誤算であった。1993年や1994年よりも良く、若しかすると1995年よりも良いかもしれない。1996年は開けずに大切に置いてある。同じ誤算では2004年産のリースリングが素晴らしいと分かり少々焦った。2003年の暑い夏に続く陽の乏しかった年であったが、良く出来た葡萄からはそのシャープな味筋と薬草風味がとても漂ってくることがはっきりしてきた。しかし、生産量も限られていて今後入手可能の2004年グランクリュはそれ程多くはない。その2003年もマグナム瓶などに保管してあったもので清潔なワインは決して捨てたものではないが、熟成香がでないものは殆ど無いであろう。2002年も改めて試飲出来たが、燻製の魚などにはこれ以上のものは無いだろうが、例えば同じペッヒシュタインでも2004年の方が広く料理にあわせやすく、熟成度も明らかに小さく若々しい。2005年は引き続き塩漬けが良いように思われる。2001年の健在ぶりは甚だしく、比較対照である2007年がかげ薄く思われるほどである。2006年は葡萄の熟成度が高かったので瓶でも早飲みが良かった。赤などにはまだ飲み頃のものがあるだろう。2008年産で出来上がりが良くなったものもある一方、既に新鮮さからは程遠いので、ただひたすら高品質のワインの熟成を待ちたい。品質の悪いものは今後ともチャンスは無く、さらに酷くなる。2009年は、葡萄の健康度が高いので、2006年産と対照的になかなか瓶の中でも熟れてこない為、飲み頃が遅くなる傾向が顕著であった。酸が確りしていればまだこれから大きな期待が出来る。風味などでは2007年産よりも良いかもしれない。続く。
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索引 2010年12月

2010-12-31 | Weblog-Index



よーみよドイツワインガイド2010 2010-12-31 | ワイン
バソニール染料の色眼鏡 2010-12-30 | 雑感 TB0,COM2
いざ、ストレスもここまでか 2010-12-29 | 暦 TB0,COM2
慣れないと足元がふらふらする 2010-12-28 | アウトドーア・環境 TB0,COM0
スパムメールの発信源になる 2010-12-27 | 雑感 TB0,COM0
また雪が盛んに降り出した 2010-12-26 | アウトドーア・環境 TB0,COM0
ゲのゲとジョウのジョウの話 2010-12-25 | 料理 TB0,COM0
茨の道の喜びの口づけと葡萄 2010-12-24 | 文化一般 TB0,COM0
膨らみ過ぎて破裂しそうな期待 2010-12-23 | 料理 TB0,COM0
夢を叶えるプラットホーム 2010-12-22 | アウトドーア・環境 TB0,COM0
外交官なんて不要か? 2010-12-21 | 文化一般 TB0,COM0
水気を含み過ぎているので 2010-12-20 | ワイン TB0,COM0
脚絆を巻いての午前中の旅 2010-12-19 | アウトドーア・環境 TB0,COM0
待降節の漣のような忙備録 2010-12-18 | 暦 TB0,COM0
隠しカメラやスキャナーの使い方 2010-12-17 | 雑感 TB0,COM0
僅か二十ユーロ程度の極上感 2010-12-16 | 文化一般 TB0,COM0
なんちゃって日本食を体験 2010-12-15 | 料理 TB0,COM0
テンションが上がる待降節 2010-12-14 | 暦 TB0,COM0
寿限無 食う寝る処に住む処 2010-12-13 | 文化一般 TB0,COM0
胸躍る年末年始の食事の計画 2010-12-12 | 料理 TB0,COM4
クリスマスオラトリオの修辞法 2010-12-11 | 音 TB0,COM0
ご進物の決定プロセスの紹介 2010-12-10 | 試飲百景 TB0,COM0
朝飯前スキーの夢の実現 2010-12-09 | 生活 TB0,COM0
湿気が高い想定外の冬景色 2010-12-08 | 暦 TB0,COM0
とても痛ましい娯楽TV生中継 2010-12-08 | マスメディア批評 TB0,COM0
To be or not to be - のT.B. 2010-12-07 | 文化一般 TB0,COM0
そこは五センチ以上の積雪 2010-12-06 | 暦 TB0,COM0
フリーライダーの履き心地 2010-12-05 | アウトドーア・環境TB0,COM0
厳寒の忘年会での散財 2010-12-04 | 暦 TB0,COM0
21の太陽王と9ユーロのゴロー 2010-12-03 | 生活 TB0,COM0
会長私設秘書としてのお役目 2010-12-02 | 試飲百景TB0,COM2
とても寒い自宅軟禁状態 2010-12-01 | 歴史・時事TB0,COM0
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バソニール染料の色眼鏡

2010-12-30 | 雑感
日本のサイトを日常的に見るようになったのはXP導入からである。十年は経っていないが、それでも世田谷の殺人事件については何度か目にしている。ドイツの染料会社まで捜査員を派遣したと書いてあったので、直ぐにルートヴィッヒスハーフェンのBASFと分かった。遺留品に塩基性染料バソニールの粉が付いていたという。

