1月5日(土)、高松の香川大学に用事があって出かけました。帰りは、塩江美術館に立ち寄りました。終了間際の16:40頃に着いたので、もう片付けの途中でしたが、もう一度照明を付けて見せてくださいました。
学芸員の橋本こずえさんとは、2年ほど前に藤沢東畡・南岳の作品の解読を依頼された時に知り合って、時々企画展のご案内をいただいています。
ここに来る前は、2年間メキシコで芸術の勉強をされていて、スペイン語がペラペラです。ご案内いただく企画も目の付け所がよく、視野のとても広い方だと感心しています。またご覧のとおり、とてもチャーミングな学芸員さんです。
現在行われている企画は「風の伝言プロジェクトⅠ」という題名です。2013年春に、香川県善通寺市にある香川小児病院と善通寺病院が統合され、「国立病院機構 四国こどもとおとなの医療センター」が開院します。この新しい医療センターでは、アートを取り入れることで入院患者や医療活動自体にエネルギーを与える取り組みをします。この医療センターのために全国127名の画家や美術学生によって制作された300点の絵画作品を病院の壁のいろいろな場所
に飾るのだそうです。このうち80点の作品を借りて展示がなされていました。
この活動を主導されているのは、京都教育大学の日野陽子先生だそうです。また今回の企画展のアイデアは、もうお一人の学芸員の毛利さんが発案されたそうです。この方も私は何度かお会いしてお話したことがありますが、今日はご不在でした。
作品は小品が主体で、アクリル絵具・岩絵具・水彩・油彩・色鉛筆・コラージュなど、さまざまな技法で作られています。通常の展覧会だと、表現を競うぎすぎすした感じもするのですが、そういう感じが全くありません。署名をしてもしなくても良く、芸術家の真心で、楽しみながら書いているのが伝わってきます。
私も、病院にたまに行くときなどは、「白い壁ばかりで無機的な空間だ」と思うことが多いです。たまに絵や書が飾ってあると、なんとなくほっとします。こども病院の場合は特にこのような試みは効果があると思います。
私も、以前高校に勤務していたころは、学校の無機的な廊下空間を書作品で温かい空間に変える試みを続けていましたので、日野先生の活動には大変共感します。私の場合、現在は書で社会を変えようとする実験をしています。
この展覧会は2月3日(日)までやっていて、愛媛大学ミュージアムでも「プロジェクトⅡ」が行われているそうです。詳しくは下記のサイトをご覧ください。http://www.city.takamatsu.kagawa.jp/20139.html
ぜひ一度ご覧下さい。とても心が温まります。おまけに塩江美術館のそばには、外来温泉である「行基の湯」もあって500円程度で入れます。塩江は温泉地として有名な場所なのです。今日も展覧鑑賞後は温泉に浸って体も温まって、ぽかぽかになって帰りました。
徳島から行く時は高速道路の脇町インターで降りて、一般道を高松空港へ行く途中にあります。
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