自宅で映画「浅草キッド」を見ました。
これは、北野武の自伝小説で、以前にもテレビドラマ化されたらしいですが、私が見るのは初めてでした。
なかなか良い映画でした。
ビートたけしは浅草のストリップ劇場で前座として出演していたりして働いていたというのはよく知られていることですが、そのころの様子が具体的によくわかり、生みの親ともいえる師匠の深見千三郎の存在が大きかったことを知りました。
ビートたけし(北野武)という卓越した芸人の誕生は、本人の才能・個性・努力があったことは事実ですが、深見という師匠なしではあり得なかったということでしょう。
そして、深見夫婦やストリップ劇場のストリッパーや先輩・同僚などとの人間関係も心にしみるものがありました。
師匠を演じた大泉洋は当然の存在感ですが、私がこの頃感じるのは、その妻・真理役を演じた鈴木保奈美のオーラのすごさです。
この人は私生活ではとんねるずの石橋と結婚して、ずっと子育てなど主婦業をして女優を休業していたと思うのですが、子育ても終え離婚して女優に復帰してから、いきなり女優としての本領を発揮しています。この人が出ると目を奪われます。
きりっとした目鼻立ちも美しいですが、演技もうまいし、とにかくオーラがあるなと感じるばかりです。若い時も第一線で活躍していたとは思うのですが、家庭に入っていた期間の人生経験もプラスされ、人間として女としてパワーアップしていることが歴然です。この人はすごいです。
それから、もう一人驚いた女優は、ストリッパー千春役の門脇麦でした。この人は色々なドラマで結構主要な脇役をしているのを見てはいたのですが、これまではそれほどの魅力を感じたことはありませんでした。
しかし、今回のストリッパーの踊りや歌などは、とても並じゃないレベルで、こんなことができるんだとびっくりしました。女の魂みたいな波動がすごいのです。私はこの人を見くびっていたと思います。私が思っていた女優像より、ずっとずっとすごい器の女優だったなと見直しました。
もちろん、師匠とたけしの心のつながりもすばらしく、おもしろく、ひさびさに見ごたえのある、味のある映画でした。
あっ、最後に字幕で脚本が「劇団ひとり」さんであることを知り、これもさすがだなと思いました。
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