書かれているように衣服にそうした染料が付くのは特殊な状況であろうが、顔料化する前の粉末の形でも結構様々な目的で出回っているだろう。一体どのような作業中に複数種類の色素としてその染料が付着したのか、とても興味ある。トレーナーのようだから、最終商品に使われなくても、その程度の品質管理ならば、染色工場などでもライン上で汚染されないとも限らない。蛍光ものはスポーツ用品関連ならば比較的使われるだろう。インクの素材としても今時、日本でも韓国でも中国でも同じように使用しているから態々ドイツまで飛んできても全く進展は無かったに違いない。

またウェストバックに硬水用の洗剤が残留していたとあるが、これも滞在先もしくは所縁のある外国で洗濯するよりも、日本国内においても一般に流通していない洗剤を使う人もおり、むしろその可能性の方が大きいのではないだろうか。特に日本に駐在する家庭の主婦などには、漂白剤の入った日本の洗剤はきつ過ぎると昔から不評であり、本国から都合していた人もおり、またそれ以外にも少なからず需要はある。

もう一つ、モナザイトと呼ばれる素材も結構最近は話題のもので十年前はどうであったか知らないが、そのような物から足が付くのだろうか?

それにしても事件の概要などを読むと、計画的な犯行の割には想定以上の展開にもなったのでもあろうが、それほど遺留品などにも拘わらない犯行は、破瓜型と言うのだろうかそれ故に大胆不敵にも見える。実際、作られた犯人像に当てはまるような人物は何処にでもいて、それだからこそ目立たないのだろう。

それは丁度、遺留品などについても言えて、何も今更大量消費生産品で森の中に木を隠さなくとも、物流にもならない少量多種の数知れない流通の小さな動きとなっているからこそ遡って辿るのは殆ど不可能なのである。今時足の付くような国境も無ければ何も無い。
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いざ、ストレスもここまでか

2010-12-29 | 
連邦共和国内務省の発表によると、本年中受けたハッカー被害で確認出来た発信もとの半分は中華人民共和国であった。スパイ活動とは別に妨害活動も含まれているのだろう。イランの増殖炉施設への妨害など、世界の見えないところでヴァーチャル世界大戦が日夜盛んに行われていることがわかる。

先週に続いて買い物リストが必要になる。先ずは麺を茹でる安物の塩、牛乳は落とせない。それに伴い、炭水化物備蓄状態次第では米や麺、もちろん店の閉まるパンも忘れてはいけない。その他では、野菜果物類と魚類ぐらいだろうか。喉飴もまだ手放せない。マヨネーズも切れた、石鹸も新しいのが欲しいところだ。しかし土台は、年末年始の飲み物に合わせた食事などの材料ということになる。

ワインが胃に沁みると思えば、本日まで債務処理に当たっていたストレスからだろう。決して飲み過ぎではないのである。大晦日にツアースキーに誘われていたわけだが、彼ら公務員には切れが良くても、我々在野の者にはなかなかそうは行かない。来年の今頃も同じようなことだろうか。思えば昨年の今頃よりも今年の方がましである。昨晩電話が掛かってきて、請求書を送れと言う。請求されるよりは良いのだが、それでも年度末に追われる。しかし、これで何とか年を越せる体制になってきた。
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慣れないと足元がふらふらする

2010-12-28 | アウトドーア・環境
目星をつけておいた斜面を試走した。雪道を歩くこと十五分、靴を履き替えて、その前には車で林道の下まで上がるのに時間が掛かったが、〆て一時間以内で完了した。

一箇所だけ石が出ていたが、それには偶然引っかからなかった。滑り出すとどうも板に乗れないのでおかしいと思うとバックルが開きっぱなしであった。眼鏡が曇っていたので気が付かなかった。締めれば締めたでまた足が痛い。三年も滑っていないとしっかりと立てずにふらふらする。

それでも雪は少ないながら、傾斜はカーヴィングにも十分であることは分かった。但し、林道で両サイドが落ちているので、もう少し雪がないと、ゆったりとしたカーヴィングが効かせられない。せかせかと降りてきて終わりで、惜しいことをした。

2007年シーリーズワインの比較試飲は進んでいる。昨晩はロベルト・ヴァイル醸造所のグラーフェンベルクの残りが少なかったので、ゲオルク・モスバッハーのフロインドシュトゥックを開けた。開けるものはあっても2010年もあと僅かしか飲み干せない。

