すぎなの風(ノルウェー編)       ∼北欧の北極圏・トロムソから∼

北欧の中のノルウェー、
北極圏でも、
穏やかで住みやすいトロムソから
お届けいたします。

驚くべし、空気清浄機の効果!?

2008-08-23 | 素老日誌

7月6日(日)より 

 「朝7時。
  私が犬の散歩に出かけようとすると、母が起きてきた。
  20分ほど散歩をして帰ってきたら、
  先日買ったばかりの半袖のTシャツに母が着替えていた。
  私と母は、おしゃべりしながら朝食を食べ、
  久しぶりに美術館へ行くことになった」。

これだけ聞いたら、何気ない普通の生活の一コマだろう。
しかし、この一コマにどれほどの「驚き」があることか!

① 「空気清浄機」を覚えていた!

夕べ寝る前に空気清浄機を設置した。
あまりにも空気が汚れていたのだろう。
空気清浄機は、自動的に
最大限の威力を出して作動し始めた。
ブォ~~~~!!

娘:これは、空気を綺麗にしてくれているんよ。
  この部屋の臭いを取ってくれるの。
  だから、音がしとっても安心してな。
母:ふーん。ほっといていいんやな。
娘:そうよ。じゃ、おやすみ。

 翌日のことーーーー。

母:これ、空気を綺麗にしてくれるんやったか?
娘:そうよ、そうよ。
      (夕べ言ったことを覚えているんだ!すごい!)
母:これ、気持ちがええんよ。
  夜中もよう眠れて、朝起きたら、ええ気持ちなんやわ。
娘:そうなんや~。よかったな~!

② デイサービスの翌日に早起き?

昨日はデイサービスだったのだ。

デイーサービスの翌日の疲れは、母にとっては特別。
デイサービスで、よほどがんばっているのだろう。

朝ごはんの時間に起きるなんてことは、これまでなかった。
10時ごろ起きて、再び眠りの世界に入り、ほぼ一日を過すことになる。

デイサービスに通い出してから1年、
「デイサービスの翌日は一日寝るものだ」と
私はあきらめざるを得なかったのだ。

それが、私が起こさなくても起きてきたのだ!

③ 着替えに20分!

日頃着る服は、私に相談しないと着ることができない。
着ることができたとしても、昨日と同じもの。
また、新しいものは、「もったいない」と言って着ないのだ。

そして、その所要時間は、1時間から2時間。

ところが、私が散歩に行っている時間から考えて・・・
20分!
しかも「一人で!」

私は、自分の目を疑った。

④ 暑いから、Tシャツ? 

気温の感覚が鈍っているのか、
夏だと言うのに、長袖と毛糸のベストが離せなかったのだ。

娘:もう夏よ。みんなもう半袖よ。
母:私は、寒いわ。
   (そう言って、いつの間にかベストを身に着けている・・・)

それが、「もう夏やもんなあ」と澄ましてTシャツを着ているなんて!

しかもそのTシャツは、私が買っておいたもの。

見慣れぬ新品を気に入って選んでいたのだ!

⑤ 食事中にイキイキおしゃべり!

食事中は、「一人目をつむって味わう」のが、最近の習性。
テーブルに一緒にいる人を遮断するかのような様に
食事中母との会話は生まれようがなかった。

それがだ!

今日は、食事をしながら母が話している。
しかも、目をキラキラさせて!

⑥ 「今」と「これまで」を比較・・・?

母:今朝は、朝から気持ちよく目覚めたわ。
  これまでは、朝起きると、
  「何となっとるんやろ。私は生きとるんやなあ。
  何したらいいんやろ」って考えとるうちに、
  さっき考えていたことが何やったかわからんようになってきて、
  ワケがわからんようになってくるんやわ。

  それが、今朝は、なんかスッキリして、
  『晴子の手伝いせなあかんわ』と思って起きてきたんよ。

  今もこうやってあんたと話していると
  頭がつながっていくようやわ。

なんと? 私は思わずメモをとりたい衝動にかられた程、
はっきりとした面持ちで母の言葉が、なめらかに出てくる。
そういうことだったんだぁ。

自分で、これまでの自分と比較しているというのにも驚く。

●何年ぶりかの美術館へ

母の様子が、まるで「何年か前の母」のように思い、

私は言ってみた。

娘:お母さん、今日は美術館へ行こうか。
  今、佐伯祐三展をしているんよ。
  お母さんは前に『佐伯祐三の絵が好きや』って言って、
  名古屋まで見に来たことがあったよ」。
母:名古屋まで? 
  佐伯祐三? どんな人やったかいなぁ・・・?
娘:ま、見ればわかるよ。
  前は好きやったけど、今はどうかな? って。
  それだけでもいいんじゃない? 
  ちょうどただ券があるから」
母:そうお。ほな、行こか。

そして、本当に美術館で鑑賞することができたのだ!
いったい何年ぶりのことだろうか?

「外出」とて、直腸脱をしてから初めてであった。

「佐伯祐三」よりも「母」の動きに
私は、感動していた。

その後、
おそばを食べて、花の苗を買って帰ってきたのである。

この驚くべき母の変化に思い当たるのは、空気清浄機。
寝ている間、
空気は、脳にどのような影響を及ぼしているのか・・・?

しばらく様子を見てみよう。

 

コメント
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