若年寄の遺言

リバタリアンとしての主義主張が、税消費者という立場を直撃するブーメランなブログ。面従腹背な日々の書き物置き場。

ベーシックサービスの迷走 ~ 枝野氏の異世界転生 ~

2021年02月01日 | 政治

【迷走するベーシックサービス】

安倍長期政権が終わり、菅政権が誕生し、異次元緩和のケツ拭き出口政策や新型コロナ対策で右往左往している自民党。順調に支持率も下がっており、「流石に賞味期限切れでしょ」と多くの人が感じているんじゃないでしょうか。

そんな中、
「よし政権交代だ、最大野党の出番じゃないの?」
という記事がネット上で出ていたので、読んでみました。
自民党を引きずり下ろすはずの最大野党・立憲民主党が・・・

今はちょっと支持できないです…枝野さんに正直な疑問をぶつけてみた ネクストキャビネットは作らない理由(withnews) - Yahoo!ニュース
======【引用ここから】======
――実際に政権交代が起きたら何が変わるんですか?何をしてくださるんですか?

枝野:少なくとも今までの「自助」や「自己責任」を強調する社会から、医療や介護や保育に代表される生きていくために不可欠なサービス「ベーシックサービス」を誰もが安い費用、負担可能な範囲で受けられる社会へと変えていく。その転換への第一歩を踏み出す。大きな方向の転換です。

これはたぶん中曽根内閣のときからの転換なので、35年ぶり、40年ぶりぐらいの転換です。だけど一気に全てが変わるわけではありません。政権交代したからといってすぐに保育所がバーっとたくさんできるわけではない。

介護サービスがガーッと数が増えるわけでもないけれども、間違いなくどんどん小さくなっていっていた方向から、どんどん大きくしていく方向に方向転換の第一歩を踏み出す。これが私たちのやることです。

======【引用ここまで】======

言っている意味が全然わかりません。
介護サービスが間違いなくどんどん小さくなっていた方向からの転換」?????
枝野氏はどこの世界の話をしているのでしょう。
最近流行りの異世界転生モノでしょうか。

2000年に介護保険制度が誕生しました。高齢者数の伸び以上に利用者が増え、介護給付費が年々増え、20年で倍以上に膨れ上がり、施設の数も種類も規制も経過措置も増え、どんどん大きく複雑になっています。

時々、給付抑制のために制度変更を行ったものの、全体としての傾向は
「給付費増、利用者数増、施設数増、規制増、保険料増」
であったことは間違いありません。そんな中で
間違いなくどんどん小さくなっていっていた方向から、どんどん大きくしていく方向に方向転換の第一歩を踏み出す
とか、事実誤認も甚だしい。

いや待てよ・・・

・・・枝野氏率いる立憲民主党は、表向きは
ベーシックサービスを誰でも利用できるように
なんて言ってますが、本音は
「持続不可能な各種社会保障制度について、自民党政権による小手先の修繕でダラダラ延命路線から決別し、立民党政権では短期決戦・数年内破綻清算路線に大きく舵を切ります」
ということかもしれません。
もしそうだったら、私も立憲民主党を支持できる・・・

・・・と思ったのですが、枝野氏は純粋に、社会保障のサービスを誰でも受けられるようにしよう、そのために「ガーッとは増やせないけど徐々に増やしていこう」と思い描いているのでしょう。破綻しないよう徐々に増やしていくのは、一番の悪手だと思いますよ枝野さん?

社会保障をダラダラと膨らまし続けた自民党と、社会保障の膨張を加速させようとする立憲民主党。
前門の自民、後門の立民。
日本国民は真綿で首を締められる選択肢しか無いようです。