すぎなの風(ノルウェー編)       ∼北欧の北極圏・トロムソから∼

北欧の中のノルウェー、
北極圏でも、
穏やかで住みやすいトロムソから
お届けいたします。

今年のブルーベリーは、山がベスト?

2024-09-11 | ノルウェーの自然

トロムソの気温は、
驚くことに、昨日の、夜でさえ、
まだ20℃でした。
つまり、
まだ記録更新中。

めったにない9月でしょう。

庭のリップスは、
いつもより熟すのも早く実も大きい。
Bringebær(ラズベリー)は、
摘みに行くのを忘れていたけど、
超豊作だったらしい。

どれも、3、4週間早いようだ。

近年現れたうちの裏の
ブルーベリーは、
実が一つもなし。

ブルーベリーは
どうなんだろう?

どうも今年は、
近場でない所に行きたい
衝動に
かられた。

bærtur
(バールトゥール:ブルーベリーなど摘むハイキング)
を楽しみたい!

なーんて、
余裕が出てきたのか、
ノルウエー人化(それも古き時代の)してきたのか?

車で走りながら、
勘に任せて入ってみる。

通常地を覆う
Klåkebær(クローケバール)が、
立ち上がって実をつけている。
暑さにKlåkebærが強いのか、
共生している他の実は、
どうも押され気味。


黒いのが、クローケバール。

ブルーベリーは、今年はよくないのだろうか?

むむむ
もう少しほしい。

Tyttebær(コケモモ)も早いはず、
と気づき、
私たちのTyttebærの秘密の場所まで、
1時間半、車で飛ばしてみた。





予想通り、
Tyttebær(コケモモ)が既に熟している。
しかも、大きい!




だけど、
ブルーベリーは、どこだ? 

以前はこの辺りに生えていたし
大きかったものだ。

歩くうちに、新天地で
ブルーベリー群を発見。





でも、むちゃくちゃ「豊作」とも
「大きい」とも言えない。


こんなに 取れたんだけど...

むむむ
もう少しほしい。

山のブルーベリーは、
どうだろう?




なんとブルーベリーの葉が
こんなに綺麗な赤になっている。
背丈は短いけど、
実がいっぱい!
しかも、
美味しい! 


赤く山肌を覆う草も、
いつもよりふっわふわ。

今年は、山がベストだったかなあ。
私たちの知ってる範囲では。

ちょっとここで、余談。

家でジャムにするのが、
ひと手間なんですけど、
年々手早くなってるんです、
私たち。

コツは、葉を混ぜずに、
実だけ丁寧に手で摘むこと。

ブルーベリーは、防腐力を持っているため、
水で洗わない
だから、これが断然早いです。

そして、
煮ないで、
砂糖を混ぜるだけ

だれでも、どこでも、いつでも
作れるのです。
もちろん旅行者も!

煮なくて粒つぶだらけのジャムは、
北欧に来ても売っていませんよ。

「うちのジャム、
   むちゃ価値ありまっせ。
 お味は世界一!」
の気分で、私は作ってます。


摘める場所は秘密の
欲ばりbærtur(バールトゥール)。

これが、摘み始めると
全く、無口無心になるんです。

欲張りだからこそ無心になれる
ハイキングと、ジャム作り。

北欧の秋に来たら、
ぜひお試し下さい。

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霜月 海岸の霜のなせる神秘

2023-11-04 | ノルウェーの自然
11月、霜月ですねえ。
こちらも 霜が育つ時季です。

でも、滑りやすく、ついつい家に籠りがち。
そこで先日、決めました。

「毎日、30分は外を歩く」。
(歩くのには注意、要注意、
   ぜったい滑るなー!)

今日は、風も雲もなく、
マイナス4度。
きりりと澄みきった日です。

私の大好きなピンクの空と
月に誘われて、
ザクザクと未知の林の中へ。

歩きながら、
ふと思い出しました。

そうだ、この時期、
雪が積もりだす前で、
太陽が、まだ姿を見せる時期。
この短い端境期
海岸を歩いたことがなかったなあ。

さもあらんと、この林の道は、
海岸に降りていきます。

海岸に着くと、
ちょうど太陽は沈み、
太陽と反対側を一面に染める
ピンク色は、
薄れてしまっていました。
ところが、
見慣れたと思こんでいた海岸は、
神秘な創作で
満ちているではありませんか。






ここの海岸には、
いろんな海藻が生えています。
食べるのは、試してないけど。








平たいの、肉厚昆布?






この海は凍らないけど、
凍ってる、それも、もっこりと。


鳥の食べ捨てか?



