「実録私設銀座警察」
1973年 日本 95分
■監督:
佐藤純彌
■出演:
安藤昇
梅宮辰夫
渡瀬恒彦
室田日出男
葉山良二
内田朝雄
小林稔侍
●あらすじ
昭和21年。
戦禍で焼け野原となった東京の銀座とその隣の新橋には、
何がなんでも生きようと決めた多種多様な男女が集まっていた。
いずれも復員兵である、池谷、樋口、岩下らは、
米軍のMPやアジアから来た人々から日本人を守るために暴力も辞さないグループ“私設銀座警察”を結成。
彼らはやがて銀座に君臨していたヤクザ、中根兄弟との戦いに勝つが、
そんな“私設銀座警察”の中で内部抗争が起き、一同は破滅への道を突き進む。
(WOWOWより)
★感想など
安藤昇出演作品シリーズの流れで。
主役として一番最初にクレジットされるけど、どちらかと言うと葉山良二が一番目立ってた気がするなあ。
後半からは梅宮辰夫。
さて本作は「仁義なき戦い」が公開された後の実録路線の一本。
葉山良二、安藤昇、室田日出男、梅宮辰夫の四人が中心となって”私設銀座警察”を作る話。
渡瀬恒彦は彼らに良いように使われる鉄砲玉の役と珍しい配置。
舞台は戦後の昭和21年。戦後の街のセットが「仁義なき戦い」一作目の冒頭と似ている。
そこに復員兵として帰還した渡瀬恒彦が登場。本作の渡瀬恒彦は一見で渡瀬恒彦と分からない風貌をしている。
で渡瀬恒彦が戻って来たのは奥さんのところ。すると奥さんはパンパンになっていた。しかも黒人との赤ん坊も産んで。
これに激怒した渡瀬恒彦が赤ん坊を二階から階下の水たまりに投げ捨てる。
それを追いかけた奥さんを石で撲殺。これが本作の出だしである。
タイトルバックも、背景に流れている映像は戦争中の死体の本物のフィルムを延々流すヤバさ。
本物はマズイだろうよ。タイトルバックの最後は本物の頭蓋骨だしね。
映画の中身もほぼ暴力と梅宮辰夫のSEXだけで彩ったような内容で
とくにラストは全員で複数の芸者を強姦する乱痴気騒ぎで幕を閉じると言う、狂気に満ちた終わり方をする。
やくざ映画と言うより、70年代の狂った空気を強く感じられるカルト作。
これだから70年代は止められないね。