60年代末レコード・デビューし80年代までずっと走り続けてきたシカゴ。
当初の硬派ブラス・ロックからの作風の変化、それに伴うアルバム・セールスの低下、またテリー・キャスの悲劇の事故死や中心メンバーの脱退などいろいろあったけれどなんとか乗り越えてきた。
そして1988年に19枚目のオフィシャル・アルバム、Chicago 19が発売。3作続いたデビッド・フォースターからハード・ロックよりのプロデューサー、ロン・ネヴィソンを起用し気分を新たにし、またピート・セテラの代わりに加入したジェイソン・シェフも加入後2作目とあってもう客人扱いはなくなり、曲の提供やボーカルにも参戦とかなりバンドの馴染んできた。
(90年代はCD全盛期。この辺りが一般的に流通した最後辺りのLPですかね。)
収録曲10曲の中からLook Away やI Don’t Wanna Live Without Your Loveなど強力バラード5曲がシングル・カットされ、うち4曲がなんと全米シングル・トップ10入りと大ヒット!
ただアルバム自体は37位とイマイチで、私のようなデビュー当時からのシカゴ・ファンとしては、AOR路線に首を突っ込みすぎてなんだかどれも同じようなテンションでアルバムを通して聴くにはメリハリがなくちょっとマンネリ気味に感じられた。
シングル・カットされた曲がそれぞれ大ヒットしたように、個々の曲の出来は良かったんだけれど...
やっぱりリーダーのロバート・ラムやユニークなブラス・セクションのこのアルバムにおける存在感が初期の頃と比べるとかなり薄れてしまったのが影響しているね。
それでもヒット・シングル満載でAOR好きな人にはとても満足いくアルバムですかね。
デヴィット・フォスターと組んだ時代も良かったなぁと。
ただそれ以降は聴く機会が無くなりましたね。
「素直になれなくて」のようなインパクトのある曲があれば評価も変わったかもしれませんね。