すぎなの風(ノルウェー編)       ∼北欧の北極圏・トロムソから∼

北欧の中のノルウェー、
北極圏でも、
穏やかで住みやすいトロムソから
お届けいたします。

今が旬の「タラの舌」は、漁業継承にも

2021-02-23 | ノルウェーの文化

もう一つ、1月2月の旬な食材、「タラの舌」

Mølje(1月21日投稿)と別にもう一つ、
今の季節の大事な旬の食べ物を紹介します。

Torsketunge(トシュクトンゲ)・タラの舌。

これもMøljeと同じく、
この季節にだけ北海に近いバレンツ海深海からくる
「Skrei(スクレイ)」という種類のタラの舌。

輸出もされています。

「から揚げ」が、バッチリ!

相方さんは「Torsketungeが嫌い」とあって、
私は、いい調理法を探していました。

昨年、EDELで出逢った
ニューヨーク在住の日本人料理人Hさん。
「タラの舌、めっちゃ美味しかったよ!」
とトロムソの友達の家で試した料理法を
教えて下さいました。

ニンニク、ショウガのすりおろしと
塩・醤油のたれに漬け込んで、
から揚げにする。

おお、これなら、
相方さんにもいけるに違いない!

材料は明かさず出す。

「美味しい、美味しい」と相方さん。

味付けがばっちりで、
鶏肉でもない、魚でもない噛み応えが
から揚げで引き立つ。

よっしゃー!

後日、材料は内緒のまま客人にも出して、
皆さんにも好評!

すると、
「美味しいだろー。タラの舌だよ」
と相方さん。

あれ、ばれてたんや。

今年は、また別の知人から、
新たなコツを教わり、
バリエーションが増えました。

これも、「から揚げ」にしちゃいました。

子ども職人が、舌を切る

Torsketungeと聞くと、
私には、この顔が思い出されます。

 
北ノルウェーの漁村では、
Torsktongeを切る仕事に
子どもが活躍するのです。

彼女は、6歳くらいから始めた9歳。

てきぱき、頭つきで舌を金串に刺しては切っていく。

この様子をテレビで初めて見た時には、
度肝を抜かれました。

鋭いナイフで、技術もいるはず。
さらに冷たく寒いだろうに。

しかし、全く大人顔負けのプロ。
インタビューにも堂々と答えます。

現在の漁師の多くは、子どもの頃に
この仕事を経験しているそうです。

子どもが、大人に混ざり学ぶ。
ノルウェーの文化継承であり、
漁師の後継者育成にもつながっている。

子どもの意思で来て、
子どもの安全は保障される。

雇われるのではなく、
子どもが売る。

このシステムだと
児童法に違反していないとのこと。

経験を積んだ仕事の早い子は、
1シーズンで40万円!も得るというのです。

今週は、ノルウェーの学校は冬休み。

きっとあの子たちは、
せっせと舌を切っているでしょう。

北ノルウェーにとって、タラは、
今も昔も 大事な魚なのです。

うっ・・・食べたくなってきた。

明日は、Torsktongeにしよーっ!
(今日は、間に合わない)


写真は、1920年 Wikipediaより
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ノルウェーでワクチン後に死亡」の実態

2021-02-17 | ノルウェーから

今日から日本でも始まりましたねえ。

今日は、このワクチンのお話をします。

ノルウェーでは、昨年12月27日から、
日本と同じファイザーのワクチンが採用されています。
このワクチンは、2回の接種で効果が表れます。

昨日2月16日で 
一回目のワクチンを接種した人数:304,780
二回目のワクチンも終了した人数:71,418

ワクチンを受けた人の死亡率は、通常より低い

「ワクチン後、13人死亡」

この報道があったのが1月7日。

義母はワクチンを怖がり、
受けたくないと訴え始めました。

病院に勤める義妹さんと相方さんが
義母に説明をしました。
(義母は、発語できないが、理解力はある。)

「お母さん、今回亡くなった人は、
sykehjem(回復不能、死を待つ高齢者が住む施設)の人たち。
sykehjemには約40000人の患者がいて、
通常でも1週間に約400人が亡くなるの。

今回の死因がワクチンとは、判明していないし、
23人もその一部だったかもしれない。

Sykehjemの数字は、
普通の人には全く当てはまらないのよ。

だから、お母さんは、大丈夫」。

「sykehjemでワクチンを受けた
11000人の中の13人。

この2週間でsykehjemでは、
まだワクチンを受けていない約29000人
そのうちの約700人が亡くなっているんだよ。

つまり、ワクチンを受けた人の方が死亡率がうんと低い。

ワクチンが、他の風邪などにも効いたのではないか
とも考えられる。

だから、こわがらなくていいんだよ」。

コロナで血栓が作られやすくなる。

「もう一つ、大事な話。

『コロナで血栓が作られやすくなる』

という報告があるんだ。

つまり、お母さんのように
血栓ができやすく、薬で防いでいる人が、
コロナにかかったら、どうなる? 

ワクチンでアレルギーなど出る可能性はあっても、
ワクチンで死ぬ可能性は非常に低い。

でも、
お母さんがコロナにかかったら、
死ぬ可能性が、間違いなく高いんだよ。

だから、お願い。
ワクチンを受けて」。

こうして2月12日、
義父母は二回目のワクチンを終えました。

二人とも全く問題ありません。

ワクチンを受ける優先順位

ノルウェーでのワクチンを受ける優先順位は

1.Sykehjemで暮らす人
2.医療従事者(コロナ関係)、
  老人施設で暮らす人、
  家で暮らす85歳以上

3.75歳~84歳
4.65~74歳、
  病気のある大人
・・・と、続きます。
ちなみに私は、8番目のグループ。

コロナにおいてワクチンを受けるのは、
死亡を防ぎ、感染を止めるため。
世界のコロナを治めるため。

人一人が、かからないためだけではない。

どうぞ、日本でのノルウェーの記事が、
皆さんの不安になりませんように。

読んでくださって、ありがとうございました。

次回は、「コロナ」から離れます(^_-)-☆ 


2月16日 16:42 刻々と日が延び、夕刻の青さがますます染み入る
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コロナ対策・「指示と自主性のバランス」

2021-02-09 | ノルウェーから

「外国からの入国禁止」

現在の対策とは、
「外国からの入国禁止」。

仕事を予定していた人、

学生も、入れません。

陰性証明書があれば
ノルウェーに入れたのですが、
これをクリアした人から
感染が増えることが続いたのです。

なぜ?

