近所で、社宅が解体されて整地されているのだけど、3月に染井吉野が花の咲く直前に切り倒されてしまい、ひどいなあと思っていた。
おそらく、その他にも小さい木などは多数切り倒されたのだろう。ただ建物よりも小さいので、もともとそんなに存在感もなく、無くなったことにも気づかないものがあったに違いない。
ところが、今日切り倒された木は、絶対に切られるはずがないと思っていた大木である。
おそらくクスノキである。しかも4階建ての建物よりも高かったのだ。樹齢は100年以上経っているのではなかろうか?
そのくらいの木は「保護樹木」に指定されていたりすると思うので、そういうのは切り倒してよいものなのだろうか?と疑問に思ってしまう。
この木は、数年前に枝を剪定されたりしたが、その後また枝葉が茂って巨大な木となっていた。
今日、最初に見たときには、その片側半分くらいの枝葉が不自然な形で消えていたので、何か普通の剪定とは違う気配を感じた。しかもショベルカーで根の方を掘っていた。
その数時間後に見たときは、もう跡形もなく、地面に輪切りにした幹が山のように積み上げられていたのである。
あの木、今日いきなり命を絶たれるなんて思いもしなかっただろうに・・・。
かなりショックを受けた。
正直、あの木があると、富士山が隠れるほど木が高くなり、葉が茂っていたので、時々剪定してくれないとそのうち富士山が見えなくなってしまうかもしれないと思っていた。しかし、木の全てが無くなるなんてことは一度も希望したことはないのだ。
さようなら、今日までの命。そういえば、この地に引っ越してきて毎日眺めていた木だったかもしれない。
他にも松や欅などがあるのだが、これは微妙にその社宅の敷地の境界線の外側にあるので、切られることはなさそうだ。
別の方向にあった染井吉野数本は4月に花を咲かせていたのだが、最近伐採されてしまったのかこれも見当たらないようだ。花の時期が終わるまでは待っていたのかもしれない。
・・・
社宅の跡にはマンションが建つようである。今はもう社宅の時代ではないのだ。
だいたい、社宅の跡地には、マンションか老人ホーム(老人用介護付きマンション)が建つことが多い。
木を伐採しても、新しい建物を建てたあとにまた何かを植樹するんだろうけど、あんな立派な木になるには、また何百年もかかるのだろう。
まあ、確かに、あんなに大きくては枝を剪定するにも大型のクレーン車などが必要で管理が大変すぎて、手に負えないのかもしれない。
大会社の社宅だったら管理する予算もあったかもしれないが、普通の分譲マンションになったら誰が払うんだってことになる。
今、保護樹木について調べたら、やむを得ない場合は伐採してもよいそうで、その場合は、あらかじめ保護樹木の指定を解除する申請を出すのだそうだ。
それから、立派な木を伐採するときは、お酒をかけたりしてお祓いやお清めをすることも多いようだ。
あの木はとても立派だったから、そういうことをしたのかなと思う。
これまでどれだけの酸素を出してくれていたのだろうか?
たくさんの鳥や蝉や虫たちの隠れ家になっていたかもしれない。
あの木に感謝してお別れします。
(ありし日の写真を見てみたら1本ではなく2本だったようです。)
そうか、植樹祭なんて植樹する前に全部伐採されているのか…と驚きます。確かに、最初から何も生えていない土地なんてあるはずないですよね。
東京の神宮外苑でも古木の森が伐採される計画が勝手にたてられていて問題となっているようです。新しい木を植えればいいってもんじゃないと思いますね。
緑は大事とか守ろうなんてよく言ってるけど実際はその逆のことばかり。
全部切った方が作業するのにコスパが良いってことで
樹齢50年100年なんて木をいとも簡単に切っちゃいますね。