○統治機構を考える(その3):議員の独立性(党議拘束と選挙) 三年先の稽古
=====【引用ここから】=====
また、そもそもイギリスの政党の執行部は、ただ自分の気の向くままに所属議員を縛り付けているわけではない。イギリスでは、選挙のときにマニフェストで方針を提示して、それに賛同した人だけが選挙に出馬しているという建前がある。したがって、国民にそのマニフェストが選択されて政権をとればそれを粛々と実行して行くのが与党議員の役目ということになる。造反は有権者との契約違反であり、造反者を出さないことが与党の責務とも言えるのである。
=====【引用ここまで】=====
イギリスの政党における党議拘束の根拠は、マニフェストによる選挙に置かれている。マニフェストを提示して有権者の判断を仰ぎ、マニフェストを実行するのが政権与党の役割であり、マニフェストに対する造反を出さないために党議拘束をかける必要性が生じてくる、ということだ。
党所属議員は党執行部が出す党議拘束に縛り付けられるが、党執行部は選挙の際に提示したマニフェスト、有権者との契約に拘束される。党が有権者と締結した契約を履行する必要があるから、党所属議員に対し党議拘束をかけることが正当化されている。
さて。
日本の政治において、党執行部の考えと、党所属議員の考えと、党が掲げるマニフェスト、このいずれかが食い違った場合、有権者は何を基準に投票すれば良いのであろうか?納税者が政治家を拘束する術が、日本にはどうも無さそうだ。
「代表無ければ課税無し」として、国王の課税に待ったをかけるために議会は生まれた。政府の提示した増税に待ったをかけるか、増税を容認するかが議会民主制の本質であり、議会の存在意義である。議会民主制の中で「増税を容認するか、しないか」以上の争点は存在しない。まずここを有権者に問う必要があったはず。
ところが、「消費税増税論を4年間封印する」と掲げて大勝した民主党は、4年経たずに増税案を国会へ提出し、可決させた。最大野党の自民党は「消費税法案成立後に解散を」などと呆けたことを言う。増税が決まってから解散総選挙して、何の意味があるというのか。
政府の課税に対する納税者のコントロールが、全く効いていない状態。議会民主制の形骸化も甚だしい。納税者が承認しようが否認しようが、政府は関係なく増税してくる。こんなことをしているから、議会不要論が出てくるのだ。
私に出来ることは、増税に賛成した人に一票を入れず、増税に反対した人に一票を入れて、増税議員が一人でも減ることを願うことくらいしかない。
2012年消費税増税法案 衆議院賛成議員一覧 - 選挙 - livedoor Wiki(ウィキ)
2012年消費税増税法案 衆議院反対・棄権欠席議員一覧 - 選挙 - livedoor Wiki(ウィキ)
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また、そもそもイギリスの政党の執行部は、ただ自分の気の向くままに所属議員を縛り付けているわけではない。イギリスでは、選挙のときにマニフェストで方針を提示して、それに賛同した人だけが選挙に出馬しているという建前がある。したがって、国民にそのマニフェストが選択されて政権をとればそれを粛々と実行して行くのが与党議員の役目ということになる。造反は有権者との契約違反であり、造反者を出さないことが与党の責務とも言えるのである。
=====【引用ここまで】=====
イギリスの政党における党議拘束の根拠は、マニフェストによる選挙に置かれている。マニフェストを提示して有権者の判断を仰ぎ、マニフェストを実行するのが政権与党の役割であり、マニフェストに対する造反を出さないために党議拘束をかける必要性が生じてくる、ということだ。
党所属議員は党執行部が出す党議拘束に縛り付けられるが、党執行部は選挙の際に提示したマニフェスト、有権者との契約に拘束される。党が有権者と締結した契約を履行する必要があるから、党所属議員に対し党議拘束をかけることが正当化されている。
さて。
日本の政治において、党執行部の考えと、党所属議員の考えと、党が掲げるマニフェスト、このいずれかが食い違った場合、有権者は何を基準に投票すれば良いのであろうか?納税者が政治家を拘束する術が、日本にはどうも無さそうだ。
「代表無ければ課税無し」として、国王の課税に待ったをかけるために議会は生まれた。政府の提示した増税に待ったをかけるか、増税を容認するかが議会民主制の本質であり、議会の存在意義である。議会民主制の中で「増税を容認するか、しないか」以上の争点は存在しない。まずここを有権者に問う必要があったはず。
ところが、「消費税増税論を4年間封印する」と掲げて大勝した民主党は、4年経たずに増税案を国会へ提出し、可決させた。最大野党の自民党は「消費税法案成立後に解散を」などと呆けたことを言う。増税が決まってから解散総選挙して、何の意味があるというのか。
政府の課税に対する納税者のコントロールが、全く効いていない状態。議会民主制の形骸化も甚だしい。納税者が承認しようが否認しようが、政府は関係なく増税してくる。こんなことをしているから、議会不要論が出てくるのだ。
私に出来ることは、増税に賛成した人に一票を入れず、増税に反対した人に一票を入れて、増税議員が一人でも減ることを願うことくらいしかない。
2012年消費税増税法案 衆議院賛成議員一覧 - 選挙 - livedoor Wiki(ウィキ)
2012年消費税増税法案 衆議院反対・棄権欠席議員一覧 - 選挙 - livedoor Wiki(ウィキ)