Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

索引2023年11月

2023-11-30 | Weblog-Index


最早創造性がなければ 2023-11-30 | 雑感
必ずしも希望ではなくとも 2023-11-29 | ワイン
強烈な破壊力の音源 2023-11-28 | マスメディア批評
時代がまだついて来ない 2023-11-27 | 文化一般
残るは最後の一枚 2023-11-26 | 文化一般
タイヤ交換の予約完了 2023-11-25 | 生活
ハイな気持ちで走る 2023-11-24 | 文化一般
コロナ前から丸四年間近 2023-11-23 | 雑感
拍手喝采する意義  2023-11-22 | 文化一般
歴史の波に沈む島国  2023-11-21 | 文化一般
英雄の慰霊記念日 2023-11-20 | 料理
パロディーの様なもの 2023-11-19 | 文化一般
朝起きラディオ放送録音 2023-11-18 | マスメディア批評
Hero In Progress 2023-11-17 | 音
音楽の楽しみ方の教示 2023-11-16 | 文化一般
舞台に現れるメダリスト 2023-11-15 | 音
二極化によって描かれるもの 2023-11-14 | 文化一般
暖房を入れ始めた週末 2023-11-13 | 生活
七艇のコントラバス 2023-11-12 | 音
ピアノを弾くのも野蛮 2023-11-11 | 音
虹の架かるレーマーベルク 2023-11-10 | 雑感
透明なモーゼルワインを 2023-11-09 | 文化一般
芸術の歴史的意味合い 2023-11-08 | 音
上からの全貌展に期待 2023-10-06 | 文化一般
拡充するレパートリー 2023-11-05 | ワイン
明確なブーイングの意味 2023-11-04 | 音
暗い井戸の中をじっと覗く 2023-11-03 | マスメディア批評
デカパン状のショーツ 2023-11-02 | アウトドーア・環境
フランス老舗の色合い 2023-11-01 | 暦
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最早創造性がなければ

2023-11-30 | 雑感
寒い中を走った。日没が16時34分であったので、16時過ぎに出て行ったのでは急ぐしかない。急いで準備体操をしていると二匹の犬を連れたオヤジが来て、先に坂を上って行った。それを追いかけて抜かすと、寒いから息苦しいねと言われた。必死のパッチの走りである。追い越すにも一匹の犬が着いてきて、抜いてからも離れてくれない。するとこちらも犬に抜かれても歩いているおやじに抜かれる訳にはいかないので頑張る。そこまで頑張ったのは久しぶりで、急登を過ぎてから少しは息を抜くところだが、まさかここで歩いているおやじにに抜かれる訳にはいかない。兎も角犬の息や足音が離れることはなかった。

折り返し点が眼に入ってきたので流石にダッシュしたのだが、最後には犬たちは横道に入ったようで差が分からずだった。そして折り返し点18分30分は今のコースを頻繁に走るようになってからは最高記録ではないか。以前は15分を目標にしていて到達できなかったのだが、その可能性が改めて見えた。因みに最近は遅い時で25分近く掛かる。早い時でも20分台である。

こうなれば往復で30分を割ってもおかしくないのだが、フラフラになった。それで結局普段よりも遅いぐらいの32分28秒かかって仕舞った。下りはいつでも縮められるしかしこの下り走って16分は上りの頑張りを証明している。そして脈拍を読むと169が最高で平均147と低い。歩数も168が最高なので正しいのだろう。しかし圧倒的に上りが長い時間155を超えていてとてもいい負荷をかけている。

流石に翌日も腹筋に来ているような感じで、腰に来ているようりも余程いい運動をしていることなのだろうか。やはりあの息苦しさは久しぶりで、それだけ積極的に息をしなければいけなかったのだろう。その割に心拍数が上がっておらず、足元がそれ程ふらつかなかったことを思い出しても、心臓というよりも肺に負担を掛けたのかもしれない。健康に悪いことはなかったと思う。

しかし、夜明けも寒くて起きられないと思っていたら初雪で屋根の上が白くなっていた。雪は消えて路面も問題はなかったと思うが、予定通りこれで冬タイヤが無ければ行動に制限が生じる所だった。

NHKでリヨンでティテュス・エンゲルが指揮したラヴェル作曲「子供と魔法の妖精」が放映されていたと聞いた。それはネットで見つけて落としているので観てはいるのだが、もう一度確認しないと駄目だ。印象としては音の断面がツェリビダッケ指揮の様に見える演奏だった印象がある。

序にコロナ直前に拘わらず成し遂げたシュトッツガルトでの「ボリス」の録画を改めて観た。流石に「死の街」でミュンヘンで最高の指揮をしたペトレンコと年間指揮者賞を別け合っただけの指揮をしている。そこではただの指揮ではなくてプロジェクトの演出と挿入される作曲家ネヴスキーとのまたその台本を書いたノーベル文学作品の間に入ってのコンセプトの実現という仕事をしている。嘗ては指揮者は大作曲家のバッハやベートヴェンやメンデルスゾーンなどがしていたのだが、分業化されてその質は最終的にはカラヤンの様なメディアプロデューサーの様な存在となって仕舞ったのが20世紀だった。最早そのような芸術的創造性の無い指揮者には用がないのである。



参照:
強烈な破壊力の音源 2023-11-28 | マスメディア批評
必ずしも希望ではなくとも 2023-11-29 | ワイン
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必ずしも希望ではなくとも

2023-11-29 | ワイン
冬タイヤを履いた。雪に間に合った。幸いワイン街道からマンハイムのラインネッカー地方には雪はなかった。降ってはいたのだが、霙混じりだった。待ち時間も20分ぐらいで、その間に新車試乗の話しなどをしたのでとても効率が良かった。

未だ試乗車は来ておらず、年末ぐらいになるということだった。そして今直ぐに発注しても2月には納車になるということで、発注が溜まっていないことが大きいらしい。新聞等でも本当の試乗記が出ていない理由は分かった。だからそれ程急いで発注する必要もなくて、試乗してからでいいということになった。資金を用意する都合などを考えて上手く運びたい。

配達された洗浄液5リットルを5.3リットルの入れ物に注入すれば零下60度まで不凍になるが、サンモリッツに行くようでなければ中欧では不要である。この冬は精々ハルツ地方やシュヴァルツヴァルトぐらいまでしか行く予定はないので、精々零下30度に合わせればよいと思う ― 成分は界面活性体などが入っているので中和滴定までする人はいないだろう。

