若年寄の遺言

リバタリアンとしての主義主張が、税消費者という立場を直撃するブーメランなブログ。面従腹背な日々の書き物置き場。

マイナンバーで社会保障制度が便利になり・・・ません!!

2015年12月03日 | 政治
個人番号(いわゆる「マイナンバー」、俗称「奴隷番号」)は、個人番号利用事務実施者と個人番号関係事務実施者のみが取り扱うことができるとされている。そして、番号を持つ本人は、上記2つ以外の他人には教えてはならない、とされている。

一方、介護保険制度は代理人による手続がメインである。申請者本人は介護を必要としている人、すなわち、自力で外出できないとか、身の回りのものの管理ができないとか、認知症が進行しているとか、そういった状態であるため、申請手続は家族やケアマネージャー、地域包括支援センターといった本人以外の者が行うことが圧倒的に多い。

・原則として第三者に提供してはならない個人番号
・原則として第三者の申請により行われる介護保険

さて、二つをどう調整すべきなのか。
これについての現状が、↓こちら

○介護事業 堺市
=====【引用ここから】=====
厚生労働省からの通知 介護保険最新情報vol.496(PDF:346KB) マイナンバー(個人番号)を追加する申請事務の紹介
堺市の対応 vol.496の2ページの「第2 個人番号が追加される申請事務一覧」に記載されている申請書等について、個人番号を記入する欄を追加します。

なお、vol.496内の「第3 留意点 (5)介護保険事務に係る個人番号の利用に関する留意点などをまとめた事務連絡については、10 月中を目途に発出予定である。」となっていますが、11月11日時点でまだ発出されていません。発出され次第、本ページで情報提供します。

=====【引用ここまで】=====

○介護保険事業者へのお知らせ 豊中市
=====【引用ここから】=====
介護保険事業者へのお知らせ 更新日:2015年12月2日
1.介護保険最新情報No.496、497で示された様式は平成28年1月1日以降に適用されるものであり、ただちに利用者の個人番号情報を収集する必要はありません。
2.入所施設等における番号通知カードの取扱い、マイナンバーを知る立場となる居宅介護支援事業者等の対応については、追って厚生労働省からガイドラインが示される予定です。

=====【引用ここまで】=====

○川崎市:個人番号の介護保険業務窓口での取扱いについて 2015年12月1日
=====【引用ここから】=====
平成28年1月以降介護保険制度の各種届出、申請において、被保険者の方のマイナンバーを記載することとなります。
代理・代行申請時の取扱いを始め具体的な取扱いについては、厚生労働省から示される予定の通知を踏まえて改めてお知らせいたしますが、現時点での取扱いは以下のとおりです。

    ---(中略)---
3 個人番号記載欄が設けられた各種届出・申請を本人が行う際、個人番号が記載されている場合は、番号確認、本人確認を行うため、個人番号の分かる書類(通知カード)と本人確認書類(1種類又は2種類)が必要となります。
4 個人番号の記載がない場合でも、その他の記載内容に問題がなければ申請は受理します。
5 今後、厚生労働省から個人番号の取扱いについて通知があり次第、窓口やホームページで周知するとともに、介護保険事業者に対してはメールマガジンにて配信いたしますので確認をお願いします。

=====【引用ここまで】=====

平成28年1月1日から、介護保険に関する申請書には個人番号を記入する欄が追加される。ところが、開始まで残り1ヶ月を切った現時点(私がこの記事を書いている平成27年12月3日)で、まだ個人番号の取扱いについて厚生労働省は通知を出しておらず、見切り発車した自治体もあれば、あくまで厚労省待ちとしている自治体もある。

マイナンバーの不正利用と判断されると、今までの個人情報保護法よりも重い罰則が適用される。そのため、

介護事業者は「個人番号関係事務実施者」なのか?
介護事業者は、どういう形で個人番号を収集、管理し、通知カードのコピーを保管すればセーフとなるのか?どういう形で収集などを行うと処罰されるのか?
介護保険の申請書に必ず個人番号を書かないといけないのか?
利用者の介護認定期限が迫り1月初めの申請を考えている介護事業者は、今から利用者の個人番号を集めておかなければならないのか、集めて大丈夫なのか?

などなど、厚生労働省が早く示さないと現場の混乱は必至である。

政府は「マイナンバーで申請の際の添付書類が減ります。皆さんは便利になり、社会保障制度が円滑に運営できるようになります」なーんて言っていたが、実際のところは申請書に個人番号記載欄が増え、番号確認のために書類が増えて手続が煩雑化。見事に真逆である。

結局のところ、政府の本音は「社会保障なんてどうでもいい。所得を把握し、いずれは預金も把握し、あらゆる場面で税を搾ります。」ということ。

少しくらいヘソクリや内緒の収入ができる方が、世の中は健全なのだ。嘘・隠し事の無い世界ほど生きにくいものはない。

さぁ、マイナンバーを廃止し、ついでに介護保険も廃止しよう!
そうしないと、膨らみ続ける社会保障費で高齢者も現役世代も塗炭の苦しみを味わうことになる。現に、介護保険給付は膨らみ続け、介護保険料は上昇の一途を辿っている・・・。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする