スコットランド出身のソング・ライター・コンビ、ジェリー・ラファティーとジョー・イーガンが在籍した英バンド、スティーラーズ・ホイールのファースト・アルバムに収録され大ヒットしたStuck in The Middle with Youを初めて聴いた時、彼らがアメリカのバンドだと思った。
それはエルビスの初期の大ヒット曲の数々を描いた、ジェリー・リーバーとマイク・ストーラーのコンビによってアルバムがプロデュースされたのが一因ですかね。
ジェリーとマイクのファンだったプロコル・ハルムのゲイリー・ブレッカーはスティーラーズのアルバムがちょうどロンドンのアップル・スタジオで録音されていたのを聞き及び、プロコル・ハルムの9作目のアルバムのプロデュースをオファーしたそうな。
そして出来上がったアルバムが、1975年のProcol's 9th。1970年のアルバム、Homeから連続して5枚のプロコル・ハルムをプロデュースしてきた英国人クリス・トーマスからアメリカ人のコンビに変わってアルバムの印象が変わった。特にジェリーとマイク作の1曲とビートルズのEight Days A Weekを楽しげに取り上げイメチェンを図った。
そして英米チャートではそれぞれ41位と52位の中ヒット。
もちろんプロコル・ハルムの作詞作曲チーム、キース・リードとゲイリーの芸風はそれほど変わらずも、プロデューサーの変更でかなりそれ迄の何となく英国的重厚さが売りの雰囲気が消えて飾り気を排除したアメリカンな作品となり、全体的にちょっぴり地味目な感はあるがまったりとした週末を過ごすにはいいかも。