Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

索引 2021年2月

2021-02-28 | Weblog-Index


プロコフィエフの想い出 2021-02-28 | 文化一般
シムボル政治の犠牲 2021-02-27 | 文化一般
悩ましい今日この頃 2021-02-26 | 生活
百年祭記念の映像制作品 2021-02-25 | 音
再開への期待を託す 2021-02-24 | 生活
到底描けないイメージ 2021-02-23 | 雑感
一同共通の強いお願い 2021-02-22 | 文化一般
一期一会の時を迎える 2021-02-21 | アウトドーア・環境
数字に囚われるなんて 2021-02-20 | 雑感
変異株の影響は如何に 2021-02-19 | 歴史・時事
コッホ研究所会見に注目 2021-02-18 | 文化一般
待て、勝負ありの感 2021-02-17 | 音
インターアクティヴ関係 2021-02-16 | 文化一般
週末の視聴の備忘録 2021-02-15 | 雑感
気になるベンチマーク 2021-02-14 | 文化一般
ヴァレンタインに向けて 2021-02-13 | 暦
何度も繰り返す内に 2021-02-12 | 雑感
突拍子無い小ルネッサンス 2021-02-11 | 文化一般
発注したFFP2髭マスク 2021-02-10 | 文化一般
汚れを落として欲しい 2021-02-09 | マスメディア批評
ロックダウンの先行き 2021-02-08 | 料理
示唆に富んだミラノの講話 2021-02-07 | ワイン
未だ遅くないマスク選び 2021-02-06 | 生活
ワクチン接種後の工程 2021-02-05 | 歴史・時事
灰汁の強いものは固めて 2021-02-04 | 雑感
毛先が尖っている頭 2021-02-03 | 生活
双子の同時進行 2021-02-02 | 生活
殆ど出家ものの私 2021-02-01 | 音

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プロコフィエフの想い出

2021-02-28 | 文化一般
金曜日のベルリンからの中継は秀逸だった。同地の放送交響楽団が音楽監督ウラディミール・ユロウスキーの父親ミヒャエルを招いての無観客演奏会ライヴだった。注目していたのは親父の指揮よりも共演するピアニストのアンナ・ヴィニツカヤで、今夏ルツェルンで聴く予定になっている。ベルリナーフィルハーモニカーのオープニングツアーに帯同するからで、同プログラムは既に一月に無観客で演奏されていて、その時は人気ピアニストのトリフォノフが受け持っていた。

今回はそのプロコフィエフの一番ではなくて、ショスタコーヴィッチの一番に続けて二番を演奏するというものだった。親父さんの賞賛を聞くまでもなく、楽曲への理解度が高いことは、一昨年に放送されたワンのピアノにシャニが伴奏したものとは数段階違い、納得である。

インタヴューでドイツ語で受け応えしていたのも驚いたが、なんでもなしにフィルハーモニカーが帯同させていないのは明らかだった。

また親父さんの指揮もとても分かり易い。それはインタヴューでも明らかで、言葉足らずのドイツ語乍様々な情報が与えられた。先ずは一曲目に指揮したプロコフィエフとの一度限りの出会いで、七歳の時にモスクワの作曲家の家で寝ていて、夜分遅くその訪ねてきた不機嫌な声で起こされて、二間しかない部屋で「子供は寝ているのか」と、作曲家の父親ウラディミールは「セルゲイセルゲイイッチプロコエフだ」と跳び起きた子供に紹介して、更に「何を作曲したのか知っているか?」と質したので、ミヒャエルは「勿論、ペーターと狼」と答えたというのだ。SPレコードを穴が開くほど聴いたという。

そして暫く経って、スターリンの死の日に、ウラディミールが涙を流して「プロコフィエフが死んだ」とミヒャエルに語ったという。そこから続いて、レニングラードの共産党から逃れて来て、モスクワの作曲家の家に移り住んだ父親よりも年下のショスタコーヴィッチとの毎晩のように家族通しの付き合いをした繋がりについて語り始める。勿論ショスタコーヴィッチの方がユルウスキー家をよく知っていて、ウラディミール作曲のバレー曲についても好評しているというものだ。

こうしたエピソードの数々が、楽団に招聘してくれた息子のウラディミールの為にもなることは重々承知で語っているのだろう。そして番組後半には今度は昨年収録されたプロコフィエフの音楽と息子ウラディミールのお話しが炸裂して行くのだった。一体二人で合わせたどれほどの放送時間を喋り尽くしたのか。(続く

日の出が7時14分だった。その時刻にはパンを買っていた。肌寒かったこともあって、入るのを待っていただけで列の後ろにつくことは無かった。森の駐車場もあとから車が来ただけで他は誰もいなかった。明るくなってもやはり人の動きは遅い。裸になって走ると手袋が欲しくなったが、ゆったりと峠まで上がり26分ほど時間が掛かっていた。ショーツになっても楽をしているだけでちっとも早くなっていない。矢張り新たなスポーツウォッチが欲しい。肉屋にも8時半ぐらいに入ったが、四旬節もあってか一人しか客がいなかった。並ばずに済んでよかった。



参照:
歴史に残るようなこと 2019-09-17 | 文化一般
雪辱を果たす様な気持ち 2019-09-20 | 女
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シムボル政治の犠牲

2021-02-27 | 文化一般
ミュンヘンの三州立劇場は木曜日州政府から3月末までの劇場閉鎖の通告を受けた。それに対して三劇場の支配人はネット会議を開いて、声明を出した。具体的には昨初夏から試みたように再開をして行くことであり、その基礎には公式に依頼を受けた行われた実験結果をもとに作成した安全基準とその実際を踏襲する事である。

「劇場は、シムボルポリティックの犠牲になっている」と州立劇場支配人ベックは語る。「シムボルポリティック」は現実の問題を解決することなくただ対応しているだけの政治であるが、ポピュリズムとしても場合によっては構わない。勿論州立劇場の責任者としては首長らを敵に回す必要などはさらさらない。だから、スター歌手ゲルハーハーらが当局を裁判で訴えたこととは一線を隔す。そして続けて、

「共生の心からそれを一緒に担ってきた。そして今、ウイルスと共生を学んでいかなければいけない」。

そして州立オペラ劇場のバッハラー支配人は、「老人の命を助けて、一方では若い芸術家の人生を切り捨てている」と「直ぐにでも状況が変わらないと、今後何年間も再生しない様な枯れ野原になってしまう」と警告する。