週末は零下8度までは予想されているので、そこから少しだけ使っておけば十分だろう。ベルリンに行くまでに半分以上残しておけばなんとかなる。恐らくそれ以前にそれほど使う必要は無いと思う。

先日のバーデンバーデンでの新制作「ヴェルテル」に出かけた公認会計士の話しでは舞台が素晴らしく歌手もよかったとあった。指揮者ヘンゲルブロックのことなどを話したが、そうした総合的な音楽芸術迄には判断が及ばないのは仕方がない。自身もピアノを新たに習い直して地元で小さな音楽催し物をやっているのだがそんなものだろう。おじさんがヒンデミート指揮での初訪日のヴィーナーフィルハーモニカーだったので、今回のベルリナーフィルハーモニカーの最終日に天皇が出てきたことも話しておいた。

次はチェコフィルのマーラー三番に出かけるということで、こちらも他に出かけない限りシカゴ交響楽団の次に出かけることになる。シカゴ交響楽団のプログラムのことも話しておいた。

今朝は天候も悪く、気温も二度ぐらいしかなかったので、ベットの中で頭痛もあった。前夜に今月二回目の入浴をしたので熟睡は出来た筈なのだが、寒かったのだろうか。マンハイム迄は渋滞もなく工事での遠回りに拘わらず予定通り到着した。帰りにはパン屋に寄るなど全く無駄な時間の無いお出かけだった。

これで日没までに一っ走り出来れば満足である。先日牛肉に合わせて久しぶりボルドーのマルゴーを開けた。1993年産はカベルネフランの率が多かったので渋みが特徴なのだが流石にこのクラスだとそれがいい具合にこなれただけでなくて、それなりの力強さもある。やはりこうなると価格の割にボルドーは価値がある。これだけの質の赤ワインを購入しようと思えば何処産でもEU内では結構高価になる。

先が計算できるようになるということが何よりだ。必ずしも希望とはならないものでも先が見れることで色々と工夫するようになる。それが重要なのだ。



参照:
タイヤ交換の予約完了 2023-11-25 | 生活
特産の弦の表現力 2023-09-12 | 文化一般
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強烈な破壊力の音源

2023-11-28 | マスメディア批評
夕方初めて放送があるのを知った。無事に放送を録音も出来た。6月からの「アシジの聖フランシスコ」公演二回目の公演の中継録音だった。この回だけはアムステルダムに出かける予定で準備していたので、片方がキャンセルになっても出かけなかった。中間部分のオープンエアーには暑すぎたからだ。しかしこれで全公演の演奏は一部でも聴いたことになる。

オープンエアーの部分は容易に収録できないので、一幕と三幕だけの放送であった。先ずは一幕の音楽が重いのに気が付いた。基本的にはライヴでもバスの出し方等は絶えず注意して聴いているので、舞台の上でその様な印象はあまりなかったのだが、各々の場面にとても大きく影響しているのが分かった。指揮者エンゲルを昔のクナッパーツブッシュとか身長2メートル近い巨人クレムペラー指揮としか比較仕様がない強烈な破壊力の源を思い知った。

そのアウフタクトの取り方から音の出方がまるで鉄の巨大球が振り下ろされ地割れするような圧力で迫り、このエンゲル指揮の音楽劇場の最後には劇場ごと熱狂に包まれるその謎解きでもある ― ナガノの取って付けた様なリズム取りでは音楽に為らない。それらが決して指揮によるものではなく演出を含めた制作によると思わせてしまう潜在的な力となっている。

最後の景「死と再生」前に本人が恐らく自宅の電話で答えるインタヴューが流されていて、その部分では自らは洗礼を受けて既に離脱しているにも拘らず、こうした美しいパラダイスが存在するならばという気持ちになったという。決して理性的とは思われないそうした素朴な宗教心などをバッハからアロイスツィムマーマン、メシアンの音楽を得意にした無神論者のブーレーズ、そしてグバイドリーナ迄をなぞって考えてみたと話す。

今回のプロジェクトにおける興味は、最初にピーター・セラ―演出をケントナガノ指揮でザルツブルク音楽祭観た時からのもので、2002年に私が会った時に話していたのかどうかは記憶にないのだが、ベルリンの制作では助手として馴染みがあったらしい。少なくともそれと比較すればそのリズムとフレージングの丁寧さが音楽の感情表現となっていて、アシスタントをしていたカンブルランの指揮演奏よりも遥かにいい。

それは日本でも演奏会形式で演奏された様だが、一幕でもそれでは何をやっているのか全く分からなく追々音響的な面白さに依拠しがちになるだろう。今回は音響の空間性をコンセプトに入れてあったので、舞台の奥の管弦楽団では遠くなる木管群に強く吹かせ、手前の歌手との問題はそれ程難しくなく、三幕の奈落では歌に被らないように、さらにシュトッツガルトの深い奈落では重くならないようにと留意したようだ。そしてオープンエアーではPAをドライな音に潤いを与えるようにエコーも入れさせて、更にライヴエレクトリック的な調整もさせたという。そして、試奏の春にはより盛んだった鳥の囀りは若干弱くなっていて街の雑音や飛行機は邪魔ではあったが、千秋楽での本当に美しい静寂での鳥たちとのレスポンスは作曲家も喜んだに違いないと。

そうしたラウムクラング自体はヴェニスのガブリエリ然り、シュトックハウゼン然りで当然のことながら音楽表現として重要な音楽要素であることは変わりない。演出には決して口出しはしないが、こうした興味深い制作で、それが協調作業によって大成果を上げるのがまさしく音楽劇場の指揮者として第一人者のティテュス・エンゲルの仕事である。
SAINT FRANÇOIS D’ASSISE II, So., 9. Juli 2023 (17:56), Killesberg Stuttgart




参照:
Olivier Messiaen: "Saint François d'Assise", SWR2
時代がまだついて来ない 2023-11-27 | 文化一般
制作者の目、その選択 2023-09-29 | 文化一般
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時代がまだついて来ない

