CLASSIC ROCKを聴こう! PLUS

1960年から1980年代のロックを紹介していきます。またPLUSと言うことで、ロック以外の話題も!

誠実なイメージ POCO

2016年05月09日 | West Coast Rock

個人的にはイーグルスのようなアメリカを代表するロック・バンドであると思っている。

まあ、この意見には賛成しかねる人もかなりいると思う。

何しろイーグルスは、数多くのアルバムやシングルを出し、世界的にヒットを飛ばした。中でも、1976年に出した彼らのグレーテストヒット、1971-1975はあのマイケル・ジャクソンのスリラーに次ぐ累計3000万枚を突破した超ベストセラーアルバムで、ベスト・アルバムとしては、あのビートルズ1を超えた売上げ一位を獲得しているのである。

それに比べると、ポコの最も売れたアルバムは、1978年のスタジオ・アルバム、LEGENDで、全米14位となりゴールド・アルバムに認定。またシングル・カットされたCRAZY LOVEは17位が最高位だったので、比較にならない。

ではどうして、イーグルスと同等だと、個人的にポコに肩入れするのか?

ポコは、1969年バファロー・スプリングフィールドが解散した時、解散間際に参加したジム・メッシーナがリッチー・フュ-レイが意気投合し、言葉は悪いが、おまけのような感じでペダル・スティール奏者のラスティー・ヤングを連れ出し、そしてドラムはラスティーの以前のバンド・メートだったジョージ・グランサムを、ベースには後にイーグルスのメンバーとなる、ランディー・メイズナーをリクルートしポコを結成した。

バンドは大成功を収めることが出来なかったものの、カントリー・ロックのジャンルに新風を吹き込んだと言えよう。

しかし私が彼らに肩入れするのは、ここではない。

バンドのリーダ的存在だったジムが去り、さらにリッチーが去り、補充メンバーのベースのティモシー・シュミットとギターのポール・コットンの加えた4人組になってからメンバー自身が対等な関係となってグループは安定した。

ある人は、もう少しうまく立ち回れば商業的な成功を収めたかもしれないと言うが、彼らがやりたかった音楽、すなわち時代の世相を反映した歌詞にキャッチーなメロディーやリズムに乗せて表現したものとは無縁の楽曲を作りそして披露し続けたことである。

と言うわけで、多少地味に聴こえるかもしれないが、そこには何かしらオネスティー(誠実さ)を感じるのである。

そのような一貫した活動が、イーグルスのように大量のレコードが売れずとも、幾ばくかのファンによってバンドが長期にわたって支持され、1969年からラスティーが引退宣言を出した2013年の最終スタジオ・アルバム、ALL FIRED UPまで長きに渡ってポコが活動出来た理由だと思うし、個人的に肩入れする理由でもある。

ついこの間、高感度抜群のイメージを持ち、多数のテレビ番組やコマーシャルに出ていた女性タレントが、彼女に降りかかった問題の対応を誤り、一夜にして業界から消えてしまった。

無理をして作り上げられた見せかけのオネスティー(誠実さ)は、いつか何処かで何かの拍子にあっけなく破綻するものである。

誠実さというものは、やはり無理に作り出さるものではない、自然ににじみ出るものであるといまさらながら思う。

駅の券売機の前で、

ピッ、“切符を劣りください”。ジャラジャラジャラ。

あれ! つり銭が多いぞ。誰かつり銭を取り忘れたみたい。

正直に駅員に届けるのも面倒だし、大金でもないし、余分なつり銭いただいて置こうじゃないか。ラッキー!

オー! ノー! あなた! それじゃ言ってることとやってること違いますよ! 

あの~、正直に、心に問うたつもりなのですが...


Poco- Crazy Love