ちょうど引き潮だったんだ。




もごもごもご、
今から、泳ぎ出す?




トロムソパルメ。
背の高い夏の植物の枯れ姿。


静かな時間。
思いがけないものに 
出逢える。

こんな時間、大事にしたいなあ。
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秋の雪 夏の名残に 冬支度

2023-10-09 | ノルウェーの自然
今年は、夏に雨が降らなかった分、
9月は雨天続き。

山の頂にうっすら雪化粧がかかると
下界の雨が雪に変わるのも、
そろそろだなあ。

そう思うのですが、
今年は、それからも長く、
やっと今週末初雪になりました。


だからと言って、
すぐ冬になるわけではありません。

秋の雪です。
秋の雪は、すぐに解けます。
(「初雪」に動揺しなくなってる!)

「冬支度できてる?」
鳥に 庭の草花に 私たちに
秋の雪は、声をかけてくれるかのようです。

ここのところ、バタバタしていたので、
きりっとした空気の中を歩いていると
心も頭も リフレッシュされます。

そこで川柳一句!

秋の雪 夏の名残に 冬支度


今年見つけたブルベリー摘みの
近場の穴場。
葉が落ちて、明るくなってる。


また来年ね^。


カモも そろそろ旅立ちかぁ。


冷たい滴で、リップスは
最後に ぎゅっと甘くなるようです。


The last rose of summer
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モルテ摘み!トラウマから解き放たれて

2023-08-15 | ノルウェーの自然
皆さん、ご無沙汰いたしました。
EDELの一人当番、無事終えました。

これが、できるようになったんだなあ。
なるもんなんだなあ、と乾杯しました。

さてさて、こちらでは、
ベリー摘みが始まりました。

一番早いのは、molte(モルテ)

でも、私はまだ沢山の
molte
摘んだことがなかったんです。
やっと
molte tur(モルテトゥール:モルテ摘み)に 
行ってきました。

● molte とは?

molteは、北欧北部地方にたくさん生えます。



形も色も葉の形も、
他のベリーとは違うでしょう。

ビタミンCがたっぷりで、
ビタミン不足になりがちな
寒冷地域の大切な恵み。
冷凍保存して、生で食べます。

molte の謎

molteの花は、
雌花、雄花が、
別々に生えます。
雌花、雄花しか生えない所もあるのです。

不思議なことに、
突然ある年に、一斉に、
雌花が雄花に一転したり、
雄花が雌花に一転することがあるそうです。
一面が雄花だけ。
実は、まったくつかない。
そんな現象が起こるわけです。
その逆もあるでしょう。
 
どうやって?
どうして?
 
それは未解明のままだそうです。

少年のトラウマ物語

私が
molte摘みに行けなかった理由の一つ、
相方さんのトラウマのお話です。

毎年、両親は、moltetur に
幼い子供たちを連れて行った。
molteは、湿地を好むため、
道からは遠く、
見つかるまで1、2時間は歩くもの。

摘んでは、また別の場所を探して歩く。
これが2日も3日も続く。
それは、湿原が広いからだ。

しかも、湿地は、
ぐじゅぐじゅと柔らかい。
歩きにくく、疲れやすい。

また、モルテの実は、
ふわふわと柔らかい。

摘んでバケツに入れるが、
重みで沈む。
摘んでも摘んでも、
増えた感が乏しい。

ある年、疲れ果てた少年はつまずき、
バケツの
molteは、
周りに飛び散った。

彼は、叫んだ。
それは、妹たちの代弁でもあった。

molteturなんて、大っ嫌いだ!
 2度と行くものか!」

トラウマを解き放った!

あの少年が結婚し、
molte 摘みに行きたい」と、
毎年、妻に言われる。

molte自体は、
実は、彼の大好物。

近場でも見かけるが、
いつもタイミングが合わない。

molteをたくさん摘んでいる友人に
場所を聞いても、内緒だって

しかし、
「今年は、豊作。
 そこらじゅうで摘める」
という朗報。

ついに
彼は、
トラウマを解き放つべく
Molteturに出た。



ブルーベリーはあっても、molteはない。
それにしても...
ブルーベリーの葉がもう赤いとは...



おー、間違いなく湿地地帯!
しかし、
すでに摘まれている・・・。

別方向にしばらく行くと、
「ほっ、ほーー!」



わおお、こんなに沢山。
初めて見た!



赤く固い状態は、
まだ摘んではいけません。
がくを摘んでしまうと、
数年、実がつかないのです。
実が熟すと、ポロッと採れます。
そこまで待たねばなりません。
これ、鉄則!



ブルーベリーも 今年はもう熟している!
ここで、休憩!