暖かい空気が入ってくるので温度は上がり気味になる。明日の早朝は一時間で最低二本か三本は滑りたい。スキー靴で斜面を上げって行く方が足慣らしに良さそうだ。

ツアースキー靴のカーヴィンの効き易そうなサイドの確りしたものをを物色しているが、スキー靴の立ち心地というか、加重感が如何に異なるものであるかを再確認する。スキー靴を履いて、靴をチェックして、畳の上の水練をして、明日のためにストーヴの前で温めておく。夕方になってやっと降ってきた。地熱で雪も融けかかっており、数センチ積もるか雨混ざりになって融けてしまうか、まるでサンタクロースを待つようにベットに入るのだ。


写真:明日も立てるか、滑降出発点の対岸の石切り場ペッヒシュタインコップ。
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スパムメールの発信源になる

2010-12-27 | 雑感
テレコムからおかしなメールが入っていた。当方に割り当てられていたIPアドレスからスパムメールが出ていたようで、こちらのPCがのっとられるなど感染している可能性が強いというのである。早速調べてみたが、クリスマス前の先行準備整備のときと比べて決して悪い状態ではない ― トロージャンの一つも退治したが。

なるほど日曜日かにおかしな動きがあったが、そのスパムメールが出されたのは24日の夕方であり、関係がなさそうだ。また本当のクリスマスメール関係も該当の時間に発信されたようなものはない筈である。宛名無しのBCCの巡廻メールであったからそのメールがどこかでスパムと判定されてもおかしくはないのであるが、時刻が全く合わないから違うのであろう。

またその時刻に近い受け取ったお返しのメールなどもチェックしてみたが、添付やリンク以外にも怪しいのは一通しかなく、更なる問題を起こすようなものではない。どのようなスパムメールが世界に飛んで行ったかは知らないが、インターネットで完全に防御できることはないと考えている。そもそもテレコムのネットで最近問題が続出しているのを聞いているので、本当にこちらの責任かどうか疑心暗鬼である。

昨晩は疲れがどっと出て、酔って風呂に浸かりふらふらになって、早々と本日のスキー滑降を断念した。明日雪が降れば、明後日の早朝にもう一度チャンスがある。もう一つのメールは、昨日雪の中を私自身が到達できなかった頂上経由で谷を降りてきたという報告があった。どのルートをとっても結構な雪中行軍であったことを考えると、ハイキングとは言いながら流石にアルパイン協会の会員だなという印象である。
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また雪が盛んに降り出した

2010-12-26 | アウトドーア・環境
今日は氷点下二桁台であったが、風もなく陽射しがあって気持ちよかった。車をペッヒシュタインの下において、五十分間雪の谷から登った。林道に倒木が多くなってきたので、スキー滑降の下見にはならないと思って折り返した。だから標高五百メートルを越える頂上までは行かなかった。

雪の状態は、谷筋で湿り気があることから、地面が氷化していて、それ程深くない雪ながら滑れそうである。登りは大変であったが、新雪の上を砂すべりの様に走りながら下ると大して傾斜がないことが分かってがっくりした。それでも今降り始めた雪が明日の朝に五センチでも上に乗るようだったら滑りに行きたい。三十分上がって二分ぐらいで降りるだけであるが。

それでも今日は、車に帰るまで、一時間十五分ほど雪の中を走り回れたので嬉しい。これでまた俄然食欲が湧きそうだ。今日は鴨の胸肉を食するので、2007年産グランクリュを物色した。一本は自分で買って、一本はプレゼントされた、ロベルト・ヴァイルのそれを開けて、プファルツの強豪と直接比べてみる。
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ゲのゲとジョウのジョウの話

2010-12-25 | 料理
電子メールによる挨拶を世界中に配信したが、遅くなり過ぎなかったのか、それともネットの方が既にそれに備える体制が出来ているのか、二時間もしないうちに多くのお返しなどの反応が集中してあった。ニ三年前とは違って、イヴにPCの前に座るのが普通になってきている証拠である。逆にこれからは反応が遅いと不思議に思うようになるかもしれない。

第九交響楽の録音を急に聞き出した。気になったことがあったからだが、とても面白く、大分理解できたこともあった。今晩も時間があればカイザー教授のそれについての文章を読んでみたい。暮れの第九ブームには便乗したこともなかったのだが、色々と分かるとそれもなんとなく理解できた。

そしてよく飲んで食べた。風邪気味のところで飲み過ぎたので、アルコールが体に残っている。この残り方は、バッサーマン・ヨルダン醸造所のワインの酸の灰汁に関連しているように思われる。今回の2007年産よりも2009年産の方が木樽を使うようになっているので更に質は上がってるだろう。また、外回りの責任者には日ごろから圧力をかけているので悪くはならないだろう。まあ、明仁天皇陛下は我々とは違い量を飲むこともないだろうからこの差には気が付かれないであろう。明くる日とかにも飲まれないだろうから、余計にその差は分かりにくい。

