すぎなの風(ノルウェー編)       ∼北欧の北極圏・トロムソから∼

北欧の中のノルウェー、
北極圏でも、
穏やかで住みやすいトロムソから
お届けいたします。

共通語は、何だろう? (その2) ~ 大人の学校で出会った未知の世界 ~

2018-06-19 | ノルウェーの文化

 ●Voksenopplæringとは、どんな学校?

 私が通っているノルウェー語学校はVoksenopplæringと言います。

トロムソの行政が運営する「大人の学校」です。
その中の「ノルウエー語コース」に通っているのです。

 移民がトロムソで働いて暮らしていくのをサポートするために、

「ノルウエー語の習得」

「ノルウエーの社会知識(歴史や福祉など)」

の授業を提供しています。


 ノルウェー人と結婚した者は、税金を支払って無料で、

危険な状態にある国から避難してきた人たち(難民)は、
授業料、生活費の援助を受けて、

そのほかの人は、有料で受講することができます。

 後には、就職活動、労働に関する授業もあるようです。

    タイ人の踊り (今年度最後のフェスティバルで)

●アラビア語が共通語になっている!

 初日の説明会で通訳語別に分かれたところ、

「英語」はの人は、わずか。
力に応じて変わってきた「私のクラスメイト」の出身国だけ数えても、
25か国を超えるのです!

 

   生徒の持ち寄り料理は、多種でインターナショナルにズラリ! (今年度最後のフェスティバルで)

  食堂のシェフ、今日はお勉強?(今年度最後のフェスティバルで)

中でもアラビア語を話す人が多いのには驚きました。

 シリア、イラク、イエメン、サウジアラビア、ソマリア、スーダン。

イスラム経典を読むためにアラビア語を学んできた人もいます。

 国が違えど、彼らはアラビア語ですぐに話し友だちもできるのです。

 

また彼らの話し方は、
「喧嘩しとる?」と思うほど勢いがあり、
当初は圧倒されるばかりでした。

 

「世界は、英語だけが共通語じゃないんだ」。

 

この現実は衝撃的でした。

 もちろん彼らの中には、高い英語力を持った人もいますが、

ほとんどの人は英語は話せません。

 

とにかく「アラビア語強し」なのです。

 

ちなみに日本人は私だけだったのですが、
この4月から二人になりました!

 ●英語圏の人は?

 それにしても、

どうしてこの学校では英語を話す人がこんなに少ないのでしょう?

 

これは法律で、アメリカ、シェンゲン国の人には
「ノルウェー語の習得」が義務付けられていないからです。

 

やはりノルウェーでは英語で生きていける、ということでしょうか。

 

●ノルウェー語が共通語になると?

 ニュースでは、

何処かしらクラスメイトの母国の内乱の様子を目にします。

 

彼らが、いかに危険な境遇をくぐってきたか。
彼らの連帯感には
宗教・アラビア語を超えた強さがあるはずです。

 

また母国で不十分だった学習、技能を高校で学び直したり、
大学に行こうとしている人たちもいます。

 祖国を離れ

決して楽ではないこの道を歩いている姿には頭が下がります。

 

一方、宗教が理由なのか、私には全く理解できないことも多々あるのです。

 

いつか彼らとじっくりと話せるようになりたい。

 

その時の共通語は間違いなく、ノルウェー語です。

 

これは、「身内と話す」「仕事をする」以外に
私の大きな目標になりました。
全くいつのことかは、わかりませんが。

    ダンスで盛り上がるシリアの人たち


日本語を話す国って、日本だけなんですよね。

 その日本語だけで生きてきた私、

英語に拙い私なりに、
「英語の役割」を考えずにはおれませんでした。(つづく)

    

 

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共通語は、何だろう? (その1) ~ 英語に長けたノルウェーでタジタジしつつ ~

2018-06-07 | ノルウェーの生活

いよいよ6月22日で、ノルウエー語学校の今年度が終わります。

皆さんからは英語や英語以外の言語の勉強を始めました!
など嬉しいお知らせもいただきました。

そこで、今日から3回シリーズで
ノルウエーでの言語体験をお話しようと思います。

その1.英語に長けたノルウェーでタジタジしつつ
その2.大人の学校で出会った未知の世界
その3.英語はどう役立つのか?

●ノルウェーではどこでも英語が通じる。だから、英語!

「どこに行っても、英語が通じるから楽やったわあ」。

昨年トロムソを訪ねてくれた英語が得意な友人が驚いていました。
そうなんです。
買い物、カフェ、駅、観光地、映画館・・・
どこでもノルウェー語から英語に切り替えてくれます。

相方さんの友達や親戚も私と英語で話してくれました。

長年ノルウェーに住んでいても
英語しか話さない人もたくさんいるのです。

つまり、ノルウェー語が話せなくても、
ここで暮らしてくことができるわけです。

「英語ができたら仕事も何とかなる! 
ゼロからノルウエー語を始めるより、ましだろう。
このタジタジ英語をなんとかしよう!」

と私は英語に力を入れることにしました。

●心で話したいなら、やっぱりノルウェー語かあ。

英語を苦手として生きてきた私は、
「英語がスラスラ」な相手に「すごいなあ。私はだめだ」
とつい卑屈になってしまうのでした。
これは長年かけて脳に作られた回路で根強い!(日本人に多い?)

しかし、英語で話す機会も増えてくると、
誰もが英語が得意なわけではないとわかってきて
逆に親近感が湧いてきました。

また、英語が流暢な人でさえ、
ノルウェー語で話す表情の方が生き生きして、
私まで楽しくなってくるのでした。(理解はできないけど)

ノルウェー人と心で話したいなら、やっぱりノルウェー語かあ。

でも英語に自信もないし、若くもないし・・・
と依然目の前の壁は高いのでした。

  持ってきてはいたのですが・・・

●えっ、無料で学べるんですか?

相方さんとの結婚、ノルウェーへの移住と話が進む中、知ったこと。

・永住権を得る(国籍は日本のまま)には、
 A2(日常会話レベル)のノルウェー語、
 ノルウェー社会に関する試験に合格する必要がある。

 (後に、他にも方法があると知りましたが・・・)

・ノルウェー人と結婚した者は、
 ノルウェー語とノルウェー社会に関する授業を 無料で受けることができる。(時間数・時期は有限)

 未熟なりに、英語で話すのにもさほどタジタジしなくなり、壁が低くなってきたのでしょう。

 若くない分は時間をかければいい!
「英語以外の言語を学ぶ体験」が無料でできるんだよ! 
 この歳ならばこそ、ってことも有り得る!

 とノルウェー語学校に申請したのでした。

ドキドキのノルウェー語学校。
そこは、私の知らない現実でいっぱいでした。(つづく)

  

 

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