流石に公的劇場の支配人たちの発言である。色々と考えさせてくれる。

そして土曜日に、今度はベルリンから劇場やコンサートホールの支配人や音楽監督が連名でメルケル首相をはじめベルリンの当局者に要求状を出した。こちらにははっきりと具体的な要請となっている。

つまりメルケル首相府の段階的な緩和に、先ずは3月8日の床屋や美術館などの再開に続いて、小売業、そして次々段階に劇場やコンサート会場が入っていたので、少なくとも昨年から安全策が公的に審査されていてその実績のある文化関係を小売店の再開と同時に再開させろというものだ。

飲食業ならば宿泊関係がという声もあるからで、それと一緒にされると今度は大規模のエンタメ興行も一緒にされる。やはりそれはおかしい。だから一同を代表してベルリナーフィルハーモニカーのキリル・ペトレンコがdpa通信に語っている。

「既に多くの芸術家が自らの生活基盤を失っている。このような状況が続けば続くほど、我々の文化生活の長く続く弱体化がより恐怖される。」

「我らベルリナーフィルハーモニカーはデジタル空間で演奏を出来ている一方、殆どの文化創造者はは聴衆の前に立つという可能性が無い。」

前記のミュンヘンでは同時にそのことに関してバッハラー支配人が、「キャンセルされた公演の代わりに知らない内に観衆がそれに慣れされている恐怖。」を語っている。

短期的には観衆がの今政治課題化している自宅での抗原検査などの考慮されるとミュンヘンでは考えられている。

これに関して紹介して二時間もしない内にベルリナーフィルハーモニカーからも反応を貰ったが、ベルリン、ミュンヘンを代表とする形で国民的には押して行かなければいけないだろうと思う。やはり一方的な政治判断は誤りであり、政治が現実の人々の生活から乖離していて、対話がなされていないというのは正しい。

バッハラーがティケットオフィースから知ったように、「観衆は劇場に赴く用意は出来ている」。こうして遠くからでも高額のティケットを注文しているのである。



参照:
聖像破壊者と伝統回帰者 2020-11-02 | 文化一般
再開への期待を託す 2021-02-24 | 生活
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悩ましい今日この頃

2021-02-26 | 生活
なんとも悩ましい。メルケル首相をはじめ何とかロックダウン緩和をしたいようだが、情勢がまだ見極められないようだ。来週水曜日までには見えるだろうか。

地元ワイン街道は指数24.9と恐らく昨年11月以来の新規陽性者指数となった。実数では過去一週間に33人である。十分の一ぐらいになれば撲滅へと動ける。しかし近隣の地区では75.1の越境して114.7と連なっている。五分の一ほどの変異株感染らしいが、それにしては感染が早い。ダイムラー社のトラック工場もあり、ホームオフィースとならない層も多い。更に一つの街は外国人排斥の運動も毎週為されていたような地区で、やはり住んでいる人がAfDやクヴェアーデンカ―がこちらよりも遥かに多いと思う。

ヴィーンでは既に過半数が変異株感染という事で、小学校や幼稚園などではクラスターが相次いでいて結局再開から二週間程でロックダウンになっている。水曜日にはクルツ首相もZDFの番組に出演してコンセプトを説明していたようだが、幾ら集団テストをしても感染を抑え込めるわけではないのは当然で、ドイツの様に家庭で無料検査をするぐらいでないと密を避けれない。

ドイツも学校再開からクラスター化の可能性が強く、学校での検査で弾き飛ばして、隔離強化が必要になる。家庭も一緒に隔離となるので網にかかりやすい。既にバーデンヴュルテムベルクは強化方針を出したので、クラスター追跡とワクチン接種を組み合わせての防御しかないのであろう。それが可能になれば数理化が出来る。

先ずは、来水曜日にその次週以降の床屋などの再開に小売店などが計画されるようになる様に感染状況が落ち着いていることが求められる。保健相などは抑え込むのは難しいと話しているが、それならばワクチンなどは人命救助だけでいい筈で、教師などを優先させる必要など更々ない。

ビオンテクのサーシン教授は、以前謂われていた七割でなくても六割接種で収まると予想している。六割ならば日程も計算し易く、有志だけでも集っておけば五割近くは直ぐに終了する。あとは交通費も何もかも援助すれば六割は自発的に終る。

既にアストラゼネカのワクチンは在庫が余っているというのだから、積極的に動いて貰って接種を進めて行けばいい。空港とか主要中央駅でどんどん打てばいいのではないか。打ちたい人は沢山いる。一方でメルケル首相も談話している様に少なくとも最初の段階では接種者へのデジタル証明書如何に拘わらず公には優遇を認めないというのも倫理的には正しい。

シュヴェツィンゲンの音楽祭は五月からのオペラ上演を断念した。あそこのロココ劇場では到底不可能なことは昨年から分かっていたと思うのだがなぜか全席を売ってしまっているようだ。どうしてそのような不味いことをしているのか想像はつかない。室内楽は昨年直前になってベルチャ四重奏団の最後の一枚を入手したが、今春も昨秋以上に入れれるとは到底思わない。マスクを高性能にしても空調が効かないので、室内では限られる。折角の庭があるのだから、バイエルン州の様に許可を与えて、管楽セレナーデや野外芝居などをプログラムに入れれば価値があっただろう。船を浮かべての水上の音楽も良かったか?改めてプログラムを見ると、行っても良いかもしれないと思うのは、ヘルムヒェンが伴奏をして、先日バーデンバーデンデビューしたプレガルディエンの出るコンサートぐらいかもしれない。問題は他の催し物と重なる時期なので順調に開かれていくなると中々時間が空かないのである。



参照:
シュヴェツィンゲンから中継 2020-10-25 | 音
コロナ陰謀論の非合法化 2020-12-04 | 歴史・時事
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百年祭記念の映像制作品

2021-02-25 | 
昨年制作のフォンカラヤンの「ばらの騎士」はとても面白かった。1960年のザルツブルガーフェストシュピーレ大劇場杮落しの映像放送に先立って流された。ザルツブルク祝祭100周年記念番組だった。大劇場の建設が戦後のザルツブルクにとって重要なエポックであり、当時のカラヤン無しには為し得なかったとされるのもよく分かった。

現支配人シュタトルが子供の頃に現在の場所に社会住居を作る話もあって是非が揺れていたとある。その工事中の発破の映像などを見ると大変な工事だったことが分かる。

そして杮落しで、カラヤンが芸術監督をしており、昨年「エレクトラ」を準備中のヴィーン歌劇場における後任ヴァリサーメストが当然ながら大権力者だったと話す。「カラヤンが祝祭で活躍する為にモーツァルトはザルツブルクに生まれた」という冗談があるとシュタトル支配人。

