すぎなの風(ノルウェー編)       ∼北欧の北極圏・トロムソから∼

北欧の中のノルウェー、
北極圏でも、
穏やかで住みやすいトロムソから
お届けいたします。

異例の憲法記念日のサプライズ

2020-05-19 | ノルウェーの文化
5月11日20:30 にわか雪積もるライラックが陽に輝く
 

ノルウエー;感染者合計8257人(死者数233)
              18日の新感染者13人
トロムソ市;感染者合計168人(死者数2)、
             18日の新感染者1人。

ノルウエーのコロナ状況は、落ち着いており
先週から小学校の高学年、中学、高校も始まりました。

カフェはテーブルを離し、美容院は少人数の予約で、
図書館は予約で一人ずつ入館するなど、慎重です。

一方、町には人が増え、距離を保ちつつ

ウキウキした雰囲気も伝わってきます。

「国歌斉唱」この数か月を讃えて

そんな中、5月17日は、
ノルウエーで最も盛り上がる憲法記念日。
この日は、「子どもの日」でもあり、
毎年、全学校の子どもたちが行進をし、
町は人でぎっしりになるのです。

しかし、今年は、コロナでこの行進が全国で中止、
家で祝うことになりました。

そこでオスロでは、国王一家が
オープンカーで国民に挨拶に出た、というのです。

こういうところが、ほんと開放的。

「1時に、皆で国歌を歌いましょう」と政府の声かけがあり、
私も初めて国歌斉唱しました。

歌いながら、私には、
この数か月を讃えたい思いが湧いてきました。


"Gratulerer med dagen!(おめでとう!)"
 "Hurra! Hurra! Hurra!(万歳)" 近所の家族の声が響きます

体の不自由な義父母を支えたもの

昨年8月の脳梗塞の後遺症で、

右腕が動かない、立つのもおぼつかない、
喋れない状態で自宅に帰ってきた義母(85歳)と
義父(86歳)の二人の生活が、
昨年12月末から始まりました。

最初は、義母だけでなく、
義父も手足の機能が落ち、体調も安定せず、
受ける介護、看護の内容も手探りでした。
運よく、それが落ち着いてきた頃にコロナがやってきました。

看護士は、一日に4、5回来てくれます。

体のリハビリは中断されましたが、
言語聴覚士は、LINEでリハビリを続けてくれました。
(どれも無料)

リスクの低い私と相方さんが、
週二回の買い物や右腕のリハビリなどを担当し、
かなり注意を払った二か月でした。

お陰様で、二人は風邪もひかず、
義父は、毎食の準備をし、
義母は、左手で冷蔵庫から物の出し入れができるようになっています。

今では、右肩・右腕をサポートするベルトをはずし、
握力も出て、腕の回転ができるのです。

彼女の言いたいことが私たちに伝わらず、
彼女が涙する時もあれば、状態にムラもあります。

それでも、
彼女は、「言葉のリスト」から指さしたり、
はっきりした声で言葉を発する時も出てきました。

私の相方さん、妹さんたちは、義父母に毎日電話をし、
義父母の妹さんたちも、電話マメ、
孫も、子どもの動画送りマメ。

会えなくても、こういうことが、
いかに義父母の心を支え、
生きる力を育むか。

コロナで大変な期間も休まず来てくれた介護士さん。

危機感と背中合わせに、

驚きと感謝の二か月でした。

レアチーズケーキの上に飾ってみました

ブナードは、断念したけれど

憲法記念日には、例年通り
お義母さんの愛する故郷のブナードを
(ブナードを詳しく知りたい方はこちらで)

着せてあげたかったのですが、
腕が上がらず、止むなく断念。

しかし、思いがけないサプライズが生まれたのです。

うちのクローゼットにかかったままの

持ち主不明の民族衣装。(正式なブナードでない)

それが、相方さんの妹さんが14歳の時、
フォークダンスのイベント用に
お義母さんが縫ったものだ、と判明。

今や皆成長し、着れる人がいない。

ところが、
なんと私が着れたのです。

そこで、妹さんがブローチやカフスボタンを貸してくれ、
私がそれを着て、義父母を訪ねることになりました。

 

思いがけず、民族衣装が着れて、ルンルン!
 
