

7月7日(日曜日)に、東京ステーションギャラリーに絵を見に行きました。
東京ステーションギャラリーっていうのはどこにあるのかと思ったら、まさしく東京駅で、あの有名な天井装飾のあるところに入口がありました。

印象派の絵は、モネ・ピサロ・シスレーなど好きですが、エミール・クラウスという人は初めて聞きます。ベルギーの画家というのも珍しい感じがしました。
解説によると、この人はフランス印象派の影響を受けて活躍し、ルミニスム(光輝主義)というスタイルを確立し、日本人画家にも影響を与えているとのことです。当時、日本から大田喜二郎と児島虎次郎という人が、ベルギーに行ってこの人から絵の教えを受けているそうです。印象派としても日本への影響としても、この人をこれまで取り上げなかったのは不思議なくらいだったようです。

さて、絵の印象としては、やはり光輝いているというか、明るい印象でした。そして、田園に暮らす人々の絵が多くありましたが、とても幸せそうな感じです。実際、エミール・クラウスは絵を描くための家を作って家族とともに暮らしていたようですが、その暮らしぶりも幸せそうで、大きな絵なども次々に描いているし、生活にも困らず、何かの苦悩にとりつかれることも無かったように感じました。
絵は必ず逆光で描くそうです。印象に残ったのは、確か大田喜二郎だったと思うのですが、ベルギーで絵を教わっていたときの日記があり、エミール・クラウスに指定された場所の範囲で、絵を描く場所を自分で決めて、日の当たるところにキャンパスを置いたら、そのように明るい所に置くと、きれいでない色でも、皆きれいに見えてしまうからダメだ、とか言われたそうで、自分から光に向かって被写体を見て描くのが鉄則であることを徹底して教えられたとのことでした。大田喜二郎の日記や講義録も興味深いです。

エミール・クラウスの絵は、明るい黄色と緑が印象的でした。とても明るく温かい感じです。
牛たちの絵も印象に残りました。パンフレットの絵では、かなりの水量のところを牛たちが渡っているそうで、首だけを出して水の中を進む牛の真剣な様子が伝わってきます。
自然の中でともに生活する人間や動物。それが本来の姿なのかなと思いました。

平和に水を飲む姿とか、この牛たちも一生懸命生きていたんだな、と思います。
実は、この日はうちのウサギが天国に旅立ってからちょうど1週間目でした。亡くなった時刻を過ぎてから家を出てきたのですが、うちのウサギの種類はベルギー原産なのだそうです。これも何かの縁かもしれません。

ちょっと違った雰囲気で、テムズ川のぼんやりした絵はがきも買ってきました。他の画家も描いている場所です。ロンドンは霧に煙っているという話ですが、実は当時、工場のスモッグ公害もひどかったのだそうです。


立葵の花。実物の絵は、それほど良いとは思わなかったのですが、絵ハガキはきれいだったので買ってきました。
家にある実物の花の写真とも比較してみたくなったのです。(写真は一昨年撮影した小金井公園のタチオアイ。おお、やっぱり似ている!)

子どもたちが緑の中に居る絵。うちの娘たちが小さい頃の姿みたいです。
木陰と日向の感じが言いですね。
エミール・クラウスはなかなか好きな画家だと思います。
そのほかにも、印象派の画家たちの絵や、関連する日本人画家の絵もあり、とても充実していました。