こうして直接比較すると、1990年代の終盤から2000年代の初期には、ブュルクリン・ヴォルフ醸造所と他の名門醸造所との実力差はクラス違いであったのだが、自らの店頭の者も実際に醸造している者もそれに確信を持たないどころか十分に気が付いていなかったように思われる ― 要するにお客さんへのグランクリュの勧め方がまだ確立していなかった。価格においては十分にそれだけの値札が付けられているが、顧客さんもその差異については十分に理解していなかった。ドイツで一番高額のグランクリュを輩出して、それをこの十年間それを牽引してきて、そしてまだ今後もその地位は当分揺るぎそうにはない。

それでもバッサーマン・ヨルダン醸造所のイエズイーテンガルテンは十分に素晴らしかった。前回に飲んだ2006年産とは比較にならない。しかし、その酸の重さや質にはもはや最高点を与えられない。レープホルツ醸造所の酸と比較すれば一目瞭然である。甘さと酸の量感でバランスをとってもそれはバランスが壊れだすとどうしようもない。もう少し、葡萄に投資すべきである。これはこれで見事だったのだが、腹立たしいのは、この侭、熟成させてもそれほど大きな開花をしないことがわかるときである。やはりステンレスの樽では駄目だった。親方が漸く認めた通りである。

昨日からの雪は止んだが、また明日降るようだ。これでここでは三度目かのホワイトクリスマスを迎えることが出来た。外気温は零下七度からまだ冷えそうであるから、月曜日の朝にどこかを滑れたら面白いと思っている。そのように合衆国の三世の遠縁のものにはメールした。

それにしても雪の休日の静けさはなんと素晴らしいものだろう。毎日がこのような感じであれば、どれだけ創造力が働くだろう。日曜日に商売するなどは下の下である。とは言いながら、昨今は法的に可能となった、日曜日の焼きたてのブロッチェンの美味いこと。
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茨の道の喜びの口づけと葡萄

2010-12-24 | 文化一般
おお、素晴らしかった。バッサーマン・ヨルダン醸造所の2007年産イエズイーテンガルテンが夏ごろに出来上がっていたというので、これを栗入りのザウマーゲンに合わせようと計画していて、安全パイとしてブュルクリン・ヴォルフ醸造所の2007年産ガイスボェールを用意していた。

オードブルの鴨レヴァーパイに前者を合わせると見事で、店先で聞いたように、開ききっていない繊細さの美しさと共に、その酸の灰汁もあったが、太陽の恵みを受けた充実感と土壌の素質はとても開き切らない新鮮さと格の大きさの両面を示していた。これだけ13%のアルコールを誇る充溢したワインでありながら一人で半分以上を一挙に飲ませるその飲み心地は途轍もない。

それでも、オードブルに続くメインに行く前に、とてもデリカテッセンであるそのパイに併せて後者の12.5%のシルエットのはっきりした、より繊細なそれを試したくなった。

さて、メインディッシュにも両方を試してみたが、飲み疲れると後者の軽やかな方に軍配が上がる。それでも前者のミント風味やその骨格の堂々とした鋭さの後では、後者のは弱弱しく感じる。流石にテロワールとしては秀逸な前者だが、後者のワインの方が、前者のややもすれば鈍いテロワール表現に対して、研ぎ澄まされたテロワールの表現として勝る。



参照:
シラー作詞、ベートーヴェン作曲「歓喜の歌」
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膨らみ過ぎて破裂しそうな期待

2010-12-23 | 料理
大体買い物を済ました心算だ。万が一何か気が付けば、また明日買える。なによりもパンと肉を回収してきたので落ち着いた。

想定外は肝心のザウマーゲンで、残念ながらというか少々予想はしていたが、膀胱と相成った。しかし、文句をつけるまでもなく二つに別けて貰っているので、二回も暖めて食せる。クリスマスともしかすれば大晦日の二回、二種類のワインで楽しめることになる。当然の事ながらクリスマス中に完全に最初の一個は疑いなく片付いてしまう。ザウマーゲンに追いかけられる夢を見ることもない。更に摘め残りの栗が普通以上に入っていないかと期待している。燻製のシュヴァールテンマーゲンの色が今まで見たものよりも強く、これはまた新年が楽しみになる。

〆て51ユーロで、先ニ週間はあまり肉を買う必要がなくなる。これを安いと思うか高いと思うか。

それは春に続いて今また話題になっている最高車マイバッハの価値についてでもある。復活させた2002年当時は年間1500台の販売を目標としていたが、200台ぐらいに落ち込んでいて、殆どはホテルの送迎車として使われているようだ。フォルクスヴァーゲン社のベントレーが趣味での保有ならば、ダイムラーがアストン・マーティン社とマイバッハについて交渉に入っている噂を否定するのも仕方ない。恐らく開発費などは特別に掛かっていないのだろう。