陰性証明書が真正でないことが多いから。
各国の事情の違いです。

今は、英国、アフリカからの新種が加わり、
感染が子どもにも広がっています。
店も学校も閉まり、
ロックダウンに近い町もあります。

感染がコントロールできるよう 
感染の拡大を防ぐ。

これが、今回の対策の第一の目的です。

北ノルウェー、ふんばってます。

「指示」が、自主性を妨げるわけではない。

この度、「2週間」が、延長され
「あと2週間」となりました。
この「期間限定」「数字」は、大事なポイント。

例えば、今トロムソでは、この期間
「訪問客5人まで」との指示。

当初は、「訪問者の数まで指示するのか」。
私は、そう思ったものです。

実は、「5人」は、
状況から感染の影響を推測、計算して出てきた数字。

ノルウェーには、いろんな国の人がいます。
国によっては、客人を何十人も呼ぶのが普通。

もし、
「自主性に任せますから、
 来客は控えてください。」

と言われたら、

彼らは忠実に控えて
「20人」にするかもしれません。

「人と会ってはいけない」
と思う人もいるでしょう。

具体的な「数字」「期間」を提示されることで、

・「誰にも会えない」など
  追い詰められ感が少しは軽くなる。
・「一体いつまで続くのか・・・」
  という倦怠感がまだ少なくてすむ。
・「この期間、皆で頑張ったら、よくなる」。
  そんな希望にもつながる。

つまり、対策に従うにしても、
自主的になれるのではないかと思うのです。

もちろん、
納得いく「指示」の説明はいりますが。

自主性を妨げない指示が要る。

一年たって、私はそう実感しています。

「世界は、ひとつ」

現実には、
世界中で体制が整わない限り、
終わりがない。

つまり、

「世界は、ひとつ」

コロナ期に最も痛感したこと。

今は、ワクチンが必要。

私もワクチンの申請をしたよ!
と娘に伝えた数日後、娘からのメール。

「ノルウェーで
 ワクチンによる死者が出てるって、
 ニュースで聞いたけど、大丈夫?」

そんなニュースになってるんや・・・。

次回は、
このお話をしたいと思います。


やっと雪が本格的に降り始めました。

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コロナ対策・「トロムソは、うまいよね」

2021-02-03 | ノルウェーから

2月に入りましたねえ。
コロナで昨年のロックダウンから、一年。

久しぶりにコロナのお話をしますね。

感染者数は、あまり当てにならないので、
コロナによる死者数を見てみます。

2月3日時点 
  ノルウェーの死者数:574(+7前日より)
  トロムソの死者:2(1年前と同じ)

昨年秋、ヨーロッパと同様、
トロムソにも第二波は来ました。
電車はないけど、飛行場もある、
船内で集団感染した外国船の入港もある、
英国の新種も既に入ってきています。

新感染者は、絶えずいるのです。

ですが、この数。

私たち市民の間では、こう言っています。

「トロムソは、うまいよね」。

これは、コロナの感染防止に関して、
「コントロールが上手い」
「トロムソ市・公共機関・市民の連携ができている」

という自負だと思います。

※トロムソ市の人口:約77000人


これが、トロムソ市章(kommune:市)
 

●政府からの指示・市からの指示

1月4日から2週間、新しい対策が取られました。
移動の多いクリスマス、新年直後に予測される
英国、アフリカからの新種(感染力が強い)の拡大を防ぐためです。

政府からの指示をもとに、市各自で指示が出ます。

トロムソでは、例えば、
パブは閉まり、レストランで酒は出さない、
大学は、デジタルで(保育園、小中高校生は登校)、など。

また個人に対しては

・手洗い、手の消毒。(これは、通常通り)
・人との距離は、2m。(以前は1m)
・バスの中では、2mが無理ならマスクを着用
・個人宅の訪問はしない

トロムソのコロナチームは、的確で迅速

トロムソには3か所の検査場があり、
希望したその日にテストが受けられる。
無料なので、躊躇わなくていい。

つまり、感染の発見が早い。

次に、
可能性のある人への連絡が、的確で早い。

医療・隔離機関がしっかりしている。

それで、感染が無駄に増えないのです。

これが、「うまい」の大きな要因。

市民による市民の感染を広げない

私のことで話しますと・・・

日本人3人でしている週一回の
ノルウェー語勉強会は、お休みに。

日本語教室は、ネットで。

EDELでは、これまで通り。
手洗い消毒と、にっこり2m。
マスクはしていません。

87歳、86歳の義父母の訪問は、最低限にし、
私たちは、常時マスク着用。

この2週間後、驚くことに
トロムソの新感染者数は「ゼロ」になり、
一週間続きました。

この一年、トロムソでは、こういう体験で
政府と市民の信頼感が強くなっている気がします。

しかし、今また、新たな対策真っ最中。

トロムソだけでも、
ノルウェーだけでは、だめなのです。

次回は、そのお話からしたいと思います。



トロムソ市役所・この外でするインタビュー、テレビで何度見たことか!
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