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洗練されたポップ・センスを持ったシカゴの6枚目のアルバムCHICAGO VIは、1973年に大ヒットした。
もともと、ブラスセクションを前面に出した、長尺の 組曲のスタイルでジャズ・ロックをメインに演奏してきたのだが、ライブにおいて中弛みする観客も見受けられ、CHICAGO V頃から曲が短めとなり、またロック色が強まった。そして次作のVIではさらにポップ寄りの耳当たりの良いサウンドへ変わっていった。
メンバーは、マンネリ化を防ぐためにもアルバムに初期の頃のジャズ・スタイルの長尺の曲も取り入れてもいいのではないかと考え始めた。せっかくVやVIの路線でヒットしてきたのに、わざわざ路線変更までして冒険するリスクを取るべきではないという意見もあったが、最終的に原点に戻るのも悪くはないと言う結論で、 1974年、2枚組でCHICAGO VIIが発売されただった。
1曲目から5曲目までジャズ・スタイルのインスト・ナンバーが続くき、残りが歌モノという極端な曲の配置ではあったが、ジャズはもとより、ロックあり、ファンキーあり、そして美しいバラードなどバラエティーに富んだ内容で、路線変更によるリスクなど全くなかったように、全米1位を獲得する大ヒットとなった。
当時は、ロック一辺倒だったので、ジャズ・サウンドと聞くと苦手意識があり、オン・タイムでの購入とはならなかった。
長い年月が過ぎ、人生の甘いも酸いも数多く経験 すると(私の場合は、ほとんどが酸いを経験)、あら不思議!
なんとも心地よく聴くことが出来るではないか!
このアルバムが、1974年に全米1位を獲得するなんて、アメリカのリスナーは何て懐が深かったのだろうと感心しきり。
それにしても、ピート・セテラは良いバラードを作るようになった。後にバンドを脱退しソロに転向するための大きな自信になったことだろう。
Chicago - Happy Man (ピート作)
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