そのライオンの子供の生存率は意外にもわずか20%だそうです。命を落とす理由としては外敵に襲われる(ヘビや猛禽類などにも襲われることがあるようです。またバッファローなどはチャンスがあれば後の憂いを絶つためか、意識的に襲うことがあります。)またオスのライオンによる子殺しがあります。これは大型の哺乳類によく見られる、自分の遺伝子を残す手段としての行為です。
ライオンにしてもヒョウ、チーターにしても大型のネコ科の子供の生存率は極めて低いということです。
このライオンは前日もこの場所にいました。ヌーが渡ってくるのを知っていて、待ち伏せをしていたものだと思います。
この渡りに何頭のヌーがいたのか分かりませんが、何百分の1の確率で犠牲になってしまったヌーにすれば「なんたる理不尽」。生きることの不公平、理不尽。この犠牲によって他のヌーたちはこの危険を回避できることになります。
この時はこのシマウマがあまり躊躇することなく川に飛び込みました。続いて2頭のシマウマが渡り始めると一斉にヌーも川に飛び込みます。ヌーの群れの一大イベント「Crossing Mara river]」の開始です。
川にはワニが待ち構えています。この時は見える範囲で一頭のヌーが襲われ一頭のシマウマが犠牲になりました。
腐肉食者(スカベンジャー)は地球の掃除屋です。
ヌーの死体にハイエナ、ハゲワシ、ジャッカルが集まってきました。力関係はハイエナ<ハゲワシ<ジャッカル。空を飛び上空から地上の様子を見ているハゲワシは真っ先に亡骸を見つけてヌーの屍をつついておりましたが、後から来たハイエナに追い払われて近くで様子を伺っています。ジャッカルはもう少し離れてこちらも様子見。ジャッカルやハゲワシたちはハイエナの隙をみては餌を食べようとしますが、ハイエナはすかさず追い払います。
ハイエナが強力なあごで骨を噛み砕く 「カリッカリッ」という音が草原に響いていました。
下の画はシマウマの死体に群れるハゲワシです。
目を閉じるのは視界を遮断して「触れ合う」感覚に集中できるということでしょうか。それとも「触れ合う」という「幸せ」が目を閉じさせるのでしょうか。
動物を見ていると家族や仲間で触れ合う時によく目を閉じるような気がします。
確かに集中したいときに視覚が邪魔になる時があります。身近なものでは音楽を聴く時、などでしょうか。
「触れ合う」ということの重要性を感じさせてくれるライオンの親子です。
ケニアの写真はちょっと休んで、新しいレンズが届いたので、まずはカメラにセットして・・・
何を撮る?
となって「お庭」から夕焼けの残る空で月。
カメラ:Sony7RM3
レンズ:Sony:FE200-600G
絞り F6.3
シャッタースピード 1/800
ISO800
露出補正 -3.0EV
焦点距離 600mm
そのままで三脚を使わず手持ち撮影。
下の画は60%くらいのトリミング。
この画が良く写っているのか、そうでもないのか、自分の中に蓄積された経験知識が無いので判断ができませんが・・
どうでしょうか。
腐肉食者です。
ここケニア でも問題になっているハゲワシの毒殺。それは肉食獣と人間との軋轢(家畜の被害)や密猟者がハゲワシの飛翔で存在が露見してしまうことへの対処(密猟者が狩ったゾウなどに毒を仕込む)などが原因です。
ハゲワシの数は急激に減っています。アフリカ11種のハゲワシのうち4種が絶滅危惧種レッドリスト1A(ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの)。
ハゲワシのイメージは決していいものではありません。人間社会の利権に群れるハゲワシのような奴とか、汚れた所を好むイメージがあります。ところがハゲワシは伝染病などの蔓延を防ぎ、自然環境を清潔に保つ重要な役割を担っています。ハゲワシなどの腐肉食者がいなくなれば地球は大変なことになるのは目に見えています。「かわいい」と思うものの危機には人間は敏感ですが「可愛くない」と思うものには冷淡なのではないかと思えてしまいます。
ハゲワシを好きだという人はあまりいないかもしれませんが「愛すべき生き物」のひとつだと認識してほしいものです。
別の猛禽「ブラックブレストスネークイーグル」
別の猛禽。名前は分かりませんが小型の猛禽です。ノスリとかチョウゲンボウとかの仲間でしょうか。
自然を撮影するときに朝焼け夕焼けのわずかな時間は「神の時間」と言っていいほど撮影者にとっては夢中になる時間です。刻一刻と色や光が変化して行きます。自然の美しさダイナミックさを余分なものを取り去って、赤から青のグラデーションの中に表現できる時間です。
ところが人の目とカメラの目はまったく別のもの。人の目は見たくないものを消してくれたり、脳の中を通過させることで見ているものを都合よく映し出してくれます。この点で写真は人の目で見ているような画像は写し撮れません。それでも写真の利点はあります。目で見えていないものを見せてくれますし、見たくないものを除外してくれます(四角く切り取るので、四角く切り取られた写真の周りは何があっても写りません)。
また撮影者以外の人にも映像としてみてもらうことができます。これを意識した時に撮影者の意図が写真に反映され、ひいては撮影者自身が映り込む羽目になるわけです(恐ろしいことですが)。
朝焼け夕焼けの景色はそれだけでアドバンテージを頂けます。だって綺麗ですから。その上に何をどう切り取ってプラスさせるか・・なのですが・・・
朝焼けのヌー。