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最近何か気が晴れない。
細かな問題があちらこちらに見え隠れ、そんなことに気を取られあれこれ悩んでも、すぐに事態が好転することはないのだが。
学校を卒業し、私が初めて就職した会社の当時の社長さんが、“この世のことはこの世で解決する。”と口癖のように言っていた。大昔の話なのに、この言葉だけは今でもしっかりと覚えている。
まさしくその通りで、物事に何か問題が起きたとしても、それは最終的には何らかの形で落ち着くべきところに落ち着く。いくら悩んだところで、起きてしまった事は仕方がない。最善を尽くしたのであれば後はどっしり構えて結果を待つ以外することは事はないと…
しかしながら、若い頃であれば、どん底の状態であっても“将来こうであったらなー”と理想の夢を見る。しかし、歳を重ねてOLD MANの領域に近づくと、なんとなく先が見渡せるようになり、物事が現実的でないと思えばあっという間に、それは目の前から消え去る。
ニール・ヤングのHARVESTというアルバムに、OLD MANという曲がある。
老人が俺の生き様を見ている。
そう、あんたがかってそうだったように、今の俺も同じようなものさ。
一人で楽園なんかに入っちまうと考えることは二つ
失った愛とその代償
失ってしまわないようなものを俺にくれないか?
トスに使うようなコインじゃなくて
そうすりゃ、あんたの家に転がり込みに行くぜ
というような意味ではないだろうか?
何となく人生に対して冷めた感じをもった若者が何か生きるためのヒントのようなものを探し求めている様を表しているような…
それなら、自身の残された時間に於ける推測可能な将来について思い悩むのではなく、OLD MANが若者にポジティブな未来を夢見させるような何かに一役買ってみればどうか? そう、かっての社長さんが若かった私に金言を授けてくれたように。そうすりゃ、両者の憂いは解決の一石二鳥。
しかし、物事はそう簡単ではない。今のご時世若者に対して自慢話や説教臭い話はご法度。昔はああだったとかこうだったなんて話をすると相手が引いちゃいますから。
OLD MANアソシエーション代表:それじゃわしらに、どうしろって言うのかね?
通りがかりの人:その~、言葉は交わさず、歌詞通り、OLD MAN LOOK AT MY LIFEという感じで、少し離れて相手を眺め、その目で語り伝えるっていうのは?
OLD MANアソシエーション代表:しかし、もしその相手がヤンキーで、目と目があったと因縁をつけられ、避けきれないストレートを顔面に食らったならどうする?
通りがかりの人:歯医者に行って、保険治療でお願いしますって事になるかと~
アア~、このモヤモヤとした憂鬱感はいつまで続くのやら…
Neil Young - Old Man
博士様のお悩みの事案がうまく解決することをお祈りいたします。
ニール・ヤングの『HARVEST』は、私も一時期保有しておりましたが、数回聴いた程度で手放してしまいました。ところが今回、Youtubeで久々に聴いてみたところ、これが意外と新鮮で、じわじわとした盛り上がりを味わえました。
歳をとると、こうした再発見もあるものですね。
悩み大き老人予備軍、いつになったら解放されるのか? 悟りの境地に達するにはまだまだ時と苦労が足りないのか…
なーんて思う今日この頃です。
昔興味が湧かなかったアーティストも、年をとれば彼らの作品が理解できるみたいですね。
若い頃は、ビーフ・ステーキ、ハンバーガーやフライド・チキンが好みだったのに、いつの間にか嗜好が変わり魚の煮付けを好むようになったり。
あっさり味のニールヤング、なかなかのモノです。