私は以前ロサンゼルスに住んでいたので、度々ラスベガス (LV)を訪れた。業界のコンヴェンション*で行ったこともある。宿泊日数にして合計20日以上になるだろう。しかし、博打は一度だけルーレットで数百ドル損してからはやったことがない。何度も行ったのは博打が目的ではなく、ほかに楽しいことがあるからだ。
街中がディズニーランドのようなもので、見どころは沢山あり、歩くだけで楽しめる。夜はショウを見に行ったり、高級レストランでの食事を楽しんだり。そして昼間はゴルフしたり、プールで泳いだり。LVは夫婦や子供連れで来るヴァケーション地なのである。
だから、最近のIR談義での依存症懸念とか治安悪化などの否定的論点については、考え過ぎだと思う。
パチンコ店は自宅のすぐ近くにあるから、やみつきになる人もいるのだろうが、カジノは自宅から離れているから、博打依存症になることはありえない。それでもやみつきになる人が出る可能性はないとは言わぬが、それは個人責任であり、そこまで行政が心配してやる必要はない。
博打場だと思うから、ヤクザが出没するだろうと短絡的に懸念するのだろうが、LVを見ればそんな懸念は噴飯ものだということが分るはずだ。LVのカジノホテルの経営者にはマフィアもいると聞いているが、治安が悪ければ人が集まらないから、経営が成り立たない。むしろ、経営者自身が治安維持に腐心していると思う。
要するに、IRの基本コンセプトは人を楽しませる仕組みである。カジノに重点を置くIRは集客できず失敗すると思うから私は反対だが、LV的総合娯楽施設を作るのであれば賛成である。
*コンヴェンションとは、日頃電話やメールでコミュニケートしている遠隔地の取引先と、年に一度会って親睦を図る各業界の集まりのこと。ラスベガスだけでなく、ニューヨーク、サンフランシスコ、マイアミ、ニューオルリーンズなどの観光大都市で開催される。