久々に、「ひらめきの旅から」の第3話です(#^^#)
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「100% 水力発電!? 100%?」
9年前、私が相方さんを訪ねた時、
私が、最も驚いたことでした。
そうなんです。
家庭用電力は100%、
工業用を含めても、94%が水力発電。
(他4%が風力、2%が火力)
●この凄まじい水力を何に利用した?
旅の始まり、相方さんにも初めての経路で行くことにしました。
それが、「水力の原点」に出逢わせてくれました。
それは、水車!
随分違います。
それは、足でも滑らせたら命はないだろう、
というほどの凄まじい川の勢いに水の量。
16世紀ノルウェーで
水力が「製材」に利用され始めたそうです。
ここもその一つ。
木材もノルウェーの大事な資源。
材木がフィヨルドで運ばれ、
川の水力で製材される仕組みです。
今は博物館になっており体験できるのですが、残念ながら、すでに時間外。
●険しい山、流れ落ちるベック
前回までで、
連なる山、湖やフィヨルドを紹介してきましたが、
もう一つノルウェーの景色で特徴的なのが、
「ベック」。
地形によっては、滝になり、
狭く、急傾斜岩面をくねるように流れ落ちる「ベック」。
「川」とは識別され、
「小川」とは訳し難い存在。
そのベックがあるわ、あるわ、
それは無限と言ってよいほどです。
雪解けの水も含んで、
川、海、湖に流れ込みます。
●景色としては美しいが、生活にはどう?
険しい岩盤の山が海辺までそそり立ち、
平野も狭い。
車で走っている間、それが延々と続くのです。
さらに、雪も多い、ときたら、
「まち」として発展するには、不利でしょう。
景色としては超美しいですが、
「生活」「社会経済」となると難しかったはず。
しかし、この地形要素を
見事にエネルギーに生かしたのですね。
8月でもまだ雪は、残っており山肌を解け流れている
●Mange bekker små gjør en stor å.
旅から帰り、いろいろ調べてみました。
世界初の発電所は、ナイアガラの滝の傍の水力。
それが、1881年
その翌年、1882年
トロムソ県にあるSenja(セニヤ)という島で
ノルウェー初の発電所(水力)ができているのです。
早くから、長年、
自然エネルギーにこだわり続けてきたのですねえ。
現在ノルウェーの水力発電所の数は、
約1400。
100%を維持しているのは、
大小様々、沢山の発電所なのです。
ノルウェーに来てすぐ覚えた諺が
思い出されました。
あれこそ、地味~なノルウェーの底力ではなかったか、と。
この大きな転換の時期
私も小さなベックになりたい。
Mange bekker små gjør en stor å.
(沢山の小さなベックが、大きな川を創る)