中国や米国でもっと売れるかに思われた高級車もリーマン危機後は特に売れなくなったようで、少なくともドイツの超高級車の購買層には余り人気がないようだ。そもそも運転手無しでこの大型の車を駐車したりするのも厄介であり、爺車と呼ばれて、マセラッティーやロールスロイスに比べても若い女にもてないと敬遠されるようだ。そもそもこうした車に態々大金を支払う趣味人に新興成り金が多いことを考えれば、世界で最も高品質な乗用車だけでは魅力が少ないのだろう。それよりも質感の低下の激しいSクラスを製造技術などの改良で高級感が出せるようにして欲しいものである。

パン屋では買い物袋を貰ったので、これからこれをもってパンを取りに行くのがまた楽しみとなる。創業1928年となっている。息子は見たことがないので他所で働いているのだろうか。それならばいづれこの店を継ぐかもしれない。孫の女の子はパン屋になる婿さんを捕まえてこれるかがまた気になるところだ。
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夢を叶えるプラットホーム

2010-12-22 | アウトドーア・環境
アルペン協会の機関紙にアイガー北壁の新たなフリー化成功の記事が載っている。フリー化の可能性はまだあるに違いないが、ロッククライミングでなくて、冬に英米隊とドイツ隊が競い、ジョン・ハーリンの墜落によって合同で登攀した典型的な冬のルートである。これのフリー化を長く目指していたシュヴァルツヴァルト南部ショップハイム在住のドイツ人ヤスパー氏(昨年日本人ルートのフリー化に成功している)とスイス人シャーエリ氏によって九月下旬になされたようだ。

未だにこうした試みがあるのも驚くのは、昔ながらのアルピニズムの方法によって、二十年間も何度も失敗を重ねながら達成されたことであり、結構執拗な試みをする人がいるものだと感心する。それでその結果は、凍りついた登攀自体は素晴らしかったようだが、八級に至る氷混じりの岩壁を、クレッターシューへとシュタイクアイゼンをメータ単位で履き替えながら登ったというから大変である。

古いボルトを使っても、メカニックな楔フレンズも使い難く、確保の条件が悪くて自身二度と登りたくないというから、よほど用具の改良でもない限り、今後も誰も登らないに違いない。それでも本人は、誰もが今更と思うアルプスでも夢は膨らむと語る。

改めて映画「アイガーサンクション」などの画像を観ると、場所によっても大分岩壁の状況は変わりそうで、やさしい場所でも危なっかしくと言うのも、ルートによっては素晴らしい岩壁であるというのもどちらも正しいのだろう。

何時ものように天候の悪化から、雪田である通称「蜘蛛の巣」上部はヘックマイヤーのクラシックルートに逃げたとある。

日付を見ると、丁度我々がスイスで岩登りしていた時で、気温は低く、最終的には雪が降った時である。最初は氷が良かっただろうが、雪が降る状態で回避したのだろう。



参照:
Die Alpen bieten so viel Platz für Träume, PANORAMA Heft Dezember 2010
世界を雪崩で洗い落とす 2008-10-25 | マスメディア批評
秘密結社フライマウワーに肖る 2010-09-04 | 雑感
情報巡廻で歴史化不覚 2008-10-27 | アウトドーア・環境
遥か昔の空の下で 2006-07-19 | アウトドーア・環境
腰にぶら下げる山靴の重さ 2009-07-19 | アウトドーア・環境
パイプを燻らすパイオニアー 2010-10-04 | アウトドーア・環境
そこから始まる上級志向 2010-09-28 | 試飲百景
Der Eiger, Der Berg, auf dem man niemals ankommt (SWR)
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外交官なんて不要か?

2010-12-21 | 文化一般
ウィキリークスについて、ウンベルト・エーコが書いている。この記号論の作家のこの事件への印象は、問題となった外交文章を一部なりとも読んだ我々のそれとかわらない。つまり、外交官が秘密文章と書いている内容は、公式には確認されていないが、興味ある者ならば皆知っていることばかりで、まさにこの一連の事件がただのスキャンダラスでしかなかったことを確認している。

要するに、その内容として、このイタリアの作家は、ベレスコーニやカダフィーに関するものを例として挙げているが、噂やその手の情報源から何ヶ月も前から流れていた情報であって、こうして外交文章として公式文章になっていること自体がスキャンダルであると言う意味である。

このラジオ局音楽プロデューサー出身の作家は、それをして、第二次世界大戦以降外交官の使命というのが全くそれ以前のものとは異なっていて、そもそも首班同士が直接電話で話して、直接会うようになったので、大使や外交官の仕事が書類整理でしかなくなっているというのである。これは、少しなりとも外交の現場を見たり聞いたりしている者ならば何も改めて繰り返す必要もない事実である。

もしくは、改めて国会内やその周辺の政治や行政の現場で見聞きすることを文章化しようとすれば、そうしたプロセスを経ることが必要なことはBLOGを綴っている者もしくは国際的な組織において情報の伝達を日夜執り行っている者ならば皆知っている。

