想風亭日記new

森暮らし25年、木々の精霊と野鳥の声に命をつないでもらう日々。黒ラブは永遠のわがアイドル。

おばあさんの気分

2015-09-01 02:18:05 | Weblog
杉良、スギリョーポーズ。
流し目で誘ってくるという意味ね。

猫の喉、ゴロゴロは岩合さんによればご機嫌
よし、甘えてよし、なんだそうだ。

うちのお客さん猫のジョリコは小さくゴロゴロ
を聞かせながらガラス戸の隙間に頭を入れてくる。
ミルクください、に聞こえる。
親子だと、「てぶくろを買いに」を連想する。

ミルクはつまり、わたしにとっての薄皮饅頭
みたいなものかと思うので、そう度々はあげない。
大好きでおいしいものは我慢した方がもっと
おいしいのだ。
だから、あげ時がある。
ご飯食べる前にくれ~というのは無視する。



腹いっぱいである。
親子でひっくりかえって寝ている。
うつぶせだと、おなかを圧迫してクルシイ
と見受ける。
ここまで安心されると、悪い気はしない。

縁側にみかけない猫がそおっと近づいてきて
ジョリコとチャプに緊張が走った。
真っ白な猫、雄のようだった。
ま、ここに来る猫たちはみな親戚なんだろう
と思うが、縁側を中心に縄張りができている。
様子を見ていたが、緊張が高まり二匹とも
臨戦態勢のポーズになってきた。
しょうがないなあと、真っ白の猫の方を向き
パンと手を叩いた。

いや~、そんなことじゃ逃げないね。

だるまさんがころんだ、みたいになった。

しょうがない。
玄関からサンダルを持ってきて、縁側から
降りた。一歩二歩、歩いたら白猫はパッと
逃げた。そして、止まった。
そこでじっとしている。

ちょうど植木の下で、枝葉に隠れたような
具合になっているが、こちらから丸見えである。
しょうがない。
また歩いて近づいた。
ようやく、白猫はフェンスをくぐって出て
行った。

さようなら、またおいでと言えなくて
ごめんね、と見送る。

こうやって、ジョリコは我が代の夏を
寝て過ごす。母猫の江戸から譲られた場所。
しかし、思うに江戸にしても、そのまた母の
シマコにしても、さらに母のミャアちゃんに
しても、みんな野良猫時代の苦労があった。

それに比べ、ここで産まれ、ここで育ち、
若くしてママになり、相続したおうちで、
ご飯つきである。おやつもある。
お嬢様育ちじゃないか、ジョリコ。

親のスネかじりや遺産で楽するヤツが
嫌いなんだけど……
ジョリコのしゃーわせそうな顔を見てると
憎めない。
孫かわいいのばあさんになった気分、
いやだねえ。





コメント
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