杉良、スギリョーポーズ。
流し目で誘ってくるという意味ね。
猫の喉、ゴロゴロは岩合さんによればご機嫌
よし、甘えてよし、なんだそうだ。
うちのお客さん猫のジョリコは小さくゴロゴロ
を聞かせながらガラス戸の隙間に頭を入れてくる。
ミルクください、に聞こえる。
親子だと、「てぶくろを買いに」を連想する。
ミルクはつまり、わたしにとっての薄皮饅頭
みたいなものかと思うので、そう度々はあげない。
大好きでおいしいものは我慢した方がもっと
おいしいのだ。
だから、あげ時がある。
ご飯食べる前にくれ~というのは無視する。
腹いっぱいである。
親子でひっくりかえって寝ている。
うつぶせだと、おなかを圧迫してクルシイ
と見受ける。
ここまで安心されると、悪い気はしない。
縁側にみかけない猫がそおっと近づいてきて
ジョリコとチャプに緊張が走った。
真っ白な猫、雄のようだった。
ま、ここに来る猫たちはみな親戚なんだろう
と思うが、縁側を中心に縄張りができている。
様子を見ていたが、緊張が高まり二匹とも
臨戦態勢のポーズになってきた。
しょうがないなあと、真っ白の猫の方を向き
パンと手を叩いた。
いや~、そんなことじゃ逃げないね。
だるまさんがころんだ、みたいになった。
しょうがない。
玄関からサンダルを持ってきて、縁側から
降りた。一歩二歩、歩いたら白猫はパッと
逃げた。そして、止まった。
そこでじっとしている。
ちょうど植木の下で、枝葉に隠れたような
具合になっているが、こちらから丸見えである。
しょうがない。
また歩いて近づいた。
ようやく、白猫はフェンスをくぐって出て
行った。
さようなら、またおいでと言えなくて
ごめんね、と見送る。
こうやって、ジョリコは我が代の夏を
寝て過ごす。母猫の江戸から譲られた場所。
しかし、思うに江戸にしても、そのまた母の
シマコにしても、さらに母のミャアちゃんに
しても、みんな野良猫時代の苦労があった。
それに比べ、ここで産まれ、ここで育ち、
若くしてママになり、相続したおうちで、
ご飯つきである。おやつもある。
お嬢様育ちじゃないか、ジョリコ。
親のスネかじりや遺産で楽するヤツが
嫌いなんだけど……
ジョリコのしゃーわせそうな顔を見てると
憎めない。
孫かわいいのばあさんになった気分、
いやだねえ。
流し目で誘ってくるという意味ね。
猫の喉、ゴロゴロは岩合さんによればご機嫌
よし、甘えてよし、なんだそうだ。
うちのお客さん猫のジョリコは小さくゴロゴロ
を聞かせながらガラス戸の隙間に頭を入れてくる。
ミルクください、に聞こえる。
親子だと、「てぶくろを買いに」を連想する。
ミルクはつまり、わたしにとっての薄皮饅頭
みたいなものかと思うので、そう度々はあげない。
大好きでおいしいものは我慢した方がもっと
おいしいのだ。
だから、あげ時がある。
ご飯食べる前にくれ~というのは無視する。
腹いっぱいである。
親子でひっくりかえって寝ている。
うつぶせだと、おなかを圧迫してクルシイ
と見受ける。
ここまで安心されると、悪い気はしない。
縁側にみかけない猫がそおっと近づいてきて
ジョリコとチャプに緊張が走った。
真っ白な猫、雄のようだった。
ま、ここに来る猫たちはみな親戚なんだろう
と思うが、縁側を中心に縄張りができている。
様子を見ていたが、緊張が高まり二匹とも
臨戦態勢のポーズになってきた。
しょうがないなあと、真っ白の猫の方を向き
パンと手を叩いた。
いや~、そんなことじゃ逃げないね。
だるまさんがころんだ、みたいになった。
しょうがない。
玄関からサンダルを持ってきて、縁側から
降りた。一歩二歩、歩いたら白猫はパッと
逃げた。そして、止まった。
そこでじっとしている。
ちょうど植木の下で、枝葉に隠れたような
具合になっているが、こちらから丸見えである。
しょうがない。
また歩いて近づいた。
ようやく、白猫はフェンスをくぐって出て
行った。
さようなら、またおいでと言えなくて
ごめんね、と見送る。
こうやって、ジョリコは我が代の夏を
寝て過ごす。母猫の江戸から譲られた場所。
しかし、思うに江戸にしても、そのまた母の
シマコにしても、さらに母のミャアちゃんに
しても、みんな野良猫時代の苦労があった。
それに比べ、ここで産まれ、ここで育ち、
若くしてママになり、相続したおうちで、
ご飯つきである。おやつもある。
お嬢様育ちじゃないか、ジョリコ。
親のスネかじりや遺産で楽するヤツが
嫌いなんだけど……
ジョリコのしゃーわせそうな顔を見てると
憎めない。
孫かわいいのばあさんになった気分、
いやだねえ。