2023-11-27 | 文化一般
6月に購入したセカンドフラッシュのダージリンが底を突く。9ユーロ程で90グラムであったが、十分に楽しめて未だに美味い。そこで今回もセカンドに拘った。夏の摘み取りということで、初夏のファーストフラッシュよりも味が濃い。ファーストは香りが命なので、本当に新鮮でないと美味しくない。真空パックは新鮮さを保つが、緑茶の新茶程でなくてもやはり新しくないと香が飛ぶようだ。勿論開封してからの寿命は短い。

そういうのを高く買っておいしく飲み干す自信がない。だから味を楽しむセカンドとなった。因みに秋口になると濃くだけで、通常のミックスはそれを上手に調整している様だ。

抑々紅茶は緑茶と異なり発酵作業が伴っているので、それほど酸化が進まない筈なのだが、それでも新鮮な茶っ葉を早く飲み干す方がおいしいのは間違いなく、セカンドの新鮮そうな小袋を購入して試してみるのが一番良いと思った。

前回購入したブランドは新しいものが入荷していないのか販売されていなかったので、違うものの小袋85gを試してみることにした。12ユーロなので外れても飲めないことはないだろう。おかしなものならば苦情して返品するだけだ。

ここのところ室内が寒いと暖かいものがひっきりなしに欲しくなる。喉が渇くというよりも暖かいものなのである。籠り部屋に移っていないのは暖房故にとは分かっているので、部屋の乾燥度が違うのだろうか。シャワーの上でも四十数パーセントなので、リヴィングは切っているかもしれない。

三月の催し物の席を確保しておいた。ヒッチコックの映画「ブラックメール」の新作映画音楽をつけての演奏会である。バーゼルシムフォニエッタの定期演奏会で、作曲家もドイツ人ということで、国境のこちらの街レーラッハで行われる。国境越えも必要無く、昨年も立ち寄るなど馴染みもある小さな町なので、問題なく車を走らせれる。こうした合わせ物も指揮者エンゲルの得意とするもので、年内にもドレスデンでのことなる公演もあるようだ。あのクラスの指揮者がそうしたものを指揮すること自体がこの指揮者の独創的な活動の実態でもある。勿論定期演奏会は世界初演の創作ということで、恐らくエンゲルは初演魔としてギネスに載るのではないかと思う。

もう少し20世紀後半の古典をいい楽団で指揮して呉れたらとは思うのだが、まだまだ若く先は長そうなので急がない。ペトレンコと比較するとやはり健康そうで無理もしていないだろうから、二十年ぐらいの先を見ていても問題ないだろう。時代がまだ我々に追い付いていないということだ。

冬の間にヒッチコック映画を予め観る楽しみもあり、その1929年という時代性、作曲家の作品やその周辺など、これはこれでお勉強が面白い。要するにエンタメでなんか終わらない催し物であるからこそ、ZDFなども協賛していてArteで番組化されるのである。昨年のIrcam とクラングフォールムの共同制作ヴィーンモデルンでの「眩暈」も大絶賛だった。そして今2023年度ファウスト賞が「ブルートハウス」に授けられたというが、これは芝居の賞だからまた指揮者が顧みられていない。
AROTIN & SERGHEI / BRICE PAUSET: Vertigo / Infinite Screen - Klangforum / Ircam / Wiener Konzerthaus


速報:数時間後に「アシジの聖フランシスコ」放送、SWR2

20:03
Saint Francois d'Assise (Staatsoper StuttgartMartin Sigmund) (Foto: Pressestelle, Martin Sigmund )
SWR2 Oper
Olivier Messiaen: "Saint François d'Assise"

1. und 3. Akt
Der Engel: Beate Ritter
Saint François: Michael Mayes
Der Aussätzige: Moritz Kallenberg
Bruder Léon: Danylo Matviienko
Bruder Massée: Elmar Gilbertson
Bruder Élie: Gerhard Siegel
Bruder Bernard: Marko Spehar
Bruder Sylvestre: Elliott Carlton Hines
Bruder Rufin: Anas Séguin
Staatsopernchor Stuttgart
Extrachor der Staatsoper Stuttgart
Staatsorchester Stuttgart
Leitung: Titus Engel
(Aufführung vom 22. Juni 2023 in der Staatsoper in Stuttgart)


参照:
年数回だけの指揮活動 2022-06-08 | 文化一般
ファーストフラッシュ価値 2022-05-08 | 料理
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残るは最後の一枚

2023-11-26 | 文化一般
ペトレンコ指揮ベルリナーフィルハーモニカーの日本ツアーも日曜日で終わる。最後にブラームスの表プログラムとBePhilと呼ばれる日本のアマチュア―演奏家の演奏会で終了する。天覧が予定されているようで、BePhilも欠かせないだろうと思うが、どうなるのか。

既に裏プログラムのレーガーとリヒャルト・シュトラウスもそして前日の表プログラムもNHKによって収録されたようだ。特に前者は決定的な演奏となっている筈なのでとても楽しみである。

今朝は走りに出かけた8時半頃でも摂氏2度だった。そして風があるので冬真っただ中となった。そして今でもワイン地所に黄色い葉が付いている。秋がなかった、それは確かだ。異常気象が葡萄にどのような影響を与えるのか。走っているとごそごそとバムビが前を横切った。この辺りは狼でなくてよかったと思う。

走りながら考えていたことは、諸般の事情があってペトレンコ自身が「ソロは楽団が決める」と免責を断りながらも、最後までダイシンのソロで決めたことだ。ペトレンコはヴィーンの大学時代に斎藤門下の故湯浅氏に指揮の特別メソッドを吸収した。それが後の職人的な技量に結びついている一方、指揮者コンクールなどで日本人指揮者には勝てないなど、最初から日本のそれの問題を熟知していた。

そして最終日には教育プログラムとして音楽愛好家を指揮する。ダイシンのソロは日本の音楽家が持っている良い面と悪い面の両方を示していることは明らかで、それを批判的に聴く玄人には反面教師となる。

日本にはジャーナリズムが存在しないので、経済的な興味無しには批判をしない。だから一般の愛好家には何ら批判眼が育たない。それを音楽愛好家によって少しでも覚醒して貰おうという意志がある。

そもそもレーガーの曲は書法的にブラームスのそれを継いでシェーンベルクの書法となっている。今まであまり気が付かなかったのは調性の枠組みがあったことで、まさしくこれが一月末に演奏されるオラトリオ「ヤコブの梯子」が未完に終った原点にあった。