そして作家は言う、少しはましな外交官ならば社会学的もしくは政治学的な切り方をするのだろうが、そもそもスパイ活動の基本はこうした下世話なところにあるのは歴史的に昔から変わりないと、それをしてファシズム政権下でのバーのカウンターでの戦略と呼ばれるものだとこうした外交文章の内容を切り捨てる。

私自身、リークされたとされる秘密情報として内務大臣デュ・メジエールに関するワシントンへの報告書を読んだが、誰でもが感じている従兄弟である東独の最後の総理大臣ローター・デュ・メジエールとのつながりや思想的な傾向を記しているもので、痴話話というか大衆週刊誌程度の内容でしかなかった。それでは、なぜ国のホストランドでの代表である大使館がそうしたありきたりな情報をワシントンなどに送らなければいけないかについてウムベルト・エーコは触れている。

それは、その内容自体が、出版業界における陰謀説論の内容と同じで、こうした噂話を伝えるときに、態々改めて取材したりその確認を取る必要が毛頭なく、既に知られている情報を繰り返すことこそが、効果的でこうした情報の本来の価値を発揮するということらしい。まさにオカルトの世界であると言及する。だから、そうした秘密文書には、もしあれば逆に陰謀が図られているかもしれないような、ワールドセンタービルへのテロ攻撃のような情報の察知は含まれていないと結論付けられる。

このように考えれば、まさにこの知識人が指摘するように「まるでダン・ブラウンの成功」の要領で外交官が日夜日当分だけの仕事をこなしているとして、経費削減のためにエンターティメントにならないこうした外交活動を削減してということにはならない。そもそも外交とは、情報とはそうしたものであって、今回最も傷ついたのは、こうした外交官を手足のように駆使している政治家であり、ありもしない国の外交の権威というものなのであろう。

要するに、市民の知る権利とか何とかは一切関係ない話であり、こうしたリークを売りとすることも三流ジャナーリズムの一つの権力志向の表れに他ならない。こうした非営利の下らない外交秘密文章が存在しなければ、三流ゴシップ誌に税金を注ぎ込むしかないからでもある。

蛇足ながら書き加えておけば、ハーバーマス氏でなくとも、我々の知る自由とか安全を保障する機関としての国なり行政が機能するために、そうした商業ジャーナリズムが営むマスメディアを含む権力構造によって左右されない情報が不可欠なことも再確認しておく必要がある。



参照:
Schafft die Botschaften ab!, Umberto Eco, FAZ vom 20.12.2010
引き出しに閉じる構造 2007-01-11 | 文学・思想
裸の付き合いの友愛社会 2009-12-06 | 女
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水気を含み過ぎているので

2010-12-20 | ワイン
ここ暫くは、寝起きが今ひとつである。昨晩は暖房を落として就寝したので比較的良かったが、それでも昨日の疲れか、午前中に目が覚めない。午前中には屋根の雪は殆ど溶けていた。それでも午後になると盛んに雪が降ってきた。これまた疲れが取れない。まるで雪国のようである。

それでも明日早朝にスキーでも滑りに谷をあがろうかと思ったが、温度が高く雪は水気を含み過ぎている。この地方は殆ど雪が降らない地方であるから、屋根雪崩の被害が心配である。雪崩止めがしてある場所は限られており、スキー場のように予め警告するにもその経験があまりないからである。

夕飯には、拵えてあったミートソースにキドニービーンズを加えてチリコンカルネとした。生憎ボージョレーなどはないので、サンテミリオンの酸の比較的効いた1998年物を開けた。最初の頃の新鮮さとはまた違う果実風味が湧き上がり、若干アルコール12.5%で水臭さはあるが、その反面重心が高くとても香り高さが楽しめるワインである。熟成しても美味いものは最初から美味い。瓶詰め最中に飲まして貰ったときからでもある。
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脚絆を巻いての午前中の旅

2010-12-19 | アウトドーア・環境
この全身疲労はなんだ。朝から、就寝前に考えていたことを実行した。先ずは、近所の谷から入って、ジョギングしながら谷奥へと上がって、廻って降りてくる計画である。朝食後に九時過ぎに出かけたが、道路は凍りついていて、日曜日であるから十分には開いていない。

同じ町の中であるからそれほど距離があるわけではないが歩いてきて居れば結構足元がおぼつかなかったであろう。車を停めて脚絆を巻いていると、谷奥からジョギングしてくる者が通り過ぎる。ここはいつものコースとは違って地元のジョギングのメッカとなっている。いよいよそこでのデビューである。雪が大分乗っているので通常とは違って面白い。