ドンであったバウムガルトナーに言わせるとそのモーツァルトの作品以外で杮落しは間違いだとしたようだが、その大阪フェスティヴァルホールを手本にしたとされる大劇場の幅広の舞台にはやはり「ばらの騎士」が正解だったとする。

この番組の核は、メスト、ヴィーン歌劇場の支配人だったホルランダー、ヴィーナーフィルハーモニカーのシュミトル、昨年演出で話題になったハラー、歌手のグロイスべック、プロハスカなどが演奏画面を観ながらコメントするところである。

横長の舞台では歌手もそれだけプレゼンスが無ければいけなく、シネマスコープ効果はカラヤンの為のものだとも語られる。

メストに言わせると、高度成長のその時期にはカラヤン自身もコンツェルマイスターのボスコフスキーらも作曲者を知っていたであろうと、プロハスカは楽団もとても良く準備していたようで活き活きとしたテムピで大変素晴らしいと、そしてシュミットルに言わせるとカーテンコールではまるで子供の様に控えめな様子が大指揮者らしくなく、幕が閉じるとまた再び孤独なカラヤンに戻るのだとしている。

ローテンベルガーの素晴らしいゾフィーの歌が出て、プロハスカが語る。この制作に出たとしたらやれると思うと、そして現在の事細かに指示された演出と違って自由度が大きくてそのように演じなければいけないと。

そして彼女がその楽音に鳥肌が立ち、その声の出し方こそがこの楽劇のターニングポイントであって、とても難しいというばらの騎士の登場をセーナ・ユリナッチが歌う。グロイスべック、メストの顔が映し出される。恐らく当時の歌手で現在の技術的な水準からも測れるのはローテンベルガーだと思っていたが、画面を観ていた三人ともに同じような評価のようだ。
[HD] Presentation of the Rose - Jurinac & Rothenberger


そして銀のバラを受け取った、まさしく作り物のロココのバラの音楽のテムポを絞りつつ音響の場を与える指揮をしてまさにカラヤンの芸術だとして、ここで完成されている繋ぎの鳴らせ方が晩年に向けてそこへと集中して行くところだと指摘している。

カラヤンの芸術に関しては様々な意見があるが、この指摘は格別で、またその評価に関してはこの番組の後半にとても客観的な描き方がなされる。昨年制作された音楽関連映像の中でも特筆すべき番組で、ザルツブルクに関してもカラヤンに関しても将来に引き継がれる制作だと思う。(続く



参照:
なんとも有り難い再臨 2020-02-12 | 文化一般
苦みの余韻の芸術 2017-02-11 | 音
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再開への期待を託す

2021-02-24 | 生活
二月で最も暖かい日となった。陽も昇っていたので、フリースも脱ぎ捨てて裸で走った。二月では珍し事と思う。足取り軽く、実際に28分台で走れていたので、新しい時計さえあれば動機付けもあって直ぐに26分台へと戻せるだろう。

最近は週明けには短く走って誤魔化すことが多かったが、折角の天気であるから、長めにして、汗を掻いて洗濯すると、週半ばは短く汗を掻かずに仕上げられる。

駐車場では寒くはなかったが、森の中には朝の冷えがあって、氷点下とはならないが肌寒かった。沢沿いの水の流れも風も感じられて春らしかった。

バーデンバーデンの復活祭も明日ぐらいにプランBが出ると思う。六週間前の最終決定の期限は過ぎた。三月初めまではとあるが、残されるはやはり五月に移動だろう。しかしスペインが思いの外状況が好転しているという事で、ツアーが中止になるとすれば、ベルリン側からで問題となる。

ヨ―ロッパコンサートの開かれるバルセロナの今日時点での指数はカタロニア216で、欧州ツアーをキャンセルしたシカゴ交響楽団のように健康や安全さらに旅行の制限を考えて断念するとなるのではないか。

ニュースは、来週の会合に備えての盛んな議論のネタが出ている。先ずは首相官邸が叩き台を出した。様々な意見がある中で基準値として実効再生産数と新規陽性者指数を固持したのは科学的である。どこかでパラメーターを替えなければいけないかもしれないが、変異株という新たなパラメーターが加わるところでは駄目だ。先ずは其々1より明らかに少ない数と50と35で三月中に達成可能かどうか。それに拘って不可能ならば検証すればよい。最優等生のバーデンヴュルテムベルク知事クレッチマンも現時点ではそれ以上に確かな数字基準はないとしている。

一方ザルツブルクの復活祭に目をやると、確実に開催する為というプログラムが無事開催できる可能性も低くなってきている。既にザルツブルクではブラジル変異株が見つかっていて、指数134であり、到底ミュンヘンから出かけれる人はいない。

実際にオーストリアは週内に再び急上昇して第四次ロックダウンとなれば、復活祭の時期に国境通過どころか催し物自体が不可能となっている筈だ。ミュンヘンの現支配人でもある取締役のバッハラーの成果は少なくとも舞台などを組む必要が無いコンサート上演にしたことから収支にそれほど影響しないということぐらいだろうか。

そのバッハラーの土曜日のミュンヘンからの中継での「ハイリゲンシュタットの遺書」の朗読は良かった。ダヴィドセンの歌に続いてカメラが楽屋裏へと下りて行った先は地下の舞台下で、昨年初めてコンサートが催されたところであった。通常の見学では見れない場所で、今回は朗読しながら上がり舞台が上がって、上に出るまでを続けて流していた。これは結構見ものだった。

なによりもその機械音の静かさは、油圧を使っているのだろうが、邪魔にならない程度のもので、機械室の計器類の多さからしても大劇場の機構の大きさがよく分かった。なるほど公立の劇場でなければハードだけでもやっていけない。

座付楽団の有志四重奏団がベートーヴェンの後期の楽章を披露できるというのもとても貴重な機会で、こういうことの積み重ねで楽団も良くなってくる。世界中にストリーミングされる機会など普通のサイドジョブのアンサムブルには有り得ない。いつもの奈落での合わせ方を踏襲していることも好ましく、特別に意気がることが無かったのがよかった。

ヴィーナーフィルハーモニカーが代表だが、ある程度の実力のある普段はお勤めで暇のない演奏家がコロナ時短中に時間を掛けて準備するとそれなりの成果が上がる。そうした一つ一つが再開後に繋がればと期待したい。



参照:
到底描けないイメージ 2021-02-23 | 雑感
一同共通の強いお願い 2021-02-22 | 文化一般
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到底描けないイメージ