そしてこの曲は先月ペトレンコ指揮でミュンヘンで演奏されたマーラーの交響曲八番「千人の交響曲」に影響された創作であったのだ。そしてそれが調性の枠を離れる事でのオペラ「モーゼとアロン」の未完成へと繋がっていく。

その様なことを考えていくと、2025年の復活祭で「モーゼとアロン」が上演されると、千人の交響曲もベルリンに続いて再演されるのではないだろうか。裏情報を持っている訳ではないので分からないのだが、先ずは一月に交響曲への発想があった「ヤコブの梯子」と室内交響曲を体験する為に、徐々にお勉強していく必要を感じている。

室内交響曲一番はそれほど課題のある作品だとは思っていなかったのだが、ただ無駄にシェーンベルクの作品を並べただけではないというのは分かった。

夜中に長袖シャツを発注。今使っているフォアールベルクのブランドのものを索引するとアマゾンに出てきた。Lサイズが安売りになっていて、22ユーロで在庫最後一枚を購入。



参照:
タイヤ交換の予約完了 2023-11-25 | 生活
拍手喝采する意義 2023-11-22 | 文化一般
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タイヤ交換の予約完了

2023-11-25 | 生活
急遽タイヤ交換を予約した。外気温摂氏3度を下回るだけでなくて、降雪が迫ってきたからである。試乗と組み合わせようと思っていたがその様な余裕はない。積雪を避けて動こうと思っても、平時零下になると怖くて乗っていれない。最も早くて週明けがあったので入れておいた。なぜならば週中盤の予想最低気温が零下三度とか五度になるとお湿りが来るとサドンデスだ。スーパーどころか走りにも行けないからだ。

翌日電話が掛かって来て、格納してあるタイヤを準備するのにギリギリなので一日ずらせないかと言われた。幸い雨の予定でもそこ迄は氷点下になりそうにないので、凍結は避けられる。何とかなって欲しいと思う。

兎も角約束当日に積雪もなく、氷の雨もなくて、安全に支店まで車を走らせることが出来れば万々歳である。冬タイヤに替えて仕舞えばどうにでもなれである。

同時にガレージは天井にお湯のラインも通っているのでそれ程温度は下がらないが、洗浄液の凍結も気になったので、不凍液を急いで来週に合わせて発注した。現在は匂うと少しアルコール臭く、色も若干ついているので少々は大丈夫であるが、一度破裂させて多大な費用が掛かったので臆病になっている。なんとか配達は間に合いそうだ。現液零下30度迄のそれを少し薄めて、氷点下25度ぐらい迄は安全にして一月の旅行をやり過ごしたい。旅行先で路上駐車するので、特に東ドイツは大陸性気候でアルプスの街中ぐらいの準備は必要になる。

夜具にベットカヴァーを掛けて就寝するようになった。あとで気が付いたがもう一つのジャージの寝具ならば必要無かったかどうか。少なくともこの冷える時期には足を攣ることもあるかもしれないが、少し重みがあって包まれるぐらいの方が暖房無しの部屋では安心感がある。ジャージのカヴァーは新春になって解放的になっての就寝にぐらいの方がいいのかもしれない。寝巻と布団の両方がジャージも気持ち悪い。

水曜日にバーゼルのシムフォニエッタが国境を超えたアルザスでボッフムと同じプログラム「プレイビッグ」を演奏した実況中継録音が流されていた。気が付かなかったがオンデマンドだけは落としておいた。やはりステンアンデルセンのトリオの演奏は少し摘まみ食いで試聴するだけで名演だ。初演のヴィデオとは音楽的な充実度が全く異なる。初演の難しさはあるのだが、指揮が冴えないことは気がついていたので、こうして比較する迄もなくティテュス・エンゲル指揮の秀逸さを書き記していたその通りだった。そして楽団も優秀で、嘗てのSWFバーデンバーデンの様な良さは現在のSWR交響楽団にはないのを改めて認識する。

先日はTシャツを購入したが、長袖シャツの一枚の襟元が壊れて来た。是非もう一枚が必要になって来た。寒さが続くと洗濯時の替えの下着も必要になる。昔話などで、クリスマスプレゼントに暖かい下着なんて言うのを読んだ覚えがある。そういうのは全くぴんと来なかったのだが、確かに中欧ぐらいになると冬暖かく過ごせるだけで子供にとってもそれほど喜ばしいことはなかったであろう。要らぬものをクリスマスで貰うよりも嬉しいという気持ちも分からないでもない。



参照:
Play Bigの新たな指揮者像 2023-07-20 | 文化一般
挙動不審者たちの巣窟 2023-10-03 | 歴史・時事
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ハイな気持ちで走る

2023-11-24 | 文化一般
日没時刻を挟んで走った。車外外気温は摂氏2度だった。空が蒼いので明るいと思っていたら、予定通り日没になった。流石に裸では走れないので今冬初めてパンツを履いた。

前回は未だ裸で走れたので、上りだしで後ろからマウンテンバイクが近づて来て、後ろを振り返らずにいたら結局折り返しで挨拶となった。「よく走ったね」と言われても、平らになったとこで抜かなかったのは向こうがちょっと遅い。途中で休んでいたのか?

勿論こちらも早く走れば抜かれるか抜かれないかは分からない。しかし軽く走っているときは競歩の人に抜かれている。自分自身はクライミングやツアースキーの為に足の蹴りを弱らせたくなく、手っ取り早い運動なので走っているのだが、山道では競歩の方が険しくなれば早いのだろう。

更に今度はパンツを履くとなれば膝への抵抗は少なからずあり、足が遅くなる。それでも寒さと夜の帳を感じ乍らなので頑張った。久しぶりに心拍数が毎分181に達した。歩数毎分248は計測が正しくないかもしれない。しかし十分に負荷をかけれたのは間違いない。冬にもう少しやれそうな気がしてきた。

