夫が近所のショッピングビルに行くという。ちょうど、私も買い物がしたかったので、一緒に車に乗せてもらうことにした。
「今日まで、福引きやってたよね」
さすがは専業主夫。スーパーでせっせと買い物をして、福引券をためていたらしい。
しかし、同じことを考える人間は多かったようで、駐車場はいっぱいだった。
「だめだ、停められない。この福引券あげるから、ママが代わりに引いてきてよ」
「えっ、アタシが!?」
これは責任重大だ……。
福引きには何十回も挑戦しているが、一度たりとも当たったためしがない。これに対して、夫はくじ運がよく、何等が当たったとか、何をもらったとか、繰り返し繰り返し聞かされている。福引きは11回できるようだが、まったく当たりそうな気がしない。
「全部ハズレかもしれないけど、文句言わないでよ」
「うん」
バッグに抽選券をしまい込み、私はショッピングビルに入っていった。
カランカランカラーン。
ジャラジャラジャラ……。
4階の福引会場から、景気のいい音が聞こえてきた。長蛇の列ができていたら顔をしかめるところだが、幸いにして空いている。最後尾につくと、すぐに順番がきた。
「7番にどうぞ」
案内されて行ってみると、20代そこそこの若いお姉さんがにっこり笑いながら立っており、いい雰囲気だった。
「こんにちは。では、矢印の方向に11回、ゆっくり回してくださ~い」
「えい」
ぐるっとひと回り。
穴からポトリと落ちた玉は白かった。ハズレだ。
2回目も、3回目も白。私は、白い玉しか見たことがない。
だが、4回目は、赤い玉が飛び出してきた。
私の目の玉も飛び出しそうだった。こんな色を見るのは初めてだ!
「あっ、4等ですよ!」
お姉さんは、素早くベルを取り、左右に小刻みに振った。
カランカランカラーン。
続けて5回目を回すと、また白。一度当たったからいいやと思っていたら、6回目は黒い玉が落ちてきた。
「5等ですっ!」
カランカランカラーン。
お姉さんが、自分のことのように喜んでくれるので、こちらも気分がよかった。
残りは全部白だったが、まさか2つも当たりが出るとは思わず、現実感がなかった。地面がやけに軟らかく感じられ、雲の上を歩くような足取りで帰った。
家では夫が洗い物をして待っていた。
「ただいま」
「おかえり」
「福引きで、初めて当たった」
「へー」
5等のアニマルスポンジ。
4等の入浴用化粧品。
高価なものではないが、実用的でありがたい。
勢いで、宝くじでも買いに行けばよかったのかもしれないが、私はそうしなかった。
おそらく、ツキは私にあったのではなく、夫の抽選券にくっついていたのだ。身のほどは、十分わきまえている。
今度から、抽選券を手に入れたら、夫に持っていてもらおうっと。
↑
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※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
「今日まで、福引きやってたよね」
さすがは専業主夫。スーパーでせっせと買い物をして、福引券をためていたらしい。
しかし、同じことを考える人間は多かったようで、駐車場はいっぱいだった。
「だめだ、停められない。この福引券あげるから、ママが代わりに引いてきてよ」
「えっ、アタシが!?」
これは責任重大だ……。
福引きには何十回も挑戦しているが、一度たりとも当たったためしがない。これに対して、夫はくじ運がよく、何等が当たったとか、何をもらったとか、繰り返し繰り返し聞かされている。福引きは11回できるようだが、まったく当たりそうな気がしない。
「全部ハズレかもしれないけど、文句言わないでよ」
「うん」
バッグに抽選券をしまい込み、私はショッピングビルに入っていった。
カランカランカラーン。
ジャラジャラジャラ……。
4階の福引会場から、景気のいい音が聞こえてきた。長蛇の列ができていたら顔をしかめるところだが、幸いにして空いている。最後尾につくと、すぐに順番がきた。
「7番にどうぞ」
案内されて行ってみると、20代そこそこの若いお姉さんがにっこり笑いながら立っており、いい雰囲気だった。
「こんにちは。では、矢印の方向に11回、ゆっくり回してくださ~い」
「えい」
ぐるっとひと回り。
穴からポトリと落ちた玉は白かった。ハズレだ。
2回目も、3回目も白。私は、白い玉しか見たことがない。
だが、4回目は、赤い玉が飛び出してきた。
私の目の玉も飛び出しそうだった。こんな色を見るのは初めてだ!
