すぎなの風(ノルウェー編)       ∼北欧の北極圏・トロムソから∼

北欧の中のノルウェー、
北極圏でも、
穏やかで住みやすいトロムソから
お届けいたします。

キャンプ場をめぐるうち、納得したこと ‐ひらめきの旅から‐

2020-08-31 | ノルウェーの自然

今日はまず、
ノルウェーに来て、ポカンとしたことを少し。

毎夏、友人の家に7家族くらい集まるのですが、
広い庭に各自テントを張って寝ます。(なるほど~)

去年の夏のこと。
3日間の音楽祭に参加するのに
宿泊について記載がないので、問い合わせた。

「屋外なら、テントでもキャンピングカーでも、
屋内なら、寝袋などで
自由に寝てください」
はい…それって、普通なんですか?)

ノルウェーには、自宅とは別に自然の中に
「ヒュッテ(小さな家)」を持つ人が多いのですが、
その数は、国民約10人に1戸。(お金持ちなんですか?)
(ちなみに、うちはヒュッテを持っていません。)

「どの家庭もテントを持っている」
「ヒュッテには電気も水もガスもない」
そういう時代から、変わってきてはいるものの、
この「野外志向」は、依然強いです。

仕事、学校、近所、友人、時には家族からも離れて、
自然の中で静かに自分の時間を持つ。

これが、従来のノルウェー人が大事にしてきた文化。
そう、私はとらえています。

時代が変わる中、

ノルウェーのキャンプ場は、どんなんだろう?

では、日本でもろくにキャンプ経験のない
ど素人レポートです。

この絶景で、トイレ付で、無料?

私には、旅に出る前に練習がいる!
と、Sommarøy(ソマロイ)でキャンプ。

ここ、ええやん! 
これまで素通りしていたけど、
こんな素敵なキャンプ場があったんだ。

駐車場、トイレ、水が使えて、無料。

念願が叶い、真夜中の太陽をずっと眺めて過ごす。

 夜半、1:17、一瞬隠れたもの、太陽は昇っていった。(テントの前から)


ここがキャンプ場。椅子から、歩きながら、皆さんゆったりしたものです。

驚くことに、相方さん、
キャンプ場を使ったことがなかったそうです。
こんな私たちは、ここに満足して、
キャンプ場渡りをしてみるか!と気が揚がる。

今回の旅、まず驚いたのは、
主幹道路から見える範囲でも
キャンプ場だけでなく
キャンピングカーが停まれるスペースが、続々と現れること。

慣れないからか、ゆっくりできない。

ここにキャンプ場? 
ここ、ええやん!(Bøsanden・ボーサンデン)

駐車場に30kr、トイレ、水使用に20kr。

ゆったりと椅子に腰かけ、

本を読んでいたかと思うと、コーヒーを手に持っている。

いつの間にか、ご飯にビールと、話も尽きないよう。

そんな隣の人が気になる。

どうも不慣れで、ゆっくりしていない自分に気づく。

あれ、何してるんやろ、私。

すると、相方さんが、珍しく気を利かして

ビールが出てきた!

コロナだって!! そうそう、今回のために買った卓上ガスコンロ、大活躍!
 

夜は雨。
すぐそこに雨音を聞きながら
ぐっすり眠れたんだと、
朝、自分で驚く。

右端に見える、あの砂浜が、昨夜のキャンプ場。

シャワーしたいし、テントも干したい!

雨でぬれたテントを干したいし、シャワーもしたい、
とヒュッテを使う。(Fauske・フェイスケ)

トイレ、シャワー、キッチン、食器、冷蔵庫、
ベッド、WIFI付きで、一軒900kr。

リビングにはテレビも、ベランダにテーブルもある。

ゆで卵にしたり、野菜洗って切ったり、準備、充電に ばっちりの滞在。

ホテル代わりに

トロンハイムでは、連泊したく
ネットから大型キャンプ場のヒュッテを予約。

運良く、最後の一軒をゲット!

キッチン、食器、冷蔵庫、ベッド、WIFI付き、
トイレ、水栓は共同場で一軒600kr。
使用後自分で掃除しないなら、+300kr。
シャワー(4分間) 15 kr

車を横づけできて、「私たちのヒュッテ!」感が増す。

ベランダからの眺めも最高!
海風、木漏れ日を受けて、ハープとギターを弾く。
他にも多くの宿泊者がいるなんて、思えない静けさ。

自然の怖さも恩恵も知っているのだ

キャンプ場のいろんなタイプも体験し、満足。
でも、やっぱりキャンプ場でない所も行こうよ。

相方さん、曰く
「ベック(小さな川)か川のそばがいいよ。
 洗い物ができるから」。

そこで、見つけたのが、ここ。
旧道沿いの期間限定行き止まり地点。

なんと、トイレが側にある!