走り慣れていないのでなかなか距離感がつかめず、マウンテンバイクに抜かされて、さらに軽快な足取りの男たちに抜かされた。更にどこかの飼い犬に抜かされて、抜きつ抜かれずしていたが、なかなかこちらを待てずにいらいらしていたようだ。飼い主は一向に見えない。殆どなにも入っていないとはいえリュックサックを担いで、重い靴を履いていれば仕方ないが、あの連中の軽快な足取りが結構気になった。どうも何時もの駐車場に上がる道を彼らは上がっていったようで、谷を最後まで詰めたようではなかった。そこに来て急にシュプールが消えていた。思わずそこで足が止まってしまった。ここまでで二十分経過していた。谷を最後まで詰めればいつもの走る川沿いの道の最終点と合流する。

左岸に上がり、そしていつもの最も標高の高い所まで登りあがるか考えたが、その距離よりも降りて戻ってきてこの谷筋を下るのを億劫に思い、右岸へと足を進めた。この斜面も何時もの駐車場から谷へ降りて更に登る同じ斜面である。今日は一人先行者が居たようで、その足取りを辿る。ヴィブラムのソールだったからハイキングシューズの踵があるようで、到底その歩幅には追いつかない。ストックも持っていない比較的大柄の男のもののようである。

結局峠の「ヴァイスシュタイン」の所まで出てくると、先を進むストックを付いた親仁が前方に見えた。本日三人目の通行人となった。ここまで更に四十分経過していた。予てから気になっていた近くの小屋を見に谷を反対の方へ降りて見て戻ってくる。流石に人跡未踏の場所はとても雪が深く、山スキーが欲しくなる。三十センチほど雪が乗っていた。

再び、「白い石」の場所に戻り、予てから狙っていた斜面を見ると、その間に誰かがスキーで直滑降を試みていた。しかし、どうも距離感からしてももう一つ冴えない。こうしてそこまで上がってきた所期の目的を果たし、今度は出来るだけ谷の下に降りる道として、小さな巨岩のある場所を目指す。何時だったか最初に下から上がってきたときもいやと言うほど夕方の日差しを受けながら林道を歩かされたのだが、これがまた長かった。何日か前の踏み跡がなければ行かなかったであろう。最上段にある林道から適当な尾根筋を見つけて、下の林道に降りると、下草が多く、轍の深い、いつか歩いたその道であることが分かった。更に一曲がりも行くと、ハイキング道第二番の目印が現れて、永遠に続くかと思わせた雪中行軍にも見通しが付いてきた。お目当ての巨岩の上にやってくると、また更に一時間経過していた。そこで写真を撮り、九月のスイスでの残りのマショマロを口に入れて、疲れを癒した。

巨岩の下は道も細く、傾斜もあるのでバンビの足跡ですら立ち止まって、降りる場所を躊躇したような箇所もあった。こちらもストックを持っていないので慎重である。しかしそれも長く続かず、丁度最初から二時間十分を経過したごろから、谷の出口の停めた車に向って一気に走り出した。走るといっても殆どかけっこで十五分、Tシャツだけでなくセーターまで汗で濡らしながら、帰宅した。

今日は降り掛けていた雪が本格的となったが、気温も上昇してきたようである。クリスマス前にまだ雪も降るようだが、気温も上がる。場所によっては根雪が確り残るので、次の機会は標高五百メートルの山の周りのスキーに良い斜面を探すことになるだろう。これから夕飯前にゆっくりと風呂に浸かりたい。一万五千歩、二時間三十分、内三十五分のジョギングの雪中行に精魂尽きた。



参照:
植生のみならない生態系 2009-04-29 | アウトドーア・環境
秋を偲ぶテッシンの栗 2010-09-27 | 暦
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待降節の漣のような忙備録

2010-12-18 | 
備忘録がわりに書き留めて、クリスマスに備えよう。コスモポリタンな銀行ドイツェバンクがラスヴェガスでガジノを開いたと言うことである。なにもおおぐち顧客から金を巻き上げようと言うのではないようだが、ラジオで話題となっていた。融資した会社が投資したホテル兼カジノの建設後に倒産したようで、その負債の処理として、損失を計上しながらそのカジノ部分を営業するようだ。

昨晩の今年最後のクライミングの機会は逃したが、今朝はまた新雪が上に乗って、タウンシューズで通常よりも十分近くも時間を余分にかけてワインの一等地所を廻った。気温は零下であっても日差しが強く、どこか春らしい雰囲気が出てきている。もう直ぐそこである。明日の朝も山の中を駆け回れたら面白い。

ここのところ、安売りで入手したヴェルサイユの教会音楽集を鳴らしている。とてもお目当てのクープランが素晴らしくて、ラモーの殆どそこまでやってきているギロチンに近い下品さが際立ちその音楽性に予想以上に失望させてくれるが、あまり今まで注目していなかった作曲家がなかなか素晴らしい作品を残していて、それについては改めて語るべきものであろう。

