★ ほんとに突然のことだが、
『カワサキの二輪事業の分離独立』のニュースが流れた。
その記事にはこのように書かれている。
『二輪車は、川重グループで数少ない一般消費者向けの製品。大排気量の高級車種などが強みで、明石工場(明石市)のほか、ブラジルやフィリピンなどで生産している。だがコロナ禍で新興国向けの需要が大幅に減り、生産を一時休止。回復は見通せず、2021年度にも子会社を設立して分離する。各国の需要に応じて意思決定を迅速にし、採算性を高める狙いがある。 』
★ 昭和35年(1960)に当時の川﨑航空機工業が二輪の一貫生産をスタートさせてから、60年になろうとしているが、
その後、川﨑重工業との合併もあり、『二輪事業本部』として国内はもとよりアメリカ・ヨーロッパ・開発途上国など世界展開を図ってきたのだが、
今回、この事業を『分離独立』させての展開になるようである。
『コロナ騒動』による影響が、このような決断をする『きっかけ』となったようだが、『これはなかなかいい決断』ではないかと思ったりもする。
川﨑重工業の『受注生産・主体』の事業展開の中で、『民需・大量・末端消費主体』の二輪事業は間違いなく異質な存在だった。
今回独立体となることで、やっと『競合他社と同じ経営形態』での事業展開が出来ることになるのである。
★昨今は川﨑重工業に限らず、多くの企業で抜本的な『企業組織の改革』が顕著である。
思いもよらない企業を取り巻く周辺情勢の変化が、そうさせるのだろうが、その対策を強いられる『当事者』はある意味大変だとは思うが、
それを『チャンス』とみて新しい対策を創造出来たところが『勝者』となるのだろう。
新しい事業経営の柱としては、今までとは違った『本社機能と資金繰り機能』が求められるのだが、『この二つの機能』は『事業経営の柱』と言えるものだと思う。
『売上高の規模』としては川﨑重工業の中でも航空機に次ぐ2位に位置していて、十分に独立企業としてやっていける規模になっているのではなかろうか?
★ 今年はコロナ禍もあって、それを契機にこんな決断に至ったのだろうが。
今年から川﨑重工業は新しく橋本康彦社長が就任されている。
社長就任早々の『大きな決断』だったのだと思うが、
橋本さんは二輪車と同じ明石工場にあるロボットのご出身だし、
二輪事業のことも『よくお解り』だと思うので、
この社長の決断が『いい方向』になるように、
是非、『現役諸氏は頑張って欲しいな』と思っているのである。
現実には、いろいろと新しくやることが多くて大変だと思うが、
果たして、どんな形になっていくのだろうか?
これからの数か月、具体的な推移を見守っていきたいと思っている。