CLASSIC ROCKを聴こう! PLUS

1960年から1980年代のロックを紹介していきます。またPLUSと言うことで、ロック以外の話題も!

日曜の夜発作的に思ったこと、パープルのベストなるものとは?

2016年05月23日 | DEEP PURPLE-RAINBOW関連
博士:今日はベスト・アルバムについて考察してみようではないか。

レコードの値段が高くて、特定のアーティストのオリジナル・アルバムを揃えていくには難しかった時代、重宝したものじゃ。一枚のアルバムにヒット曲がてんこ盛りで、そのアーティストの楽曲をラジオではなくレコードでとりあえず聴いてみたい人には、まさしく、それ!  じゃった。

また、将来時間をかけてオリジナル・アルバムを揃えようと考えている人にも、入門編としてうってつけじゃったと思う。

助手:今は、アイ・チューンなど楽曲を管理するソフトがあるので、レンタル・ショップでCDを借りてきて、PCにリッピングしさえすれば、自身の好きな曲だけ集めて簡単にベスト・アルバムが編集出来るので、今時ベスト・アルバムが発売されたとしても、以前のように大量の需要は見込めませんね。

博士:その通りじゃ。だから売り手も、最新のリ・マスターやリ・ミックスを音源に施して、既出の音源と差別化をはかったり、未発表テークなどを入れたりと四苦八苦しておるのう~

そこでじゃ、今回は、ディープ・パープルのベスト盤を考察してみたい。

パープルはブートも含めて数多くのベスト盤が企画販売されたが、今回はその目ぼしいところのイシューについて触れてみたいと思うのじゃ。

最初にレコード時代、

1975年にでた、24 Carat Purple


不思議なのはCaratとくれば、宝石などの質量を表すもので、超でかサイズの宝石となる。Karatは金の純度を表し、24 Karatならば純金を意味する。

ジャケットには24 Caratと記載されているのに、ジャケットのデザインは純金のインゴットを模している。

一体どう言うことかのう?

収録曲は、2期の楽曲のみで、このアルバムの目玉は未発表曲のBlack Night (Live)じゃろう。それから、A面が28分、B面が25分とかなり内側までカットされているので、各面の最後の曲は音質的に厳しかったかもしれないのう。

また、収録時間の制限により、なんとベスト盤から個人的にはパープルのベストと思われるHighway Starがベストの選外となったのじゃ!

Side-A
Woman From Tokyo
Fireball
Strange Kind Of Woman
Never Before
Black Night (Live)
Side-B
Speed King
Smoke On The Water
Child In Time

お次は1977年にでた、Power House


最初と最後の曲が、スタジオ録音のアウト・テーク

他は、Black Night (Live, Made in Japan)と1969年にオーケストラと競演した実験的なライブ・アルバムConcerto for Group and Orchestraにおけるアウト・テークで、後にConcerto for Group and OrchestraのCDがリ・イシューされたときボーナス・トラックとして付いてきた。


ベストというよりはマニア向けアウト・テーク集じゃのう~

Side-A
Painted Horse
Hush
Wring The Neck
Side –B
Child In Time
Black Night (Live, Made in Japan)
Cry Free

そして1978年の、When We Rock, We Rock, And When We Roll, We Roll.


日本でのタイトルは、パープル・ロール! 何か、アメリカのすし屋で出てきそうなネタの名前みたいじゃ…

Woman From Tokyoにライブと記載されていたので、コアなファンは初出のライブ音源かと飛びついたところ、なんと記載の間違いで、実際は既出のスタジオ録音のものじゃった。

ガックリしたファンも多かったのではなかろうか?

但し、アルバム・ジャケットのデザインは日本の誇るイラストレーターの長岡秀星氏作。氏は同年ELOのOut Of Blueのスペーシーなジャケットもデザインしたんじゃよ。ジャケ買いオーケーじゃ!


Side-A
Space Truckin’
Kentucky Woman
Wring The Neck
Burn
Side-B
Woman From Tokyo
Hush
Smoke On The Water(Live)
HighWay Star (Live)

1980年の、2期と3期をまとめたベスト盤、Deepest Purple登場


Side-A
Black Night
Speed King
Fireball
Strange Kind Of Woman
Child In Time
Woman From Tokyo
Side-B
Highway Star
Space Truckin’
Burn
Stormbringers
Damon’s Eye
Smoke On The Water

また、2010年にはDeepest Purple発売の30周年記念CD盤として、下記の4曲が追加されDVDもおまけとして付けられた。


Hush
When A Blind Man Cries
Solder Of Fortune
You Keep On Moving

ここで忘れ去られた4期のYou Keep On Movingが加えられるのじゃ。

アー、良かったのう!

1998年の、バンド設立30周年を記念して30 : Very Best ofがCDで登場


5期再結成時のPerfect Strangerやギターのスティーブ・モーズ加入後のTed The MechanicとAny Flue Kno Thatなど計18曲が収録されているぞ。

Hush
Black Night
Speed King
Child In Time
Strange Kind of Woman
Fireball
Demon’s Eye
Smoke On the Water
Highway Star
When A Blind Man Cries
Never Before
Woman From Tokyo
Burn
Stormbringers
You Keep On Moving
Perfect Stranger
Ted The Mechanic
Any Flue Kno That

CD2枚組みも発売、一期の楽曲やその他も収録し計28曲

そして、ベストの真打登場。

2000年のThe Very Best Of


アメリカのリ・イシュー専門のライノ社がリマスターしたもので、これは前年同じライノ社から出された、パープルのCD4枚組みアンソロージー・ボックス、Shades 1968-1998を下記の一枚に濃縮したもの。2、3と5期の楽曲から編集されている。

しかし破れたボロボロの小包を模したジャケのデザインは感心せんのう~ 

Hush
Kentucky Woman (Single Ver.)
Wring That Neck
Black Night
Speed King (US Ver.)
Child In Time
Strange Kind of Woman
Fireball
Demon’s Eye
Highway Star
Smoke On the Water
Space Truckin’
Woman From Tokyo
Burn
Stormbringers
Knocking At Your Back Door

本日の結論

ベスト盤を調べてみると、ディープ・パープルとは、70年代の全盛期のギランやカバーディールのボーカルにリッチーの壮絶なギターが絡む、すなわち2期と3期の楽曲に代表されるバンドであり、5期の再結成時のPerfect Strangerが記憶に残る程度で、4期はほぼ無かったことになっているのじゃ。1期に関しては、まったくの別物じゃよ。

そして、その後のパープルは、オリジナルやライブを出すものの、ギランも昔のように高音でシャウトする事が出来ず、巡回懐メロ・バンドっていう感じかのう~

助手:おおー! これが、博士の“2期+3期=5期”という、1期も4期も無い法則ですね!

博士:その通り! 日曜の夜、歯を磨いていたときに発作的に浮かんだのがこの法則じゃ!

と言うわけで、発作的3部作無事に終了しました。

通りすがりの人:相変わらずつまらん!