俳優「大滝秀治」大往生!

2012年10月05日 | 人物 -

若い頃から、年を経た役柄が似合っていた。
存在感は、ただならぬものがあったし、
ご高齢でありながら、非常に聡明な演技力を
私たちに提供してくれていた。

個性的で、独特なオリジナリティーというか・・・
そういう雰囲気を、かもしだせる稀有な俳優だった。
それは、昭和を代表する俳優 「笠智衆」 にも言えることだ。


程の良い主張と、程の良い調和ができる俳優!
私は、伊丹監督作品ぐらいから、「凄いなぁぁ 」 と
注目するようになったと思うが・・・
劇団のプロフィールや、過去の逸話を追いかけると、
苦労をした時代があったということを知った。
昔の容姿や声を重要視したオーソドックスな時代では、
個性的すぎる声を持つ大滝さんは、異例な存在だった。
しかし、場をわきまえつつ、役柄に徹していく姿勢に、
誰もが感動するようになっていく・・・。
多様な個性がもてはやされた時代になってからの活躍は、
本当に素晴らしく、注目された俳優人生だったと感じる。

昨年(2011年)、文化功労者として勲章を頂いたそうで、
存命中の受章は何よりだ。

87歳の「大往生」 だが・・・病魔に侵されなければ、
まだまだ活躍ができただろう。


遺作になった「あなたへ」でも、とびぬけた存在感を
与えてくれている。

重ねて言うけれども、本当に稀有な俳優だったと思う。








私の大好きな二人のコラボCM。
当時は、「つまらん」が、流行語のようになった。
芝居の間の取り方が、本当にお上手な俳優だった。



劇団民藝といえば、宇野重吉さんの晩年の一人舞台を
観劇したことがあったが・・・
地に足がついた役者さんが多い劇団だと思う。
大滝さんは、現在の民藝の代表者ともいえるぐらいの
活躍ぶりだった著名な俳優で、あの年齢には珍しく、
アドリブにも対応できる許容範囲があった俳優だ。

ご冥福を心からお祈りします。  合掌。