それは10何年か前の春。
同い年の飲み屋のママと飯を喰っていた、いわゆる同伴というヤツである。
タケノコの刺身があったので、春だからと頼む。
しかし、彼女はまったく口をつけない。
タケノコの灰汁は肌によくないんだよ
彼女は中学生の時から水の世界で生きてきた、バカなオヤジの借金のせいで。
ニコニコ笑っていればいいんだよ、父親に言われて行った店が水商売。
おかげでいろんな人間を見てこられたし、そこから得たものは、
オレが大学まで行って得たもの以上の価値を持つ。
油抜きダイエットと徹底しすぎて、髪がバサバサ、
トリートメントしようが何しようが、もう戻らない、
そう教えてくれた女の子もいた、もちろんダイエットしようなんて思わないけれど。
風水な女の子はいろんなことを教えてくれる。
北島商店のメンチカツはかなりヘビー。
いつまでも出る挽肉のゲップに辟易する夕方、嫁さんから電話。
やっぱり護国寺に行かなければならない、と。
嫁さんが働く会社の広報が仕事をとってきた、
音羽グループに属する出版社、その雑誌にパン特集を組んでもらうことである。
ここ3週間ぐらい、嫁さんはレシピ作りに追われていて、
明日が撮影日、その前に焼いたものは運んでおこう、そうなったらしい。
かなり遅くなりそうなので、ちょっとホッとする。
やることだけはやっておく、帰ってきたらすぐに料理できるように。
昨日、茹でたタケノコ、朝のうちに皮を剥いて処理しておいたので、
下の硬めな方を細切りにする。
メンチカツサンドと一緒に買ってきたピーマンを細切りにする。
さて、肉である。豚バラ肉は薄過ぎるし、そもそも不向き。
しょうがないので鶏胸肉にする。
日本酒をふって解凍、塩をふって臭みを出す。
これまた細切りにして、スタミナ源たれ、白コショウを揉み込んでから、
片栗粉をまぶし、ごま油でコーティング。
ショウガ1片をみじん切りにし、乾燥ニンニクを砕く。
フライパンにごま油をひいて、ショウガとニンニクを放り込んでおく。
21時半、自由が丘のショップを出たと嫁さんから電話。
さてと、やりますか。
フライパンを強火で熱する。
ニンニクの香りがたったら、鶏もも肉を放り込む。
バラバラにほぐしながら火を入れて、
表面の色が変わったらタケノコを投入。
すでに火は通っているので、温まれば問題ない。
ピーマンを放り込んで油を回したら、
鶏ガラスープの素、黒コショウを挽きいれて撹拌。
日本酒大さじ2を加えてアルコールを飛ばす。
日本酒臭さが無くなったら、水溶き片栗粉でまとめ、
ごま油をひと回し。
青椒肉絲もどきの完成である。
青椒とは青唐辛子を含めたピーマン類のこと。
中国で肉と言えば豚肉のことで、本来は豚を使う。
この2種を糸の様に細く切るから青椒肉絲である。
日本でよく食べられる牛肉を使ったものは青椒牛肉絲となる。
で、これはなんだ?青椒鶏肉絲?
また得体の知れないものを作ってしまったけれど、
21時半過ぎまでごはんを食べていない嫁さんは凄まじい。
餓鬼だ、餓鬼以外にこんな食べ方をするモノはいない。
呆然として見ていると、嫁さんが言う。
こんなに食べて大丈夫かなあ
基本は鶏胸肉と繊維質、たいした問題じゃない。
ううん、タケノコって体にいいんだっけ?
体に悪いことはない、ただ、肌にはあんまりよくないだけだ。
水商売はできないな、嫁さんには、いや、そもそもだ。
同い年の飲み屋のママと飯を喰っていた、いわゆる同伴というヤツである。
タケノコの刺身があったので、春だからと頼む。
しかし、彼女はまったく口をつけない。
タケノコの灰汁は肌によくないんだよ
彼女は中学生の時から水の世界で生きてきた、バカなオヤジの借金のせいで。
ニコニコ笑っていればいいんだよ、父親に言われて行った店が水商売。
おかげでいろんな人間を見てこられたし、そこから得たものは、
オレが大学まで行って得たもの以上の価値を持つ。
油抜きダイエットと徹底しすぎて、髪がバサバサ、
トリートメントしようが何しようが、もう戻らない、
そう教えてくれた女の子もいた、もちろんダイエットしようなんて思わないけれど。
風水な女の子はいろんなことを教えてくれる。
北島商店のメンチカツはかなりヘビー。
いつまでも出る挽肉のゲップに辟易する夕方、嫁さんから電話。
やっぱり護国寺に行かなければならない、と。
嫁さんが働く会社の広報が仕事をとってきた、
音羽グループに属する出版社、その雑誌にパン特集を組んでもらうことである。
ここ3週間ぐらい、嫁さんはレシピ作りに追われていて、
明日が撮影日、その前に焼いたものは運んでおこう、そうなったらしい。
かなり遅くなりそうなので、ちょっとホッとする。
やることだけはやっておく、帰ってきたらすぐに料理できるように。
昨日、茹でたタケノコ、朝のうちに皮を剥いて処理しておいたので、
下の硬めな方を細切りにする。
メンチカツサンドと一緒に買ってきたピーマンを細切りにする。
さて、肉である。豚バラ肉は薄過ぎるし、そもそも不向き。
しょうがないので鶏胸肉にする。
日本酒をふって解凍、塩をふって臭みを出す。
これまた細切りにして、スタミナ源たれ、白コショウを揉み込んでから、
片栗粉をまぶし、ごま油でコーティング。
ショウガ1片をみじん切りにし、乾燥ニンニクを砕く。
フライパンにごま油をひいて、ショウガとニンニクを放り込んでおく。
21時半、自由が丘のショップを出たと嫁さんから電話。
さてと、やりますか。
フライパンを強火で熱する。
ニンニクの香りがたったら、鶏もも肉を放り込む。
バラバラにほぐしながら火を入れて、
表面の色が変わったらタケノコを投入。
すでに火は通っているので、温まれば問題ない。
ピーマンを放り込んで油を回したら、
鶏ガラスープの素、黒コショウを挽きいれて撹拌。
日本酒大さじ2を加えてアルコールを飛ばす。
日本酒臭さが無くなったら、水溶き片栗粉でまとめ、
ごま油をひと回し。
青椒肉絲もどきの完成である。
青椒とは青唐辛子を含めたピーマン類のこと。
中国で肉と言えば豚肉のことで、本来は豚を使う。
この2種を糸の様に細く切るから青椒肉絲である。
日本でよく食べられる牛肉を使ったものは青椒牛肉絲となる。
で、これはなんだ?青椒鶏肉絲?
また得体の知れないものを作ってしまったけれど、
21時半過ぎまでごはんを食べていない嫁さんは凄まじい。
餓鬼だ、餓鬼以外にこんな食べ方をするモノはいない。
呆然として見ていると、嫁さんが言う。
こんなに食べて大丈夫かなあ
基本は鶏胸肉と繊維質、たいした問題じゃない。
ううん、タケノコって体にいいんだっけ?
体に悪いことはない、ただ、肌にはあんまりよくないだけだ。
水商売はできないな、嫁さんには、いや、そもそもだ。