ムーティ指揮シカゴ交響楽団最後の欧州ツアーの切符を確保した。ここまで遅くなったのは最寄りのフランクフルト公演があまりにも高価だったからである。最安席で50ユーロで最上が185ユーロとベルリナーフィルハーモニカー壮行演奏会よりも遥かに高い ― 因みに最終的に完売しそうである。理由は興行師さんの中抜きである。勿論世界で一番金の取れる楽団であるかもしれないが、あの天井桟敷の価格としては受け入れられない。そこでコロナ前に大名演を繰り広げたルクセムブルク公演に絞った。二日続けて泊りで行くつもりだったが、厳冬でありワイン処も冴えないので、またチェコフィルがベルリンに行く前に入ったので日帰りにした。すると燃料代はフランクフルトに比較して35ユーロ程嵩むだけである。そして最安席の音響は遥かにいい。

そして、一つのプログラムは九月に始まったの定期シリーズのオプションに含まれていてその出方が分からなかった。特に「フニクニフニクラ」の曲はムーティの十八番であって最後に一度という気持ちもあって外せない。そしてコロナ前にはまさしくそこで新世界交響曲で踊っていたのだからこれも来るなという予想だった。あの時のお客さんは殆ど帰ってくると思う。そして一足先に裏口から入ると殆ど売れていなかった。理由は殆ど自由売りにしたということだろう。因みにベルリナーフィルハーモニカーの時はシーズン初日扱いだったので、第二ランク席が数枚あるだけで、第一ランクもそれ程いい席は残っていなかった。

それが今回はフランクフルトと同じ50ユーロ席のお馴染みの席を買えた。勿論それよりいい位置は常連さんに買われていた。もう一泊も他の予定が無ければしたかもしれないが、現在のベルリナーフィルハーモニカーとシカゴ交響楽団の演奏の程度差を考えると二日で100ユーロ出費するのは若干躊躇われる。もう一つ、冬場に一泊だけで午前にチェックアウトしてしまうと、車中で気持ちよく過ごせる気候ではないというのもある。すると二日目の演奏会が終わってからの帰宅はそんなにハイな気持ちでは運転できなくなる。前回は日帰りでも、興奮していて危なかったのだが、スピード違反無しに無事帰宅できた。



参照:
感興豊かな躍動性 2020-01-18 | 音 
フィナーレの在り方について 2023-09-09 | 音
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コロナ前から丸四年間近

2023-11-23 | 雑感
久しぶりに快晴になって、この冬一番の寒さとなった。前夜にベットを冬仕様にしていたので気持ちよく寝れた。序に直ぐに洗濯可能となったのが喜ばしい。年内の掃除も籠り部屋から居間へと、あとはなんとかなうだろうか。陽射しがあると熱い程の陽射しが通って来る。これだけで窓掃除の甲斐があり、これが無ければ遠に寝室に籠っていた。

居間に上手に薄く広く暖房を入れれるようになったので、寝室の暖房を避けられている。恐らくこの方が消費量が少なくなる筈だ。ここに住んでから最上階の為に暖房が上手く行ったためしがなかった。しかしこうして暖房を薄く入れられるような安定度が保たれれば理論的に最も効果を高められる可能性がある。

コロナ前にドイツで逸早く熱を出した。カールスルーへのグリーエンの展示会に出かけた時に体調を壊した。その前に聴いたのがムーティ指揮シカゴ交響楽団で、そして四年経って一月には最後の欧州ツアーとなる。月初めのフェイニンガー展示会の後少し体調を壊したが高熱が出るようなこともなかった。展示会は狭いところで人に近づくので感冒の感染をしやすい。

翌月のコロナ前最後の催し物はベルリナーフィルハーモニカーのフランクフルト公演だった。その時はヒンデミート作曲「ヴェーバーの主題によるメタモルフォーゼン」とアロイスツィムマーマン「アルゴアーナ」とラフマニノフの交響的舞曲だった。感慨深い、月初めの壮行演奏会での最初の曲とレーガー「モーツァルトの主題による変奏曲」との共通点や相違などにも否応なく思いが巡る。この二つのプログラミングだけ見ても見事だと思わせる。

シカゴ交響楽団の方は前回はドヴォルザークの新世界交響曲の前に、ヒンデミートの「画家マティス」、「オランダ人」序曲のプログラムだった。そして今回はグラスの「オクタゴンの勝利」に続いてイタリアン交響曲、そしてリヒャルト・シュトラウス「イタリアから」で最後の花火としては全く不満はない。そしてもう一つはプロコフィエフの五番の前にプライスの交響曲である。最後のは余分という感じはするのだが、一部では人気があるのかもしれない。

個人的にはその後のペトレンコ指揮のベルリンでのシェーンベルクプログラムが重要なので、どうしてもそちらへと関心が移ってしまう。その間にチェコフィルのマーラー交響曲三番が入ってきたので少し忙しくなった。

その他にも春にかけて幾つか催し物の日程があって、何をどのように取捨選択するかが問題になって来た。やはり出かける交通費が一番大きく、その前後での移動時間などが一番問題になる。

冬タイヤへの交換もここにきて急を迫られるようになってきた。本日も外気温摂氏三度を下回るようになって、事故を起こすと責任を問われるようになる。そして移動の多かった九月中の交通違反なども全くなかったようでそれだけでも不要な損失を抑制できた。



参照:
遂に感染者が出た我が街 2020-03-08 | 歴史・時事
小作り顔の「苦痛の母」 2020-03-06 | 文化一般
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拍手喝采する意義

2023-11-22 | 文化一般
川崎での関東圏初の表プログラムAが演奏された。SNSでの反響からベルリンの初日から七回目のブラームスが漸くものになってきた印象を得た。特に二楽章に数人の人たちが言及している。これはペトレンコ指揮ベルリナーフィルハーモニカーツアー演奏会で起こる進化で、一番最後に交響曲の一楽章が完成する。東京のサントリーホールで更に二回演奏して、再演は復活祭となる。

東京の聴衆であるから、傷とか揃う揃わないとかの視点が出て来て、そして流石にマーネージメントのあり方として、合意の下での演奏と指揮者の関係とかどちらも殆ど音楽とは関係ないことが呟かれる。

それでもブラームスの第二主題に期待したところでそれよりも「遥かに想定を超えた音」が聴こえたとか、「完全に放出しきらずに統制された二楽章が絶美」だとか、異なる人からその演奏を髣髴させる様な指摘があった。これらが何よりも喜ばしい。いい聴衆の集う音楽会場でこうした言葉をそこいらで耳にする時はとても上手くいっている。

