黒柴ひめちゃんの葛塚村だよりⅢ

葛塚城堀之内に住んでます。毎日歩いているひめちゃんとおかあさんの見て歩きです。時には遠くにも出かけます。

誠は家老右京盗み取りて、売買の沙汰あり(桐生代々の事、付けたり、細川滅亡の事・その 6)

2024-10-05 14:51:56 | 桐生老談記の世界

今日も雨の一日です

ひめちゃんとタバサねーちゃんは、今日もおうち犬してます。

小雀観音の写真を探して、2020年4月の写真を見ていると、笑顔のひめ&獅子丸タバサねーちゃんが出てきました

16歳間近の七海ママも、末っ子のひめちゃんと獅子丸とのちい散歩を楽しんでました

 

 

 

 

桐生代々の事、付けたり、細川滅亡の事・その 6(誠は家老右京盗み取りて、売買の沙汰あり)

時に細川の家中、公方軍役には八十二騎なり。

小川出雲、其の子随見、八木伝七郎、奥布木宮内、根津采女、村岡右近、細淵金弥、畠山庄兵衛、松井金吾、稲垣彦兵衛、新藤弥兵衛、小宮山一学、これ細川の十二騎なり。

此の外軽率ども二十人ばかり桐生に隨身す。

されば細川小家なれども、公方軍役に十二騎なり。

また、細川にさまざまの家の宝あり。住吉、隈の、諏訪、宇都ノ宮、北野八幡、高尾、八王子、鞍馬、津嶋これ十二社の神系図あり。聖徳太子自鋳奉る黄金一寸八分多聞天、阿満国の小脇差、国綱の小長刀、細川の系図に添えて桐の箱にこめて秘蔵せしに、此の度破れ見えず。

向かいたる諸士にかくしたる由と常陸之介讒言に依って、さまざま吟味あれども更に出ず。甚だ過役として、其の人々を半地せらるるこそ無法なり。

誠は家老右京盗み取りて、売買の沙汰あり。所々にて買い取り寺社の宝物となるこそ分明なり。



あらすじです。

細川家の公方軍役は82騎でした。
そのうち、小川出雲、其の子随見、八木伝七郎、奥布木宮内、根津采女、村岡右近、細淵金弥、畠山庄兵衛、松井金吾、稲垣彦兵衛、新藤弥兵衛、小宮山一学、の十二騎と此の外の軽率ども二十人ばかり桐生氏に寝返りました。

細川家には、様々な家宝がありました。
住吉、隈の、諏訪、宇都ノ宮、北野八幡、高尾、八王子、鞍馬、津嶋これ十二社の神系図、聖徳太子自鋳奉る黄金一寸八分多聞天、阿満国の小脇差、国綱の小長刀、細川の系図に添えて桐の箱にこめて秘蔵していましたが、行方不明です。

寝返ってきたやつが隠したのだという讒言で、大将の津布久常陸之介が調べましたけれど、宝物の行方は分かりませんでした。
ひどいことに、その人々は、支配地を半分にされました。

本当は、家老の有坂右京が、盗み取って売ってしまったのです。
あちこちの寺社が買い取って、宝物となっているのはあきらかです。



あっけない細川氏の滅亡です
具体的な戦闘場面はありません

館が戦火に包まれ焼け落ちたともありません
「細川を追いちらし名馬を奪い取り」、その後家臣の裏切りが書かれます
名馬小雀がどうなったかは、書かれていません

細川内膳の屋敷跡は、菱郵便局の付近だったようです。
昭和45年に出された『菱の郷土史』に内膳の館跡の縄張り図があります。

この郵便局の隣に、小雀を祀った小雀観音があります。

細川内膳の物語・総集編(名馬小雀と八条殿)


もとは菱支所のあたりにあったけれど、道路の拡張で、現在地に移ったということです。

菱カルタがあります



「小雀は主君の後を追って舌をかんで死んだ」とあります


それにしても、裏切り者が目立ちます
戦国時代の価値観だと、自己の利益優先の行動をとるという選択肢も普通にあったようですね
細川家の家宝を買い取った寺社はどこでしょう?

 

 

初稿  2019.09.24  FC2ブログ「黒柴ひめちゃんの葛塚村だより」

改稿  2024.10.05

 



( 桐生代々の事、付けたり、細川滅亡の事・終 )

 

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