「ビデオドローム」
原題:VIDEODROME
1982年 カナダ 87分
■監督:
デヴィッド・クローネンバーグ
■出演:
ジェームズ・ウッズ
デボラ・ハリー
ソーニャ・スミッツ
レイ・カールソン
ピーター・ドゥヴォルスキー
●あらすじ
カナダのトロントにある地方TV局の社長が、奇妙なビデオテープを発見した。
暴力と官能に溢れた映像に、彼とその恋人は次第に虜となっていく。
やがてテープに秘められた恐るべき陥穽が明らかになる……。
(TSUTAYA DISCASより)
★感想など
本作はデヴィッド・クローネンバーグの初期作の中では割と有名な作品で、カルト的な人気がある。
大昔にテレビの深夜放送で観たけど、深夜に電気を消しながら観るのは雰囲気もバッチリで面白かった記憶がある。
今回改めて観直してみると、素晴らしい作品である事が改めて分かった。
と言っても誰にでも薦められるような大傑作とかそういった類いのものではなく、
クローネンバーグ監督の作品は、1980年代の頃は”内臓感覚溢れる作品”みたいな表現を良くされていたんだよね。
その良く分からない言葉の感覚を、正に味あう事が出来る映画と言うか。
この感覚を上手く伝える事ができないのだが、本作はビデオドロームというVHSのビデオを観ると
観ている人が、幻覚に悩まされて段々おかしくなっていくと言うのがあらすじだが
この映画を鑑賞しているこちらも、何が現実で何が幻覚だか分からなくなっていくような感覚に陥っていくのだ。
本来ならその表現に明確な説明があるであろうシーンにもそういった親切心は一切なく
映画の中の主役が感じているであろう幻覚をそのまま見せながら映画は終わっていく。
しかしこれが不思議な魅力というか魔力になっていて、鑑賞後の余韻もなんだか悪くないのだ。
と言ってもこんな感覚になる人は少ないと思うので、大多数に人にはオススメできないかも。
でも私は好き。