★『世論調査とは何だろうか (岩波新書)』という本も出ているようだが、
『世論』とは一体何なのだろう?』
このような解説もあったりした。
『世論調査の数字は不思議だ。同じような質問なのに、結果はしばしば各社各様。どれが本当の数字なのか? どの数字が信頼できるのか?
結果次第では内閣の命運も左右するといわれる世論調査。それは国民の意思や意見のありかを伝え、権力を監視する強力な手段でもある。』
などと言われたりしているが、
昨日読売新聞にこんな世論調査の結果が出ていた。
最近ずっと毎日マスコミが報道する『新型コロナウイルス』に対する
『政府の対応姿勢に対する評価』だが、
9月になって突如逆転して、8月の27%から倍増56%になったという。
『コロナ対策』は単に国の対応姿勢だけではなくて、
むしろ、『日本国民の対応姿勢』に追うところが多いのだとも思うが。
『日本の対応実績』は、世界でも群を抜いて大成功だと言っていい。
そのベースにもなっている『国の対応姿勢』は『評価されて当然』だと思う。
それが先月までは27%の評価ということは不思議で仕方がないのである。
でも、なぜ1ヶ月でこんなにも変わたのだろう?
私自身は『日本のコロナ対策』に対しては一貫して『大成功』と思っていたが
確かにそれが『=国の対応姿勢』かと言えばそうでもないかも知れぬが、
『国の対応姿勢』もその実数数値を諸外国と比較すると
間違いなく『成功の部類』に入れない方が不思議だなと思っていた。
★現在の日本のコロナ患者の『実数推移』は下図の通り
『約6000人で横ばい』なのである。
1日当たりの患者発生数も『500人レベル』で安定していて、
アメリカの『6万人の100分の1』なのである。
このところ急激な増加で話題になっているフランスは、
1日3万人のレベルだから、どちらも桁が違うのである。
こんな国別の『対応評価』なのだが、
不思議なことに日本はダントツの『最低』なのである。
この表で最高の評価のドイツの毎日の発生実数は、日本の10倍なのである。
★こんな数値を見る限り、
『日本が最低』などとは『あり得ない評価』だと思うのだが、
一体、どんな基準でこのような評価がなされているのだろうか?
どうも、日本のマスコミというか、
日本人の国民性も、
『自国に厳しく当たること』をモットーにしているのか?
『日本人の謙遜なのか?』
私は『56%でも評価が低すぎる』と思ったりするのだが、
まだ、ワクチンもない状態なのに
『ゼロ』にでもならぬと『高評価』にはならぬのだろうか?
● こんな意見もネットの中にはあったのでその抜粋である。
「なぜ日本はこんなに新型コロナウイルの感染者数や死者数が少ないのだろうか?」。
日本政府は英国などと比較し、大規模な検査や施策を打ち出していないにもかかわらず、感染対策は比較的うまくいっている印象がある。
海外のメディアは今回の日本のCOVID-19対策はやや皮肉が漂う「日本の奇跡」「日本の謎」と呼んでいるようだ。
日本の人口当たりの死者数は欧米諸国と比較して低く、早い段階からの「3密」を回避するよう呼びかけたことなど、もっと海外から評価されてもおかしくはない。
しかし、日本の講じた対策は「世界のモデル」として称賛されることはほとんどない。それどころか、日本のCOVID-19対策は、たまたまうまくいった「結果オーライ」とみなされていることも多いように感じる。
実際、日本国内における政府へのCOVID-19対策における評価は他先進国と比較し高いとは言えない。
日本、アメリカ、英国、スペインに限ってはほぼ半数がコロナ対策は良くなかったと答えており、比較的ネガティブな国民の評価が多い。
一方、日本だけがこの4カ国の中で、死亡数はけた違いに低い。
つまり日本は「結果が良好にもかかわらず、政府への国民の評価が過度に低い」ことを示している。
日本のCOVID-19対策の評価が海外のメディアから高くない問題の根底には、日本の医療政策決定のプロセスにおける「透明性」や「信頼性」の課題があり、「全校一斉休校」や「アベノマスク」の決断が、専門家の助言に基づかない首相の独断だったことが次々に報道されたことはまだ記憶に新しい。
★ 今回の対策そのものが『日本的』なのである。
それはそうかも知れぬが、
今回の調査では、なぜ一転して『評価をする人』が倍増したのだろう?
この辺りが、所謂『世論調査』がもうひとつ解らない点なのである。