楽しいうちに帰る。
これが、今回のポイント!



ブルベリーなどは、隠れてる?という実の付き方。
でも、モルテは
「ここだよー!って」輝いてる。




800gもありました!
(3時間くらいのmolteturでした)
でも、実は、これ熟しすぎ。
今年が、暖かすぎたからでしょう。



クリームに 少しお砂糖をかけるだけ
これが、相方さんの好物。

「来年は、もっと早く行こう!」
ですって。
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夜の庭に 天然ステンドグラス

2023-07-31 | ノルウェーの自然
今日日曜日で、夏休みも終わります。

トロムソを出ない夏は、
ここに引っ越してから、
初めてかも。

今年の夏休みには、
家の修理・不要物の処理に集中。
一方、人と会ったり、
BBQ(何回したことか)、
サイクリングなど、
トロムソの夏も楽しめました。
幸いにも、今年の7月は
ずっとお天気が良く
暖かかったんです。
こんな夏は稀ですよ。

それで、毎日毎日、
昼食、ティータイム、晩御飯を
庭で頂きました。

その度に、木立、木の葉、草、花、
庭のすべてが、
私たちを癒してくれます。

特に、根を張ってきた花々は、
成長する子どもを見守るよう。

「あの光は、なんだろう?」

その正体は、
オレンジ色の花弁が
太陽の光を透かしつつ、
普段より輝き、
暖い光を貯めた花を放つ
ホムレブロムステル(ミツバチの花)。
まるでステンドグラスのよう。

homleblomster(ミツバチの花)

他の花も見てみると、
どれも色鮮やかに、
しかし、眩しい陽ざしを
柔らかに変換しています。

ふと気づきました。

「これは、夜の時間帯だからだ」。

ここでは太陽が、夜も煌々と輝く。
とは言え、高度は低い。
だから、花に当たった光が
そのまま地面に落ちるのではなく、
私たちに見える角度で届くんだ。

つまり、
白夜地帯でなくても、
落ち日前なら、どこでも見れる。

ただ、ここでは、
その時間が長いので、
ゆっくりと眺めておれる、
ということです。

今年こそは、花の名前を覚えよう!
と誓ったことも忘れ、
また、ただただ眺めて
時を過ごしちゃいました。

先週から太陽が地平線の下に
沈むようになり、
いくつかは、
真夜中の太陽と共に終わります。

次季の花が咲いてきていますが、
ステンドガラスのような光は、
もう、うちの庭では見られません。

いよいよ8月ですね。
私は、この2週間、一人店番です。
ヘロヘロになります、間違いなく。

なので、2週間お休みします。

皆さんも、
いろいろありましょうが、
機嫌よくお過ごしくださいませ。

7月の夜時間から、
お届けいたします。


いちご









オダマキ


シダ


エゾルリソウ

レッドビーツ





ヒマラヤンポピー


レッドカラントの実


小さなハート
お届けしましょうか?


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「解放感」の原点って、これやった?

2023-06-13 | ノルウェーの自然
こちらに帰ってきてから、
ずっと雨。
まるで梅雨のようでした。

しかも、6月前後は雪続き。
真っ白に積もるのには、
おい、おい、おい・・・。

6月1日

この週末はやっと晴れて、
しかも気温が16度!
ひゃっほお~~!
ジャケットにマフラーから、
いきなり半袖。

皆、たまっていた家の掃除、
(我が家は冬中の埃が積もってた!)
庭、畑仕事を始めたのでしょう。
家の窓も開け放たれ、
近所から人の声、物音が
賑やかに聞こえてきます。

私たちには、
ベランダ、庭での食事も今年初。

「解放感」の原点って
これやった?

なんて思うほどの変化です。

でも、自然界では、
スピードを落としたり、
休みながらも
淡々と移ろいでいますよね。
どんなに寒くても、異常でも。

新芽を吹き、
葉のしわを広げ、
つぼみをかたく膨らます。

そうそう、
なかなか大きくならない、
小さな小さな桜の木も
ちゃんと花をつけていました。



喜び飛び出す私たちを
いつも受け入れてくれるのです。

それに甘えまして、
畑の合間に弾いてみました。



小鳥も一緒に歌ってくれてる~。
(実は、うるさいぞクレーム?)。

風の仕業には、驚きました。
私の弾くハープを
風が一緒に奏でて、
ハモってくれるのです。

ありがたいなあ。

どういうことでしょう。

何かにつけて、
じわーと身に染みる6月です。


雨風に折れた時は、緑の固い蕾だったのに。
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「雪の春」に心弾むわけ

2023-04-01 | ノルウェーの自然
「もう桜が満開」
と、娘や友人が写真を送ってくれました。

こちらは、
2月の異常を取り戻すような豪雪で、
除雪で大きな雪山ができています。




「まだ冬だね」
と思われるかもしれませんが、
人々の笑顔は弾んでいます。

「ついに、来たね!」

この3月は、
人に会うと言ったものです。

「ついに来たね!」

何が、来たのか?

