想風亭日記new

森暮らし25年、木々の精霊と野鳥の声に命をつないでもらう日々。黒ラブは永遠のわがアイドル。

カシワ、柏か槲か

2021-07-03 21:17:42 | Weblog
よく柏餅と書かれているけれど餅を包んで
いる葉は、槲(かしわ)の葉。ブナ科の
落葉樹で、いわゆるどんぐり(実)がつく。
樹皮も縦にギザギザの筋が入っていて、
若木でも老木かと見紛ってしまう。



これは家の裏を流れるせせらぎ沿いに実生から
育った。幼木のころから大きな葉がかわいくて
観てきた朴の木だ。
日陰のわりに、背丈も伸び枝も増えてきた。
朴の冬芽は、不思議なかたちなので花なのか
葉なのかわからず観ていたがしだいに開いて
葉になった。

開ききって大きくなった頃、中央に蕾がつく。
もうじき咲く頃だけど梅雨が止んでからだろうな。
クリーム色の花弁はモクレンに似ている。
いい香りがして、実もつける。

調べたら朴の木はモクレン科だった。
だけど古名はホウガシワという。
若葉は食べ物を包むのに使われているから
ホウガシワには納得がいく。
端午の節句に朴葉巻、また朴葉味噌、朴葉寿司
等々、山間部の名物になって今も馴染み深い。
ここでも山道を歩いているとよくみかける。
殺菌効果など効能があり旅や山仕事の携行食に
いいと知っていた昔の人の智恵はどうやって
得られたのだろうか。



お伊勢参りには赤福餅、参らなくても赤福、
ということでお土産のお裾分けにいただいた。
(M君、ゴチになります、ありがとう!)
赤福は賞味期限が夏は翌日まで。無添加で折箱に
直接入れてあるから食べきらないと傷んでしまう。
抑も賑わう参道の茶店の餅は、売り切り食べきり
だからあたりまえではある。
保存したいときは一つずつラップに包んで冷凍
する。一方、朴葉で包んだ餡入り餅の朴葉巻は、
賞味期限が五日。
包んでいない赤福より少しだけ長持ちなのね。


今の人は(わたしもそうだが)智恵というより
知識、それを本(今はネットか?)でちゃちゃっと
得る。しかしそれは本当に得たわけではない。
昔の人が得たものは「身になる」ということで
それは実生活に結びついていた。
実生活は実利という意味だけでなく、生きる
という本質を含んでいて、興味深い。

古くはカシ・カシワは、炊または膳と書く。
祭祀の食べ物(供物)を置いたり、
保存食を包むのに使われたのが由来のようだ。
一方の柏の葉は、包むのには適さないが
土器に詰めて蒸し物に用いたという。
槲も柏も料理に重宝されてきた木である。

木がなかったら暮らしはどうなっていたか。

古伝では木は「よく万物を美(よく)し、
美く生きるをもって性と為す」という。
質は仁(めぐむ)、美くめぐむはたらきだ。
心性に木徳有り、これを養い、百行を善く
するとある。
生けるものすべてにめぐみ、美しく育てて
くれるのが、木というはたらき、という。

さて次も木の話。これは何か、な?




コメント
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