想風亭日記new

森暮らし25年、木々の精霊と野鳥の声に命をつないでもらう日々。黒ラブは永遠のわがアイドル。

「私、ひとりで死ねますか」松島如戒著

2018-08-28 16:00:20 | 
冒頭の「私、ひとりで死ねますか」
(日本法令 定価1500円+税)
というドキッとするタイトルの本が
尊敬する弁護士 清水勇男先生から
届きました。

清水先生が法律用語や法律上の専門的
知見によって本書を校閲されたご縁で
紹介して下さったのですが、ちょうど
相続に関する相談を受けていたので
さっそく開いてみました。

サブタイトルが「支える契約家族」
契約家族とはいったいどういうもの
でしょうか。
本書の注釈によると契約家族とは
「血縁家族に対する言葉で、自分自身
の生前事務、後見事務、死後事務(祭祀
主宰者指定)などの事務を委任、受任
することによって成立する、いわば
契約上の家族関係。とあります。

遺言書を公証人役場で作成して預け、
相続を執行する人を定めておくこと
ことだけでは、自分の死の準備と
後始末をするには足りないことが
いろいろあるようです。

その時がくるまでに準備しておこうと
思いながら、その時はいつくるのか
実はわかりません。
家族がいる人、信頼できる身内がいる
人も心配ないとも言えないのが現実
です。ましてや独り暮らしならば、
自分の判断能力がある段階において
さえも、入院や入所で保証人が必要
になったり自分以外の人に頼む必要
が生じることは起きるのです。

葬儀や墓地のことだけでなく、
現在の法律の下に、どんなふうに
身を処していくのか、何が必要か、
細かに書かれています。

その一つに個人情報の取扱いに
関することがあります。
クレジットカードをほとんどの人が
持っていますが、使用しなくなった
カードが不正利用されないように
しなければなりません。
また、パソコンやスマホの中にも
自分だけの秘密がたくさん入って
いるものです。
それをどう守り、あるいは処理
するのか。
このような細かな身近なことも
具体的に対応策が書かれています。

著者の松島如戒(にょかい)氏は、
NPO法人りすシステム
(任意後見・生前契約受託機関)
契約監視機関NPO日本生前契約等
決済機構。
NPO地球に恩返しの森づくり推進
機構、などを設立されています。

目次
第1章 
生前契約ってどんな人がどんな時に?
第2章
人が死ぬとこんなにたくさんの仕事
がある。パート1
第3章
人が死ぬとこんなにたくさんの仕事
がある。パート2
第4章
「家族力」の減退を支える。
第5章
「私、認知症にはならない」そんな
自信ありますか。
第6章
生前契約の理念と実務

なかほどの頁にある言葉
認知症患者 正気に戻る瞬間がある
——そのとき満たされていると
感じるケアをめざして——

日本は、いえ世界じゅうが嘘に
まみれていく昨今、正気でない人を
欺くことくらい罪だと思わない人が
介護や後見職の現場にいます。
それが悲しいかな現実です。
この、りすシステムの目指す実践は
単なる標語ではないでしょう。

これがあたりまえになる世の中を
心から願いながら自分にできる努力を
していこうと思っています。
誰しも誰かのお世話になる日が
いずれやってくる、そのことを
恐れたり案じたりしなくて済む社会を
希求していきたいですね。

NPOりすシステム
電話0120(889)443
24時間365日対応。かけ間違いの
ないようにお願いします。













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