博士:我がクラシック・ロック研究所も、世の中の潮流に乗り遅れないよう日々研鑽に励んでおる。自分の得意分野だけで苦手な分野も更なる探究を深めそれを克服していただきたい。
助手:ははぁ~
博士:ところで君の苦手な分野ってのは何かね?
助手:やはり、80年代以降のミュージック・シーンですかね? やっぱり、ヒップ・ホップ、ラップ、ユーロ系エレ・ポップにグランジあたりですかね。
博士:それでは、今日はグランジについて研究しようではないか。
助手:1980年代中頃、アメリカのワシントン州、シアトルを中心としたインディーズ・ロック、80年代のガレージ・バンドって感じですかね? Grunge、ちょっと小汚いって意味するようなラフなファションに身を包み、ギターやドラム中心のシンプルな編成でディストーション・サウンドを大音量で叩き付けるような印象...
博士:90年代になってから、パール・ジャム、サウンド・ガーデンやニルヴァーナなどが大ヒットを飛ばして一躍表舞台に飛び出した。ちょうど80年代の産業ロック、ヘビメタやエレクトロ・ポップなんかに飽きた人達が飛び付いたとも言えるかの...
百聞は一見にしかずってことで、本日はニルヴァーナでも。1991年の彼らの大ヒット・アルバム、Nevermindも捨て難いが、全体を俯瞰する意味での2002年に出たベスト・アルバムを聴いてみようではないか。
助手:なるほどこれがグランジ・ロックってやつですか? 印象としては、芸風は違いますが何となく退廃さを感じさせる60年代のドアーズって雰囲気が...
博士:その通り!ロック・ミュージックはずっと繋がっていて進化と言うよりは同じ所をぐるぐる回っている感じで、その時の情勢とタイミングが合えば表舞台に浮かび上がってくるってことかのう。日陰ばっかり歩いてきたワシもグランジ・ロックにあやかって一度は陽の当たる表舞台に飛び出したかったのう〜
助手:博士、あなたのその出立ち! 色褪せて年季の入ったユニクロのネル・シャツに穴の空いたジーンズではないが安物のジャージ。まさにグランジ!
博士:これは単に新しいのを買う金がないだけ!