ノット

2000年

ロッテは二十七日、米大リーグの３Aのエリック・ノット投手（25）の入団を発表した。米国イリノイ州出身。今年は３Aのツーソンで11試合に登板し3勝2敗。183㌢、85㌔、左投げ、左打ち。

大半が変化球、それもことごとく少しずつ違った変化をするから、西武の打撃陣が、このロッテ新外国人のノットの130キロ台の直球に打ち気をそそられたのは自然だ。ノットは敵の攻め方の気づくと、この直球を高めのボールにして凡打に仕留めた。球が特別、速いわけでも、制球力が群を抜いているわけでもない。冷静な投球で6回を4安打1失点に抑えた。四回、2連続四球で自らがつくってしまったピンチには「とにかく落ち着いて、ストライクを取ろうと自分に言い聞かせた」米３Aから六月末に入団したばかりの25歳。「前回の登板で大量得点を許してしまったので、きょうまでの一週間、ビッグイニングをつくらないように調整をした」山本監督は「立ち上がり、制球が心配だったが、次第によくなった。攻める気持ちを忘れず、よう投げた」と目を細めた。

6月下旬に来日したばかりの左腕ノットが、2試合目の登板で初勝利を挙げた。初登板だった6日のダイエー戦では、4四球から乱れて4回6失点KO。この日も四回に2連続四球を許したが前回の教訓が生きて「ストライクを投げようと自分に言い聞かせた」と強気に投げ、1失点で踏ん張った。山本監督も「ストライクが入れば、なんとかなるな」信頼を得るには時間がかかりそうだが、左腕不足のロッテには戦力になりそうだ。

ロッテ、山本監督はあきれ果てていた。1点先取された直後の2回2死一塁先発左腕ノットが城島にモーションを盗まれ、二盗を許したからだ。米マイナーリーグでプレーしてきた25歳の新外国人投手に対し、山本監督は日本流のクイックモーションを学ぶように言い渡していた。だが、ノットには日本の機動力野球に理解が及ばなかったようだ。城島を還した湯上谷にも二盗を決められてしまい、「全然、クイックが出来ていない」と山本監督。敵のアキレスけんを攻めたダイエーは、二つの盗塁を足場に計5点を奪い主導権を握った。


六月末に急きょ獲得したロッテの左腕ノットが4安打1失点の初勝利。「日曜日に来日する婚約者に報告するよ」とにこり。常時八、九メートルの強風が吹く悪コンディションだったが、マウンドで向かい風になるのが幸いした。カーブは、ベースを横切り、せいぜい130キロ台の直球は手元で微妙に曲がった。グラブには日本語で「エリックノット」の刺しゅう入り。早くチームに溶け込もうとするきまじめさも持ち味である。

ロッテ先発のノットは、走者を出したときのクイックモーションが苦手という弱点を突かれた。二回、単打ー盗塁ー適時打というパターンを続け大量失点。記者の質問に「アイ・ドント・ノー」と足早に球場をあとにした。山本監督は「課題のクイックができていなかった。くだらん点のやり方だ」と厳しい表情だった。