一つは、雪。

雪は、スキーにも、歩く人にも、
大歓迎なのです。
(雪かきが大変ですが)

教室の子が、笑顔で

「はる。
 これは、ノルウエーのはる」

と言ったのには、参りました。

もう一つは、「晴天・輝き」。

毎日10分ずつ日の出が早まり、
日の入りが遅くなります。
実感できるほどの速さです。

太陽は雪に照り、実に眩しい!

気温がマイナスであっても、です。
(今日は0度)

これだけでも、心は弾んできます。


小さい子連れに人気のシャーロットルンド

サマータイムの意外な効用が、ここに。

さらに、もう一つ拍車かけるのが、
「サマータイム(今年は3月26日から)」。

サマータイムの意味がまだわかりませんが、
今年は、ここでの大きな効果に気づきました。

時間が1時間早くなるので、
時計の針を1時間早めます。
つまり、
昨日まで「夕方6時」だった時が、
「7時」になります。

想像してみてください。

夕方7時に、まだ、
昨日の6時の明るさ。
1日で、一気に1時間飛ぶのです。

「明るくなっている!」と感じている上に、
「急に 日が長くなった!」
と錯覚しちゃうでしょう。

これは、気分が高揚しますよ。

そこに、
 ポースケ(イースター)!

このタイミングにやってくるのが、
“Påske(ポースケ・“イースター”のこと)。

「イエスの復活」「春」を祝うものですが、
ここでは、自ずと
「輝く季節の到来」を祝い
楽しみたい気持ちの方が、
大きくなるのも当然でしょう。

しかし、毎年、この季節は
雪崩も多いのです。
今年は、また特別。

昨日は、トロムソでは
「山に出かけないように」
と警報が出ました。

山で、
ツーリストが亡くなっています。
たくさんの動物も犠牲になりました。

自然をなめてはいけない。

そう思い知らされる時期でもあるのです。

この季節、
皆が別れ際に送り合う言葉にも 
想いが深まります。

「God Påske!( ゴーポースケ!)」
(よいポスケをすごしてね)

皆さんも よき春をお楽しみ下さい。


図書館から

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それでも、やっぱり太陽が見たいわよ!

2023-02-01 | ノルウェーの自然
昨日、EDELに出勤すると、
同僚に聞かれました。

「太陽、見た?」
「まだよ・・・ (がっかりな私)」
「私、昨日見たわよ!(得意げ!)」
「えっ、どこから!?(
真剣に驚く)」

太陽が地平線の上に出ても、
地形によっては、山が遮る。
雲がかかれば、当然見えないが、
その天気すら、地形によって異なる。

この違いは、山、フィヨルド、そして島の多い
ノルウエーならばでしょう。

しかも、まだ一日の限られた時間しか
太陽は出ていない。
その時間に、見える所まで行けなければ、
見れないわけです。

太陽が帰ってきたからって、
すぐに見れるとは限らない。

今年は、かなりじらされています。

天気予報の太陽の形が
「半円」から「全円」に変わってから、
もう10日経っていますからねえ。

左上端のLongyearでは、半月マーク。
つまり、まだ太陽が出ていないということ。
(これは、明日2月2日の予報です)

今日は家で仕事。
すると、11時ごろから晴れてきた!
おお、今日こそは!
と、ミーテイング前の相方さんと車で出かける。
(ミーテイングまで30分しかない)

しかし、また曇ってきた。
ううう、見れるか。

結局、見れず。
が、相方さんは、ケロリと言います。

「明日は晴れそうだよ。
 明日だね」。

また、横で女性の声が聞こえる。

「なんて、ドラマティックな色なの!」




太陽の留守中、一日中静かな光で照らしてくれた。
それも、常に太陽の場所を指し示しながら。
なんと忠誠心高い存在よ。


太陽の反対側の山。
私たちに太陽が見えなくても
照らされる面積が、日に日に広がる。

うん、確かにドラマティックだよ。
太陽が、そこにいることもわかる。
そうね、明日、見れるかもしれない。

でも、でも。

私は、ただ一目見たかったのよ。

あの眩しい太陽が
こんなに愛しいとは。

ここで得た尊い感情だわ。

私のような人を救うかのように 
ただ今、Nordlys Festival(音楽祭)まっただ中。

次回は、Nordlys Festival(音楽祭)から
お話しますね。

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太陽が見えなくても、360度彩り豊かな時季

2022-12-06 | ノルウェーの自然
日本の友人、家族から
急に寒くなったと聞いています。

皆さんの所では、いかがですか?