「あっ、4等ですよ!」
お姉さんは、素早くベルを取り、左右に小刻みに振った。
カランカランカラーン。
続けて5回目を回すと、また白。一度当たったからいいやと思っていたら、6回目は黒い玉が落ちてきた。
「5等ですっ!」
カランカランカラーン。
お姉さんが、自分のことのように喜んでくれるので、こちらも気分がよかった。
残りは全部白だったが、まさか2つも当たりが出るとは思わず、現実感がなかった。地面がやけに軟らかく感じられ、雲の上を歩くような足取りで帰った。
家では夫が洗い物をして待っていた。
「ただいま」
「おかえり」
「福引きで、初めて当たった」
「へー」
5等のアニマルスポンジ。
4等の入浴用化粧品。
高価なものではないが、実用的でありがたい。
勢いで、宝くじでも買いに行けばよかったのかもしれないが、私はそうしなかった。
おそらく、ツキは私にあったのではなく、夫の抽選券にくっついていたのだ。身のほどは、十分わきまえている。
今度から、抽選券を手に入れたら、夫に持っていてもらおうっと。
↑
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「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
泊まったホテルの新年会(元旦に宿泊者全員で500人位)で一番ビンゴをゲットしたりロト6で数字が5個合ったりなかなkツイてますよ。(笑)
欲をかくとあたりませんね~!無欲無欲が秘訣ですよ。(笑)でもそんな事に運を使ってしまい人生はツイてませんでしたよ!(今の女房をゲットした事以外は)(笑)
友達は、おばあちゃん、お母さん、本人と、宝くじけっこう当たるらしいです。
なにが違うのでしょうね…
そんなに欲かいているかな。
4等、6等でも実用的なものが当たると嬉しいですよね。ご主人と行くと当たるのかも。
どうやらご主人は強運の持ち主のようですね。
砂希さんを手に入れたことでも十分わかります。(*^^*)ポッ
私はホールインワンをやって以来運に見放されたようです。
くじを引いた後は雲の上ならぬ幽体離脱と言ったところでしょうか~(_ _;)…パタリ
かなりの確率で当たりますね。
私の知人の中では、間違いなく純さんがくじ運ナンバーワンです。
しかし、くじ運以外のところはそうでもなかったですか。
くじに傾斜した運勢なんでしょうか。
でも、何もない人もいますから、それはそれでいいかも。
くじ運はないけど、ワタシ、悪運はあるみたい(笑)
くじ運がなくても、他の運があるんじゃないでしょうか。
きれいな花を見て、美味しいものを食べ、わくわくするような場所に旅行する人生は理想ですよ。
いやいや、他の運もあるから、あえてくじ運は必要なかったのかも。
私もくじ運ないけど、別にいいかな~(笑)
珍しく、今日から1泊で山形に行きます。
ブログにお邪魔できるかな…。
そっか、夫とは途中まで一緒でしたからね。
いずれにせよ、くじ運のいい人から、運を奪うことがくじ運アップの秘訣に見えました(笑)
おすそ分けしてもらいましょう。
そういえば、宝くじを神棚に置く人もいたっけ…。
夫は特賞などの上位賞が狙えるほど強運じゃないようです。
私も、せいぜい5等くらいだし(笑)
ホールインワン、すごいですね!
結婚前だったのでしょうか、後だったのでしょうか。
愛妻ゲットは正解だと思うのですが。
熊のスポンジは、使っているうちにもげそうです(笑)
それは、ビギナーズラックだったのかも?
でも、数うちゃ当たるといいますし。
狙うとダメなんでしょうか。
しかし、念力という言葉もありますよね。
念じ方が徹底していないといけないのかも(笑)