お義母さんは、すっかり忘れていたようで、
それはそれは驚き、喜んでくれました。
 
そして、必死に何か訴え始めました。

コロナでずっと会えずにいた
二人のおばさんを呼ぼうというのです。

四人が会うのは3か月ぶり。

平均年齢84歳。
この時期の、この日に、

こんな有難い再会ができたなんて。

ハグせず、ちゃんと距離を置く彼らの笑顔は、
柔らかい光に包まれているかのようでした。

 

ちょうど17日から、トロムソは、

24時間太陽が沈まない時期に入りました。

皆さん、することは続けて、元気で過ごしましょうね。


5月19日 0:37 ベランダより
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トロムソには、トロムソのインテリアがある

2020-05-05 | ノルウェーの生活

相方さんも家で仕事をし、
二人でずっと家で過ごすようになって、2か月。
トロムソ生活3年。

日本にいたときとは、
インテリア観が変わっていることに改めて気づきました。

私たちは相方さんのお父母さんが住んでいた家に住んでおり、
彼らが残してくれた物を好んで、
私流に使わせてもらっています。

今日は、うちのリビングのお話をしますね。

四季以上に明確に変わる「日照時間」

日本は温暖化が進んでも、
草木の種類、季節行事などで、四季が明確です。

しかし、ここでは「春」と言っても雪がいっぱいだし、
明確な四季がありません。

ただ一つ、明確に変化するものがあります。

それは、日照時間。

一日約10分ずつ日が長くなり、短くなる。
1日中、太陽が出ない時期もあれば、
太陽が沈まない時期もある。

これは、特別です。


4月28日 20:45

カーテンのない大きな窓は、キャンパス

トロムソでは、どの家もカーテンを閉めません。
冬は、家の中から外を照らす大事な役割がある。
夏の夜は彩が美しい。

4月30日夜中の12:16 ベランダより

こうきたら、カーテンは閉めないわけです。

その分、リビングの窓は大きくて、まさにキャンパスです。

カーテンを年に2.3回替える

でも、ちゃんとカーテンはあるんですよ。
家にいる時間が長いから、
カーテンはインテリアの大事な要素。

ただ、夏期と冬季では自ずと色遣いも違ってきます。

例えば、始終暗い中、
派手な赤が、灯りで温もりを醸し出します。

その赤が太陽の光を受け、かつ24時間ときたら、
全く落ち着かないでしょう。

だから、カーテンを替える習慣が生まれたのでしょうね。

私は、カーテン(お義母さんの手作り)を一年に2~3回替えます。
暗い時期、明るい時期、クリスマスの時期。
これで、極夜の時もどれだけ心が和むことか。

先日明るい時期用に変えたのですが、
垂れ部の幅を15㎝短くしてみました。

キャンパスがさらに大きく、
部屋はもっと明るくなりました。

明るいときは、存分に明るさを楽しむ!

お天気や逆光で暗い写真になってしまった!想像してください。

コーディネートに活躍するテーブルクロス

多種にあるのが、テーブルクロス。
その時節、状況に合わせて、
ころっと雰囲気が変わるのも、
それを考えるのも楽しいですねえ。

ぼこぼこする手編み、
特に白いレースに新たな魅力を発見。

この厚みがあるから、
光を反射もすれば、程よく吸収もするようです。

レースをもっとうまく使いたいと思う今日この頃。


これから芽吹く若葉色 客人がなくなり、すっかりお二人様仕様

花が冬を越す場所

雪が解け土から芽が出てくるのが5月、

花のある期間も短い。

でも、部屋はいわば温室。
光が満ちてくると、鉢で花をつけるのです。

この瞬間を待ちわび、愛しむ。

庭や屋外の花に馳せるのも、
その心は同じなんですね。

だから、「冬を越す花の場所」が大切になりました。

プリムラ、見事に同時に、花をつけました

この子(hengertake)は、なんと太陽が出ない時期にも花をつけるのです!

窓から鳥を眺める

春の訪れを真っ先に知らせてくれるのは、鳥。
2月頃から、どこかで冬を凌いでいた鳥が庭に来始めます。

この長い静かな雪景色に
歌声とともに揺らぎをもたらす小鳥たちは、魅力的。

北欧のモチーフに鳥が多いはずです。

窓は、小鳥を眺めるのにも大切な存在です。


カラスの仲間シューレ 向こうの樹には、小鳥が沢山来ます。

* *   * *   *  *   *  * *

その場所、その家、
そこに住む人に合ったインテリアがある。

そう、つくづく思います。

と言いつつ、このブログはキッチンで書いています。

作業、場所を変えて、
気分転換するようにしているんですよ。

でも、ついついキッチンにいる私です。

キッチン、落ち着くんだよなあ。

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