今日はまず、
ノルウェーに来て、ポカンとしたことを少し。
毎夏、友人の家に7家族くらい集まるのですが、
広い庭に各自テントを張って寝ます。(なるほど~)
去年の夏のこと。
3日間の音楽祭に参加するのに
宿泊について記載がないので、問い合わせた。
「屋外なら、テントでもキャンピングカーでも、
屋内なら、寝袋などで
自由に寝てください」
(はい…それって、普通なんですか?)
ノルウェーには、自宅とは別に自然の中に
「ヒュッテ(小さな家)」を持つ人が多いのですが、
その数は、国民約10人に1戸。(お金持ちなんですか?)
(ちなみに、うちはヒュッテを持っていません。)
「どの家庭もテントを持っている」
「ヒュッテには電気も水もガスもない」
そういう時代から、変わってきてはいるものの、
この「野外志向」は、依然強いです。
仕事、学校、近所、友人、時には家族からも離れて、
自然の中で静かに自分の時間を持つ。
これが、従来のノルウェー人が大事にしてきた文化。
そう、私はとらえています。
時代が変わる中、
ノルウェーのキャンプ場は、どんなんだろう?
では、日本でもろくにキャンプ経験のない
ど素人レポートです。
●この絶景で、トイレ付で、無料?
私には、旅に出る前に練習がいる!
と、Sommarøy(ソマロイ)でキャンプ。
ここ、ええやん!
これまで素通りしていたけど、
こんな素敵なキャンプ場があったんだ。
駐車場、トイレ、水が使えて、無料。
念願が叶い、真夜中の太陽をずっと眺めて過ごす。
夜半、1:17、一瞬隠れたもの、太陽は昇っていった。(テントの前から)
ここがキャンプ場。椅子から、歩きながら、皆さんゆったりしたものです。
驚くことに、相方さん、
キャンプ場を使ったことがなかったそうです。
こんな私たちは、ここに満足して、
キャンプ場渡りをしてみるか!と気が揚がる。
今回の旅、まず驚いたのは、
主幹道路から見える範囲でも
キャンプ場だけでなく
キャンピングカーが停まれるスペースが、続々と現れること。
●慣れないからか、ゆっくりできない。
ここにキャンプ場?
ここ、ええやん!(Bøsanden・ボーサンデン)
駐車場に30kr、トイレ、水使用に20kr。
ゆったりと椅子に腰かけ、
本を読んでいたかと思うと、コーヒーを手に持っている。
いつの間にか、ご飯にビールと、話も尽きないよう。
そんな隣の人が気になる。
どうも不慣れで、ゆっくりしていない自分に気づく。
あれ、何してるんやろ、私。
すると、相方さんが、珍しく気を利かして
ビールが出てきた!
夜は雨。
すぐそこに雨音を聞きながら
ぐっすり眠れたんだと、
朝、自分で驚く。
右端に見える、あの砂浜が、昨夜のキャンプ場。
●シャワーしたいし、テントも干したい!
雨でぬれたテントを干したいし、シャワーもしたい、
とヒュッテを使う。(Fauske・フェイスケ)
トイレ、シャワー、キッチン、食器、冷蔵庫、
ベッド、WIFI付きで、一軒900kr。
リビングにはテレビも、ベランダにテーブルもある。
ゆで卵にしたり、野菜洗って切ったり、準備、充電に ばっちりの滞在。
●ホテル代わりに
トロンハイムでは、連泊したく
ネットから大型キャンプ場のヒュッテを予約。
運良く、最後の一軒をゲット!
キッチン、食器、冷蔵庫、ベッド、WIFI付き、
トイレ、水栓は共同場で一軒600kr。
使用後自分で掃除しないなら、+300kr。
シャワー(4分間) 15 kr
車を横づけできて、「私たちのヒュッテ!」感が増す。
ベランダからの眺めも最高!
海風、木漏れ日を受けて、ハープとギターを弾く。
他にも多くの宿泊者がいるなんて、思えない静けさ。
●自然の怖さも恩恵も知っているのだ
キャンプ場のいろんなタイプも体験し、満足。
でも、やっぱりキャンプ場でない所も行こうよ。
相方さん、曰く
「ベック(小さな川)か川のそばがいいよ。
洗い物ができるから」。
そこで、見つけたのが、ここ。
旧道沿いの期間限定行き止まり地点。
なんと、トイレが側にある!
「ここ、ええやん!」
ちょうどテント1戸分。しかも、テーブル、椅子まである!
なんと、デザートまで!
ただし、想定以上の蚊の応酬つき!
虫よけネットをかぶり、
踊るは、大声で歌うは、ガンガン演奏しまくる。
が、びくともしない石畳に、水の勢い。
こんな解放感、初めてだ。
ところが、夜になると全く眠れない。
川の音と共に、
その響きが私の深い部分を揺さぶるのだ。
相方さんは、すでにスーガースーガー。
この人たちは、夏だけでなく、雪の中でも、
こうして身を置いてきたんだ。
水、雪、天候の怖さも恩恵も、体で知っているのだ。
だから、自然を尊重する。
この時間と空間が、
ゴミも 看板も 店もなく、
「自然を大事にする」の根底にあるのだ。
そんなことが腑に落ちる。
「ただ静かに、自然の中に身を置く」。
キャンプ場が、その入口になるといいよなあ。
白夜の中、目にTシャツを被せ、
川の響きに包まれるように
次第に 私も眠りに落ちていった。
日本もそうですが、
こんなことができる安全なノルウェーにいるということ、
実に有難いことです。