同時に注文したメーテルリンク作ドュビッシー作曲「ペレアスとメリザンド」の演奏が予想以上に素晴らしい。一体何処の管弦楽団かと見直したほどである。廉価版なのでリブレットも付いていないので、ザルツブルク音楽祭の1997年の上演プログラムを引き出す。シルヴァン・カムブランがフィルハーモニア管弦楽団を指揮している。この録音のブーレーズ指揮のコヴェントガーデン座付き楽団よりも遥かにシンフォニックな響きを奏でていたことは耳に残っているが、これだけの雰囲気と音構造の明晰さは到底なかった。踏むと鳴く雪の上の静けさに強い太陽が乱反射する漣のような時間の流れはとても心地よくて、まるでこちらの瞳孔が開いてしまうようである。フランス語のそのメルヘェンの時が思う存分堪能できる。折からクナッパーツブッシュ指揮ベルリンのフィルハーモニカーのRIAS録音集発売の記事が載っているが、二十世紀前半のそれよりもこのフランス人音楽家が二十世紀後半の指揮者として如何に名伯楽かが判る。

PCやらワークステーションの大掃除をはじめている。これから年末年始にかけて危険なシーズンである。ウインドーズを使うようになって一度もそれを阻止するためのソフトウェアーを類を使ってこなかったが、トロージャンからのフィッシング詐欺と遊ぶようになってから、幾つか無料のものを試してみた。やはり使い勝手では、マイクロソフト・セキュリティー・エンセンシャルズが良さそうである。

さてクリスマスに向けてメール挨拶状の作成もあるが、これから出てくる2007年産グランクリュワインに先駆けて、秋以降開けて来た2007年産シュペートレーゼやプリュミエ・クリュクラスの一望だけを済ましておいたい。

空けた順番からすると、クリストマン醸造所のケーニッヒスバッハSCつまりイーディックの早摘みは、最初のグラス何杯かは新鮮さでよかったが、ジョジョに重苦しい味に包まれてきて、熟成しても枯れてしまうまではそれ程気持ちよく飲めるものではないと判る。土壌以上に醸造法の問題は、この瓶を開けてからのうつろいに色濃く表れているようで、酔いが進むに連れてさらに重くなるようなワインは杯を進める楽しみがない。

半辛口ではシュロース・ザールシュタイン醸造所のものを開けたと思うが、最初のときからすると少し枯れていたが、ワインらしくなったとは言いながらはじめのとき以上に素晴らしいとも感じなかった。

フォン・ジンメルン醸造所のバイケンのシュペートレーゼも開けたと思ったが、殆ど最初の印象と変わらない反面若干糖が分離してきていたような記憶がある。なにもそこまでおいておく必要はない美味いリースリングである。

グリーュン・ホイザー醸造所のアブツベルク・カビネットは、昨年の秋に試飲して購入後はじめて価格相応に十分に満足いく熟成をみた。全てが開いて、もうこれ以上は開きようがないほどで、この時点が熟成の最後と確認できた。その分、糖の浮きも目立つようになって、どうしようもない野卑な臭さと相俟って、熟成というものがどういうものかを十二分に伝えていた。

その点、ビュルクリン・ヴォルフ醸造所のゲリュンペルは、酸が引っ込んで苦味が前面に出ていて、丁度閉じている時期に当たっていたようだ。全く崩れはないので、あと二年以内にはもう一度開くだろうが、今度は蜂蜜香が漂うに違いない。夏前に開けてパイロットとして追加購入した時から直ぐに閉じてしまったのは驚きである。

もっとも満足できたのは、レープホルツ醸造所の雑食砂岩Sである。2008年から親仁さんに何度訊いた事だろう。「いったい飲み頃は何時ですか?」と。言い換えれば苦情したのである。そして今完全に花が咲いていた。見事な葡萄で腕前であった。

それに比べれば、ホッホハイムのヴェルナー醸造所のドムデカナイのグローセスゲヴェックスは駄目だった。殆ど成長することなく古びていた。隣りのキュンストラーのそれもかわらないだろう。

そこで今、凍りつくような地下へ行ってシュロース・ザールシュタイン醸造所のシュペートレーゼつまりアルテレーベンを開けた。糖が大分丸くなって、デザートヴァインというよりもアペリティフにも良さそうだ。とても印象がよい反面、はじめから一貫して変わらずフランスの白のように重心が低くその酸が重く、ボディブローのように酔いが廻る ― こういうのを晩酌して「撃沈」とかしている人も少なくないようだ。熟成は今後とも問題ないが、これ以上美味くなるとは思われないのがその時の出来であったのだ。恐らく2009年産以降は更に品質は向上しているだろう。身近に居れば色々とためになる批評もできるだろうと思うと残念である。来年は一度醸造所を訪問してもよいだろう。

通常ならば棚卸と言う所だが2007年産はグランクリュでなくても熟成が楽しめる年度であって、こうした豪華な開陳が可能となったのである。これから年末年始にかけて2007年産グランクリュの吟味と将来への評価がまだまだ続く。


写真:地所ペッヒシュタインからライン平野上にBASFの本社ビルと工場群を望む。
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