2021-02-23 | 雑感
週末は暖かかった。朝からショーツで走っても気持ちよかった。啓蟄もまだなのに完全に籠り部屋を出てしまった。陽射しがあると気持ちがよく、夜もヒーターが要らない。安上りでいい。バルコニーも掃除しておかないといけないと思うが、まだ雪は降るかもしれない。

週明けは肌寒くなったが、それでもヒーターを必要とするほどでは無く、若干疲れが出た程度である。火曜日は19度までの予報がされているので、それはそれで楽しみである。その後は平常化して暫く穏やかな天気が続きそうである。日之出も早くなったので朝のお勤めも早くなり、午前中の仕事が捗るようになる。動機付けにも新しいトレーニングウォッチが必要になって来る。

日曜日には偶々土曜日にミュンヘンで演奏されたベートーヴェンの交響曲一番のクリ-ヴランドでの中継録音がアーカイヴとして流された。同地の管弦楽団は大編成でも細やかに演奏できる楽団であるがやはりミュンヘンの演奏からすれば牛刀で鶏を捌くようなところがある。ヴェルサーメスト指揮ではやはりそこまで細やかな演奏は無理だ。楽団も座付のような音響のイメージを到底描けない。交響曲八番では見事に演奏していたと思うがとても難しいところである。

月曜日のミュンヘンからの中継も観た。リゼ・ダイヴィドセンのベートーヴェンを聴いた。良く準備出来ているようで立派な歌だった。「タンホイザー」のエリザベートで劇場デビューした時は独語歌唱を批判されたがそれを十分に意識しての歌だったと思う。劇場の奥から声が響き返って来ていた。

体格は現在のオペラ界では、オランダのヴェストブロックと双璧だと思うが幅もあって、若くて声が滔々と出るので百人力で、とても声のコントロースが効いていた。矢張り評判通りであるが、今後はミュンヘンではエリザベート以外に何を歌うのだろうか。

後任音楽監督のユロスキーが「タンホイザー」再演を振ることがあるのか、恐らく「指輪」と「影の無い女」を振りそうであるが、そこに出て来そうな感じはする。ジークリンデだろうか。少なくとも共演するジークムントもフンディングも巨人族でなければいけない。

オーストリアは、第三波に備えて四十節間の第四次ロックダウンへと関心が移ってきている。ドイツは学校を開け出したところで、急遽教師らへの繰り上げの三月初旬からのワクチン接種へと動いている。危険層の重篤化が防げているなら当然のことだが、二三週間後の死者数が引き続き落ちていることが前提である。大規模エンタメの再開基準も業界団体が纏めたようで、既に精査されている劇場などのそれと区別化するにはとても都合がよいので大歓迎である。



参照:
一同共通の強いお願い 2021-02-22 | 文化一般
一期一会の時を迎える 2021-02-21 | アウトドーア・環境
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一同共通の強いお願い

2021-02-22 | 文化一般
気温がどんどんと上がる。このような二月は初めてだ。異常気象でもなにでもいいから先ずはコロナの感染が収まることを願いたい。ワイン街道は車であふれているようだ。週末のニュースでは森などに人が集まる予想なので各地に警察官などを配置して密にならない様に指導すると伝えていた。まだ二三日は快晴が予報されているので、年寄りやホームワーク従事の者は無理して出かける必要などは無い。寒ければ寒いで感染の拡大が危惧されて、天候がよくなれば人が動く、どちらにしても感染を抑えるか、もう抑制を断念するかのどちらしかないだろう。スェーデンのように先に人を殺してしまってはいけないがワクチンで死者を抑制できるならそろそろ決断する時ではなかろうか。

土曜日のお昼の香港からの放送は興味深かった。86年かのアジア文化祭に出演した上海出身のピアニストフーツォンの録音が流れた。昨年ロンドンでコロナで88歳で亡くなったことから取り上げられた。名前だけは以前から知っていたが、初めてそのピアノを聴いた。ショパンコンクール何位とかそこの審査委員とかは全く関係なく素晴らしいピアノで、比較できる人がいるのかなと思った。プログラムも良かったが、流石である。初めて知ったのだが、メニューインの娘さんと結婚していたこともあって、子供さんもいるようだ。だからロンドン在住だったのは分かったが、あまり西欧で活躍していた記憶が無い。

土曜日のミュンヘンからの生中継の曲間のインタヴューの内容はとても良かった。ベルリンからミュンヘンにやってきて滞在したキリル・ペトレンコにバッハラー支配人が質問する形の映像だった。ストリーミング放送の特長に続いて、プログラムの話しで、二曲の交響曲間の「ハイリゲンシュタットの遺書」にバッハラーが言及した。どうしたのかと思うと月曜日にそれを朗読するようで、人気のリゼ・ダヴィドセンが再びミュンヘンに戻って来てドイツ語歌唱検定試験を受ける。曲目はベートーヴェンの歌曲なので、またまた厳しい耳が傾けられる。

二百年間の二大交響曲作家として、そのプロフィールと作品との関係について、ベートーヴェンにおいては苦しい時こそ余計に芸術的になされるとしていて、ショスタコーヴィッチと対照としていた。

また七年間のミュンヘン時代の音楽的回想を求められて、「そんなこと予め言っておいて貰わないと」と挟みながら、「三部作」が最初に出てヴァークナーの作品群と付け加えて「影の無い女」を挙がったのには驚いた。そして、そうそうたる歌手や素晴らしい楽団、更に取り巻く環境と熱狂的な観衆が下から上から、そして横から、舞台裏と挙げられると、それだけで多くの熱心な人が自分の事だと確信したに違いない。

それ故に、聴衆が入る夏のオパーフェストの準備の中で、お先が見えない状態であるが、何とか願いたいと最後に祈っていた。

先日カラヤン指揮「ばらの騎士」を語るヴィデオでは、人気歌手のプロハスカが当該映像を観ながら語っていた。その他には嘗ての国立劇場のホルランダー支配人や昨年ベルリンで演出したアンドレ・ハラー、ヴィーナーフィルハーモニカーのクラリネット奏者ペーター・シュミ―ドル、グロイスボェック、ザルツブルクのラブルシュタットラー、リハーサルにいた指揮者ヴェルサーメストのなどと出場していたが、その名前や風采の印象とは大分異なってとても教養のある人であるのが分かった。そこで日曜日に放送された彼女が歌っているアムステルダムの2014年のクリスマスコンサートを聴いた。マーラーの交響曲をまだ元気なヤンソンスが指揮していた。歌手の歌以上にその指揮が声部の出入りにまるで張り切り交通巡査が旗振りする姿が垣間見えた。