まさしくそれは楽譜が正しく音楽として演奏された証明であるからだ。こうした音楽は皆が共通して聴いていて、誰にとっても素晴らしいのである。勿論作曲家はそれを書き留めたつもりである。そして演奏家も上手く行った自信がある。こういうことを伝えるためになら楽屋を訪ねてもいいのである ― CDの半券などはなんの足しになろう。

そしてペトレンコ指揮でこうした曲が演奏を重ねて完成を迎える時にはそうした順序を踏まえていく。そうした工程ではベルリンの定期で三夜続けて演奏される時よりも遥かに量子的な跳躍を聴かせる。ベルリンの定期会員ではなかなか経験できない名演となる。因みにオペラにおいても一幕は最後となる。効率がよく、成功に導きやすいからである。

それもこれも最終的には管弦楽のバランスによって為されるもので、舞台の奥などでは真面な響きは得られない。音楽はそこでは判断できない。齧り付きで舞台の上が見えなくても音楽が分かるのは余程音響が優れているか総譜を暗譜しているぐらいでないと難しい。もはや職人的な分野である。

また日本で一番の交響楽団の人気奏者が聴きに来ていて、「(自分達も)頑張っているなと思う所」という呟きをしていて、はたと思った。恐らく揃う揃わないとかアマテユアー音楽家の様なことを指しているのだろう。一体和声がどの様な音の運びになっているのか、それがどのようなリズム構造の中で運ばれているのだろうかとか音楽的なことには一切関心がないのだろうか?その楽団の程度が知れよう。

同様な指摘は前日の演奏会からレーガーの中々揃え難い各システムで繰り返されるフーガの入りの不揃いと共に「合わせるために音楽性を犠牲にするのもよくない」との指摘があって、上の疑問の回答ともなっている。

上記したような音その音楽こそが聴衆の求めるべきでものであって、こうしたことこそを音楽ジャーナリズムは話題にしていかないと聴衆は育たないのである。当然のことながら真面な聴衆がいなければ、演奏家も育たない。我々がブー出しする以上にいいものをいいと差異を明白にして拍手喝采する意義はそこにある。



参照:
歴史の波に沈む島国 2023-11-21 | 文化一般
パロディーの様なもの 2023-11-19 | 文化一般
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歴史の波に沈む島国

2023-11-21 | 文化一般
ベルリナーフィルハーモニカー東京初日のSNS上の反響を追っていた。ほぼどの程度の演奏が行われているかは想像できる。個人的な関心はそれ以上にどのようにその土地の人に受け入れられているかであり、これは自分自身が演奏会に行く時の関心として平素から同じである。

なによりも直ぐに気が付いたのは関西公演とは異なって東京での反応は昭和の時代に知っていたそのものと全く変わらない事である。基本的に東京は音楽学生だけでなく所謂玄人の比率が圧倒的に高い。反対に関西は好事家要するにディレッタントと呼ばれる層が中心となっていて、こうした催しものを支えている。そうした聴衆の層が全く異なる。そのことは指揮者のペトレンコも十分に情報を得ていたと思う。そうした聴衆層の差が齎す演奏会の反応が興味深い。

全体の印象を総合すると、ベルリンのフィルハーモニーをモデルとしたとされるサントリーホールの音響が私が経験した杮落としシリーズの小澤征爾指揮ベルリナーフィルハーモニカー演奏会の時の印象よりも遥かに悪いようで、金管などが割れているということが書いてあったりする。到底考えられないのはフランクフルトでパーフェクトな音響を確認しているからである。大阪のザシムフォニーホールは音が飽和することは知っているが、何回も通ったサントリーホールではその様な印象を持ったことがなかった。一度反射板を修正したとかで、舞台上での反射は修正されたのだろうが、あれだけ残響の減衰が悪い会場の客席の音響は容積を変えることは不可能なので修正のしようがない。高松や姫路、大阪などではまたそうした印象は発信されていないので、如何に東京の音楽環境がよくないかが分かる。

同様な例は九月にベルリンのフィルハーモニーを二十年ぶりに再訪しての印象とも似ているのだが、ワインヤード型の会場としての音響はカラヤンサーカスとは揶揄されながらも決して悪くはなく、壁が無いのでサラウンドな音響は得られないが直接音は聴き取りやすい。但し音楽が作り難いというのに過ぎない。サントリーホールの場合はそうした直截的な響きもないのは記憶している。銭湯とまではいわないが明白さに欠ける音響の会場である。火曜日にも二日目の公演が川崎のホールで表のプログラムAが演奏されるので、その反響もとても注視したい。

SNSの話しでは、次回の日本公演は開催されるかどうかわからない大阪万博開催で夏となるとある。東京オリムピックの時のオープンエアーだったので、恐らく指揮者も同様のデュダメルだろう。つまり2025年11月のツアーは変則的なものとなって、日本公演はないかもしれない。この話しが真実味があるのは既に2027年公演の準備が始まっているということを支配人が語っていたことに矛盾しない。ペトレンコ指揮で本格的な日本公演は四年後になるとしたら、「影のない女」構想はもはや難しいだろう。

会場のことだけでなく、コロナ期間に取り止めになった上海公演も優先されるだろうから、経済的な状況も含めて益々日本の地盤沈下は加速するのかもしれない。日本の音楽の受容やその市場を鑑みてもその長い歴史に拘わらず全く進化している様子もなく20世紀の商業主義の中に埋没していて、全く音楽芸術的な鼓動が感じられないので、歴史の波の中で沈んでいくに違いない。



参照:
英雄の慰霊記念日 2023-11-20 | 料理
パロディーの様なもの 2023-11-19 | 文化一般
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英雄の慰霊記念日

2023-11-20 | 料理

フランスで購入したブルゴーニュを開けた。オートコーテドヌイ2021年ものだ。残念乍らコルクがいかれていた。抜いた時に直ぐに分かった。価格的に20ユーロしないものだから、寝かしておく必要もなく、よかったが、いいものならば精神的なダメージ受けた。案の定その若干かびた様な味はどうしようもなく、レストランならば直ぐに好感させる代物だ。だからレストランは60ユーロ近くの価格となる。

