百田尚樹氏の新著「今こそ、韓国に謝ろう」の新聞広告を見て、「あっ、これは逆説的表現で、実際には韓国人を笑いものにする内容だろう」と推測した。
以前、名前は忘れたが「日本は韓国に対して悪いことばかりではなく、いいこともした」と発言し、批判されて職を辞した政治家がいた。しかし、「いいこともしたが、余計なお節介だった。謝らねばならない」と言えば、非難されることはなかったのではないか、と思っていた。つまり、百田方式である。
同書の内容は案の定だった。謝罪の根拠をいくつか挙げよう。
● 1910年、日本が大韓帝国を併合した時、まっさきに行ったのが、朝鮮全土に小学校を建てたことです。この理由を推測すると、日本は、朝鮮人労働者を大量に生産しようと考えたのではないでしょうか。日韓併合当時、朝鮮人の文盲率は九〇パーセントを超えていたと言われています。・・・子供は本来、奔放に気ままに生きるものです。それを他国が無理やりに就学させて勉強させるなどということは許されることではありません。・・・それまで学校なんか存在しなかった国の子供たちに無理やり学校に通わせることが、いかにひどいことであったかわかるでしょう。これはもう人権蹂躙問題と言えます。
● 日本は下層階級が使う文字とされたハングルを、朝鮮全土に彼らの意向も聞かずに勝手に広めてしまったのです。・・・日本が一国の文字を完全に変えてしまったというわけです。・・・日本人が大いに反省すべきものです。
● 日本が朝鮮に行っていた数々の非道の中でも、許されないのが朝鮮半島の自然を破壊したことです。・・・日本人は朝鮮の禿山を見て美しくないと思ったのか、はままた日本的ではないと思ったのか(あるいは洪水を防ぐためか)、朝鮮人の意向も聞かずに、「緑化運動」と称して勝手に植林してしまったのです。・・・私は日本政府に提案したい。今すぐにでも、併合時代に植林した六憶本の木を切り倒しに行くべきであると。
● 日本は美しい朝鮮半島の至るところに醜い鉄道網を敷きまくりました。併合前はわずか百キロしかなかった鉄道を総延長距離六千キロにまで増やしたのです。・・・美しい朝鮮半島は醜い線路によって鞭で打たれた傷のようにずたずたにされました。それを見た朝鮮人が怒りに震えたとしても仕方がないのではないでしょうか。
● 併合時、朝鮮人の人口は約1,300万人余りでしたが。1942年には2,550万人以上にまで膨れ上がってしまいました。・・・わずか30年足らずで約二倍の人口増加というのは世界の歴史でも珍しいことです。・・・人口爆発だけではありません。併合時は平均寿命が二十四歳だったのが、たったの三十年で四十二歳まで伸びてしまったのです。・・・これらはすべて日本の蛮行によって、人為的に引き起こされたものです。・・・あまりに急激な人口増加と平均寿命の伸びは、社会にいろいろなひずみをもたらしてしまう可能性があります。
● 日韓併合後、総督府は朝鮮半島に長らく続いた身分制度を破壊しました。王族を除くすべての人を平等に扱ったのです。さらに、奴婢を解放し、奴隷制度を撤廃させました。・・・日本人が朝鮮の長年の伝統を勝手に変えてしまったのです。・・・今でも韓国では罵倒語として、「白丁」あるいは「白丁野郎」(べっちょんのむ)という言葉が使われています。私はそれを知り、韓国の人々が今も古い伝統を大切にしているということに、ホッとした気持ちになります。
(頑固爺注)「白丁」とは奴隷制時代ののこと。
このあたりまではジョークであるが、百田氏は本気で謝罪を提案している部分もある。しかし、これ以上私が内容を引用することは控える。興味ある方は「今こそ、韓国に謝ろう」を読んでいただきたい。
ところで、南北コリアンが本書を読んだらどんな反応を示すだろうか。多分、「こんなこと嘘だ!」と言って信じないだろうが、それでもよい。私は本書のハングル版が刊行されることを切望する。
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