参照:
一期一会の時を迎える 2021-02-21 | アウトドーア・環境
鋭い視線を浴びせる 2018-07-16 | 女
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一期一会の時を迎える

2021-02-21 | アウトドーア・環境
ミュンヘンの座付楽団がこんなに素晴らしい演奏をするとは思わなかった。ペトレンコ指揮では昨年も無観客演奏会があったが、このような出来ではなかった。なにが違うのかと思っていたら、休憩中にインタヴューが流れていて、指揮者も楽団も解決しなければいけないことが沢山あってと、やはりその慣れが違うのだと分かった。

今回も首席を前に出して、独伝統的配置では無くて通常の楽器配置で演奏させていた。少人数とは言い乍も数パーセントは音楽監督時代の顔ぶれと変わっていて、敢えてこの機会に経験を積みさせながらの引継ぎと伝統の継承を同時に行っているのだと分かる。同じミュンヘンの放送管弦楽団よりも州立座付楽団の方が新陳代謝が出来ているのは興味深い。

その話しに出ていた二楽章の素晴らしさは言葉に尽くせない。殆どハイドンのような楽想からそのユーモアから楽聖のヒューマニティーへと進む過程が流れて行くような音楽の実践は比較のしようがない楽興の時だ。

キリル・ペトレンコ自体もこのコロナ禍で経験が重ねられたのか、「楽員が一期一会で演奏することはこうした無観客ストリーミングの最大の長所だ」と言い切ったように、その幸福な時がそこにある。先日も誰かが話していたが、舞台の上に立って始まってしまうとその演奏実践行為に集中してしまうというのがここでも繰り返し言及された。

そしてこの座付楽団がこのようにペトレンコ指揮で演奏すると、嘗てのカルロス・クライバー指揮でのべートーヴェン演奏よりも遥かに名演奏となる。矢張りペトレンコの指揮がよくなったのは、自身の回想でも分かる事であり、ベルリンに行ってからのそれがまた大きい。

後半のショスタコーヴィッチも期待に違わぬ演奏解釈であり、今まで聴いたこの処女作で最も明白で精妙な音楽的意味合いを提示していたが、こちらはいづれベルリンで指揮すれば更に深堀りされることは分かっている。しかし、前半のベートーヴェンの演奏は独自の楽団の色合いがあって中々超えられないのではないかと思う。ヴィーナーフィルハーモニカーが余人の許さぬ演奏をするように、クライバーがこの楽団を愛したようにである。

まるで計ったように、ミュンヘンからの中継が終るとバーデンバーデンからのそれが始まった。新制作「マゼッパ」で歌うオルガ・ペレティアコの歌にも多くの人の関心が集まったようで瞬間550ヴューほどの最高の数字が出た。インタヴューで語るには、元々ベルカントでこれから徐々にチャイコフスキーという事で如何にもペトレンコ好みのキャスティングだと分かる。

さて支配人スタムパの説明は全く変わらないので、悩みが多いのだろう。恐らく週明けにペトレンコやチェルニコフなどが皆集まるのだと思うが、ストリーミング中継のそれも含めてプランBやCがまだ完全に調整されていないと見えた。

最新の土曜日午後の実行再生産数が1.07のこの何週間も無かった高さになっていて、時間経過とともに上がっている。要するにドイツの新陽性者数の減少は止まって増大へと転機に至った可能性がある。それは既に言及されている様に第三派の到来で、今迄の施策でも波を乗り越えるには最低二ヶ月は掛かるだろう。つまり先日までの希望を持てるのは5月になってからとなるだろう。再来週から床屋も開けられなくなると本当に非常事態になりそうだ。

残された方法は、ワクチン接種を更に推し進めて、重病者や死者を減らすとともにコロナの感染予防を断念することだろう。元々メルケル首相が国民八割方いづれ感染すると言っていたように死者数さえ押さえれれば、皆が感染しても問題が無いのではないか



参照:
あとは辛抱だけでは 2020-11-10 | 歴史・時事
Nach Tokio! Nach Rom! 2017-09-15 | 音
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数字に囚われるなんて

2021-02-20 | 雑感
コッホ研究所の発表は、それほど悪くは無かったが、実効再生数も1へと上がり、再び上昇の可能性が出て来た。下がり方が鈍化するだけならば、解決策はあるだろうが、ロックダウン中に再び上昇するとなると学校再開どころの話しではない。

デンマーク国境のフレンツベルクでは一日でホットスポットへと急上昇する。ここワイン街道からもそう遠くないゲルマースハイムでも変異株で急上昇したので、月曜日から予定だった再開は中止された。

やれることを現場で直ぐに対応することの重要さは、午後一時からのバイエルンの首長たちを集めた会議でのメルケル首相を交えた議論ではっきりして、秋の様にぐずぐずしないという事になったようだ。

具体的には指数35で解放されるのだが、それを越えたら直ぐに再び閉鎖するというようなスマート制御をするという事のようだ。催し物などは一日二日で流れてしまう事になる。それどころか、大劇場でやるならミュンヘンには幾らでも場所があるのでオープンエアーにしろととんでもないことを言い出した。やはりポピュリスト政治家は駄目だ。

緑の党のクレッチマー知事はノルトラインヴェストファーレンのラシェット知事の数字に囚われるなの発言を批判した。基準がどこにあるかという事だろうが、35を超えると一挙に青天井になることは昨秋経験した事であり、厳格に基準を置く方が対処の方法も明らかになる。

木曜日のバーデンバーデンからの中継は、フランクフルト出身のユリアン・プレガルディアンの歌で「詩人の恋」で良かった。親父さんもシューベルトを得意としていて、同じようにフランクフルトのオペラに所属していたようだ。

兎に角まだ若いので声が良い。更に感情細やかで、裏声などを交えながらレパートリーとしてとてっもものになっている。昨年のヨーナス・カウフマンの余興とは大分違う。歌曲も歌劇も、特にフランスの指揮者ピションと受難曲で共演しているようで、大活躍していて名前だけは見かけていた。間違いなくフランクフルトのバッハの会で聴いている筈だ。ザルツブルクでアスミク・グリゴーリアンの「サロメ」でナラボートを歌っていた。昨年はミュンヘンからの無観客中継にも出ていた。少なくともご近所さんなので聴く機会は数多い。しかし今回が前乗りで入ってバーデンバーデンデビューだった様だ。音楽家の家庭という事でミュンヘンでも歌っているユリア・クライターは従兄妹らしい。