「ここ、ええやん!」

ちょうどテント1戸分。しかも、テーブル、椅子まである!

なんと、デザートまで!

ただし、想定以上の蚊の応酬つき!

虫よけネットをかぶり、
踊るは、大声で歌うは、ガンガン演奏しまくる。

が、びくともしない石畳に、水の勢い。

こんな解放感、初めてだ。

ところが、夜になると全く眠れない。

川の音と共に、
その響きが私の深い部分を揺さぶるのだ。

相方さんは、すでにスーガースーガー。

この人たちは、夏だけでなく、雪の中でも、
こうして身を置いてきたんだ。
水、雪、天候の怖さも恩恵も、体で知っているのだ。
だから、自然を尊重する。
この時間と空間が、
ゴミも 看板も 店もなく、
「自然を大事にする」の根底にあるのだ。

そんなことが腑に落ちる。

ただ静かに、自然の中に身を置く」。

キャンプ場が、その入口になるといいよなあ。

白夜の中、目にTシャツを被せ、
川の響きに包まれるように 
次第に 私も眠りに落ちていった。

日本もそうですが、
こんなことができる安全なノルウェーにいるということ、
実に有難いことです。

 

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 海外からも車で、バイクで、来るはずだわ!-ひらめきの旅」から-

2020-08-24 | ノルウェーの自然

●ノルウェーの移動手段は?

皆さん、もしできるなら、地図を見てください。

ノルウェー西側海岸は全てフィヨルドです。

正面に見える場所に
いつもぐるりと遠回りしている感じです。

じゃあ、内陸で近道!
と思っても、山は岩、岩、岩。

さらに、島も多い。

線路を敷くには、とてつもない労力と費用でしょう。

ですから、北ノルウェーに電車は走っていません。(NARVIKまで)

そこで、ノルウェーでは、船が発達し、
車が重要な移動手段なんですねえ。

日本人が運転するには?

今回の旅で満足したことの一つ。


相方さんと交代して、私も運転できたこと。

凍る季節は、旅行者にも絶対に勧めません。

でも、夏は大丈夫です。
ただし、右側走行経験のない人には少し勉強が要ります。

右側走行、右側優先、本線指定標識、
郊外では、信号はなくランドアバウト。
追い越し可か不可か。
スピード標識。

これらを押さえたら、郊外は大丈夫。

ただ、速いんです。
高速道路はなく、郊外は一車線で80㎞/hが通常速度。

当初は、ビュンビュン走る車と対向するのが怖かった!
でも、慣れるものですねえ。

場所によって、30㎞~90㎞の指示があるのですが、

返って楽しくなります。

では、脳内ドライブとまいりましょう。

トロムソを出て、すぐ出会うのが、これ。

鏡のようなフィヨルド。お天気が良ければ、この連続です。

内陸部を走り、ビューンと下る。これまた、爽快!


山を見ていると、
氷の仕業の不思議と巨大な力に、圧倒されるばかり。
 
そして、ふいに現れてくるものに
いつも思う。
これは、海? それとも湖?
 
 
 
トンネルも多い!
時には、海底トンネルも。
今回のトンネル最長、8.6㎞。
 
暗いトンネルもあり、かなり集中力が要るけど、これもスリル。
 
村が近いんだな。低スピードが、いい気休めになるわあ。
 
以前はキリスト教が国教だったため、
ほとんどの村に教会があるようです。
 
トラクター!よけてくれてるんだろうけど・・・
ま、のんびり行こう!
 

爽快で、1時間なんて軽く走ってしまう。
だから、休憩して、交代!

眺めのいいところに 休憩所があるもの。
でも、トイレ、ごみ箱、ベンチだけ。
日本のインターのようなお土産やさんの光景は、
ない、ない。
 
だから、これは想定外で、嬉しかった!
 

地元の摘みたて苺!
日本の無人スタンドを思い出す。
でも、ここでさえ、カード支払い。
 
また、休憩するには、
コンビニがくっついたようなガソリンスタンド。
 
充電スタンドが、結構ある。
 
コロナだけじゃない。
時代は変わってるんだわあ。
 
 
休憩、ランチしたら、また出発~!
 

