1959年
期待の新人安藤、足立両投手は下馬評どおり優秀な素質を持っている。両投手ともキャンプでは最も早く調子を出し、二月末には九分どおりでき上がってしまった。安藤はスリー・クォーターとオーバー・スローを使い分けスピードもある。コントロールがいいから外角低目をマークすればかなりやれそう。それにカーブがいい。ブレーキがあり、しかも角度が大きいから打ち難いだろう。藤本監督も「あのカーブならいける」という。だが難点もある。シュートがいま一つさえないことだ。ノンプロ時代投げたことがないというだけに、キャンプではシュートのマスターを課題にしていたが、いま一歩ということろ。体格もいいし、スタミナもあるようだからピッチングのコツをのみこめば、最も早く出場できる新人の一人だ。常に安藤と比較される足立も大友ばりの投法をする異色投手下手から投げるシュートが主武器である。西鉄戦要員といわれる理由もシュートの威力を思ってのことだろう。打撃練習では死球を恐れてあまり用いないが投球連取ではかなりいい球を投げる。それにスピードもある。しかし足立には欠点がある。カーブが甘いことだ。どう見てもプロ向きのカーブではない。伊達コーチは「カーブよりスライダーを覚えさせる」と早速手ほどきにかかったが、四、五日でマスターしたぐらいだからカンはよさそう。