興味深かったのは視聴者数で、最高500人を超えていた。前日のテツラフは半分ぐらいだった。それでもドルトムントでエマールがメシアンを弾いた時の140人マックスよりはいい。

さて、週末から来週にかけて摂氏20度近くまで上がるようだ。流石にネックウォーマーは不自然なので、購入した黒いマスクを使ってみた。やはりしろと違って汚れにくいのでとても使い易い。車にももう一セット放り込んでいてもいいと思う。バイエルンまで越境しても問題が無くなる。



参照:
厚かましいネット配信屋 2020-06-17 | 文化一般
顔にぶら下げる何かよりも 2020-03-31 | 女




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変異株の影響は如何に

2021-02-19 | 歴史・時事
変異株が鍵を握っている。一部指数の下がり方が怪しくなっている。バーデンヴュルテムベルクとラインラントプファルツしか50以下に至っていない。三月初めまでに目標に到達できるかどうかヘッセンなどはやきもきしだした。

デンマーク国境のフレンツベルクなどでは変異株の影響で急上昇した。全国に回るとは思われないが、こうなると二つに一つしかない。変異株の影響でロックダウンを伸ばすか、変異株の影響は英国同様に抑えれるとして、予定通り徐々に緩和して行くかしかない。

車中のラディオは、文化的施設は各々の基準を厳しくしてあって開いていくことが文化的に大切だとしていた。ラインラントプファルツでは、戸外で500人、室内で250人の数字が出ている。感染の指数からすれば35が妥当のようだ。3月4日までの二週間に優秀な州がそこまで至るかどうか。至れば変異株の影響は限定的となるだろう。更に二三週間様子を見て開ければいい。

ミュンヘン自体は問題ないにしてもバイエルン州がそこまで至るかは分からない。矢張り新演出「ばらの騎士」初日は無観客になるだろうか。今回は珍しく知事のゾーダーが緩和にそわそわしている。政局を見据えてこの辺りでコロナ対応評価を確定させたいと思っているのだろう。どう考えても彼の思うように綺麗に段階的な緩和が可能とは思われない。矢張りポピュリズム政治家でしかない。あのマスク信仰であるからこそマスクを外すレストランの再開は難しいと話している。早く尾身流を習ってきなさい。ヴァイスヴルストと芥子を片手に、片手でマスクを外せと言いかねない男だ。

バーデンバーデンからのハウスシュピールの初日は、前夜祭に続いてヴァイオリンのテツラフが出て、フランクのソナタとアンコールにベートーヴェンを弾いた。フランクは昨年同じ祝祭劇場でキャプサンのチェロでユジャワンがピアノを付けていたので、勿論編曲とは異なるもののピアノに不満があり過ぎて聴いていられなかった。しかしベートーヴェンはなかなか良かった。

既に言及した様なガラガラな音は名器でなくて新しいヴァイオリンから出てきていることが分かった。しかし弓は古いものを使っているらしい。彼の大ピアニストリヒテルがヤマハを使っていたのと同じ様な意味で新楽器を使っているようだが、それが前夜祭のシャコンヌやベートーヴェンでの様に活きることもあるので面白い。音程がだら下がりになったりしてもあまり気にならないのはそうした音楽性にある。

ニュースはフランス側が国境閉鎖への動きに敏感に成っていて、指数280などの変異株の影響が疑われる所で大掛かりなテストを始めていると報じていた。国境では双方とも通勤が多く、昨年の春の閉鎖でもそれは可能な限り交通していた。しかし今回はチェコ、ティロルなど本格的に閉鎖することで少しでも変異株の感染拡大を妨げようとする意志が強く働いている。金曜日のロベルト・コッホ研究所の見解はどうなのか、我々の生活を大きく左右することになりそうだ。強いては中欧における一つの基準ともなって行くかもしれない。



参照:
コッホ研究所会見に注目 2021-02-18 | 文化一般
待て、勝負ありの感 2021-02-17 | 音 
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コッホ研究所会見に注目

2021-02-18 | 文化一般
ミュンヘンから夏のオパーフェストのプログラムが届いた。内容はホームページにある通りだが、発注する時にもメモ代わりになるので助かる。手紙には広報部長が辞めると書いてあった。ホワイトハウスと同じように支配人毎変わるのではないと思うが、全く異なるところでキャリアーを積むのだろうか。月曜日の次期音楽監督指揮の無観客演奏会の情報紹介にもハートを貰ったので先の事も気にしているのは分かった。オペラ劇場愛か。発券は3月15日以降である。

午前中にはルツェルンから夏の音楽祭の発券の時期が5月になるとあった。本来ならばクリスマス前に送付があって、支払いも済ます。今回は使う券の二ヶ月少し前に支払う。予約は通っているので、あとは開催されないプログラムの変更と、収容人数によって席が若干変わる位だろう。

バーデンバーデンも独自のオンライン発券システムを導入した様なので、公演六週間前にしか発売しない。宿泊要以外は近辺の人にとってはそれでも問題はあまり起こらない。ルツェルンもミュンヘンも宿を予約してあるのでそれは気にならない。

月曜日の次期監督ユロウスキーの指揮も良かった。ナレーションのおばさんも声色を使って見事な出来だった。出し物は全く異なるが同じストラヴィンスキーでベルリンで先日語った人とは全く違って芸が濃かった。ダグマー・マンツェルという人で、ミュンヘンの人では無くて、ベルリンのコーミシェオパーの所属だった。ユロウスキーの推薦かも知れない。

楽団のトラムペットの人には冷や冷やするが、前回共演したクリスマスコンサートよりも大分良くなってきた感じがする。ペトレンコのような天才でも、ファナティックなところも無いが、チームワーク重視で劇場的な雰囲気を作っていける鬼才だと思う。今回でも曲目を本人に語らせたら面白過ぎただろうが、先ずは次期支配人が就任してからのお楽しみだ。今時流行らないロン毛と言い、適度な滑稽さがこの人の魅力である。

バーデンバーデンの祝祭劇場のネット会見があり、幾つかの情報が入った。復活祭は、収容人員の100人は確認された情報では無くて、あり得る段階的な数字であるとしている。500人ならば経済的な計算が整っているので問題無しという事で、週末にプランBも練られるという事である。六週間前に最終決断という事ではこの週末が3月末の復活祭初日へのデットラインとなる。