スーパーで購入した日常消費品なので仕方ないが、実はこういう例はドイツのリースリングを購入している中では殆どない。醸造元で購入するワインの管理がいいこともあるが、コルクの不良に関しては管理とはあまり関係ない。当るか当らないかだけだ。勿論高級なワイン程管理された上質のコルクを使うので当るケースは少ない。しかしドイツの醸造所が多くスクリュー型の栓のシステムを日常消費用ワインの為に投資しているのは、フランス程にはいいコルクが入り難い事情があったからだ。それでも昔からそれ程当たった覚えがなく、精々千本の数回にも満たなかった。

最後のバーデンバーデン訪問辺りから喉が痛かったりしたのだが、どうも微熱などがあって、更に腹の調子も悪くなった。となるとやはりコロナの症状で全く夏のあれと似ている。一月以上快適だったのに再び不調になった。早く治すしかないと思う。

11月は死の月だ。例年ならば寒さもあって籠っているのでこの慰霊の日の日曜日も問題にならないが、お天気になったので州などに依っての禁止事項に抵触する場合があったと思う。音曲のエンタメなどスポーツ行事等も許されていない。面白いのは車の洗浄も許されない。あまり意味は分からないが、今年はイスラエルのガザ攻撃もあって、各地で問題があったかもしれない。ナチ時代には英雄の日となっていたようだ。

社会的にもう少しガザの犠牲者に対する支援などの声が、この日を越えてクリスマスに向けての草の根の運動が盛り上がってくることが期待される。

大阪ではベルリナーフィルハーモニカーによって「英雄の生涯」が演奏されたが、週明けからはいよいよ東京での初日となる。上の慰霊の日の決まりによれば、こうした催しものはエンタメではなく芸術的な催しものなので全く問題がない。

日本の学者などはEとUつまりエルンストとウンターハルテュングの区分けを古臭い美学だと批判するが、歴としてこの差異は法律的にも峻別される。九月に指揮者エンゲルが発言していた管弦楽団とジャズのフユ―ジョンへの第三の道への可能性は法的に著作権の徴収率などにも大きく関わるのでそれ程容易ではない。この法的な判断で最も有名なのは嘗ての三大テノール演奏会がエンタメとして認定された事だった。要するにそうした演奏会はこの日には催してはいけないとなる。

スーパーで購入したサヴォワのチーズも平らげた。やはり油脂の多い40%の方が味わい深かった。その時に購入した雉のパイは美味かった。リースリング浸けということでザールのリースリングにもよくあった。次回も是非買いたい。今迄気がつかなかった。聴いてみるまで分からなかった。



参照:
時間的な余裕感を吟味 2023-10-16 | ワイン
パロディーの様なもの 2023-11-19 | 文化一般
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パロディーの様なもの

2023-11-19 | 文化一般
週明けに入浴した。散髪の前であった。前回の入浴は10月前半出たので一月振りの様である。間にもう一度浸かったかもしれないが記録にはない。

先日購入したブルゴーニュの一本はなぜか高価だった。2018年産が欲しかったので手を出したのだが、なぜかはよく分からない。数ユーロ高めの価格設定なのである。割に大きな醸造所なので、改良などもしていて、価格を上げる理由があったのかもしれない。ネットで調べると、細かな試みをしているのはあるようなのだが、これという価格の上昇の根拠は分からなかった。飲み頃に早く開けて試してもみるのもいいかもしれない。何事もお勉強である。

先週フランスで購入したサヴォアのチーズがまだある。パンとバターさえあれば有効期限まで楽しめる。パエリアはまだ余っていたので温めて楽しんだ。エビは400グラム購入したので、100グラムは冷凍庫に仕舞った。年末年始迄おいしく食せるか。バケットは、遅くなって暗くなって、パン屋に買いに行く時間がなかった。それでもスーパーのものでも二日間は問題なく楽しめたので良かった。次回はチェコフィルのマーラーを聴きに行く1月20日になるのだが、その数日後からはベルリンなのであまり要らないものは買えない。

前日よりも早く起きてタブレットを見ていた。姫路の公演が始まる14時前である。SNSでの反響はとても参考になる。アジアンツアーのAプログラムで、特に後半のブラームスはよくなっているのかどうかが気になるところだ。前半のモーツァルトとベルクは翌日の大阪のレーガーに比較すれば楽なもので、直ぐに頂点の演奏が可能となる。そもそもモーツァルトの交響曲を大編成でやるというのは一種のパロディーのようなものである。だから翌日のレーガーの「モーツァルトの主題による変奏曲」が丁度モーツァルトとベルクとブラームスを足して三で割ったものだと分かる。

興味深い感想からブラームスの三楽章をラップでやったらという発想に至った。それを頭に浮かべながら走っていたので、三分のことも思いついた。今回のツアープログラムの中でシチリアーノのレーガーの作品が扇の要になっていることもここになって漸く理解した。キリル・ペトレンコはカラヤンの公演プログラムも研究して、こうした結論に至ったのだろう。この二つのプログラムで初期バロックから20世紀の古典迄を網羅していて、ルネッサンスのパロディー様式迄を現在までの様式で照らし出すプログラミングになっている。更に詳しく見ていくと幾つもの興味深い認識が得られるだろう。そして再現芸術上興味深いのは、特にこれだけマンネリ化していて内容がないとされる「英雄の生涯」を素材にして楽団にとっても興味尽きない演奏活動をさせている事である。恐らく関西のこの連日の二つのプログラムが今回のツアーの前半の山となる。どのようなライヴを齎すのか。なにも大阪を名指ししたのは偶然ではない。

そもそもブラームス交響曲四番は今回のような大編成では初演されておらず、それは機会上の制限ではなくて、当時最も腕のあったマイニンゲンの楽団の編成で作曲家の指揮で演奏されたということである。最初にモーツァルトを大編成で演奏することによってブラームスの交響曲での大編成での演奏へのそれは説明になっている。



参照:
朝起きラディオ放送録音 2023-11-18 | マスメディア批評
Hero In Progress 2023-11-17 | 音
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朝起きラディオ放送録音

2023-11-18 | マスメディア批評
烏龍茶の鉄観音を飲んでいる。昔から銘茶とは知っていたが、今回初めておいしいと思った。先日から感じていた甘みは鉄観音の特徴らしい。水蜜桃風味とある。熱いお湯を注いでも書いてある通りに煎れれば甘い。急須を暖め、そこに入れたお茶から香りが出ているところに、予洗をする。中華ものは洗うぐらいがゴミが出て気持ちがよい。そこに熱いお湯を注いで一分ぐらいで甘みが出る。