島ではありませんよ。
フィヨルドの反対岸にあるのです(Hamarøya)
むむ…、気になる。

なんと美しい!
それも、そのはず。
これが、ノルウェーの「国の山」、ステーティン(Stetinden)。
日本の富士山のようなもの。
 
さあ次は、車ごとボートに乗り込みますよ!
夏は、このボートの運航場所も本数も増えます。
しかし!
えー、もうこんなに並んでる‼ 乗れる?
 


これが、乗れるんですねえ。
 
スカルベルゲ(Skarberget)を後にしてボグネス( Bognes)へ20分
 
車から降りて、屋上で景色を眺めたり、カフェで一服したり。
運転せずとも、近道できて、想像以上にいい時間。
 
Engeløya(エンゲロイヤ)という小さな美しい島に渡る。
細い橋?海上道路?とにかく、海が近い!
 
と、今日はこれくらいで終わりにしましょう。
 
お疲れさまでした。
さあ、今日はゆっくりお休みくださいね!
 
イタリアからのバイク連れに会ったり、
フィンランドからの車も多く見かけました。
 
かなりの距離で、いろいろな所に立ち寄ったけど
渋滞、ゴミがない。
喧騒としたところが、まったくない。
 
確かに、自然好き、運転好きにはたまらないかも。
現にこの私が、あちこち運転して行きたくなっている。

次回は、
第2話:キャンプ場もいろいろ、こんなにあるんだ!
をお届けいたします。
 
どうぞお楽しみに~!
 
※写真はイメージで選んだので、
 地理的順番はむちゃくちゃです!
 あしからず。

 

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コロナの夏の「ひらめきの旅」

2020-08-18 | ノルウェーの自然
We drove by car to Trondheim during the corona summer, with tent,harp and guitar.
I feel like we touched the foundation of Norwegian traditions.
So I will tell about that in four episodes.
1. about travelling by road
2. about ways of camping
3. about hydro power and water ways
4. about the differrent landscape
 

 

皆さん、「すぎなの風」にまた来てくださって、
ありがとうございます。

予告した8月17日に、日本時間で一日遅れてしまいました!

来てくださった方、ごめんなさい。

日本でコロナの感染が増えてきていること、
ネット新聞で読んでいます。
ノルウエーも残念ですが、予想通り、
感染者数が増えてきています。

さらに日本は、残暑も厳しいようですが、
皆さん、いかがお過ごしでしょうか?

コロナの為、トロムソステイもありでしたが、
私たちは珍しく時流に乗り、車の旅に出ました。

・車で南下、トロンハイムで折り返す。
・7月23日に出発し
 8月4日からの日本語教室に間に合うように帰る。

それだけ決めて、宿泊場所も決めず、
テント、ハープ、ギターを持って「ひらめきの旅」!

トロンハイムまで、最短の道程で、片道1132㎞。
往復で2164㎞ですよ。

実際はもっと走ったわけです。

こんな長距離運転の旅をしたいなんて、
私は、これまで一度も思ったことはありません。

でも、コロナで日本にも帰れない、
予定していたハープのフェスティバルも中止。
ふと思ったんです。

もともとノルウェー人が好きな車の旅とは、
一体どんなんだろう?

ノルウエーでは新感染者数が総計でも一桁台で、
今後を考えると、今が最も安全かも。

海外からの旅行者が少ない分、
どこも例年より空いているに違いない。

自分たちも感染を防ぐ方法に慣れてきている。
(人との距離、公衆トイレの使い方、カフェなどでの消毒の仕方、
 買い物品の処理などなど。念のためマスクも持つ)

テントで寝れば、感染の心配も減るし、安価だし。

運転は、私もできるようになっているので、交替していける。

やってみるか!

ところが、思いがけぬことに、この旅で
ノルウエーという国の原点に触れたような気がしています。

そこで、4回に分けてお話していこうと思います。

第1話:海外からも車で、バイクで、来るはずだわ!
第2話:キャンプ場もいろいろ、こんなにあるんだ!
第3話:水力発電100%の国・ノルウエーの水力
第4話:北極圏を超えると、こんな違いがあったんだ!

どうぞお楽しみに!

引き続き読んでいただけましたら、幸いです。


小さな車体で走り切ったジェミニ。お疲れ様~!ありがとう!
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