金曜日には、変異株の感染がこの二週間で6%から22%へと急上昇しているという事で、コッホ研究所の記者会見が開かれる。そこで更に二週間で50%程になるという目算ならば3月初めの緩和は無くなるだろう。逆にそれでも感染率が上がらないとすれば気にしないで良いことになる。

またシナのシオヴァクバイオテク社のワクチンが英国株にも南アフリカ株にも有効という事で注目されている。ここ暫く新情報に気が抜けない。オーストリアは既に上昇へと一週間程で転機が訪れて、変異株影響とするとまた再び感染が止まらなくなるであろう。隣国が幾ら国境を締めたからと言っても全く異なる進展を歩むのは容易ではない。少なくとも変異感染に関しては二週間程オーストリアよりもドイツの方が遅かった。金曜日の発表を待とう。

ドレスデンのティーレマン問題はメディアが食いついて離さない。ばかりかバイロイトに近いバムベルクのヴァークナー協会の理事に話しをさせていて、「ティーレマンはポンコツで、出来る二人のヴァークナー指揮者を追い出した」と真っ向から批判をさせている。協会内部から反発が出るのは珍しい。

またクレッシェンド誌にはアクセル・ブルッゲマンの筆で、「ティーレマンさん、どうして自信の感情から自己崩壊を守って呉れるアドヴァイザーを付けないのですか」と質して、「いつも推移は同じで、怒り爆発から自信過剰、全面攻撃、敗北、焦土化」と、完全に物笑いにしている。もうここまで書かれると私など二十年以上のティーレマンウォチャーにしてみるともはやお手上げという感じである。

今回の件ではティーレマンに一理があったのだが、同時に労働裁判所に楽員三人が訴えても退けられて調停に持ち込まれ、劇場側のオファーも小編成であったとされているので、結局はティーレマンの虚言癖を再確認するだけになっている。嘘ばかりついている人間は信用もされなければ、もはや誰にも相手にされなくなる。



参照:
何度も繰り返す内に 2021-02-12 | 雑感
待て、勝負ありの感 2021-02-17 | 音
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待て、勝負ありの感

2021-02-17 | 
バーデンバーデン祝祭劇場「ハウスシュピール」前夜祭を観た。何人もの人が指定されたアドレスで待っていたが、一向に始まらなかった。結局ホームページから他のアドレスで遅れて流された。

支配人スタムパはこの春の見通しを訊ねられて、ストリーミングが始まるまでのそれよりは大分見通しがいいと話した。水曜日に記者会見があるという事で、その席で夏までのつまりメトロポリタン歌劇場のガラ公演などの代わりにネゼセガン指揮ヨーロッパ室内管弦楽団などのベートーヴェンツィクルスなどが発表されるらしい。

そして速報が出ていたようにプフィングステン音楽祭の5月23日には予定通りに開けるだろうとしていた。つまり春はどうかと言うと、準備をしていて、楽観的な見通しはあるものの新感染者指数などに影響されるという事だ。つまり、ドイツェヴェレで報じられていたようにプフィングステン音楽祭の5月13日の前までに延期されるという事はプランとしてあるようだ。少なくとも現時点では予定通りとも無理して言えないという事だ。ベルリナーフィルハーモニカーのスペイン旅行が流れればそこでやれる。

正直分からない。5月にそれ程の期待が出来るのかどうか?ここ二三週間で予定通りに指数が下がり続けて、3月初めには指数35以下になっていれば、変異株の影響が出るまでに撲滅へと動ける可能性がある。今年の復活祭は旅行が出来るような状況にはならないとしている予想は正しいが、500人入場程の催し物は地元の常連さんだけで埋まる。それで十分だと思う。

5月に延期になる場合の利点は、4月に「マゼッパ」をベルリンのフィルハーモニーでコンサート練習してから本番に挑めるという事で、映像化などを考えれば有利になる筈だ。やはりArteで制作して貰わないといけない。

番組には予定通りヴァイオリンのテツラフが登場してバッハのシャコンヌを演奏した。以前フランクフルトのアルテオパーの小ホールで聴いたのを思い出した。いつもガサガサした鳴りで技術的にも冴えないなと思うのだが、聴いて行くうちにその演奏ぶりに引き込まれて、最初感じていた技術的なことも全く不満を感じなくなる。ペーターツィムマーマンやユリアフィッシャーが弾くともっと綺麗に纏めるのだが、その粗削りな感じが凄みをもち始める。そして斎藤のシャコンヌを思い出す内にその歌い口や発声が本当のバッハだと訴えかけてくる。こういう演奏を聴くとあの斎藤門下のそれが如何に恥晒しにセンスの無いものかは誰でも感ずるだけでなくて、所詮「日本の洋楽事初めは、待て、勝負あり」でその程度だったのだとがっくりする筈だ。

番組の最後にはアムステルダムから指揮者シャニが出演して、演奏は当日の録画を観て貰うという事でエクスクルシーヴで「牧神の午後」前奏曲が放送された。指揮棒を持って指揮するのを初めて観たが、今迄とは違う精緻さが感じられた。雑な指揮の時とそうでない時の違いは楽団にも依るのだろうかと思った。

水曜日の記者会見の内容はそれほど進展はないだろうが、先ずは「マゼッパ」の舞台準備とかの話しが流れて来れば、こちらも準備だけはしておかないといけない。結局友の会やパトロンを入れて2000人規模なので、500人で四回分となる。「マゼッパ」は三回公演予定で、その前のGPを入れれば何とかは入れることになるか。実際全員が来るわけではないので半分ぐらいは一般売りに回るか。逆に5月に延期になったとしても完全に変異株を潰していない限り1000人も入れられないと思う。



参照:
体育会系枠組みの娯楽 2013-11-11 | 文化一般
インターアクティヴ関係 2021-02-16 | 文化一般
気になるベンチマーク 2021-02-14 | 文化一般

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インターアクティヴ関係

2021-02-16 | 文化一般
バーデンバーデンからメールが入った。「ハウスシュピール」前夜祭のことかと思ったら、キーシンリサイタルのキャンセルの知らせだった。二月末だから当然だ。ドミンゴのリサイタルも難しいだろう。

出先から戻って郵便桶を覘くとバーデンバーデンからの冊子らしきが入っていた。復活祭の新プログラムか何かかと思うと「ハウスシュピール」用の冊子で宣伝を入れて58ページほどある。驚きだった。つまりこのプロジェクトは遅くとも三月初めまでのロックダウンが決まった時点で最終決定されていて、恐らく準備はそれ以前から始まっていたのに違いない。