真空袋に入っていて、そこには新鮮とか書いてあるのだが、小さな文字の講釈は読めない。何か要らぬことが漢詩で書いてあるような気がする。なによりも許可番号だけで製造者が書いていないのが怪しい。いい山にいい水そこにいい茶が出いずると書いてある。

無事散髪をした。年内最後になる短さにはなった。ハーヴェストカットしてくれと頼んだ。葉が落ちて、秋の葉刈りの様な塩梅になった。やはり気持ちがいい。それに続いて走っておいて、衣服はごっそり洗濯に廻った。寝具を替えるのはもう一週間待つか。

NHKFMで今春の復活祭の「影のない女」が放送された。実はこの音源既にNHKTVで放送されている。映像制作自体がZDFらとのNHKの共同制作となっていて、権利があるので流されたものだろう。因みにドイツではラディオ放送されていない。一般的にはラディオ用のミキシングが別途されるのだが、ざっと聴いた感じでは弄ってないようである。

こちらの朝6時開始の番組だったので目覚ましでいつもの時間に起きて準備したが長い前説があっても録音には頭が欠けた。理由は、複雑な準備ゆえだ。旅行用のミニノートブックにはVPNが完備しているのだが、手間取ったのはデジタルで録音する為の出力段へのデジタル転送準備だった。あまり使っていないので、キャスティングでは録音出来ないことを忘れていて、そこで普段は机上でデジタルアムプに出力するDAC経由とした。旅行時と全く同じだ。

音の印象はやはり低減などが膨らんでしまう。前年の「スペードの女王」のようにDCHにアーカイヴされるとハイレゾで聴けるので嬉しいのだが、さもなければブルーレイ化して欲しい。久しぶりに音を聴くと、やはり三夜だけの公演ではまだまだ聴き取れていないところが多い。

放送の前説は粗筋の一般的なものでくどくて詰まらないなと思っていたが、後説は聴き応えがあった。創作当時のフロイトの分析における子供への視線や主人公の皇后が苦労して得る影とその光における女性像をして、フィナーレにおいてそうした像を得る事での充足への懐疑が呈されるとして、放送では描かれていないリディア・シュタイヤーの演出を俯瞰することになっていた。有田栄という音楽学者の方のようで、分かりやすい原稿だった。

現在訪日中とのベルリナーフィルハーモニカーによる2025年にこの復活祭引っ越し公演が為されるのかどうかが決まると予想するが、ベストメムバーの歌手陣で再演が為されるなら日本旅行に再訪したい。

日曜日には大阪で前日の姫路に続き「英雄の生涯」も演奏されるが、こうした最も困難な楽劇を演奏しているからこその成果が表れる。そしてそこから更に来年の復活祭の「エレクトラ」に繋がる成果が生じるように企画されている。我々とは違い天才ペトレンコはずっと先を見ている。



参照:
ペトレンコの日本への真意 2023-10-21 | マスメディア批評
戦後に初演された楽劇 2023-08-21 | マスメディア批評
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Hero In Progress

2023-11-17 | 
承前)木曜日には日本公演二夜目の名古屋で初めて夏のツアーのプログラムが演奏される。嘗てなかったようなレーガ―曲の演奏と共にカラヤンが得意とした「英雄の生涯」が演奏される。前者については語ることは沢山あるのだが、後者について一先ずこれで纏めておきたい。

特に先週フランクフルトで聴いた演奏は、その音楽的な不協和音のエッジの激しさとしても前年にそこで演奏されたマーラーの交響曲七番にも匹敵するところがあり、夏のツアーでは得られなかった音響で来年の復活祭の楽劇「エレクトラ」への碑ともなっていた。更に弦楽的なヴィヴラートの扱い方などは既述したように明るさによって際立つような奏法が徹底していた。それだけでもそこからの透明性は瞠目する効果であるのだが、楽曲全体としてのつまり純音楽的な全体的な印象がどれほど纏まっていたかという疑問が演奏会評等でも投げかけられていた。夏のツアーでは明らかに英雄の伴侶である作曲家の奥さんのパウリーネがヴァイオリンソロとしてとても大きな位置を占めていた交響詩的な語りに勝る印象が得られなかったとなる。

フランクフルト壮行公演前のフランクフルターアルゲマイネ紙へのメディア担当の第二ヴァイオリンのフィリップ・ボ―ネンのインタヴューを振り返ると、元々ベートーヴェンの英雄交響曲のナポレオン像から導かれた変ホ長調の曲でありながら、初演後にフィナーレを書き換えたというように、「最後にどのような英雄がそこにいるのか」は発展途上で分からないとしている。

そして長い期間を掛けてこの曲を演奏するようにとのアイデアはペトレンコから出たものであったと語っている。そこでは既にアジアンツアーの為の練習が始まっているとあるのだが、フランクフルトで誰がソロを受け持つのかまだ決まっていないと語っている。しかし当夜のプログラムには既にダイシンと印刷されていた。

そして、ジルフェスタ―コンツェルトでは、「タンホイザー」と「ヴァルキューレ」からが演奏されるが、今日の社会では「弱みを認めるということだけで、それはもう英雄的な行為ではないか。」と話される。

正直復活祭の二回の演奏では新しいコンツェルトマイスタリンには不満があり、その成果を期待していた夏のツアーでは明らかに新たに「英雄の影に女あり」が描かれて、纏まった幸福な気持ちを得られた。引用されるツァラストラ的な超人の姿にやはりそのトラムペットの三つの響きも今回もとてもマルカートではなかったが、最終的には自然の彼方への視座を得る。

なるほど楽員にとっても全く飽きがこないと語られる「英雄の生涯」と「モーツァルトの主題による変奏曲」のプログラムの最終的な姿は、そこでライヴで接してみないと、流石の私にも想像がつかない。なぜならばこうしたワーキングインプログレスの演奏実践どころか、コンツェルトマイスターがここにきて交代するようなことも今迄に無かったからだ。一体名古屋で何が語られるのか、とても楽しみである。まさにこれは超人の歩みではないのか。(続く)



参照:
Jedes Mal ein anderer Held, AXEL ZIBULSKI, FAZ vom 6.11.2023
11月に明らかになる価値 2023-08-27 | 音
彫塑の必要な若者様式 2023-04-17 | 音
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