10月3日(月)、夕方の大学院の授業は、「文房四宝特論」の最初の授業でした。オムニバス式で、5人の先生が3時間ずつの授業をします。私は紙漉きに関する授業です。まずは大学院生の長野君と大学の前の土手に、ハサミを持って材料採取に行きました。
この土手に目的の植物が生えています。
それは「カラムシ」です。縄文時代は日本人の衣類の材料に使われたものですが、強力な繊維が入っていますので、紙の材料としても有望です。現在でも「苧麻」という名で、韓国の夏服などには使われる高級服飾材料ですが、通常はほとんどそのことも知られていないので雑草扱いです。全体像は青じそに似ています。カラムシを好物の毛虫がいて、刺されないように気を付けつけながら十数本採取し、茎だけを教室に持帰りました。
二人で皮をはぎとりました。
皮を短くハサミで切り刻んでから、石灰溶液でしばらく煮込んでいるうちに、この日の授業が終わってしまいました。
皮を溶液に漬けておいて、次週の作業に備えます。気が付くと美しい夕焼けの空が広がっていました。
10月になったというのに、まだ昼間はけっこうな暑さです。でも季節はどんどん移り変わっているのだと感じました。