ホームページにある内容以上に、友の会などに送る為に前夜祭のアドレスも入っている。万全の準備をしている。デジタル化の紹介もあって、インターアクティヴにも使えるとしてあるので、「ルネッサンス」の真意はそこにあったと思う。昨年の「フィデリオ」の轍を踏まない様にどんなことがあっても上演は行う準備が出来ていると理解した。

合唱を考えれば、土曜日のベルリンからの中継の様に客席を全部使えば最も容易な解決方法となる。しかし無観客がライヴの代わるものでは無いとしてあるので、また数は限られても入場券収入は大切であり、ストリーミングの有料化には限度がある。メディア化も同時に考えても公演の費用までは出ない。一つの解決方法として既に売れた入場券を当てにする方法だが、昨年と同じだけの寄付が集まるかどうかは分からない。寄付付きでDVDを付ければある程度は現金化できるか。

内容としては、通常のプログラムとあまり変わらないのだが、それ以上に各出場者のステイホームの写真などが添えてあって、ペレピアテュコの赤ん坊を抱えた写真の窓外がスイスの風景で、感じとしてはチュリッヒ東部である。フランクフルト出身のプレガルディアンはどうも牧場をやっているようで牛小屋の写真など、ヴィジョン四重奏団の風呂場、テツラフ家の雪景色などと凝っている。

先ず前夜祭にはアムステルダムからの中継でシャニ指揮ロッテルダム管弦楽団が何かを演奏するらしい。またヴァイオリンのテツラフが二晩続きで登場する。妹さんはフランクフルト在だと思うが、本人も結構この近辺で演奏する機会が多い。兎に角話を聞いてみてからである。

暦通りに寒さは緩んだ。明日からは春らしくなってくるだろう。バイエルン州の国境閉鎖で、オーストリアの外務省は在ヴィーンのドイツ大使を呼んだ。珍しい両国間の外交問題ではなかろうか。同様にパリでもマコイン大統領の代理が小言をしたようだ。独仏国境地帯で変異株が増えているから閉鎖をけん制するのだろう。

オーストリアは、ティロルを変異多発地域として国内閉鎖したが、ヴィーンからブレンナー峠を超えてイタリアへ物資を運ぶとすれば、ザルツブルクからドイツに入り、インの谷を遡りクフシュタインでティロルに入る。逆コースでもドイツに入る。これが事実上難しくなるので国内封鎖だけでなく、国も分断することになる。ヴィーン政府の浅墓さがよく出ているが、一週間前にロックダウンを緩和したことで再び感染が広がっていて二週間ほど先には再びロックダウンハードになるのではなかろうか。最初から分かっていたことである。そもそもスキー場を開いた愚かさに全ては集約されている。



参照:
突拍子無い小ルネッサンス 2021-02-11 | 文化一般
週末の視聴の備忘録 2021-02-15 | 雑感

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週末の視聴の備忘録

2021-02-15 | 雑感
週末に観聴きしたものを備忘しておこう。ベルリナーフィルハーモニカー演奏中継前にミュンヘンのサイトを観ていた。インタヴューにはポーランド名前のアナ・プロハスカが出ていた。ドイツ語を喋っていて顔立ちの先入観とは異なって印象は全然悪くなかった。ミュンヘンの舞台には結構出ていてペトレンコとも最後の「ばらの騎士」で共演している。ミュラーが休みの時に、代わりにゾフィーを歌っていた。まだ今回の歌は聴いていないのだが、悪くはなさそうな感じがする。ゴルダ・シュルツのアガーテの歌も少し観たがよさそうだ。なによりも演出がいい感じで、月曜日からの無料オンデマンド楽しみにしたい。

20時過ぎからベルリンのオペラ劇場からの「イェヌーファ」中継があったので録音した。ちょろちょろ聴くと主役のカミラ・ニールントが良さそうだ。やはりこの人は大会場で無理に大声を張り上げるような役よりもこうした小さな劇場であまり大きくない役の方が声の良さが出て巧い。映像も手に入ったので、改めて通して観たい上演である。平土間だけでなくてローゲに本来は舞台上に出るであろう楽隊を入れて演奏させてもいる。

実はペトレンコも2009年にゲストでミュンヘンの新制作を振っているのだが、なぜか映像も他の指揮者の再演で、放送録音も見つからない。断片を聴くと良さそうなのだが、不思議である。

月曜日には後任監督ウラディミール・ユロウスキーがストラヴィンスキーの「兵士の物語」を振る。これも楽しみである。新制作「ばらの騎士」の初日の申し込みはしたのだが、三月になって再開が決まらないと抽選も始まらないだろう。収容人数が200人程とすれば、先ずは抽選には当たらないのだが、日帰りで出かける心算だけはしておかなければいけない。

またまたティロルがガタガタしているようで、南アフリカ変異株はバイエルンから入ったと口角泡を飛ばしている。全くの飛沫感染だ。そもそもミュンヘン空港に南アフリカから飛んで来てドイツ人が陽性で、同僚のオーストリア女性が陰性で、その足で今エピセンターとなっているシュヴァーツの病院を訪問したのが悪い。12月にそこから引っ越したニーダーオーストライヒの自宅に帰ったという事だが、感染がどこからどこまでが新株かも分からない。そもそも昨年ティロルのスキー場に流行らしたものもミュンヘンから入った可能性があると思われるが、今更何を騒いでいる事か。

1月29日のベルリンからの公演を初めて観た。ざっと流しただけだが、ピアノのダニール・トリフォノフが面白かった。本来ならば昨年の夏の公演で生演奏を聴いていた筈だが、今迄の中継などではあまりよく分からなかった。米国でのベートーヴェンの協奏曲などだったからだ。しかし今回はプロコフィエフの協奏曲一番を鮮やかに演奏していた。クリスマス前に同じキリル・ペトレンコが指揮してローマの交響楽団の伴奏で演奏したイゴール・レヴィットとは、ベルリナーフィルハーモニカーとその交響楽団との力量の差ほどあった。エリートのピアニストだとは知っていたが、その個性的とされる音楽以前に本格的な器楽奏者だと分かった。

同夜のプログラムには、新作で財団によって支払われている曲の演奏と昨年の秋に演奏される予定だったスークの交響詩が演奏されていた。詳しくは改めて聴いてであるが、本来は後半にコルンコールトの交響曲が演奏される予定だった。そのプログラムで夏のツアーとなる予定だったが、これがどのように変わって来るのか注目される。



参照:
気になるベンチマーク 2021-02-14 | 文化一般
発注したFFP2髭マスク 2021-02-10 | 文化一般


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