さぞかしトロムソは、寒いだろう、
とお思いでしょう。

通常11月は、
雪が降っては、解けて凍る。
また雪が降っては、解けて凍る。

路上はつるつるで、歩くのにも要注意。
それはそれは、恐ろしい(#^^#)
だから、11月は、私はお勧めしない時期。

ところが、今年の11月は、
一度も雪が降らず、
雨が凍ることすら、
ありませんでした。

異常だぁ。

だけど、この11月、
実はとっても美しい時季なんです。

11月21日頃から、
トロムソでは、太陽が見えなくなります。

だからと言って、
急に真っ暗になるわけではありません。

彩りを変え続ける空。
それも360度
そのゆっくりと移りゆく時の流れ。

それを味わうのも
この北極圏の醍醐味の一つです。

今日は、11月末から12月初め、
雪も 太陽もない光景をお届けしますね。

※同じ日ではありませんが
 時間と方向も 見てください。


11月29日 9:00(西北)
淡い光にも
雪の白さは浮かび上がる。


11月25日 9:38(南東)
太陽が昇ってきた。
と感じる明るさが、優しい。


11月28日 9:32(東)
神々しく輝く空。
太陽の光の偉大さを感じる。


11月28日 9:48(西北)
空を映した海の色は、淡い水色
緑を残した枯れた草の色
このコントラストを見るのは、初めて。


11月28日 9:40(西北)
山も家の光も 
全てが、ほんのりと染まったまま。


11月28日 9:54(東南)
なんと鮮やかな、青だろう。


11月29日 12:38(北)


11月24日 13:48(南西)
飛行機からは、太陽が見えてるんだろうなあ。


11月16日 14:00 (北)
これは、極夜の寸前ですが、
こんな色になります。


12月3日 14:01(南西)
一日中明かりが灯るようになるStorgata(ストルガータ)


12月3日 15:35(東)
朝から晩まで浮かぶ月が、
明るく輝き始める。
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色の移り変わる様こそ、美しい。

2022-09-27 | ノルウェーの自然
秋、葉の色の変化とは、
なんと美しいんだろう。

心からそう思っている自分に 
「私、少々学んだんだわ」
と思う今秋です。


初めて秋に、ここを訪れた時、
山の色を見て、こう思ったものです。

「紅葉とは言え、美しいとは言い難いな。
やっぱり、日本の紅葉が美しい」。


日本人は、鮮やかに紅葉したもみじを見に行き、
混ざり毛ない黄色に惹かれて、
銀杏並木を眺め歩きます。

誰もが認めるあの色を 
私はここに求めたのでしょう。

「十分綺麗だよ」と苦笑いする相方さん。

「なんか失礼なことを言っているな、私」
と思いつつ、その理由がはっきりしないままでした。

それが、ようやく今年、思い当たりました。

ここの山肌を覆うのは、
多くは
Bjørk(ダケカンバ)という木。

黄色になりますが、
茶色い斑点が出てきて、
決して澄んだ黄色にはなりません。

ある日、Bjørkの葉が一枚、たった一枚が黄色になる。
その日のうちに 数枚が色を変えていく。
朝になると、昨日より多くの葉が
一晩でころりと色を変えている。
緑と黄色のコントラストは一瞬。

低い位地に長くとどまる太陽は、
照らしたり、透かしたりと、
この色の変化をさらに演出してくれる。
折を見て
水面に写して倍量にするという技も使う。

その変わり様こそ、美しい。

紅葉狩りで、
この変わり様、この美しさを
想像したことがあっただろうか?

他の色の変わり様を見ていただろうか?

いかにも美しい、一瞬の色だけを見て、
美しいと感嘆していたのだなあ、私は。

一瞬であっても 変化の中でとらえる。 
どんな環境にあるのか、と推測する。


そんな視点も持たず、ただ比較していた。

それが、「失礼」と直感した理由だったのではないか。

まったく「人と人生」にも言えることだった。

毎年陽が惜しまれる、同じ季節、
それでも数年見続けて気づくことって、
あるものですねえ。

この変化を見届けたいと思う、9月の終わりです。



Prestvannet(プレスト湖)トロムソ島のてっぺんにある。
ここもBjørkに囲まれている。
20分後には、もう映ってはいませんでした。
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